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- 2023年7月3日
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ハイマージャパンは、研削加工機能付きマシニングセンター(MC)用砥石アーバ(アダプター)を発売した。親会社で工具関連メーカーの独ハイマーの製品で、2022年秋に欧米市場へ投入し、このほど日本市場でも取り扱いを始めた。消費税抜きの価格は17万円から。年間販売目標で300台を目指す。
研削加工機能付きMCは、ワンチャッキングで切削に加え、研削加工の仕上げまで行える。今回の砥石アーバは多様なテーパーシャンクに対応し、合計173モデルを標準品でそろえた。
砥石取り付け時およびドレッシング後に生じるアンバランスは、バランサーと組み合わせて製品本体のネジ穴で修正が可能。独自のクーラント吐出設計で、加工面へ的確にクーラントを供給して冷却できる。使用する砥石のタイプで特注品の対応も行う。
すべての砥石アーバは、ISO規格の釣り合いの良さ「G2・5」の精度で1分当たり最大2万5000回転で事前にバランスをとっている。
ハイマージャパンの野坂社長は今回の製品投入により、「既存の切削加工分野に加え、研削加工分野にも力を入れていく」とする。2023年12月期の売上高は前期比1・5倍を目指す。取り扱い製品をPRするショールームを大阪本社に構えるが、2年内をめどに関東圏、中部圏でも開設を計画している。
- 2023年7月3日
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- 2023年6月30日
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三井精機工業は航空機エンジンメーカー向けに円盤状のローターディスクと翼を一体化したブリスクを加工できる5軸マシニングセンターを供給している。1枚の円盤から何十枚もの翼を削り出すため、高精度な機械が求められる。同社は部品の開発から携わり新しい加工方法を開発できる技術を持っており、顧客の要望に柔軟に対応する。
ブリスクは航空機用エンジンの圧縮機部や小型エンジンのファンブレード部に使用する。ブレードとディスクが別部品のものと比べて軽量化やクラック発生のリスク低減につながる。
加工の難しさについて川上社長は「材料には難削材であるチタン合金などが使われる。加工時間の短縮によるコスト削減や面の精度、工具の高寿命化などが求められる」と語る。翼は仕上げ形状に近づくに従い薄くなるため剛性が低下し、振動によるびびりが発生しやすくなる。
ブリスクの翼の厚みは約1ミリメートル。面にくぼみがあったり、翼のエッジ部分に溝ができたりすると、気流が乱れ失速の原因になる。要求精度は各メーカーにもよるが、加工後の手磨き工程を省ける面粗度(Ra)0・4マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。一つのブリスクで数百万円以上するため、手作業による誤差発生を防ぎたいというメーカーの要望に応える必要があった。
同社はブリスク加工用途として5軸立型マシニングセンター「Vertex55X Ⅲ」などを内外に100台以上納めた。同製品はチタン合金などの難削材加工に対応できる機械剛性を持つ。回転軸の中心付近に加工点を設け、加工時間短縮に貢献することも特徴の一つだ。17年発売の「Vertex75X Ⅲ」は全ての翼を削る時間が従来製品比25%減の45時間となった。
加工は翼の周りを工具が回りながら削りだす。守田幸市営業本部精機営業部次長兼精機販売推進室長は「翼の先端部分から中心部にむけて徐々に削り出していく。エッジの部分がギザギザにならないように制御できる技術を持つ」と話す。
同社は1980年代にチタン製ブリスクを加工するための特別仕様の同時5軸制御マシニングセンターを北米の航空機エンジンメーカーに納入した実績を持つ。燃費向上や二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するため約10年前から民間用エンジンでもブリスクの需要が増えた。大手工作機械メーカーは手を上げたがらない中、三井精機工業は小回りの良さと難削材を高能率に加工するノウハウを生かして、各メーカーの要望に対応していった。
今後は耐熱性が高いニッケル合金など新たな材料の利用により、加工難易度が上がる可能性がある。金属積層造形(AM)による補修も注目が集まる。川上社長は「航空宇宙分野は難しい分野。ニッチな市場で高い要求精度が求められるが、その分やりがいがある」と顧客と一緒になった開発を続けていく方針だ。
- 2023年6月30日
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- 2023年6月29日
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エヌティーツールは、独自開発のシールストッパーを採用し、刃物フラット部からのクーラント液漏れを抑えたコンピューター数値制御(CNC)旋盤用スリーブ「クーラントバイトスリーブ」を発売した。刃先から効率よく加工物(ワーク)内径にクーラント液を吐出でき、ボーリング加工での切りくず排出性が向上する。価格は1万6000円(消費税抜き)から。
工具の内側からクーラント液を吐出する内部給油ホルダー対応で、オイルホールが付いたボーリングバー専用スリーブ。刃物シャンク内に装着したシールストッパーがクーラント液圧で端面に密着し、刃物フラット部の隙間からのクーラント液漏れを防ぐ。クーラント液圧の低下を抑え、最適なクーラント液の吐出により、切りくず排出性のほか加工品質の向上、チップの長寿命化につながる。
