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- 2023年3月1日
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住友電気工業は切りくず処理と加工安定性が高い切削工具のインサート(刃先交換チップ)「微小切削用ポジティブG級チップブレーカ『FF型ブレーカ』」を発売した。消費税抜きの価格は同社従来品と同じに設定し、標準品種の「DCGT11T302MN―FF(AC1030U)」が2750円。
突起やポケット形状など微小切削に最適化した形状設計で、特に切り込み0・5ミリメートル以下での切りくず処理性を向上した。切りくず処理が不安定になりやすい切り込み変動加工でも、切りくず処理の能力を上げた。自動旋盤の小径精密部品加工に多いならい加工やテーパー加工の安定性を増す。販売計画は初年度9000万円、2年後に年2億7000万円。
- 2023年3月1日
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- 2023年2月27日
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スズキは北海道苫小牧市に4輪車の純正部品・用品の供給拠点となる広域部品センター「スズキ部品センター苫小牧」を新設、稼働を始めた。同拠点を含め、広域部品センターは国内6カ所の体制となる。
これまで直営代理店のスズキ自販北海道が運営するパーツセンター北海道が役割を担ってきた。新たに苫小牧の拠点を設けることで、部品・用品の在庫点数を増加でき、代理店や販売店への即納性が高まる。
静岡県湖西市にある部品工場から同センター苫小牧までの輸送は約8割が海上輸送となり、モーダルシフトによる二酸化炭素(CO2)排出の削減にもつながる。
また、同センター苫小牧の同じ建物内に、新車の納車整備を行う「スズキ納整センター苫小牧」も移転し、稼働を開始。納車整備能力や車両保管能力を増強する。
- 2023年2月27日
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- 2023年2月24日
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コガネイは、2021年にロボットを使って工場自動化(FA)の課題に対応する専門部署を新設した。自社開発のハンドリングツールやオートハンドチェンジャー、アダプター、誤差吸収ユニットといった豊富なロボット用製品を組み合わせたソリューションを構築。顧客の生産効率の向上や省力化につながるシステム提案に力を入れている。
小型ロボット向け製品で新たに投入するのが真空ポンプユニット「EVPシリーズ」だ。ロボットアームに搭載し、加工対象物(ワーク)を真空吸着して搬送するために使う。本体に正負圧ポンプ、圧力センサー、切り替え用バルブを一体化した。ポンプを内蔵しているため、外付けの真空ポンプや配管が不要になる。
エア供給のためのコンプレッサーも必要なくなり、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)への貢献を訴求する。接続用のロボットアダプターは国際規格のISOに対応した4種類を用意し、ハンドツールの着脱を容易にできるようにした。
FA機器・ロボットといった自動化装置のネットワーク・IoT(モノのインターネット)化が進む中、同社もネットワークシステム機器に参入した。装置末端の電気信号を集約して上位システムとの通信を可能にする新製品の「I/Oターミナル」を投入。自社製品の電磁弁にリモートI/O(入出力)機能を追加した。接続機器は自社製品の圧力スイッチ、シリンダーセンサースイッチなどに対応可能で、IoT化に向けた製品を増やす計画。
自社製品群と上位システムをつなぐネットワークシステム機器を投入する意義について冨田英樹執行役員は「生産現場の省人化の流れは加速度を増す。トータルソリューションを提供することで、現場の作業性向上に貢献でき、顧客への訴求力が高まる」と強調。自動化対応の課題解決に向け、製品の拡充を着実に進めていく。
- 2023年2月24日
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- 2023年2月23日
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日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した1月の新車販売台数は、前年同月比16・0%増の38万2338台と5カ月連続のプラスになった。半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大などで低水準だった2022年1月からの反動増で、特に軽自動車の回復が目立った。
