-
- 2020年1月27日
-
不二越はロボットを活用したセルシステム市場に参入する。第1弾としてバリ取りセルを投入する。
加工対象物(ワーク)に応じてロボットの動作経路を自動生成し、プログラミングなどロボットを扱う専門知識がなくても、バリ取りを簡単に自動化できる。
ユーザーごとに固有のロボットシステムをつくり込むのではなく、カスタマイズの余地を残しながら作業に応じてロボットセルをパッケージ化し、自動化や省人化をしやすくする。
バリ取りセルは不二越の可搬質量10キログラムの小型ロボット、工具を装着する先端ツール、治具テーブルなどで構成。幅800ミリ×奥行き1400ミリ×高さ1400ミリメートルのケースにコンパクトに収めた。
オプション機能として専用のソフトウエアでワークのCADデータを取り込み、仮想空間上で加工箇所や加工条件を入力すると、ロボットの動作経路を自動生成する。装着したワークの位置をロボットに教示すると、実機と仮想空間の位置を自動で調整。最終的に作業者が試運転しながら動作経路を微調整して自動化する。
工具角度などを空気圧で調整する独自機構でワークのバラつきに対応する。鋳物などワークの素材や加工条件に応じて工具を選定でき、固定用の治具を専用設計することなどでカスタマイズできる。
既に受注を開始し、2020年度に年200台の販売を目指す。
同社はバリ取り以外に検査や搬送など作業に応じてセンサーやハンドといった周辺技術を組み合わせてロボットセルを構築。教示もしやすくして専門知識がなくても扱えるようにする。
一方、ロボットシステムを構築するインテグレーターの負担をカスタマイズ部分に絞ることなどで軽減。ロボットを導入しやすくし、ロボット事業の売上高に占めるロボットシステム販売の比率を数年以内に現状の2割強から5割に引き上げる。
- 2020年1月27日
-
- 2020年1月23日
-
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた2019年の新車販売台数は、前年比1・5%減の519万5216台だった。3年ぶりに前年実績を下回った。3年連続で500万台を超えたが、主に19年10月の台風など災害による受注減が響いた格好だ。
消費増税に関しては「減税措置があり、駆け込み需要や反動減があったとは言い切れない」(自販連)としている。
登録車は同1・9%減の328万4870台となり、2年連続で前年実績を下回った。乗用車は同2・5%減の282万1886台。普通乗用車は4年連続増で過去最高を更新したが、小型乗用車がマイナスだった。ホンダの小型車「フィット」の販売延期なども響いた。
軽自動車は同0・7%減の191万346台と3年ぶりにマイナスとなったが、全軽協は「過去8番目の高水準」と評価。内訳では乗用車が3年ぶりにマイナスとなったが、貨物車が3年連続のプラスを記録した。
10月の消費増税による年間販売への影響については「(影響は)あったかもしれないが、分析しきれていない」(全軽協)と引き続き動向を注視する考え。
12月単月の新車販売は前年同月比11・0%減の34万4875台で3カ月連続のマイナス。登録車と軽ともに前年同月の実績を下回った。20年1月以降の新型車の発売を待つ動きが見られるという。
- 2020年1月23日
-
- 2020年1月22日
-
-大型と精密部品向け-
ソディックは形彫り放電加工機のシリーズ拡充を図っている。このほど、自動車の大型部品や、精密部品向けの放電加工機2機種を発売した。
大型部品向けの「AG200L」は、従来のC型コラム仕様の「AG100L」に比べ、X軸を1200から2000㎜に、Y軸を650から1200㎜に拡大した。最大ワーク寸法を面積で約2倍、加工タンク容積で3・2倍に広げたが、Y軸に2重構造スライド方式にすることなどで、寸法は約1・5倍のコンパクト化を実現した。2重構造は軸ストロークを拡張しながら移動質量を軽減し、応答性も高める効果が得られるため、高速加工を可能にした。アークしない「アークレスPlus」も搭載したほか、専用に設計した電源装置「LN2A2電源」で高い処理速度を実現した。
