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- 2019年9月10日
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エムケーセラは、ファインセラミックスであるジルコニア製工具の販売に乗り出す。同素材の熱伝導率の低さを生かし、樹脂成形品などに対する加工用としての需要取り込みを狙う。2020年初頭の発売予定で、消費税抜きの価格は工具径1センチメートル程度のエンドミルで1万円以下を目指す。
ボールエンドミル、ドリルもラインアップした。現在、樹脂加工メーカーでさまざまな樹脂素材に対するテスト加工を進めているが、「超硬工具などに比べ、加工面がきれいに仕上がるのが特徴」という。熱伝導率の低さを生かし、接着剤で貼り合わせた積層フィルムや炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などでも、切断面に対する熱変形を抑えられる。
同社は、主にファインセラミックスを利用した切削による部品加工を手がけており、自社製品として工具を手がけるのは初の試み。
- 2019年9月10日
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- 2019年9月9日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した7月の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比33・0%減の1012億7800万円だった。10カ月連続で減少したが、2カ月ぶりに1000億円台を回復した。世界経済の減速懸念から設備投資を見合わせる動きがある中、内需は投資支援の政府補助金で底上げされた。外需は主要3地域がさえずに今年最低を記録した。
内需は2カ月ぶりに400億円台に伸びた。一般機械や自動車など主要4業種はいずれも前月比増。前年同月比は8カ月連続減で、車がほぼ半減した。
外需は前年同月比で10カ月連続の減少。中国は前月に次ぐ今年2番目の低水準だった。ドイツが前年同月比36・6%減、米国が同14・3%減、成長市場と目されるインドも同58・0%減と低迷した。
工作機械受注は長期停滞の雰囲気が漂う。同日会見した飯村幸生日工会会長は、「日米通商交渉で方向性がクリアになれば(停滞中の)自動車向けの投資の重しがとれると思う」と話し、9月とされる日米の大筋合意を再浮上のポイントとした。
また、同席したファナック会長は「過去4―5年間で活発な設備投資が続き、世界で設備過剰の状況だ」と現状認識を述べた。さらに「こういう状況はしばらく続くだろうが、各国で先を見た計画を進めている」とし、IoT(モノのインターネット)や第5世代通信(5G)関連の引き合い増を念頭に反転への期待感を示した。
- 2019年9月9日
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- 2019年9月2日
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不二越は他社製品と比べ工具寿命を約2倍に延長した超硬ドリル「アクアREVOドリル オイルホール」を21日に国内外で発売する。切削油を供給するためドリル内を貫通する穴に独自形状を採用し、冷却、潤滑、切りくず排出の各性能を向上。一般鋼からステンレスや高硬度鋼まで幅広い材料を効率的に加工できる。拡大する電気自動車(EV)向け部材の加工需要などを取り込む。
直径3ミリ―16ミリメートル、全長68ミリ―242ミリメートルの範囲で、全393寸法を用意した。価格は直径6ミリメートル、全長100ミリメートルの場合で、1万6400円(消費税抜き)。初年度に5億円、3年後に年15億円の販売を目指す。
切削油を供給する穴「オイルホール」の断面を、従来の円形から独自形状に改良。油の吐出量を2倍にして流量を増加し、油の流れも最適化した。
母材には硬さと靱(じん)性を兼ね備えた素材を採用。耐摩耗性や耐熱性を高める表面処理や、切削時の応力を分散する刃先形状により、高速切削や高送り加工での加工性能も向上した。
2018年に材料、表面処理、刃先形状などを約10年ぶりに刷新した超硬ドリル「アクアREVOドリル」を投入。耐久性、加工能率、汎用性を飛躍的に高め、生産性の向上とコストダウンを実現した。新製品のオイルホール型は材料などの革新技術を引き継ぎ、独自の穴形状を追加した新たなラインアップとして販売する。
不二越の工具事業は車のギア機構で使われる歯車などを加工する精密工具が得意分野。ただEVでは変速機構が減少するなど、既存品の市場の縮小が見込まれる。難削材にも対応できる超硬ドリルを強化し、経営環境の変化に対応する。
- 2019年9月2日
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- 2019年8月30日
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日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の7月の工作機械受注額は、前年同月比40・4%減の279億2600万円だった。減少率は6月の同30・4%から拡大。各社実績も合計や内外需が同5―7割減の大幅マイナスが目立つ。米国の対中制裁関税「第4弾」発動を9月に控えるなど米中摩擦が緊迫化。景気の不透明感から投資判断を一段厳しくみる流れがある。
投資の見送りに加え、2018年7月が同月単月の最高額だったために、各社軒並み大幅減だった。牧野フライス製作所は「4―6月の水準から一段下がった」と合計が27カ月ぶりに70億円を割り込んだ。主に日本、中国、インドで引き合いから受注に至るケースが減った。
三菱重工工作機械は「一部に慎重な姿勢がみられた」、OKKは「国内外で車向けが低迷した」と減少幅が拡大。車向けに強いジェイテクトは「海外で8、9月にずれ込む案件がある一方、米中向けの落ち込みが大きかった」。
オークマは設備投資支援の政府補助金が国内受注を下支え。第5世代通信(5G)関連の引き合いがあり、「今後の期待分野」という。
- 2019年8月30日
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- 2019年8月28日
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中部経済産業局が7月31日に発表した令和元年6月度金属工作機械受注状況によると、管内金属工作機械メーカー主要8社(オークマ、アマダマシンツール、ジェイテクト、コマツNTC、FUJI、豊和工業、三菱電機名古屋製作所、ヤマザキマザック)の総受注高は、前年同月比39・7%減の299億6000万円となり、8か月連続で前年を下回った。前月比は14・8%減だった。総受注高が300億円を割るのは平成25年4月以来74か月ぶり。
国内受注は、前年同月比43・5%減の99億9400万円となり、7か月連続で前年を下回った。前月比は16・7%減だった。主力の一般機械工業向けが前年同月比39・4%減の52億6200万円と8か月連続で前年を下回り、自動車工業向けも同55・0%減の25億3400万円と7か月連続で前年を下回った。
海外受注は、前年同月比37・6%減の199億6600万円となり、8か月連続で前年を下回った。前月比は13・8%減だった。
北米向けが前年同月比37・3%減と5か月連続で前年を下回り、ヨーロッパ向けが同31・2%減、アジア向けが同44・7%減とともに8か月連続で前年を下回った。シェアは、アジア(トルコを含む)向け35・4%、北米向け32・8%、ヨーロッパ向け27・6%。
国別にみると、1位のアメリカが62億6600万円(前年同月比18・8%減)、以下、中国39億7200万円(同52・9%減)、ドイツ17億9700万円(同25・9%減)、インド15億5200万円(同75・8%増)、イタリア8億6500万円(同46・6%減)の順となった。
販売額は、前年同月比10・8%減の354億4700万円となり、2か月連続で前年を下回った。前月比は6・8%増だった。
受注残高は、前年同月比13・7%減の2070億2400万円となり、3か月連続で前年を下回った。前月比は4・5%減だった。
ニュースソース:名古屋機工新聞(http://www.kikou.co.jp/)
- 2019年8月28日