登録車は同10・8%増の22万9497台と2カ月ぶりのプラス。特に普通乗用車は同19・5%増の12万9068台で、1月としては1968年の統計開始以降で上から2番目の水準となった。ブランド別では、トヨタ自動車やマツダなど5ブランドが前年同月と比べ増加した。貨物車は同8・0%増の2万6705台。いすゞ自動車が同48・1%増の4121台と大幅に伸びた。
軽自動車は同24・7%増の15万2841台と5カ月連続のプラスとなった。車種別では乗用車が同29・9%増の11万7615台。メーカー別では8銘柄中の6銘柄が前年実績を上回った。
日産自動車はワゴン型の軽「ルークス」の台数増が貢献し、同2・1倍の1万7790台と大幅に伸びた。
貨物車は同9・9%増の3万5226台となった。うちボンネットバンは、同57・7%増の4390台と好調だった。
- 2023年2月23日
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- 2023年2月22日
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ゴードーソリューションは、工作機械の稼働監視システム「ナスカ・ネオ・リンカ」にカメラ映像による監視機能を追加し、発売開始した。機械の稼働状態などをリアルタイムの映像だけでなく録画でも確認できる。新機能の価格はカメラシステムはオープンだが、ソフトウエアが43万5600円(消費税込み)、年間保守・サポート料が4万3560円(同)。
新機能はシステム・ケイのネットワークカメラ映像管理システムと連携する。機械や作業者の状況を映像で遠隔からリアルタイムに確認できる。稼働停止などのアラーム発生時に該当する録画映像を表示でき、改善に生かせる。今後、映像の人工知能(AI)解析が得意なシステム・ケイの強みを生かし、作業者の顔認証による工数情報の取得といった、新たなソリューションの展開も視野に入れる。
ナスカ・ネオ・リンカは機械の稼働時間、作業者の工数などの情報を自動で取得してまとめ、手軽にウェブ上から確認可能な点が特徴だった。今回、映像に関わる新機能を加えることで、データだけでなく視覚的にも生産状況を的確に確認できる。映像は若手作業者の教材などに活用することも想定している。
ゴードーソリューションは自動車業界などの製造業向けソフト開発・販売を得意とする。
- 2023年2月22日
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- 2023年2月21日
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グリーンツールは、先端部が正五角錐の形状をした超硬ドリルの提供を始めた。穴を開け始めるときにドリルが暴れにくく、穴の位置がずれない。他形状のドリルからの再研磨で提供し、年間1万件の販売を目指す。
2枚の刃を備えており、刃と刃が合わさるチゼルと呼ぶ先端部分が正五角錐をしている。先端が錐形状でとがっているため被削材への食いつきがよく、穴の位置がずれない。
このため位置決め用のセンタードリルとしての使用や、さらにはセンタードリルを省略した穴開けに適する。長い貫通穴を両方向から開けるトンボ加工にも向くという。トヨタ自動車から特許技術の供与を受けた。
材質は超硬ソリッド(無垢材)で寸法は直径3ミリ―12ミリメートル、全長は270ミリメートル以下。
同社はエンドミルやドリルの再研磨専業で、自前の営業部門を抱え東北から九州まで全国に顧客を持つ。最近では再研磨以外の新製品での提供を含め、自社オリジナル製品の開発に力を入れている。
- 2023年2月21日
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- 2023年2月20日
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タンガロイは、高性能ソリッドエンドミル「ソリッド・マイスター」シリーズに、曲面仕上げ加工に適したバレルタイプを追加、発売した。金型の意匠面といった複雑な3次元曲面の仕上げ加工に向く。価格は主要型番の「TEBO120A4―12/20・0―R250R3 AH710」が消費税込みで4万5430円。
バレルタイプは大きな曲率半径の円弧切れ刃を持ち、たる(バレル)のような形状を特徴とする。従来のボールエンドミルに比べてパス数が減り、加工時間を大幅に短縮できる。
壁面の形状加工に適したバレルロングタイプ、同ショートタイプのほか、底面の形状加工に向くレンズタイプを用意した。耐摩耗性能の高い物理気相成長(PVD)コーティング材種「AH710」を使用。幅広い被削材を対象に、長寿命の性能を安定して発揮できる。
- 2023年2月20日