同社は主にマシニングセンター用で培ったツーリング技術を生かし、旋盤分野で販路拡大を本格化している。
- 2023年6月29日
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- 2023年6月27日
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工作機械メーカー各社が数マイクロメートル(マイクロは100万分の1)単位の精度が求められる高精度加工でしのぎを削っている。精度や品質に優れる加工と共に提案に注力するのが、人手不足に伴う自動化や省エネルギー性能だ。
「世界で工場に人が集まらなくなっている」。三菱電機産業メカトロニクス事業部の清水利彦副事業部長はこう危惧する。
同社が提案するのはワイヤ放電加工機「MPシリーズ」にロボットと無人搬送車(AGV)を組み合わせた自動化システム。拡張性が高いシステムで既存の工場レイアウトをいかして導入できる。加工対象物(ワーク)の加工機への着脱や搬送を自動化し、24時間連続で高精度な加工を支える。形彫放電加工機「SV―Pシリーズ」では人工知能(AI)技術で、機器の制御を補正しながら高精度加工を実現。同社メカトロ事業推進部の河野央夫放電事業推進グループマネージャーは電子部品向け金型など微細加工分野で「高精度な加工と自動化需要に応えたい」とした。
アマダマシナリーはデジタルプロファイル研削盤「DPG―150」を出展。独自の撮影技術を活用したデジタルプロジェクターにより、高精度な自動計測や補正加工を実現した。これまで精度計測などは人の目で判断していたため熟練技術が必要だったが、「経験の浅い作業者でも扱いやすくし、高精度な加工ができる」(同社担当者)と強調する。
牧野フライス製作所は機械安定化制御技術「イースタビライザー」を搭載した立型マシニングセンター(MC)「V56iPLUS」を訴求する。同技術は温度変化で生じるわずかな機械変形を予測し、自動制御により高精度な加工を維持する機能などで構成。厳密な工場空調機器がない環境でも高い加工精度を実現でき、消費電力を12%削減する効果が見込まれる。同社開発本部の重村大介マネージャーは、「脱炭素に向け環境に配慮した製品への関心は高く、高騰する電気代の削減にもつながる点を提案したい」と意気込む。
- 2023年6月27日
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- 2023年6月23日
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ブラザー工業は主軸30番の小型マシニングセンター(MC)「スピーディオ」の新モデル「W1000Xd2」、「M300Xd1」を発売した。W1000Xd2は30番機で最大級の加工エリアを持ち、価格は957万円(消費税抜き)。M300Xd1はマシニングと旋削の加工が可能な複合加工機で、価格は1452万円(同)。
W1000Xd2は従来モデルと同様に移動量がX軸1000ミリメートル、Y軸500ミリメートルと主軸30番機の領域を超えた加工エリアを実現。複数加工対象物(ワーク)を並べる多数個取り加工や幅広い治具を並べて置ける。
今回、Z軸移動量を従来より80ミリメートル増の380ミリメートルに拡大。テーブル最大積載質量も100キログラム増の500キログラムと、より大型の部品加工や治具搭載を可能にした。工具交換装置は工具収納本数が従来からの14本、21本のタイプに加え、28本も選択できるようにした。
M300Xd1も従来の22本に加え、28本タイプも使えるようにした。また、同時5軸加工に対応する「M300Xd1―5AX」も発売。価格は1591万円(同)。
工具に対しワークの加工表面が最適な向きになるよう五つの軸を同時に動かし、複雑な輪郭形状のワークを高速・高精度に加工する。
- 2023年6月23日
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- 2023年6月22日
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日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要5社の5月の受注実績は、前年同月比11・2%減の368億8400万円と5カ月連続で減少した。前月比では5・0%増と2カ月ぶりに増加した。欧米での金利上昇や中国経済の先行き不透明感などから、設備投資を様子見する動きが広がり、受注の調整局面が続いているようだ。
5社合計の外需は前年同月比4・0%減の263億4900万円と、3カ月連続で減少した。内需は同25・3%減の105億3500万円と、7カ月連続の減少となった。
5社のうち、前年同月比で総額が唯一増加した芝浦機械は外需がけん引。中国では産業機械向けに横中ぐり盤、車載カメラ向けに超精密加工機、韓国では自動車照明向けに超精密加工機の受注が伸びた。
オークマは北米で中小企業を中心に金利上昇の影響が見られるが、「電気自動車(EV)、オイル・ガス、航空機向けなど幅広い業種で受注を得ている」という。中国ではEVや一般機械向けなどで受注が続くが、先行き不透明感などから「商談が長引きつつある」状況だ。
ツガミは市場全体で受注の調整局面が続いていると見るが、「日本や中国ではEVなどで反発の兆しが出てきているとの声も聞かれる」とした。
