ダイハツ、VOC排出65%減 塗装・組み立てライン新設
ダイハツ工業は、2022年に京都工場内に完成予定の新工場棟に、最新の塗装と組み立てラインを導入する。塗装工程は水性塗料に対応し、車1台当たりの生産で排出する揮発性有機化合物(VOC)の量を従来比65%減らす。組み立てはロボットを活用した自動化技術などを取り入れる。塗装・組み立て工程の生産コストを現状比20%以上低減し、ダイハツで最も生産効率の高いラインを目指す。
京都工場は「プロボックス」などトヨタ自動車向けの商用車から、軽自動車まで生産できる。新工場棟は新しい塗装と組み立てのラインを導入する計画で、18年9月に着工済み。新棟の延べ床面積は約4万2000平方メートルで、京都工場全体では14万1000平方メートルとなる。総投資額は約350億円としている。
水性塗料に対応するのは大分工場に続いて2カ所目。トヨタ自動車の技術も取り入れて、塗装ブースの構造や塗装方法を工夫し、高効率化を図る。溶剤ベースの塗料を使う従来ラインよりVOC排出量を大幅に減らすほか、二酸化炭素(CO2)排出量は15年比で約6割減らす計画。
組み立てラインは滋賀工場で採用している軽自動車からBセグメントの小型車まで対応できる汎用性の高いラインを進化させる。IoT(モノのインターネット)技術、ロボット、工場で内製する自動化設備も活用する。
塗装と組み立ての工程では、軽自動車に特化して生産効率を追求してきた大分工場を上回る、同社最高の生産効率を目指す。