中国鍛圧機械、日本で攻勢 レーザー加工軸に提案加速
中国の鍛圧機械各社が日本市場で攻勢をかける。東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「MF―TOKYO2023」では特にレーザー加工機で、豊富な納入実績や圧倒的な量産効果による価格競争力を強みに提案を積極化している。
日本に加工検証施設を設けてサービスにも力を入れる。背景には二酸化炭素(CO2)からファイバーレーザーが主流になるレーザー加工機市場の構造変化もある。
「日欧のファイバーレーザー加工機と比べて価格を半分以下に抑えている」。日本ボーダーレーザーは価格競争力に自信を示す。
親会社の中国山東省のボーダーレーザーは、切断用レーザー加工機の2022年の世界販売台数が前年比18・6%増の6156台。出力1キロワット以上の同加工機の販売台数は世界一という。品ぞろえはレーザー出力1キロ―50キロワットと豊富で、年約3000台を納める中国市場での納入実績などから、江頭アドバイザーは「性能や信頼性も日欧メーカーと遜色はない」と強調する。日本では約10社の販売代理店を通じ年約数十台を販売する。
HSGエンジニアリング(川崎市中原区)は22年9月に川崎市に「実証加工センター」を設立し、加工品質を検証する体制を構築した。企画開発の担当者を配置し、日本市場に合わせて製品仕様を変える体制も整備。保守部品を在庫して専任の担当者も配置した。
親会社は加工機大手のHSGレーザー(中国広東省)。レーザー加工機の月産台数は700台と世界有数の規模を持つ。日本では小型機やパイプ用のレーザー加工機、溶接機を中心に販売。定価は日本メーカーの約半分で、杉山明彦副社長は「日本市場に合わせたサービス体制で対応していく」と自信を示す。
済南森峰レーザー科学技術(中国山東省)は、日本法人の開設を検討する。強みは最大20キロワットの高出力レーザー。アジア地域の営業責任者の李錫龍氏は「加工性能は日本企業とあまり変わらない」とした。価格は日本企業の同等の性能の製品の3分の2に抑え、こちらも差別化要因だ。