ジェイテクトは一般機械や自動車関連向けでスポット受注があり内需を支えた。同社経営企画部は「国内ではエンジン部品以外の一般機械向けの受注に回復傾向が見られる」との認識を示した。
牧野フライス製作所は2023年度上期(4―9月期)を受注の調整局面と予想しており、「5月も落ち着いた水準が続いた」と見る。今後の受注動向については「半導体製造装置向けなどがけん引役となり、下期から国内外で受注が回復していくと想定している」との見通しを示した。
オークマは受注の調整局面が続く現状から「4―6月期を底に緩やかな回復局面を見込んでいる」とした。ジェイテクトは今後について「中国ではEVなど新エネルギー車向けの高い需要の維持」を期待し、北米では金利やインフレ上昇の落ち着きによる「受注の回復を期待している」という。
- 2023年6月22日
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- 2023年6月21日
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牧野フライス製作所は、工作機械の消費電力削減や生産性向上に貢献する技術を開発した。温度変化で生じるわずかな機械変形を予測し、自動制御により高精度な加工を維持。厳密な工場空調機器がない環境でも消費電力を2013年比12%削減する。こうした環境に応じて制御を最適化する技術や省エネ機能をマシニングセンター(MC)「V33i」など7機種に搭載し、発売開始した。
温度による機械変形を予測して補正する制御技術「スタビライザー」では、工場環境の気温が9度C変化しても位置決めの誤差をプラスマイナス3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以内に安定できる。リングゲージなどの測定機器で、実際の使用下での温度と変位の関係を取得して分析し、最適な制御を実現する技術「オプティマイザー」も開発。高精度な加工などにも寄与する。
また油圧ユニットなど工作機械の補器類の運転を最適化し、消費電力を待機時と比べ30%削減する機能なども展開。
- 2023年6月21日
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- 2023年6月16日
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ミスミグループ本社は、オンライン機械部品調達サービス「meviy(メビー)」で、顧客がアップロードした3次元(3D)CADデータから自動で2D図面を作成する新機能を加えた。検図や図面管理で必要な2D図面の作成工数を9割削減できる。現場の生産性向上を支援する。
自動生成された2D図面はダウンロードでき、形状線や数値などを自由に編集できる。対象製品は切削部品(角物)と板金部品。まずは期間限定の体験版として提供し、期間中は無料で新機能を利用できる。
同社によると、設計業務の3Dデータ化は進んでも2D図面が必要な業務が残っている。図面の作成工数を減らしたい顧客の要望に応え機能を開発した。
- 2023年6月16日
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- 2023年6月15日
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ブラザー工業は、同社の主軸30番の小型マシニングセンター(MC)「スピーディオ」で初の横型となる「H550Xd1」を発売開始。主軸の配置を横向きにして小さな本体サイズを維持しながら広い加工空間を実現した。電気自動車(EV)向けで多い大型のアルミニウム部品をはじめ、さまざまな加工ニーズに応える。価格は1232万円(消費税抜き)。
機械幅1557ミリ×奥行2990ミリメートルで設置スペースは一般的な40番横型MCより約20%少ない4・7平方メートルを実現。EVのギアケースやアルミホイールなどの加工対象物(ワーク)を想定している。装着可能な最も長い工具を設置した状態で直径600ミリ×高さ580ミリメートルの広い治具エリアを確保。大型の部品加工の場合は、加工部品が干渉しない位置に工具が移動することで、治具エリアを最大で直径800ミリメートル×高さ580ミリメートルまで広げられる。これにより、大物や長尺のワークの搭載と多面加工を可能にした。
一度に30本配置できる新開発のマガジンを導入。加工エリアとマガジン搭載場所を分離するとともに、最長250ミリメートル、最大径125ミリメートル、最大重量4キログラムまでの大型の工具を載せられる。
- 2023年6月15日
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- 2023年6月9日
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ジーネットは、アルム(金沢市)と切削加工現場のデジタル変革(DX)支援で業務提携した。加工プログラム自動生成ソフトウエアなどを含むアルムのクラウドサービス「アルムファクトリー365」を、ジーネットが7月から国内で独占販売する。価格は標準プランの場合で、基本使用料が1万9800円(消費税抜き)、データ使用料が1ギガバイト(ギガは10億)当たり1万5000円(同)。初年度に365ユーザーの導入を目指す。
工具選定や加工条件設定などを自動化するアプリケーションのほか、生産管理などの複数アプリを利用できる。導入の初期コストを抑えるサブスクリプション(定額制)で提供する。ジーネットは、2021年にアルムの加工プログラム自動生成ソフトの国内独占販売権を取得し、DX支援を強化してきた。
- 2023年6月9日