ソディック、積層造形機を10年ぶり刷新
ソディックは切削機能を搭載した精密複合金属積層造形(AM)機を10年ぶりに刷新する。造形する金属粉末材料ごとに付属ユニットを付け替えるアタッチメント方式で、材料を2時間以内に入れ替えられる独自機能を搭載する。従来は材料の入れ替えに2日程度かかっていたが、アルミニウムやチタンなどステンレス鋼以外の材料も容易に試せるようにする。金属AM機の活用の幅を広げ、受注の拡大につなげる。
敷き詰めた粉末材料をレーザーで溶融して造形するパウダーベッド方式の複合金属AM機「OPM250L+」を開発し、11月に発売する。価格はオープン。国内外で年5台の販売を目指す。
AM機への金属粉末材料の自動供給、造形後に残った材料の自動回収、回収した材料を再供給するため自動でふるいにかける三つの機能を組み合わせたユニット「MRS(マテリアル・リサイクル・システム)」を新たに搭載する。材料ごとにMRSを付け替えることで、2時間以内に材料の入れ替え作業を完了できる。同社複合金属AM機でのMRSの搭載は初めて。
現行機は材料入れ替えのため配管など流路に残る金属粉末をきれいに取り除く必要がある。そのため専門の保守業者に依頼し、2日程度かけて清掃するのが一般的という。
MRSは切削機能のない同社製金属AM機「LPM」シリーズで既に提供しており、同シリーズの同サイズの機種と共有できる。
OPM250L+は主軸の駆動軸など主な制御軸にリニアモーターを採用する。AM後の基準面を高速高精度にミーリング加工するなど、精度の高い加工対象物(ワーク)を効率的に造形できる。
黎明(れいめい)期の金属AM機は粉末材料を含め用途を模索している段階と言われる。ソディックは使いやすさを向上し、金属AM機の裾野の拡大につなげていく。