村田機械、新型ターニングセンター Y軸搭載の正面型を開発
村田機械は刃物台を上下に動かし、従来品と比べてより複雑な複合加工ができるY軸機能を載せた正面型コンピューター数値制御(CNC)ターニングセンター「MWR120」を開発した。人手不足を背景に多品種少量生産の現場で高まる工程集約化や自動化、省人化ニーズに応える。ロボットや産業機械、建材向けといった多様な部品を生産する町工場などをターゲットに10月から受注活動を始める。
ボリュームゾーンのチャックサイズ6インチ・8インチクラスでY軸機能搭載は業界初。消費税込みの価格は2150万円。月6台の販売を目指す。
村田機械は大量生産の自動車部品加工向け工作機械を得意とする。近年は非自動車部品分野の新規顧客開拓にも積極的で、新製品で弾みをつける。
ターニングセンターは旋盤加工とマシニング加工を1台で担う。同社は加工対象物(ワーク)の搬入出を自動化するガントリーローダーと合わせて顧客に提案する。
平行配置した同一能力の2主軸・2タレット搭載の正面型旋盤が新製品のベース。占有床面積は幅2490ミリ×奥行き1800ミリメートルで、旋盤とマシニングセンターが別々の場合と比べ半分以下。工程集約と自動化で生産性を高める。
刃物台がY軸機能で上下に動き、主軸はX軸(左右)とZ軸(前後)に駆動。従来品で難しかったワーク端面の偏芯位置への穴開けなどが行える。従来品は主軸が固定で、刃物台のみX軸とZ軸に動く構造だった。
新構造でギアボックスを介さずに回転工具と回転工具用モーターの直結も可能となり、ノイズを大幅低減。同モーターのエネルギー伝達効率も向上した。