ー森精機ー不具合予兆検知、稼働停止を低減
「機械学習で工作機械の不具合の予兆を検知するサービスを始めた」。DMG森精機子会社でソフトウエア販売などを手がけるテクニウムのブルーメンシュテンゲル健太郎社長は、DXによる稼働停止時間(ダウンタイム)の削減に力を入れる。
DMG森精機の別の子会社のWALC(東京都渋谷区)が開発したサービスで、モーターの電流値などを人工知能(AI)で学習し、主軸や送り軸の摩耗による不具合の予兆を検知する。DMG森精機製の複合加工機では、同サービスで計画的に軸を保全し、ダウンタイムを従来比5分の1となる1日に減らした。
またボールネジでは、構成部品のベアリング(軸受)の負荷をAIで監視して不具合を早期に検出することで、部品の交換コストを削減した。これまで軸受の異常に気がつかずボールネジそのものが故障してから交換するケースがあった。ブルーメンシュテンゲル社長は「一つの部品の不具合の予兆を検知できれば、他の部品への影響を最小限に押さえ込める」と強調する。
DMG森精機はDXで工程集約や自動化を進め、グリーン・トランスフォーメーション(GX)を実現する「マシニング・トランスフォーメーション(MX)」の提案に力を入れる。WALCのサービスはDMG森精機の工作機械に関連キットを取り付けるだけで、専用のクラウド環境を通じて簡単に利用できる。ブルーメンシュテンゲル社長はDXで工程集約や自動化を進めた加工工程のダウンタイム削減を支援し、「顧客の機械の稼働率や生産性向上に貢献したい」と意気込む。
提供元: DMG森精機(株)