ユアサ商事、AI外観検査装置を金属製品に応用
ユアサ商事は良品の特徴をAI(人工知能)で学習することで導入しやすくした外観検査装置を拡充する。同社を含む4社でシャフトなどの金属製品向けAI外観検査装置を共同開発した。
カメラなど検査に必要な機能をパッケージ化した同装置を製造ラインに設置するだけで、最短5分でAIを生成して検査を開始できる。検査と同時に最大100カ所の寸法測定も可能で、全数検査や省人化といった需要に対応する。
ユアサ商事は、コネクトーム・デザイン(東京都千代田区)や山洋電気、ティーアイジー(長野県上田市)と共同で、金属製品向けAI外観検査装置「F[ai]ND OUT(ファインド・アウト)シリーズ MEX TYPE―S」を開発した。
シャフトなどの検査対象物(ワーク)を同装置に設置すると、ワークを回転しながら全周を自動で撮像する。同様に数十本程ワークを撮像すると良品の特徴を学習したAIを生成でき、キズや切粉などの不良の判定が可能になる。不良品登録の負担を減らし、導入しやすくした。
検査では良否判定と同時に、画像から直径など最大100カ所の寸法を測定できる。良否判定の基準「しきい値」を自ら設定でき、現場に合わせて検査精度を作り込める。別のワークでAIを生成すれば、検査品目の追加設定も可能。治具費用などを除いた消費税抜きの価格は1600万円。初年度10セットの販売を目指す。
自動車業界などでは全数検査が求められ、現場の負担が増している。一方、習熟が必要な検査作業は人手が不足し、省人化や自動化の需要が高まっているという。
ユアサ商事は2023年にコネクトーム・デザインと煎餅などの食品向けを中心にAI外見検査装置を開発して発売した。良品を学習するAI検査の仕組みを金属製品にも応用。シャフトを皮切りに他の金属部品向けにも同装置を順次開発して需要を取り込む。