-
- 2020年2月19日
-
・5Gや自動化投資に期待
2020年は継続する米中貿易摩擦に加え、イランでの軍事衝突、コロナウイルスの発生など、先行きが見通しづらい混迷の中でスタートを切った。機械工具業界もこうした地政学的な影響から、新年会では「読みづらい」との意見が多く聞かれた。しかし一方で、自動化や第5世代通信(5G)向けの投資など確実に拡大する分野もあり、こうした需要は年後半に大きくなるとの声も多い。機械工具関連団体の2020年の見通しをまとめた。
・ロボは6%増 機械、測定は横ばい
工作機械、前半に底打ち
日本工作機械工業会は20年の受注額見通しを19年実績比2・5%減の1兆2000億円とした。内需は経済対策や自動化・省力化投資の発現、5G関連の投資が期待される。外需は米中貿易摩擦の影響から全体的に軟調に推移すると見られ、中国経済を中心に停滞感が続くと見通す。
足元では世界各地の景気後退や米中貿易摩擦の影響から設備投資が落ち込んでいるが、20年前半に上向く見込み。飯村幸生会長は「一進一退の局面が続くが、国内外の生産技術革新に向けたニーズに支えられ徐々に好転し、今年前半に底を打ち、緩やかに反転していくと期待する」としている。
日本ロボット工業会が発表した20年の受注額は前年比6%増の8700億円と見通した。「業界によって差もあるが、全体的には緩やかな回復傾向にある」(橋本康彦会長)とみる。
伸びを支えるのは、少子高齢化による根強い自動化投資に加え、5G関連向けの半導体業界の投資だ。橋本会長は「昨年は半導体向けが落ち込んだが、昨年11月ぐらいから上向いている」という。さらに「きっかけがあれば一気に加速する」。
日本精密測定機器工業会は、20年の出荷額目標を19年実績(見込み)と同水準の1050億円とした。中川徹会長は「20年は地政学的リスクが多く、大きく期待し難い。一方、自動車業界はCASEなど変革期を迎えており、研究開発向けの投資は期待できる」とみる。
19年出荷額は過去最高の18年(1163億円)に比べ10%減少にとどまった。品質関連の不正問題や、製造現場のデジタル化によるデータの取り込みなどを背景に、測定計測ニーズは拡大しており、「測定計測機器の需要が底上がっていると感じる」(中川会長)。
・切削は年後半に期待
日本機械工具工業会は暦年の見通しを発表していないが、19年度の生産額を前年度比3・4%減の5014億円としている。ただ、19年4‐12月までの累計は3629億円。3カ月での目標到達は厳しい状況にありそうだ。20年は「年後半には期待」とする意見も多い。11月決算のオーエスジーは上期に在庫調整があるとみたうえで、前期比1・6%増の売上高1290億円を見込む。
・工作機器も回復の兆し
日本工作機器工業会も暦年見通しは発表していないが、19年度の販売額を前年度比18%減1870億円としている。足元の4‐11月の販売額の累計は1187億円で、切削同様、目標達成は厳しそうな気配だ。ただ、寺町彰博会長は「20年は、IoTなどデジタル投資などが不可欠になので、期待できるのではないか」としている。
ニュースソース:日本産機新聞(https://nihonsanki-shimbun.com/)
- 2020年2月19日
-
- 2020年2月18日
-
トヨタ自動車グループの主要部品メーカー7社のうち、デンソーと豊田自動織機の2社は2020年3月期通期業績予想の全利益項目を下方修正した。残る5社も愛知製鋼を除く4社が通期の各利益段階で減益を見通す。中国や東南アジアなどの市場減速を受け、自動車部品業界の苦境が続く。中国で発生した新型肺炎の影響も未知数で、業績回復への道筋に不透明感が漂う。
デンソーは売上高と全利益予想のほか、設備投資を前回計画比100億円減の4200億円に下方修正した。電動車など向けの先行開発投資の増加や為替差損が利益を圧迫。松井靖経営役員は「電動化や自動運転向けの新製品でトップラインを伸ばし、利益を上乗せする」と来期の反転攻勢に意欲を示した。
豊田自動織機は産業車両の販売が日本や中国で減少したほか、カーエアコン用コンプレッサーが北米や欧州で落ち込んだことが響いた。愛知製鋼は通期の売上高予想を下方修正したものの、原材料費減などで利益予想を据え置いた。