精密金型向けの「AL40G/60G」はAIなど様々な新技術を採用した。新開発の「SP電源」の搭載で、荒から仕上げまでの加工路域で精度、速度、品質の向上を実現。また、機械各部の温度をセンシングすることで精密な補正などに利用可能な「TH COM」を採用し、温度変化や熱変位量を最小限に抑制した。
-AI活用や新電源搭載-
AIにより、常に最適な加工条件を提供できる「LNProAI」を標準装備。初心者でも加工性能を最大限引き出すことができる。
このほかにも、3軸リニアモータを採用し高速加工を実現したほか、アークしない「アークレス4」の搭載で、電極の消耗抑制や加工面質の向上などにつながる。また、ATCやロボットなど様々な自動化システムへの対応がしやすいように、3面自動上下式の加工タンクや、上吊り式操作パネルを採用した。
ニュースソース:日本産機新聞(https://nihonsanki-shimbun.com/)
- 2020年1月22日
-
- 2020年1月21日
-
京二は2019年9月期の売上高が56億円と8・4%の増収となったと発表した。12月6日に都内で、取引先を招いた「京二会」で報告した。
売上が伸びた要因について、井口社長は「春先まではユーザーの動向も堅調で、全分野で伸びた。とりわけロボットや工作機械など設備投資が好調だった」と分析。一方20年9月期ついては、工作機械の落ち込みや工具でも厳しいことから、売上高が50億円と約10%の減収になる見通し
た。
そんな状況下で、今期は3つの分野に注力すると報告した。一つ目は中国製品事業。19年は6・5億の売上まで拡大したが、昨年9月に中央工機との上海で合弁企業を立ち上げるなど、さらなる市場拡大を目指す。
また、ロボット・FA事業は前期4・5億まで伸長した。「20年もシステムインテグレータとの提携を強化しながら、ロボットにこだわらずユーザーにとって最適な自動化提案をしていく」と述べた。3つ目として、昨年は名阪営業所を設置したが、「今年は中日本以西の営業を強化していく」とした。
ニュースソース:日本産機新聞(https://nihonsanki-shimbun.com/)
- 2020年1月21日
-
- 2020年1月20日
-
工作機械主要7社の11月受注実績は、前年同月比41・5%減の248億4000万円となり、12カ月連続で減少した。内需は前月に次いで今年2番目の低水準だった。4月以降の減少率は7月を除いて同20―30%台だったが、10、11月は2カ月連続で40%台と悪化。投資への慎重さが一段と強まったとの指摘もある。一方、自動車関連は複数社が大口案件をまとめた。
牧野フライス製作所は、10―12月の計170億円程度の受注計画を単月換算で下回った。国内外で「設備投資を見合わせる状態が続いている」と分析する。オークマも「中国で見込んでいた大型案件を決めきれなかった」とする。米中摩擦が長期戦となりつつある中、「もう一段様子見が強まった」と見る。年内は状況を静観し、来年に投資を判断しようという雰囲気があるようだ。
自動車関連はまとまった案件があった。三菱重工工作機械は、日欧向けで商談が長引いていた歯車機械を大口受注した。ジェイテクトは日中でまとめた。国内の車向けは「比較的好調に推移した」と前月並みの水準を維持した。
2020年の市況はオークマが4月以降の底入れ、牧野フライスは10月以降の回復を予想している。
- 2020年1月20日
-
- 2020年1月16日
-
2019年の工作機械の市況は、祭りの後の静けさに包まれた1年だった。18年は年間受注高が過去最高の2兆円に迫り、空前の活況と言われた。だが、19年は6月に好不調の判断目安である月1000億円を32カ月ぶりに割り込み、8月には76カ月ぶりに月900億円を下回った。元凶の米中対立の余波は大きく、19年の受注高は1兆2000億円台に落ち着きそう。前年からは6000億円程の落差がある。
