スター精機、体験工房で最適なチャック製作を支援
加工物をつかんだり、持ち上げたりするロボットハンドは作業の効率化に影響する大切な機構だ。射出成形機用取り出しロボットなどを手がけるスター精機は、ロボットハンド用パーツを装着するチャック製作を体験できる工房を本社に設置。ロボットメーカーとして培った知見を生かし、ユーザーの要望に応じて最適なチャックの製作をサポートしている。
2007年にロボットハンド用パーツを取り扱う専門部署「eins(アインツ)事業部」を設置。吸着パッドなど約1400点の部品を常時在庫しパーツ販売のほか、活用方法などの情報を発信している。
各種パーツを装着するハンドフレーム「ジャングルジムシリーズ」はヒット商品の一つ。薄肉ステンレス製パイプとパーツを取り付ける接続コネクターなどを組み合わせたフレームで、剛性を確保しつつ軽量化を実現。部品の位置調整、取り外しが容易で多様な使い方ができるのが特徴だ。このほか、ハンドをロボットに自動で脱着できるツールチェンジャーは、段取り替え時間を短縮し、効率化を支えている。
ロボットハンドは加工物の重さ、形状などに合わせて都度製作することが多い。製作にかかる手間やコストの軽減に貢献しようと、本社に設けたのが「チャック工房」だ。
ハンド製作に必要な工具、治具を備えており、部品選定から設計図の作成、組み立てまでを同社社員が教える。「適切な仕様でないと生産効率に影響するだけに、ユーザーの要望をよく理解することが大切」と細かなノウハウを提供している。予約制で利用は無料。名古屋市など近郊から週2―3社が利用している。