中国での自動変速機の大幅な販売減に苦しむアイシン精機は「(中国の)受注は少しずつ回復しており、底打ち感が出ている」とした。ジェイテクトと豊田合成は通期予想を据え置いたが、全利益項目で2ケタの減益を見込む。
一方、トヨタ紡織は業務効率化による固定費の削減などが追い風となり、売上高と営業・税引き前利益を上方修正した。
電動化など新技術への開発投資がかさむ中、固定費の抑制など収益改善の進展が来期の業績回復の明暗を分けそうだ。
- 2020年2月18日
-
- 2020年2月13日
-
帝国データバンクがまとめた調査によると、2019年の人手不足倒産(個人事業主を含む、負債1000万円以上、法的整理)は前年比20・9%増の185件で、4年連続で過去最多を更新した。負債総額は326億8800万円。大手企業を中心に従業員の賃金水準引き上げや、働きやすい環境作りが増えている一方で、こうした対応が困難な企業では、従業員の定着難や採用難から倒産に追い込まれるケースが目立っているという。
業種別ではサービス業が54件で最多、建設業が49件で続いた。この2業種で全体の過半を占めた。建築職人やトラックドライバー、介護スタッフ、IT技術者など、専門職の定着や確保に窮した小規模企業で倒産が目立った。
4月からは、働き方改革関連法が1年間の猶予期間を経て中小企業にも適用される。帝国データバンクは「高齢化によりベテラン社員の退職などが進むなか、好条件での従業員確保が困難な小規模企業を中心に、さらなる人手不足倒産の発生が懸念される」と指摘する。
- 2020年2月13日
-
- 2020年2月10日
-
日本工作機械工業会は1月、2020年の年間受注総額が19年(推定)に比べて横ばいの1兆2000億円になるという見通しを発表した。足元では世界各地の景気後退や米中貿易摩擦の影響から設備投資が落ち込んでいるが、20年前半までに受注が上向く見込み。
都内で開かれた賀詞交歓会で飯村会長が明らかにした。飯村会長は「受注はしばらく一進一退の局面が続くが、国内外の生産技術革新に向けたニーズに支えられて設備投資マインドは徐々に好転し、今年前半に底を打ち、緩やかに反転していくと期待する」と述べた。
内需では政府の経済対策や自動化、省力化投資の発現が見込まれるほか、次世代通信規格「5G」関連の投資が期待される。外需は米中貿易摩擦の影響から全体的に軟調に推移すると見られ、中国経済を中心に停滞感が続く見通し。一方で、「中国経済への依存度が低い国や地域から持ち直してくるだろう」。
19年は18年比約3割減の1兆2000億円強となる見込みで、16年以来3年ぶりに前年を下回った。11月には850億円を下回る落ち込みをみせた。20年の受注見通しについて工作機械メーカー各社からは、「強気の予想」や「十分達成可能」など様々な声が聞かれた。
ニュースソース:日本産機新聞(https://nihonsanki-shimbun.com/)
- 2020年2月10日
-
- 2020年2月6日
-
Kamogawaは、同社従来品比で研削抵抗を30%抑えた脆(ぜい)性材向け加工用エンドミルを開発、発売した。半導体製造装置向けに、外径や電着長、全長など顧客ごとに完全オーダーメードで供給する。仕様によって異なるが、消費税抜きの価格は1本につき3000―1万円程度。
国内のセラミックス部品などを加工する企業のライン向けに提案し、年間1億円の販売を目指す。
Kamogawaが発売したのは、石英やセラミックスなどの硬くて欠けやすい特徴を持つ脆性材料の加工に最適な工具「アクセラエンドミル」。砥粒(とりゅう)に、脆性材加工に合った粒子が均一なダイヤモンドパウダーを採用。工具形状を工夫し、研削抵抗を低減した。
同工具は、粗い粒度での高切り込みでも加工時のチッピング(欠け)を抑えられ、荒仕上げから中仕上げ加工まで1本の工具で対応できる。現場の生産性向上につながる。既に複数の大手メーカーに採用された。
Kamogawaは、切削・研削工具などを取り扱う商社。自社企画ブランドの製造販売も担う。自動車市場の減速や世界経済の不透明な現状を背景に、今後の工具業界は「規格商品を扱うだけでは生き残れない。他社にない独自商品を能動的に提案していく」としている。
- 2020年2月6日
-
- 2020年2月5日
-
三菱日立ツールは、高硬度鋼加工用面取り工具「DN2HC―ATH」を発売した。従来手作業が多かった金型や部品の面取り加工を、数値制御(NC)加工機による自動加工を可能にし、作業時間を短縮できる。製品は工具径3ミリ―16ミリメートルの全7アイテム。価格は8000―3万4700円(消費税抜き)。
