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- 2021年10月20日
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タンガロイは、小径・多刃仕様の直角肩削りカッター「タング・フォース・レック」で、最大切り込み11・5ミリメートルに対応する12サイズを発売した。びびりのない安定加工と高い耐欠損性を実現し、より幅広い加工に対応する。
ボディーには標準シャンク、ロングシャンク、モジュラータイプ、ボアタイプを設定。インサート(刃先交換チップ)は、コーナ半径(R)0・4ミリ―3・0ミリメートルをそろえた汎用のMM形と、アルミ合金加工用AM形など計26アイテムで構成。価格はボディーの「EPAV12M016C16・0R03」が3万7070円(消費税込み)。インサートの「AVGT120408PDFR―AM KS05F」が1342円(同)。初年度3億6000万円の販売を見込む。
切れ刃を従来比約2倍に伸ばした。インサート座も従来品同様に大きなバックメタルを持たせ、止めネジを長くすることで、大きな切り込みにも対応できる剛性を確保した。
また業界最多の刃数を持たせ、高能率加工を実現した。
- 2021年10月20日
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- 2021年10月19日
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京セラは半導体製造装置部品や光学部品の需要拡大に合わせ、微細加工対応のソリッド工具事業に参入した。関連部品の製造に使う精密金型加工などの使用を想定。他社従来品比で工具寿命を3倍程度延ばせる高硬度材加工用ソリッドボールエンドミルを発売開始した。消費税抜きの価格は1本2950円から。ネック長や工具径別で計124型番をラインアップ。半導体、電子部品、車載向けに提案し、年5億円の販売を目指す。
投入するのは一般的な金属で最も硬いとされる硬度70HRCの高硬度材に対応した切削工具「2KMB」。同工具向けに開発した特殊な2層構造のコーティング技術を採用し、耐チッピング性と耐摩耗性を高レベルで両立させた。独自の設計技術により、ボール部断面積を他社従来品比18%拡大し、高い工具剛性を確保。工具のたわみを減らし加工対象物(ワーク)の倒れを抑制して、加工精度を保てる。
新製品は合金工具鋼やステンレス系、高速度鋼(ハイス)系など多様な高硬度材に使用可能。工具径が直径0・1ミリ―4ミリメートルの間で、標準タイプとロングネックタイプを合わせ、124型番からワークや用途に合わせ最適な工具を選べる。国内外の拠点で量産体制を整えた。
内燃機関向けの切削工具需要は縮小傾向だが、第5世代通信(5G)対応や電気自動車(EV)など「精密金型市場は必ず伸びる」(機械工具事業本部担当者)とみる。京セラは微細加工工具の市場規模を年200億円程度と想定する。
- 2021年10月19日
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- 2021年10月18日
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日本工作機械工業会が発表した8月の工作機械受注額(速報値)は、前年同月比86・2%増の1265億8700万円で、10カ月連続の増加となった。営業日数が少なかったことで、前月比は3カ月ぶりに減少。それでも外需が引き続き堅調で、補助金効果などによる内需の拡大もあり、6カ月連続で1200億円を上回った。
内需は前年同月比2・0倍の462億1900万円で、6カ月連続の増加。450億円を上回るのは2カ月連続で、前月比も3カ月連続の増加となった。日工会では「需要の自律的な回復傾向が続いていることに加えて、事業再構築補助金や、ものづくり補助金も貢献しているとみられる」(調査企画部)としている。
外需は前年同月比78・9%増の803億6800万円で、10カ月連続の増加となった。前月比では、2カ月ぶりに減少したものの、6カ月連続で800億円を上回っており、高い水準を維持している。
- 2021年10月18日
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- 2021年10月15日
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タンガロイは、直角肩削りカッター「タング・トライ」に最大切り込み3・5ミリメートルの「04サイズ」を追加、発売した。取り代が少ない加工に最適な工具として訴求する。ボディーの価格は「EPA04R016M16・0―04」が3万9380円(消費税込み)。インサート(刃先交換チップ)と合わせて初年度1億2300万円の販売を見込む。