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- 2023年2月17日
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アサヒ工具製作所は、大径対応で高能率・高速加工のリーマ「ハイパーリーマ=写真」を発売した。炭素鋼など一般鋼の被削材を切削速度毎分80―120メートルと従来の6倍以上の高速加工ができるのが特徴。リーマはオーダー品で製作寸法の目安は外径が18ミリ―40ミリメートル、全長は100ミリ―350ミリメートル、シャンク径は16ミリ―32ミリメートルの範囲内で対応可能。
同リーマは高速対応設計やリーマ専用コーティングにより製品化した。これまで各切削加工においてドリルを高速化しても穴仕上げ用工具のリーマ加工で切削時間を費やしていた課題を解消。これにより全切削工程のトータル加工時間の短縮が図れる。
例えば刃具寸法が径25ミリメートルの大径で被削材「S50C」を切削速度毎分100メートルで高速加工しながら、加工対象物(ワーク)の仕上がりは面粗度(Ra)が0・11マイクロメートル(マイクロは100万分の1)、円筒度は3・46マイクロメートル、真円度は1・54マイクロメートルの高品質を保つ。
また顧客が使用したリーマを預かり、再研磨や再コーティング、超硬の刃先部分だけの取り換えも可能で、ランニングコストも低減する。同社は各リーマなど年間1万点以上の特殊品を製造販売しており、同ノウハウを生かし貫通穴や止まり穴用のオイルホールにも対応する。
- 2023年2月17日
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- 2023年2月16日
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中村留精密工業は、精密コンピューター数値制御(CNC)複合加工機「SC―200Ⅱ」を発売した。加工精度の安定性から顧客の評価が高い従来機「SC―200」を進化させ、「ワンランク上の加工」をコンセプトに製造現場へ複合加工を訴求する。価格は1880万円(消費税抜き)。
新型機は8インチクラスのシングルタレット機。所要床面積が幅2520ミリ×奥行き1825ミリ×高さ2125ミリメートルとコンパクトだが、最大加工径は390ミリメートル、カバー上の加工対象物(ワーク)の振りは700ミリメートルと広い加工領域を確保したことで、10インチチャックも搭載できる。
また、角スライドを採用した高剛性スラントベッドで、従来機よりさらに高い加工剛性と安定性を実現した。中村社長は「シングル機の進化が、複合加工をより身近なものにしてくれる」と期待を寄せる。
- 2023年2月16日
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- 2023年2月15日
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タンガロイは、高精度溝入れ・突切り加工用工具「テトラ・ミニ・カット」シリーズのTCS18形、TCL18形インサートに左勝手タイプを拡充、発売した。
一般的な右勝手タイプに加え左勝手を拡充することで、幅広い機械や加工領域で同シリーズを使えるようにした。価格は主要型番の「TCS18L100―010 AH7025」が3883円(消費税込み)。
4コーナー仕様の同シリーズは独自のクランプ機構を用いており、刃先位置精度とインサートクランプ剛性に優れる。TCS18形とTCL18形のインサートは3次元ブレーカー仕様で、切りくずの処理性能が高い。
数値制御(NC)旋盤や自動旋盤では通常、主に右勝手の工具が使われる。一方、複数のスピンドルを搭載した旋盤やツーリングによっては左勝手の工具が必要となる。
- 2023年2月15日
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- 2023年2月13日
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乗用車メーカー7社の2023年3月期連結業績予想が出そろい、全社が売上高を上方修正した。為替の円安を反映しており、トヨタ自動車を除く6社が営業利益と当期利益も上方修正した。一方で販売台数の見通しは、スズキを除く6社が下方修正。半導体不足解消のめどが立たない中、各社は設計変更や販売車種の見直しなどの工夫をしているが、厳しい状況は続くと見込む。
マツダは、23年3月期連結業績予想の営業利益を前回公表比200億円増の1400億円(前期比34・3%増)に上方修正すると発表した。22年4―9月期連結決算は、原材料高騰や中国のロックダウン(都市封鎖)の影響を受けたものの増収、各利益項目で増益を達成した。毛籠勝弘取締役専務執行役員は「サプライチェーン(供給網)の問題で生産台数を伸ばせない中、収益力改善を進めた」と説明した。
