ソミックトランスフォーメーション、作業支援ロボ顧客開拓
ソミックトランスフォーメーション(浜松市中央区、共同代表取締役=石川彰吾氏、大倉正幸氏)は、作業支援ロボット「SUPPOT(サポット)」の工場への導入提案を強化する。このほどグループ会社のソミック石川(同区)で自動車足回り部品「タイロッド」を製造する古川工場(同)に導入し、9台の運用を始めた。グループ会社における運用ノウハウを生かし、自動車産業を中心に多様な業界の顧客を開拓する。
古川工場では2次元(2D)地図による自動運転機能を工場内の運搬業務に活用する。従来は人が運転するけん引車で行っていた台車の運搬業務を一部自動化した。工場内では機械加工や塗装など異なる工程間の素材搬送や、加工が終了した製品の回収などを行う。自動運転で台車を運び、部品置き場の「ストア」や加工機に向かう。作業者は運転の必要がなく、停止位置に先回りして積み降ろしを行えるようになった。運転者が不要になる上、乗り降りの手間がなくなった。
現場ではSUPPOTを運用できるように作業を見直した結果、加工機と台車間のトレー交換に「からくり」を自主的に導入するなどの改善効果も出てきている。現状では一つの生産部署単位での導入だが、会社全体への展開を検討する。
ソミックトランスフォーメーションはソミック石川古川工場への提案に当たり、現場の意見を収集し、停止場所の設定やリモコンでスタートできる機能などを追加した。機体にもバンパーセンサーの採用などの改良を加えた。これらはオプションとして設定する方針だ。
これまでSUPPOTはリモコン操作や追従機能による建設・工事現場への提案に注力していた。今後はこれらに加え、自動運転機能を生かせる工場関連分野や物流倉庫などを主要な市場に位置付ける。