内接円径4・0ミリメートルの超小型インサートを採用。工具径16ミリメートルで4枚刃、同25ミリメートルで6枚刃など、従来品の1・5―2倍の多刃化を実現し、高能率加工を可能にした。底面側の加工面品位も高いため、狭窄(きょうさく)部の平面加工にも適用できる。
タング・トライシリーズは、切れ味の良い3コーナー仕様インサートを採用し、高い精度や能率などを実現。従来は加工部品や除去量の大きさに応じて、06、10、15の3サイズのインサートをそろえていた。
- 2021年10月15日
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- 2021年10月14日
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村田機械は刃物台を上下に動かし、従来品と比べてより複雑な複合加工ができるY軸機能を載せた正面型コンピューター数値制御(CNC)ターニングセンター「MWR120」を開発した。人手不足を背景に多品種少量生産の現場で高まる工程集約化や自動化、省人化ニーズに応える。ロボットや産業機械、建材向けといった多様な部品を生産する町工場などをターゲットに10月から受注活動を始める。
ボリュームゾーンのチャックサイズ6インチ・8インチクラスでY軸機能搭載は業界初。消費税込みの価格は2150万円。月6台の販売を目指す。
村田機械は大量生産の自動車部品加工向け工作機械を得意とする。近年は非自動車部品分野の新規顧客開拓にも積極的で、新製品で弾みをつける。
ターニングセンターは旋盤加工とマシニング加工を1台で担う。同社は加工対象物(ワーク)の搬入出を自動化するガントリーローダーと合わせて顧客に提案する。
平行配置した同一能力の2主軸・2タレット搭載の正面型旋盤が新製品のベース。占有床面積は幅2490ミリ×奥行き1800ミリメートルで、旋盤とマシニングセンターが別々の場合と比べ半分以下。工程集約と自動化で生産性を高める。
刃物台がY軸機能で上下に動き、主軸はX軸(左右)とZ軸(前後)に駆動。従来品で難しかったワーク端面の偏芯位置への穴開けなどが行える。従来品は主軸が固定で、刃物台のみX軸とZ軸に動く構造だった。
新構造でギアボックスを介さずに回転工具と回転工具用モーターの直結も可能となり、ノイズを大幅低減。同モーターのエネルギー伝達効率も向上した。
- 2021年10月14日
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- 2021年10月12日
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スリーエフ技研は、金属加工用研磨布ホイールを増産する。手作業の割合が多い従来の生産工程の見直しと独自設備による自動化を進め、同ホイールの生産で3―5年内に現在の月産600個から同1000個へ6割強増やす。量産体制の構築で生産コストを削減。従来のカスタム品に加え汎用品を手がけ、拡大する需要の取り込みも狙う。設備投資額は1000万―1500万円を想定する。
生産工程の自動化は、現場でトライ・アンド・エラーを繰り返しつつ、3―5年内に自動化を支援する試作装置を開発・導入する。同装置で効果が出れば増設も検討する。
スリーエフ技研は産業用研磨布ホイールなどを製造・販売する。顧客に合わせた大型製品のカスタマイズ(個別対応)が強みで、大手鉄鋼メーカーにも採用されている。
同社によると、近年は国内の研磨材メーカーの統廃合が続き、研磨材の需要に対し、供給が間に合っていない状況という。札谷社長は「今後、生産拡大と効率化に向け、手作業の工程をさらに機械化する」としている。
- 2021年10月12日
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- 2021年10月11日
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中村留精密工業は、オプション搭載としている工具や加工対象物(ワーク)への切りくずの巻き付きを防ぐ揺動切削機能の対象機種に、大型機を含む複合加工機7機種を追加した。搭載可能機種は計14機種に拡大した。
揺動切削はサーボ制御による工具の振動で、刃先に一定間隔の揺動を生じさせる。ワークに対して空振り領域を作ることで切りくずが細かく分断され、絡み付き防止や排出性向上につながる。特に自動工具交換(ATC)付きの工作機械に揺動切削を用いると、切りくずの絡み付きによる不良や機械停止時間が減少し、生産性向上で高い効果を発揮する。
