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- 2023年4月11日
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北川鉄工所は旋盤用のパワーチャックで国内シェア約6割の首位メーカー。加工対象物(ワーク)を「つかむ」という共通点を旗印に、ロボットハンドの開発・販売に力を入れている。
特徴は独自技術へのこだわりにある。自社開発のハンドを市場投入したのは2017年の「NTS」シリーズから。旋盤用チャックと同様、爪を開閉させる機構に、斜めに切った溝の上をプランジャーが往復する「ウェッジ機構」を採用し、高い把持力を実現した。
19年には、測長用の磁気式スケールを内蔵した「NPGT_S」シリーズを発売。測定誤差はプラスマイナス2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。ワークをつかみながら同時に寸法測定できるため工程集約につながり、タクトタイムを落とさず全数検査を可能にした。
用途も広がっている。寸法測定機能を利用してワークに切りくずが残っていないかを判別したり、つかむと同時に加工部分の寸法が公差に収まっているかを確認し、合否判定したりといった使用事例が出てきた。「22年秋の日本国際工作機械見本市(JIMTOF)では、この製品を名指しでブースに見に来たお客さまもおり、手応えを感じている」と、中本幸之介ロボットアクセサリー事業室長は話す。
人間とロボットの間に安全柵を設けず、ともに作業する協働ロボット向けにも引き合いが増えてきた。「クイックジョーチェンジグリッパ」は、ワークをつかむ爪(ジョー)の着脱が、バネ仕掛けのノブを引っ張るだけで工具なしで数秒で済む。「クイックプレートチェンジグリッパ」はジョーを取り付ける面盤の交換が数秒で終わり、三つ爪、二つ爪を切り替えられる。高価で重いハンドチェンジャーが不要になる。
ロボットハンドで先行するのはドイツのシュンク。北川鉄工所も1987年から12年まではシュンク製品の販売を手がけていた。中本室長は「独自技術を生かした製品のラインアップを拡充していきたい」と力を込める。
- 2023年4月11日
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- 2023年4月10日
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名古屋工業大学とシー・ケィ・ケーは、超硬切削工具の寿命を標準品の3―20倍ほどに伸ばせる技術を共同開発した。超硬合金に微量の他元素を加えるレーザードーピング(LD)により実現した。シー・ケィ・ケーは今春をめどに同技術を用いた超硬ドリル、超硬エンドミルを発売する。価格は標準品の2倍程度になる見込みだが、長寿命化の効果によってランニングコストの大幅低減が期待される。
LDは金属材料に他元素を塗布した後、レーザーを照射して母材の性質を制御する技術。江龍修名工大理事・副学長の研究成果を、シー・ケィ・ケーが超硬工具の表面処理に応用した。超硬工具の母材となる炭化タングステン(WC)の表面の強化する層に、硬質材料で構成するドーピング材を塗布し、レーザーを照射する。
WCの強化層は照射によって原子間にすき間が生じ、そこにドーピング材が入り込む。これにより原子同士の結合力が高まり、WCの硬度が上がったり、もろさが改善したりして、長寿命化する。
同社は超硬工具の受託生産を主に手がけている。これまで自社ブランドでの工具は販売していなかったが、今回の長寿命化した超硬工具の開発を機に、自社製品の販売事業に乗り出す。
LDはドリル、エンドミルだけでなく旋削チップに対する長寿命化の効果も確認している。ただ、同社は旋削チップの生産ラインを持っていないため、市販の旋削チップにLDの加工処理する事業を販売事業とあわせて展開する考えだ。
- 2023年4月10日
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- 2023年4月6日
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パーカー熱処理工業と広築は、鋼材製品の表面硬化に用いる制御窒化処理設備を共同開発した。人が行っていた炉内雰囲気の定点管理に代わり、高度なフィードバック制御によるリアルタイム管理を実現。管理の精度向上で、人の練度や操業環境に左右されない安定した品質を再現できる。価格は加工物のサイズに応じて5000万―1億円程度を想定。金属加工メーカーを中心に初年度5台の販売を目指す。
