ワイヤープラス、加工液を水性に切り替え 作業環境改善
ワイヤープラスは、工場内で使用する加工液を従来の油性から水性に切り替え、オイルレスの生産体制を整えた。ワイヤ加工を手がける同社が保有する切断機や転造機などに、アルカリ電解水を主とする金属加工液を導入。工場内のオイルミストがなくなり作業環境を改善したほか、洗浄工程を簡素化できたことで生産性向上も実現した。
導入したのは、日本フルードシステムの電解水専用加工液「OilWater」。ワイヤープラスの加工現場では女性従業員が多く、作業環境改善のため今回の全面切り替えを決めた。
防腐剤を使わないため人体への影響が少ない上に、オイルミストが発生しないことで衣類や髪に切削油のにおいが付くこともない。加工後の脱脂工程も省けることから生産効率化にもつなげられた。
同社は自動車や医療、弱電向けの金属ワイヤ加工と販売がメーン。水性金属加工液への切り替えにより、加工に使用する油にも規制がある医療用などで受注できる製品領域の拡大を見込む。
また、水道水からアルカリ電解水を製造する装置も日本フルードシステムから購入し、水性金属加工液を内製化した。同社からの生産委託も受け、自社用だけでなく外販用の加工液製造も始めた。
ワイヤープラスでは作業環境の改善だけでなく、子育て世代の女性が働きやすいように、働く時間は個人が自由に設定できる。今後も“人にやさしい会社”作りを進める。