ソディック、精密小物部品に照準 新型射出成形機、薄肉・軽量化対応
ソディックは精密小物部品向け射出成形機を開発した。独自の射出機構の採用などにより、高い精度と応答性を実現した。成形条件を最適化する運転モードも設定し、機械全体の消費電力を同社従来製品と比べ最大約11%低減できる。成形領域の拡大で薄肉化や軽量化といった要求に応え、電子、光学、医療機器などの部品需要を取り込む。
新型機「LP―EH4シリーズ」を昨年11に発売開始。最大型締め力10トンと同20トンの2機種をそろえた。
材料を溶かす機構と、金型に樹脂を流し込む機構を分離した独自構造「V―ライン」を採用し、正確で再現性の高い成形を実現した。また型締め時の金型面圧分布と熱膨張による伸縮が均等になるシンメトリック機構も採用。成形品の中心からのずれを抑えながら俊敏な成形が可能となり、歩留まり率の向上と高い生産性を両立した。
19インチの大型操作画面を搭載して視認性を高め、タッチパネル上で目的の波形を指先で拡大するなどの操作も可能にした。部品ごとに成形している環境や条件を管理するシステムも構築でき、デジタル変革(DX)を活用した生産体制にも柔軟に対応する。
成形時に設定する型締め力や射出圧力といった条件が、機械に備わる能力より低い場合、消費電力を抑えて運転するモードを選べる機能も設けた。また、射出成形機の国際安全規格「ISO20430」にも準拠する。