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- 2021年6月23日
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造船・重機大手5社が2022年3月期連結業績予想を公表し、売上高は新型コロナウイルス感染症の拡大前の水準には戻らない見通しだ。三菱重工業や川崎重工業は主力の航空機分野の低迷が続くのが影響する。ただ損益の悪化には歯止めがかかり、大幅な増益や黒字化の予想が目立つ。業績の本格回復には、成長事業が必要だ。
受注高もコロナ禍前の水準に届かない見込み。打撃が大きい航空機のほか、造船の市況低迷も業績の足かせで、各社は回復の決め手を欠いている。
22年3月期に三菱重工は航空・防衛・宇宙部門の売上高が前期比約15%減、川重も航空宇宙システム部門の売上高が同約10%減の落ち込みを予想する。川重の山本克也副社長は「民間向けは機体、エンジンともに需要が低下しており、エンジンの収益改善が一番の課題」と説明する。一方、IHIはエンジンのスペアパーツの販売が一定程度増える見込みだが、需要回復に伴う利益面への寄与は織り込んでいない。
21年3月期に減損損失の計上が相次いだ造船の構造転換も課題だ。住友重機械工業は船価の低迷を踏まえ、新造船の建造体制を年間3隻に縮小する。
コロナ禍で収益の柱だった事業がつまづき、各社は活路を見いだそうと模索が続く。IHIの井手博社長は「成長事業の具体化が課題」と指摘する。「脱炭素化」への対応により業績回復の明暗が分かれる可能性もある。
- 2021年6月23日
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- 2021年6月22日
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ホンダ系部品メーカー8社の業績が回復傾向にある。各社が発表した2022年3月期連結業績予想は、未定としたテイ・エステックとエフテックを除く全6社が営業増益を見込む。前期は8社中で営業増益は5社だった。新型コロナウイルス感染症の再拡大や、半導体の供給不足による生産調整などのリスクはあるが、経済は持ち直しており、受注は増加傾向だと予想する。今後のさらなる市場回復や、ホンダが掲げる電動化戦略に対応するため、投資を積極化する方針だ。
テイ・エステックとエフテックは半導体不足の影響を合理的に見通すのが困難だとして、22年3月期の業績予想を未定とした。
ただ市場が回復基調にあることを背景にテイ・エステックは、米国や東欧でシートの増産に向けた投資を進める。保田真成社長は「競争力を高めていく」と意気込む。
強気の設備投資はトレンドの一つ。ジーテクトは13日、中国・広東省広州市に子会社を設立し、3カ所目となる工場を23年4月に稼働すると発表した。投資額は約3億7600万元(約61億円)。中国で電気自動車(EV)市場が急拡大する中、同社の車体プレス部品のニーズも増えると見込む。
またエフ・シー・シーは前期比約2倍となる125億円の設備投資を計画し、国内外で生産能力を高める。
ホンダは40年に世界で販売する全ての4輪車を、EVと燃料電池車(FCV)にする方針を打ち出した。テイ・エステックの保田社長は「電動化しても(同社製品の)シート自体はなくならない」としたが、「対応できるように軽量化などの準備はしている」と説明する。
21年3月期はユタカ技研と八千代工業を除く6社が減収。コロナ禍による工場稼働停止や完成車メーカーの減産が響いた。中国市場はいち早く回復し、それ以外の地域も夏以降は回復基調となったものの、期末に半導体不足の影響が拡大し自動車生産の勢いが鈍った。
- 2021年6月22日
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- 2021年6月21日
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不二越は超硬工具「アクアREVOシリーズ」を拡充した。ドリルとエンドミルにそれぞれ新タイプを追加。従来の長寿命・高能率・多用途という特性を持たせつつ加工領域を広げることで、シリーズ全体としてユーザーの用途に幅広く対応する。
超硬ドリル「アクアREVOドリル」は、従来の一般的な加工深さ用(レギュラー)と浅い穴用(スタブ)に加えて、新たにセミロングを設定した。切りくず排出性を高めたほか、直径に対して7倍の深さまで加工できる。
従来は5倍までだった。寸法範囲は直径2・0ミリ―16・0ミリメートル。価格は直径6・0ミリメートル、全長102ミリメートルのドリルが1万3750円(消費税込み)。
超硬エンドミル「同ミル」は、ギャッシュランド形状で刃長1・5Dの2枚刃と4枚刃を追加した。寸法範囲は直径1・0ミリ―20・0ミリメートル。価格は2枚刃式で直径6・0ミリメートル、全長50ミリメートルのエンドミルが3498円(同)。
また、ネジ加工用切削工具(タップ)「ハイパーZタップシリーズ」でも、高硬度鋼などの加工に向けた「ロースパイラルタップ」に大径寸法を追加した。
寸法範囲はM14―M24で、並目・細目の計12寸法をそろえた。価格はM14、全長88ミリメートルで7073円(同)。
- 2021年6月21日
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- 2021年6月17日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した4月の車名別新車販売は、トヨタ自動車の小型車「ヤリス」が8カ月連続で首位だった。2位はホンダの軽自動車「N―BOX」で、軽としては17カ月連続で首位だった。3位のトヨタの小型車「ルーミー」は前年同月比2・4倍。2020年9月にマイナーチェンジした。4位はスズキの軽「スペーシア」、5位はダイハツ工業の軽「ムーヴ」、6位はダイハツの軽「タント」が続いた。
登録車の上位10車種のうち、7車種がトヨタ車。20年6月にフルモデルチェンジしたスポーツ多目的車(SUV)「ハリアー」は同4・6倍と伸びた。