顧客の要望もあり、今回の追加機種では最大加工径640ミリメートルの高剛性ATC型複合加工機「NTRX―300L」にも搭載可能とした。同社によると、ATCと大型機に揺動切削機能を搭載するのは世界でも珍しいという。
揺動切削は溝入れ加工、ドリル穴開け加工、内径加工にも対応。今後は機械との相性を見ながら、同機能の搭載可能機種を検討していく。
- 2021年10月11日
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- 2021年10月8日
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日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した8月の新車販売台数は、前年同月比2・1%減の31万9697台で、2カ月連続で前年を下回った。登録車はプラスだったが、軽自動車は8月単月として直近10年間で最低だった。全軽自協は「世界的な半導体不足や、東南アジアでの新型コロナウイルス感染再拡大による調達部品の滞りを受け、各社が減産などを行った影響が大きい」とコメントした。
軽自動車は同12・0%減の11万3129台で、3カ月連続の前年割れだった。メーカー別では、三菱自動車が3カ月ぶりにプラスとなったが、他の7社はマイナスだった。ホンダは6カ月ぶりに前年を下回った。
9月以降について、全軽自協は「半導体不足などの影響が広がっている。情勢は非常に複雑で、見通しを立てられる状況にない」とのコメントを出した。
登録車は同4・4%増の20万6568台で、6カ月連続でプラス。ただ2019年と比べると14・9%減だった。「消費マインドは回復していない。半導体不足などによる納車遅れの影響もある」。
車種別では、普通乗用車は同12・3%増の10万3040台で、11カ月連続の2ケタ増だった。一方、小型乗用車は同6・5%減の7万2490台で、8月単月としては過去最低だった。「近年、比較的大きめの車が人気を集めている」点が背景にあるとしている。
- 2021年10月8日
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- 2021年10月6日
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山田マシンツールは、1・5ギガパスカル級の超高張力鋼板(超ハイテン鋼)に対応する高耐久刻印を開発した。特殊ハイスの採用と製造法の工夫により、耐久性を従来品比10倍に高めた。自動車用鋼製部品にマーキングする打刻機に搭載する。すでにこの対応打刻機の受注を始めており、2021年度は2台の納入が決まった。22年度以降に完成車メーカーを中心に拡販を図る。
マーキングは自動車などの品質管理の証として、1台当たり300―400カ所の部品に施す。軽量化目的で自動車に超ハイテン鋼を採用するケースが増えている。超ハイテン鋼は硬いため打刻の際、刻印が欠損しやすい。このため高耐久性を特徴とする刻印が求められていた。
山田マシンツールが開発した高耐久刻印は、素材として特殊な処理を施したハイスを採用した。また製作工程では、小径砥石に超音波振動を加える研削と、滑らかな表面処理を可能にするヘリカルスキャン研削を組み合わせた。これにより欠損につながるバリやツールマークを抑える。
これまで同社は、超硬カッターでハイスに一刀彫りする手法で刻印を製作してきた。今回開発した刻印の耐久打刻回数は、従来に比べ10倍の約29万回に向上した。
同社の打刻機はサーボモーター駆動で刻印をワークに押しつけて打刻する。高耐久刻印も同様の打刻機に取り付けて使う。価格は個別見積もり。
山田マシンツールは高耐久刻印を日本工業大学やトラックメーカーなどとの産学連携で開発した。
- 2021年10月6日
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- 2021年10月5日
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ミスミグループ本社は、機械や設備の自動化に必要な部品を短期で受注生産するデジタルサービス「meviy(メヴィー)」に、3次元(3D)CADで設定した部品の穴の種類や精度などを自動反映する機能を追加した。
トヨタ自動車との共同開発。部品の穴をメヴィーで再設定する手間をなくし、部品の調達時間を従来比30%削減する。両社は共同開発した機能を標準展開することで製造業のデジタル変革(DX)を加速する。
新機能は、トヨタ自動車で設備開発を行うモノづくりエンジニアリング部のノウハウを投入した。3DCADデータの製造情報を自動でメヴィーに反映する。今回は第1弾として、はめあい公差やネジなどの穴の種類・精度を3DCADデータと連携する。
