スター精密、自動旋盤の加工時間見積もりソフト 作成時間7割削減
スター精密は自動車部品などの加工時間見積もり支援ソフトを開発し、全国の営業拠点で試験運用を始めた。見積もり作成時間の最大70%削減を目指す。主力のスイス型(主軸移動型)旋盤のうち、クシ刃型刃物台の採用機種を対象に運用し、顧客に同旋盤の導入を促すビフォアサービスとして活用する。新規事業領域として掲げる製造現場のデジタル変革(DX)支援の一環として、5年後をめどに外販を目指す。
加工時間見積もりはスイス型自動旋盤のユーザーの自動車部品メーカーなどに提出する見積もりの一つ。部品形状などの加工条件に基づいて算出し、正確で迅速な対応が求められる。従来、スター精密では営業技術担当者が図面を見ながら手作業で作成していた。
図面のデータを入力するまでは従来と同じだが、同支援ソフトを使えば、営業担当者でも簡単に加工時間を算出し、見積もり作成を迅速化できる。加工難易度が高い部品の場合は、営業技術担当者が対応する。
試験運用は、主力機種の一つでクシ刃刃物台を採用した「SB―20」を軸に始めた。3年程度かけて各種運用データを蓄積し、外販開始に備える。さらに、タレット型刃物台採用機種にも運用範囲を拡大する。
スター精密は自動旋盤の工作機械事業と、小型プリンターなどの特機事業に続く第3の柱となる新規事業の開発に取り組んでいる。その一つとして物流、店舗、製造向けDXの事業領域を設定し、商品・サービスの開発を推進しており、同事業領域で2024年に売上高30億円を目指す。