ユーベック、小型MC用高圧ノズル開発 刃具の劣化抑制
ユーベックは、小型マシニングセンター(MC)での加工時にノズル径1ミリメートルで、毎分40リットルのクーラント液を15メガパスカル(メガは100万)の高圧で吐出するクリーンジェットノズルを開発した。点検や清掃の負担軽減のほか、工具が従来比2倍以上に長寿命化するという。自社製の精密濾過装置と組み合わせたシステムとして販売する。
30番、40番主軸の小型MCが対象。小型MC30―50台が連結した集中クーラントの場合、配管工事別で精密濾過装置本体の消費税抜きの価格が5000万円程度。自動車部品メーカーなどに年間10システムの販売を目指す。
高流速、大流量のクーラント液を、刃具先がワーク(加工対象物)に接する「逃げ面」に当てることで摩擦熱が蓄積しにくくなり、刃具の長寿命化につながる。少量のエアで吹き流しながら刃具に当て、高効率切削加工と同時に洗浄機と同等レベルで切りくずを除去する。
ユーベックによると、小型MCを30―40台連結して使用すると電気代を約50%削減できるという。MC内部で使う治具やロボットなどにスラッジが付着せず、短時間の設備停止(チョコ停)を防げる。
同社の精密濾過装置は独自の精密フィルターを使用し、クーラント液を新液同等に長期間維持する。フィルター交換やタンク清掃、液交換は5年以上不要という。既存の配管やホースを利用でき、使用するMCの機種が異なっても集中クーラント方式により切りくず回収、給液、濃度管理が不要になり、生産現場の負担軽減にもつなげられる。