旋盤チャックの爪自動交換 北川鉄工所、専用ハンド開発
北川鉄工所は主力の旋盤用パワーチャックで、加工対象物(ワーク)を把持するジョー(爪)の交換を自動化するシステムを開発した。
旋盤へのワーク着脱を行うロボットが、ハンドを新開発の専用品に持ち変えることでジョー交換を自動化し、段取り替えの工数を低減できる。専用ハンド単体の価格は消費税抜きで360万円。2025年3月期に12件の販売を目指す。
開発したシステム「BR―AJC」では、ジョーを把持するグリッパーにナットランナーを組み合わせた専用ハンドを開発した。新旧ジョーの着脱やネジの締め緩めをこなす。
ほかにもジョーのストッカーや、ワーク搬送用のロボットハンド、多関節ロボットとの締結部(ハンドチェンジャー)などを提供。ロボットは各メーカー製に対応しており、システム開発業者(SIer)や客先の生産技術部門がシステム化を担う。
対象となるチャックは主力の高精度チャック「BRシリーズ」。ジョーのガタつきを抑える新機構で、従来はジョー交換のたびに必要だった成形加工を不要にできる。またジョーの差し込み位置を固定できる専用部品を開発し、自動化に対応した。
ジョー交換に要する時間は1個当たり1分。交換がより速い専用チャックもあるが高価で旋盤の改造が必要となる。手頃な価格の標準品をベースに、部品を段階的に追加導入することで完全自動化まで可能なことから、より導入しやすいとみている。