新製品はセンタリングやC面取り(穴・コーナー)、V溝加工など多様な加工用途に適用できる。先端部にシンニングを施し、良好な食い付き性を確保。先端部が鈍角のため耐欠損性にも優れる。
刃先形状の最適化により切れ味と耐欠損性を両立し、高硬度鋼加工でも長寿命化を実現する「ATHコーティング」を採用した。軟鋼から高硬度鋼まで幅広い鋼種に対応する。
- 2020年2月5日
-
- 2020年2月4日
-
ジーネット名古屋支社管轄の有力販売店が主催する「2020中部機械加工システム展」が3月19日(木)・20日(金)の2日間、ポートメッセなごや第3展示館にて開催される。
中部機械加工システム展は、機械加工に的を絞った展示会で、7年連続の開催となる。今回は「現場の悩み、かんたん解決します」をテーマに、最新鋭の工作機械をはじめ、切削工具、ツーリング、治具、産業用ロボット、測定、環境等の周辺機器を展示する。また会場では、生産性の向上、コストダウンにつながる各種問題解決型の提案も多数用意する。
説明会では事務局を代表して松吉ジーネット名古屋支社長が「機械加工システム展ということで、工作機械を中心とした商材のメーカー様に出品していただき展示会をする運びです。現時点で175メーカー様。商品の展示にプラスして、展示会開会までの約4か月間皆様と一緒にPRする時間が取れている。市場が厳しい中でも、そういった場があるのは幸せなことだと思っています。展示会まで皆様と共に足を運んでいけたらと思っていますので、ご支援ご協力をお願いします」と挨拶。
展示会のPR動画を見た後、枅川修ジーネット三河営業所長が同展の概要・テーマをはじめ、来場システム、バーチャル展示会、セミナー、出展要領などを説明した。
続いて、会場を移して決起大会を兼ねた懇親会が開かれ、冒頭、浅井章帝国チャック部長が挨拶で「我々のお客様であるトヨタ自動車さんは、自動車業界100年に一度の大変革期ということで、合併やM&A、子会社化と非常に目まぐるしく進んでいます。トヨタ系だけではありません。そんな中で情報をいち早く手に入れ我々メーカーが少しでも変わっていかないと、この波に乗り遅れるのではと最近思っています。お客様の潜在需要を我々メーカーが掘り起こして顕在化し、売り上げに貢献する。少し状況の悪い中、営業マンが前を向かないといけないということだと思います。今回の展示会が我々メーカー、ジーネット様にとって成功となりますよう祈念します」と述べて乾杯の音頭を取った。
情報交換などをして交流を深め、各部署決意表明、窪田健一DMG森精機セールスアンドサービス執行役員部長の中締めで終了した。
【2020中部機械加工システム展 開催概要】
●テーマ=「現場の悩み、かんたん解決します」
●会期=2020年3月19日(木)午前10時~午後5時、20日(金)午前9時30分~午後4時
●会場=ポートメッセなごや第3展示館
●主催=ジーネット名古屋支社管轄の有力販売店
●事務局=ジーネット名古屋機械課、名古屋営業所、三河営業所、一宮営業所、三重営業所、静岡営業所、浜松営業所、および名古屋支社
●展示規模=会場床面積1万125㎡
●展示小間数=約200小間(予定)
●出品予定メーカー数=200社
●キャンペーン期間=2020年1月1日~3月31日
●目標来場者数=4000名
- 2020年2月4日
-
- 2020年1月31日
-
中部電力は、切削液や洗浄液の使用後の油分やスラッジなど不純物を効率的に除去する高速ファインバブル浮上分離装置「RaFloM(ラフローム)」を、関西オートメ機器(大津市)と共同開発したと発表した。
不純物を濾過するフィルターの長寿命化や清掃回数削減が可能で、管理費用を半減できるという。価格は約300万円。両社が同日に受注を開始。自動車工場や金属加工工場などに年間36台の販売を見込む。
同装置は遠心分離で不純物を分離し、ファインバブルを混ぜて表面に浮上させて取り除く。浮上速度が遅いなどの特異性があって直径0・1ミリ―0・01ミリメートルの微細気泡であるファインバブルを切削液などに混ぜると泡に不純物が付着して表面に浮上する。
再利用の液体は洗浄効果向上や硫化水素発生量低減などが見込める。
- 2020年1月31日