これまでメヴィーではアルゴリズムを活用し、最適と思われる穴を提案していたが、3DCADと異なる場合は一つずつ変更する必要があった。新機能では穴の製造情報ごとに3DCADとメヴィー上で色を設定。色と製造情報を組み合わせることで穴の種類・精度を正確に反映する。
対象のCADソフトウエアは富士通の「iCAD SX(アイキャド エスエックス)」と仏ダッソー・システムズの「ソリッドワークス」の2種類。
今後もミスミとトヨタはメヴィーの機能に関する共同開発を継続する。紙図面を廃止することによる効率化やデジタル化、環境への貢献を目指す。
- 2021年10月5日
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- 2021年10月4日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した7月の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比93.4%増の1349億8300万円だった。9カ月連続の増加で、2カ月連続で1300億円を上回った。国内外で多様な業種で設備投資の動きが広がる中、内需は補助金採択で受注が底上げされた。外需も主要3地域で増加し、高水準を持続している。
内需は5カ月連続の増加で、2019年9月以来22カ月ぶりの450億円超え。一般機械や自動車など主要4業種はいずれも前年同月比増となった一方、前月比では自動車が2カ月ぶりに減少した。事業再構築補助金などの各種政策について、稲葉善治会長(ファナック会長)は「中小企業からの受注増加に一定の効果を発揮したと思われる」とした。
外需は9カ月連続の前年同月比増加となり、5カ月連続で850億円を上回った。欧州は18年10月以来33カ月ぶりの200億円超え。イタリアは自動車関連需要の増加や政府の経済政策により、08年2月以来13年5カ月ぶりに40億円を上回り、ドイツも3カ月連続で35億円超えとなった。北米も3カ月連続で200億円を超え、回復軌道に乗りつつある。
一方でアジアは2カ月連続の450億円割れで、前月比は3カ月連続の減少。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、インドや東南アジアは「一進一退の状況」(稲葉会長)が続いている。中国は自動車関連需要の大幅な増加により、2カ月ぶりに300億円台に回復した。
旺盛な需要を背景に部品・部材不足の影響が広がり始めている。山崎智久副会長(ヤマザキマザック会長)は「半導体などの電子部品やコネクター類、板金部品などの供給が一段とタイトになっている」と現状を話す。
業界では部品の入手難に加えて、コンテナ不足による海上輸送の遅れも発生しているという。今後さらに悪化すれば工作機械の長納期化にもつながりかねず、受注への影響が懸念される。
- 2021年10月4日
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- 2021年9月30日
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村田ツールは、最大加工幅1550ミリメートルで板金の大型加工対象物(ワーク)に対応したブラシ式バリ取り機「DB1500S」を9月に発売開始した。電源設備といった産業機器の筐(きょう)体や、建具のドアなどの大型化で大きな板材の活用が増えており、品質のバラつきを抑えるバリ取り機の大型化ニーズを捉える。消費税込みの価格は1790万円。月2台の販売を目指す。
村田ツールはタレットパンチプレスやレーザー加工機などを手がける村田機械の子会社。これら板金機械で加工後のバリ取りは品質を左右する重要工程。手作業からの置き換えを促す。
ブラシ式はブラシを縦回転させながら旋回させ、ブラシの毛先5ミリメートルほどをワークに当ててバリを取る。当てる精度が新製品はプラスマイナス0・5ミリメートル。同精度プラスマイナス5ミリメートルなどの競合他社製品と1ケタ異なる。均一なバリ取りで、後工程の塗装の品質なども向上するという。
新製品のブラシ長は約1500ミリメートルと、最大加工幅1000ミリメートルの同社従来品比で約1・5倍。長くて重いと回転時の制御が難しいが、新製品はブラシ部のシャフト大径化、フレームの高剛性化、ブラシの両サイドを保持する独自の両持ち機構採用で、高速回転してもたわまないようにし、均一化した。競合品は、ブラシの片側の端を保持して旋回するタイプが一般的という。
加工時の金型の状態などでバリの出方は変わる。この時の追加工などが簡単に行えるモードや、ブラシ寿命のモニタリングなど、オペレーターを支援する機能も充実させた。
- 2021年9月30日