トップ機械・ロボット・航空機2記事詳細 切削工具「直送」で成長 トラスコ中山、新物流拠点を活用
トラスコ中山は切削工具などの工業用副資材の販売で、最終顧客への直送体制を強化する。2031年度に売上高で24年度比約70%増の5000億円を目標とし、直送で全体の約3割を占める考えだ。ルート別ではeビジネスルートが増大傾向にあり、主力の機械工具商ルートでも集中購買、コスト削減のニーズが高まる。26年5月に愛知県北名古屋市で稼働する物流センター「プラネット愛知」など自社拠点の活用が成長の試金石となる。
トラスコ中山は卸販売業で最終顧客に直販はしていない。工作機械などは扱わず、作業用品や環境安全用品などの消耗品に特化する。即納性を強みに、デジタル変革(DX)との掛け合わせで「工業用副資材のプラットフォーマー」を指向する。
同社は国内市場を深掘りし、31年度での売上高5000億円に向け年平均300億円ずつ積み増す構えだ。注力するのがネット通販企業などのeビジネスルートで、ルート別売上高比率は24年度に約23%だが「10年以内には(機械工具商など)ファクトリールートの売上高と肩を並べるだろう」(経営企画部)とみる。
eビジネスは日常に浸透し始め、即納性と相性が良い。武器となるのが最終顧客への直送体制。24年度の直送個口数は約625万個、売上高は約372億円だったが、31年度には直送個口数を2690万個、売上高を1500億円まで伸ばす。
ここにきて社会環境の変化による集中購買、コスト削減志向から直送ニーズが高まっている。物流拠点で複数個を荷合わせすれば環境やコスト、効率の面で利点が大きい。そこで物流やデジタルなどの大型投資が必要だ。
トラスコ中山が半年後に稼働させるプラネット愛知は、延べ床面積が約8万8600平方メートルで総工費300億円。現在同社最大のプラネット埼玉(埼玉県幸手市)の2倍超の広さで高速自動梱包出荷ライン4本を備えた。
在庫保有数は100万アイテムを目指し、年間出荷金額は最大1000億円を見込む。
さらに26年8月にも新潟県三条市で「プラネット新潟」を稼働させる。延べ床面積は4万8338平方メートルで、在庫保有数は16万アイテムを計画。投資総額は約182億円。両拠点とも災害時の事業継続を考慮して免震構造とした。
一般にネット通販企業も物流センターを使うが、トラスコ中山のセンターは自前で運用し、在庫も豊富。自社便も多いため、ドライバー不足など物流課題への対応が容易という。顧客の生産を止めない同社の即納性は、“本領発揮”の時を迎えた。