開発した設備は、広築製の真空パージ式横型窒化炉「RAV―N」と、パーカー熱処理工業製の窒化ポテンシャル制御ユニット「NITRONAVI」で構成する。処理状況の履歴をデータで保存可能。さらにさまざまな鋼材製品に求められる耐摩耗性、耐食性、耐疲労性などの製品特性に合わせた最適なレシピを両社が開発・提供することで、ユーザーの競争力向上に貢献する。
高品質・低コスト化のニーズに加え、環境負荷低減、生産現場の労働力確保などの社会的課題に対応するため、両社の独自技術の強みを活用。窒化処理が本来持つ可能性を最大限に引き出すことを目指した。
- 2023年4月6日
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- 2023年4月5日
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乗用車メーカー8社が発表した2022年の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年比1・8%増の2397万886台となり、2年連続で前年実績を上回った。国内生産が半導体不足の影響で落ち込んだものの、海外生産の復調で補った。ただ、新型コロナウイルス感染症拡大前の19年の実績(2780万813台)とは400万台程度の差があり、回復はまだ道半ばだ。
国内生産は同0・1%減の738万6544台、国内販売は同4・6%減の383万8139台だった。国内生産・販売がともに前年を下回るのは4年連続。半導体不足や新型コロナ感染拡大による中国・上海のロックダウンで生産調整を強いられたことが響いた。海外生産は同2・6%増の1658万4342台。2年連続で前年を上回った。
トヨタ自動車は国内生産、販売ともに前年を大きく割り込んだ。国内生産は同7・7%減の265万6009台で、1975年以降で76年に次いで2番目に低くなった。「半導体を多く使う国内の高価格帯を中心に影響を大きく受けた」という。
海外生産は過去最高となる同11・7%増の637万704台だった。工場の能力増強などが奏功し、2年連続で前年を上回った。一方で日産自動車は5年連続、ホンダは4年連続で海外生産が前年を下回った。
- 2023年4月5日
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- 2023年4月3日
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トヨタ自動車が発表した2022年の世界販売実績(ダイハツ工業、日野自動車含む)は前年比0・1%減の1048万3024台で、独フォルクスワーゲン(VW)を上回り3年連続で首位だった。新型コロナウイルス感染拡大や半導体不足が影響したが、主に東南アジアで堅調な需要を維持した。
トヨタ・レクサスブランドでは、世界販売は同0・5%減の956万6961台で、同7%減の826万2800台だったVWを越えた。海外は販売と生産で過去最高だった一方、国内生産は高級車構成比が高い関係で同7・7%減の265万6009台に減少。1976年に次いで2番目に低い水準だった。
販売では同20・5%増に伸びたタイなど東南アジアのほか、同18・4%増の中東やオセアニア、アフリカの販売が堅調だった。
ハイブリッド車(HV)など電動車販売は同4%増272万6263台で、電気自動車(EV)販売は同69・8%増の2万4466台でどちらも過去最高だった。
- 2023年4月3日
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- 2023年3月31日
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MOLDINOは、金型の荒加工用工具市場を深掘りする、高能率の側面切削に適した超硬エンドミルをこのほど市場投入した。
現在主流となっている等高線加工と比べて、加工時間の大幅な短縮とともに工具の集約化を実現する。側面切削向けの工具をそろえることで「荒加工におけるもう一つの選択肢」として提案する。
発売した高能率側面切削用エンドミル「ER5HS―PN」は「首下3・5DCタイプ」と「同5DCタイプ」にそれぞれ6アイテムを設定した。
5枚刃・不等分割の形状やチップブレーカーの採用により、防振性と耐欠損性、切りくず排出性が向上。高能率側面切削に適した工具特性を持たせた。
コンピューター利用製造(CAM)に搭載される負荷制御ツールパス(加工経路)との組み合わせにより、工具欠損が発生しやすい金型隅部での加工安定性を高め、刃長全体を使った大きな軸方向切り込み量で高能率加工を実現した。軸方向切り込みは最大で工具径の3倍に設定できる。
