スギノマシン、ギガキャスト部品加工専用6軸機
スギノマシンは、自動車の構造部品をアルミニウム鋳造で一体成形する「ギガキャスト」向けに、穴開けやネジ立てなどの加工を施す専用機を開発し、この春に市場投入する。最大6本の主軸を持つ大型部品加工機とロボットアームを組み合わせ、大物部品の加工を効率的に行えるようにする。電気自動車(EV)では軽量化などを目的にギガキャスト部品の採用が拡大する見込みで、専用機の投入によりEV市場で攻勢をかける。
スギノマシンは昨年7月に、大物の加工対象物(ワーク)を最大6軸で同時加工できる大型部品加工機「ギガフィーダ」を発売した。同機はワークを縦置きして水平方向に加工するため、電池ケースなど直線で構成する部品との親和性が高い。ただ、EVのギガキャスト部品では曲線部分も多く、斜め方向から加工したいというニーズが高まっていた。
そこでロボットアームの先端に小型の穴開け・ネジ立てマシンを組み付け、斜め方向の加工を可能にするユニットをギガフィーダの内部に設置。これにより1台で水平方向と斜め方向の一体加工が可能になる。
ギガフィーダは車載電池関連の企業から引き合いが高まっているといい、新型機の投入で完成車メーカーの深耕につなげる。足元で年20台の販売目標を掲げるが、新型機の訴求で計画の上積みに弾みを付ける。
スギノマシンにとって自動車分野は総売上高の6割を占める重要市場。EVをめぐっては車体コストの低減などを目的にギガキャスト部品の導入が広がっている。急拡大する自動車の電動化に迅速に対応し、次世代車両向けでも競争力を高める狙いだ。