「山から次の山へ、尾根伝いに歩いている」。日本工作機械工業会(日工会)の飯村幸生会長は1月に開いた新年行事で19年の工作機械業界をそう言い表した。ただ、実際は山から次の山へと谷を歩くような1年だった。
日工会は年初に定めた年間受注高目標の1兆6000億円を、9月に3500億円ダウンの1兆2500億円に見直した。米中摩擦、中国の設備過剰などの中、当初想定を超える厳しさがある。17―18年初めは全世界同時好況といった状況だったが、19年はその対極の様相だ。米国の受注が弱含み、日本、ドイツの停滞が目立つ。
ただ、工作機械業界の静けさは受注面に限られる。短中長期視点の技術開発、市場開拓はギアが1段上がった感もある。すごそこに迫った第5世代通信(5G)時代を見据えた社内検証が急ピッチで進む。ファナックやDMG森精機はそれぞれ自社工場での実証テストに乗り出した。人工知能(AI)の実装も本格化し、ヤマザキマザックは加工条件を補正するAI搭載の5軸加工機を発売した。
社会課題の労働力不足を背景に自動機器との融合も盛ん。オークマは産業用ロボットのパッケージ対応機種数を3倍以上に拡大した。一方、成長性を秘めたインドではツガミやDMG森精機が生産拠点の整備に動いた。
工作機械の景況は数年周期で山と谷を繰り返す特性がある。好転は20年夏前とされる。跳躍のために膝を抱え込んだ1年と言えるだろう。
- 2020年1月16日
-
- 2020年1月9日
-
三菱重工工作機械は、金属3Dプリンターに人工知能(AI)を適用し、設計通りの正しい寸法で造形する技術を開発した。これまで機内カメラで常時監視した造形画像を基に、制御を最適調整していた。ただ、溶融金属などでレンズが汚れていた際、画像がぼやけて正しく造形できなかった。
新技術はAIにより、不鮮明な画像でも精度を保てる。今春に製品化する。
三菱重工工作機械が2018年に本格発売した同社初の金属3Dプリンター「ラムダ」向けの技術で、世界でも珍しい。標準搭載を検討する。
同プリンターは、金属粉を出しながらレーザーで焼き固めるレーザメタルデポジション方式。2年後に10台程度の販売を見込んでいる。
新技術は、不鮮明な画像でもAIで造形途中の実際の寸法を認識する。
従来は、溶融金属が付いたカメラで撮影すると、造形物の寸法が実際より大きく認識されていた。制御調整は画像を基にするため、意図した造形物に仕上がらない課題があった。また、飛び散る溶融金属や、レーザー照射部のノズルに付着した異物を造形物と認識してしまう難点もあった。AIによって、これらの課題を解消する。
- 2020年1月9日
-
- 2020年1月8日
-
SUBARU(スバル)は、富士通と共同でエンジン部品の加工品質の良否を判定する人工知能(AI)モデルを開発したと発表した。カムシャフトの研削工程においてセンサーで収集したデータを基に品質状態を即時推測し判定する。同日、スバルの群馬製作所大泉工場の量産ラインに導入し実証実験を始めた。
今後、実用化を目指すとともに、得られた知見を他の部品やエンジン工場全体に横展開し、生産性や品質の向上に役立てる。
開発したAIモデルは、カムシャフトの研削設備につないだセンサーから主軸動力値や振動データを収集・分析し、加工中のカムシャフト全数の品質を即時推測するもの。表面の粗さや形状などの品質データをAIに機械学習させることで加工中でも品質をすぐに良否判定できるようにした。
実証実験では収集したセンシングデータからAIモデルで推測した品質状態を比較し、品質保証基準の範囲内に収まるかを検証する。従来の抜き取り検査に加え、AIモデルによる全数検査をあわせることで効率的に品質保証レベルを高めることが可能かを見極める。
