西村製作所、汎用MCで曲面鏡面加工 光学部品などに提案
西村製作所(大阪市平野区)は、3軸の汎用マシニングセンター(MC)を使ってアルミニウムなどの柔らかい金属の曲面に鏡面加工する技術を開発し、受注活動を始めた。切削後の研磨加工が必要なく、低コスト、短納期を実現。直径50ミリメートル程度の円形ワークの場合で、加工コストを2分の1から3分の1程度に抑えられるとしている。同社では平面に加えて、曲面の鏡面加工も実現したことで幅広いニーズに対応。自由形状での鏡面加工技術の開発も目指す。
西村製作所では直径250ミリ―300ミリメートルの円形のアルミニウムに凹型の曲面を加工した。電波を集波するデバイスとして受注したもので、今後追加の納入も決まっているという。汎用MCで切削加工した後、特殊なボールエンドミルを使用して研磨加工を施した。アルミニウムや銅、真ちゅうなど柔らかい金属は研磨が難しく、鏡面加工には高価な専用機か、手磨きが必要となることが多かった。
汎用MCによる鏡面加工では、既に同社は平面加工で独自工法「SABA加工」を展開。ただ平面加工に限られる用途は多くなく、曲面対応へのニーズが多く寄せられていたという。同社では専用のボールエンドミル開発と加工条件出しにより曲面の鏡面加工を実現。「ボールSABA加工」として事業展開し、光学部品など精密な加工が必要な分野へ提案していく。