また高送り工具や削り残し用工具を使うことなく、1本の工具ですべての荒加工を行えるため、工程と工具の集約に寄与する。
- 2023年3月31日
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- 2023年3月30日
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OSGは超硬エンドミルの生産体制を増強する。大池工場を建て直して量産しやすい体制を整えるとともに、グループ会社のエスデイ製作所(茨城県常総市)が小ロット向けの新工場を建設する。グループ内をまたいだ生産分業によって、超硬エンドミルの供給強化を狙う。総投資額は詰めているが、OSGの大沢伸朗社長は「80億円ぐらいまでに抑えたい」としている。
大池工場のリニューアル工事は2024年に着工。工場の稼働と工事を並行して進める考えだ。エスデイの新工場は23年内に着工する計画で、稼働時期は未定。
大池工場はデジタル技術を取り入れた自動化を進め、「効率性を追求した新しい工場にする」。一方、生産コストが高く、作るのに手間がかかる小ロットの製品についてはエスデイの新工場が担当する分業体制を敷く。大池工場の建設資金調達にはグリーンボンド(環境債)発行を検討している。
OSGの22年11月期連結決算は売上高が1425億円(前期比13・0%増)で過去最高だった。23年11月期連結は、それを上回る1450億円(同1・7%増)を予想しており、好調な業績が続くと見込んでいる。成長分野として微細精密加工の需要の取り組みに注力しており、超硬エンドミル生産の拡充は、その施策の一環となる。
- 2023年3月30日
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- 2023年3月27日
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マツダは、発電用のロータリーエンジン(RE)「8C」を開発した。スポーツ多目的車(SUV)「MX―30e―SKYACTIV R―EV」に搭載し、欧州で今春に発売する。国内は年内に販売予定。同車はエンジンを発電のみに使いモーターで駆動するプラグインハイブリッド車(PHV)。RE搭載車は、2012年6月に生産を終了したスポーツ車「RX―8」以来の復活となる。
8Cは、直噴式で排気量は830cc。通常のレシプロエンジンに比べ、小型・軽量化できることからREを採用。同出力のレシプロエンジンより約18%の小型化、従来のREと比べローターを覆うサイドハウジングを鋳鉄からアルミニウムに変えることで約15キログラム軽量化した。燃焼室の形状の最適化などで燃費や耐久性も高めた。他車種へのREの展開は検討中という。
- 2023年3月27日
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- 2023年3月21日
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牧野フライス製作所は同社製3軸マシニングセンター(MC)向けの自動加工ソフトウエアを発売した。治具研削工程など、精度要求値が高く熟練技能者が担っていたマニュアル作業を自動化し、高い位置決め精度や寸法精度を技能者の技術に依存せずに達成できる。価格は120万円(消費税抜き)。年間30本の販売を目指す。
新ソフト「スマートツール ゼロボーラー」は牧野フライス製作所製立型MC「V33i」「V56i」で利用可能。主に自動車産業の電気自動車(EV)シフトで需要が拡大する精密順送プレス金型用プレート部品加工向けに販売する。
従来、加工精度を得るためには、加工内容や要求値などを基にした最適なプロセス(加工方法、測定、追い込み加工・加工量)の検討を熟練技能者が行っていた。同ソフトはこれらを自動で行い、プログラム作成まで完了させられる。数値制御(NC)操作画面に組み込んだ専用画面から、必要な設定をチェックするだけで円滑に加工を始められる。
C&Gシステムズ製のコンピューター利用設計・製造(CAD/CAM)システムとの連携が可能。同システムに専用インターフェースを設け、一貫でプログラム作成する。
自動車関連産業はEV化の加速で、モーターをはじめとする大量生産品にはプレス金型などが用いられ、精度要求値が高まっている。従来、熟練技能者がジグ研削盤などで仕上げ加工していたが、金属加工現場の熟練技能者不足が課題となっている。特に研削工程や高精度加工を求める工程で人材・スキル不足が慢性化している。
- 2023年3月21日