また定期交換が必要な研削砥石の効率的な使い方も検証する。表面を研いで切れ味を戻す「ドレッシング」のタイミングにあわせて実証実験し、交換の間隔を従来比約70%伸ばすことも目指す。
- 2020年1月8日
-
- 2019年12月30日
-
乗用車メーカー8社が発表した10月の生産・販売・輸出実績によると、世界生産台数は前年同月比10・2%減の237万4662台と前年同月実績を3カ月連続で下回った。全社がマイナス。海外生産がアジアなどの市場減速で伸び悩んだ。国内の生産や販売も台風による影響などで台数を押し下げた格好だ。
海外生産は全社が前年実績を下回った。トヨタ自動車はタイの景気低迷などが影響した。日産自動車は米国の「タイタン」や中国の「シルフィ」などの減少が響いた。三菱自動車はタイで「トライトン」が減った。マツダは中国とタイの生産が大幅に減少し8社中最大の減少幅を示した。ホンダは中国で「CR―V」などの販売が好調で10月として過去最高となったが海外全体で減少した。
国内生産も全社がマイナス。ホンダは「N―WGN」が一部部品の不具合で生産を停止しており、8社中最大の減少幅を示した。SUBARU(スバル)は台風19号で一部の部品供給が滞り、工場を停止したことが響いた。
スズキも完成検査問題への対策で工場の稼働を落としていることが影響した。ダイハツ工業は軽自動車が減少した。
国内販売も全社が前年実績を下回った。
- 2019年12月30日
-
- 2019年12月26日
-
日産自動車は、ロボット活用による自動化推進などを柱とする自動車工場の生産技術革新計画を発表した。人が担ってきたパワートレーン(駆動装置)の組み付けなどをロボットに置き換える。「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」と呼ぶ新技術で構造が複雑化する次世代車の生産でも高品質・高効率を維持したい考え。まず2020年に栃木工場に約330億円を投じて展開し、ほかの国内外の工場に広げる。
日産が生産革新でつくりあげる“CASE対応ライン”の真骨頂は「パワートレーン一括搭載」と呼ぶシステムだ。作業者が専用パレットに各種部品をセットするだけでロボットが1工程で自動で取り付ける。モーター、エンジン、電池、サスペンションで「27通りもの組み合わせに対応する」と坂本秀行副社長は胸を張る。
画像認識技術を活用してボディーを測定し、0・05ミリメートルの精度で組み付ける。従来、同工程では複数の作業者がきつい姿勢で6回の作業を経て各部品を取り付けていた。
大変革期にある自動車は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)に加え、既存のエンジン車も残る。さらに自動運転技術などの搭載も進み、機能や構造が複雑化する。
効率や品質を維持しながら車づくりを続けるには、「従来の労働集約型の大量生産から脱却しないと対応できない」と坂本副社長。今回、日産が生産革新に乗り出す背景にはこうした事情があり、(1)車の高度化への対応(2)匠〈たくみ〉の技のロボット化(3)人とロボットの共生―を3本柱に据え、幅広い工程で新技術を導入する。
水漏れ防止のシーリング塗布工程は従来、熟練技能者がハケなどで手作業で仕上げていた。施工部位の形状が複雑なためだ。今回、匠の技能を数値化してロボットに教え、手の動きを忠実に再現して自動化する。
また塗装ラインでは、低温でボディーを処理できる水系塗料を新規開発し、低温処理が不可欠な樹脂バンパーとの同時塗装を可能にした。工程で発生する二酸化炭素(CO2)を25%削減できるという。
坂本副社長は生産改革について「人員削減は目的ではない。人の難作業を減らし、高齢者や女性が働きやすい環境をつくる」とも説明した。
国内外のほかの工場への展開については「設備更新時期や稼働率をみて、適切なタイミングを見いだせるかが課題」とするが、技術単体でも順次導入していく。
- 2019年12月26日