ユアサ商事、切削液供給を最適化 ポンプ制御ソフト発売
ユアサ商事はマシニングセンター(MC)による加工時に、切削液を供給するクーラント装置のポンプを制御して使用電力量を削減するソフトウエア「GCCP」を発売した。切りくずの量に応じて必要な時だけクーラント液を吐出するように制御し、ポンプの稼働を効率化できる。小型MCでの実証では、1台当たりの電気代を最大で年間約41%削減できたという。消費税抜きの価格はMC1台当たり19万8000円。年間300台への導入を目指す。
クーラント装置はベッド洗浄用、切削・主軸洗浄用などのポンプを備えている。ユアサ商事によると、機械加工時の使用電力量のうち、同装置全体の使用量で最大6割以上を占めるケースもあるという。
加工現場の二酸化炭素(CO2)削減に向け、同装置の使用電力量削減がカギの一つと捉え、ポンプ稼働の最適制御に着目し、今回のソフト開発に取り組んだ。
ポンプの制御は数値制御(NC)装置の画面を使い、容易に設定可能。切りくず量を少・中・多の3種類の中から選び、自動で一括制御できる。例えば、切りくず量が「中」の場合、加工中はベッド洗浄用ポンプの運転を停止するように制御をかける。また、ツールごとに切りくず量を設定して制御することも可能。
同ソフトは約1年半前から自動車部品加工を中心にフィールドテストを実施し、使用電力量の削減効果を確認してきた。
現時点でファナック製小型切削加工機「ロボドリルα―DiBシリーズ」に対応しており、今後も対応機種を広げる計画だ。