各社が23年3月期連結業績予想を上方修正した最大の要因は急激な円安だ。マツダは営業利益が為替効果で656億円上振れすると見込む。想定為替レートは1ドル=136円と、8月公表比で13円円安に見直した。販売奨励金(インセンティブ)抑制も各社の業績に寄与する。
スズキは23年3月期の年間売上高が初めて4兆円を超える見通しだ。鈴木俊宏社長は「好決算だが、半導体不足などの中で生産の組み替えといった努力をした結果」と話す。
トヨタは営業利益と当期利益の見通しを据え置いた。円安や原価改善による増益を見込むが、販売減やロシアでの生産終了に伴う費用が押し下げる。
世界販売台数は6社が下方修正。日産は30万台減の370万台とした。内田誠社長は「サプライチェーンの混乱は改善しつつあるが、回復のペースは想定より緩やか」と説明する。米国で受注残が高止まりしている」(中村知美SUBARU〈スバル〉社長)など需要は堅調だが、生産制約が足かせとなっている状況だ。
- 2023年2月13日
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- 2023年2月10日
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金属加工機メーカーが工作機械の使いやすさを重視した数値制御(NC)技術の開発、商品化を加速する。キタムラ機械は遠隔からのマシニングセンター(MC)の自動運転機能とMCのセット販売を始めた。ヤマザキマザックは加工物の3次元(3D)CADデータから加工プログラムを自動生成するソフトウエアを2023年に市場投入する。
アマダは顔認証による作業者識別機能を搭載したNC装置を順次搭載していく(VENTIS 3015AJ e)
工作機械を扱う技能者にとって習熟が必要な加工プログラム作成の自動化、省人化などを進めることで、製造現場における熟練技能者の減少や、外国籍技能者をはじめとする人材の多様化に対応する。
キタムラ機械が自社製MCとセットで販売するのは、事務所や外出先から第5世代通信(5G)を介してCADデータを送り、遠隔からのMCの自動運転を実現する「Auto―Part―Producer 5G」。NTTドコモと共同開発した同技術は加工プログラム作成のデータ処理をクラウド上で行い、そのデータをリアルタイムに機械に伝送。遠隔操作や複数の機械の制御を1人でできるようになる。
これまでも独自のNC装置「Arumatik―Mi」に、プログラム作成と自動運転をする機能「Auto―Part―Producer」を搭載していたが、一段の省人化につながる。
ヤマザキマザックが開発した自動生成ソフト「マザトロールDX」は、同社のNC装置「マザトロール」と同期し、加工時間の自動見積もりや、加工現場の機械へのデジタル指示書の発行、自動計測などの段取り支援といった機能を実装。プログラム作成と加工の見積もりで従来30分ほどを要していた作業が30秒程度で完了する。
オークマは新開発したNC装置「OSP―P500」で、加工動作作成から段取り、加工、検査までの一連の作業を一つの画面で、ガイドに従いながら図面情報の入力をするだけで加工準備ができるようにした。加工用のプログラム言語を知らない初心者でも簡単に扱える。同装置は23年5月から5軸制御MCや複合加工機に搭載。その後、順次、他機種に広めていく。
アマダは顔認証による作業者識別機能を搭載したNC装置「AMNC 4ie」を23年春以降、ファイバーレーザー加工機などの実機に順次搭載する。同機能は作業者を顔認証し、一人ひとりの熟練度に合わせた操作画面の起動や言語表示を自動で行う。同社のIoT(モノのインターネット)サービスと連携することで、管理者が各作業者の作業状況・結果を一元把握できる。また二酸化炭素(CO2)排出量の算出や遠隔操作機能も取り入れた。
- 2023年2月10日
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- 2023年2月9日
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住友電気工業は低コスト・高品質に小型部品を加工する切削工具「小径ボーリングバイトSEXC型」のインサート(刃先交換チップ)に、物理気相成長(PVD)で被膜した超硬の「AC1030U」と、サーメット材種の「T1500A」を加え、発売した。消費税抜きの価格はAC1030Uが2140円、T1500Aが1650円。
鋼やステンレス鋼をはじめ、焼入鋼以外の加工ニーズに向く。AC1030Uの特徴は鋭利な切れ刃形状と高密着で平滑な被膜。T1500Aではサーメット組織内で粒子サイズを最適に制御した。いずれも高度な切れ味を長時間維持する。加工径を4ミリメートルに最小化したほか、刃先の位置決めも高精度とした。
- 2023年2月9日
