TANOI、歯科・車向け精密部品のバリ取り自動化 月産3倍の1万個体制に
TANOIは、歯科機器部品や自動車向け精密部品の生産を効率化する。年内に電解バリ取り機を初めて導入し、これまで人手に頼っていた円筒形部品のバリ取りを自動化する。同部品の生産能力を現行の月産約3000個から同1万個超に高める。量産体制を強化し受注増を狙う。
約1800万円を投じ、本社工場にアクリテック製の電解バリ取り装置を2台導入する。同装置は加工対象物(ワーク)を治具電極に固定して電解液に浸し、電解現象を制御することで厚さが0・05ミリメートルほどの微細なバリを短時間で取り除く。
円筒形部品の交差穴や内面段付き部などに生じるバリの除去に活用する。TANOIで治具を内製し、1回で最大5個の部品のバリを約20秒で除去できるようにする。
現在、精密部品は本社工場とベトナム拠点で量産し、仕上げ加工は本社工場で行っている。微細なバリの除去は特別な技術が必要で継承が難しく、人手による作業時間は部品1個当たり1分ほど要していた。
田野井社長は「社内で仕上げ加工ができる技術者は少ない。後工程で問題が起きると量産が止まるリスクがあった」と明かす。導入後は複数の部品形状に対応するための治具を製作し、多台持ちで運用するなど生産性向上に取り組む。