2020年同月に新型コロナウイルス感染拡大による生産調整や来店控えがあった反動で、上位30車種のうち、大半が前年を上回った。新型車や特別仕様車も販売を押し上げた。ただ足元ではコロナ感染が再拡大しているほか、半導体不足の生産への影響が懸念され今後の販売動向は不透明だ。
- 2021年6月17日
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- 2021年6月16日
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オークマは、安定した長時間の無人稼働に向けて主軸テーパ50番手の横型マシニングセンター(MC)の主力機を10年ぶりに改良し「MA―600HIII」として発売開始した。価格は仕様で異なり4540万円(消費税抜き)から。自動車や半導体製造装置、エネルギー関連設備を含む幅広い部品加工用に月30台の販売を目指す。
無人連続稼働のため機内カバー構造を改良した。洗浄機能も強化し切り粉の堆積を大幅に削減。自社工場では2年間の洗浄作業不要を実証した。加工対象物(ワーク)を把持する自動治具用に油空圧ポートの数も増やした。
非切削時間を減らすため、テーブルの割出時間をB軸直角度で最短1・4秒と44%短縮した。工具交換時の工具や主軸からの残留クーラント除去を従来の最低15秒から0・4秒にできる吸引機能も採用した。経時熱変位を従来比13%改善し、精度安定性も高めた。
作業面積は630ミリメートル角でワークの最大寸法は直径が従来比50ミリメートル増の1050ミリメートル、高さが同200ミリメートル増の1200ミリメートル。特別仕様で(1)クーラントタンク内残留物の99%自動回収機能(2)鋼材「S45C」のフライス加工時で最大切削量毎分1240立方センチメートルと従来標準主軸比68%増の新開発主軸―も選べる。
- 2021年6月16日
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- 2021年6月15日
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タンガロイは、多機能溝入れ工具シリーズ「タング・カット」に、高剛性突切り・溝入れ加工用ホルダー「タングフィード・ブレード=写真」を追加し、発売した。独自の3コーナー仕様のブレード形状と高剛性の2面拘束ツールブロック形状により、突切り・溝入れ加工の高能率化を実現した。価格は代表型番の「CHGP52―3T」が1万7930円(消費税込み)。
インサート(刃先交換チップ)保持部の下側にブレードサポート形状を設けて高い工具剛性を確保した。溝入れ用DGM形、SGM形インサートとの組み合わせにより、送り量を30―50%増加でき、加工能率も高めた。溝幅は2ミリメートル、3ミリメートル、4ミリメートルを設定。最大突切り径は52ミリメートル、82ミリメートルに対応する。
- 2021年6月15日
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- 2021年6月14日
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日産自動車は2023年度までに精密加工が必要なエンジン部品を国内4工場で集中生産し、国内外に供給する体制を整備する。投資額は100億円超とみられる。可変圧縮比(VCR)エンジン向けの部品で高い加工精度が必要なため、技術に優れる国内での生産が欠かせないと判断した。同エンジンは独自のハイブリッド車(HV)技術「eパワー」でも採用。世界でeパワー車を拡販する同社の電動車戦略を日本のモノづくりで支える。
横浜工場、いわき工場、栃木工場、日産工機の4工場でVCRエンジン向け精密加工部品を分担して製造する。熱処理、鍛造、切削といった加工設備を各工場に導入。一部で生産を始めており、生産量に応じて能力を順次広げる。
日産は18年に世界で初めて排気量2000ccの量産型VCRエンジンを実用化した。走行状況に応じてエンジンの圧縮比を変えられ、低燃費と力強い走りを両立できる。新たにeパワーでの活用を想定した同1500ccのVCRエンジンを開発。22年に欧州で同エンジンを搭載したeパワー仕様のHVを投入するなど国内外でVCRエンジン搭載車の積極展開を計画する。
一方、VCRエンジンは主要部品に高い精度、強度、硬度を実現する難しい加工が求められる。日産は加工技術や品質管理に優れる国内工場で、難加工が必要な精密部品を集中して生産。これを国内外のエンジン組立工場に供給し、需要拡大に応える。
日産は30年代の早期に主要市場で販売する新型車をすべてeパワー搭載のHVや電気自動車(EV)などの電動車に切り替える方針。23年度では世界で年100万台以上の電動車販売を目指す。
アーサー・ディ・リトル・ジャパン(東京都港区)によると、30年に世界で生産される乗用車のHV比率は20年の10%から36%に向上。EV比率は同15%にとどまり、HVの存在感が高まる見通し。
- 2021年6月14日
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- 2021年6月11日
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タンガロイは、アルミニウムの超高速加工用カッターシリーズ「タングスピード・ミル」に、多結晶ダイヤモンド(PCD)インサート(刃先交換チップ)とカッターボディーを拡充し、発売した。インサートはコーナーR仕様と、切れ刃長が長い仕様(ロングエッジ)を追加した。新商品全体で初年度に1100万円の販売を見込む。
コーナーR仕様はR0・4ミリメートルと0・8ミリメートルをそろえ、立壁の隅にR指定のある加工物などに対応可能。ロングエッジ仕様は切れ刃長が従来比3・0ミリメートル長い9・5ミリメートルで、外周切れ刃とチャンファ部に刃先処理を施し、大きな切り込み部の加工でもチッピングや欠損が起きにくくした。価格は主な型番の「YDEN060304PDFR―D DX110」が9295円(消費税込み)。
カッターボディーは刃数が少ない仕様を追加。工具径50ミリ―160ミリメートルで6―20枚のアイテムをそろえた。同時接触刃数が少なくなり、ビビリやうねり発生を抑えられるため、切削幅の広い加工に適する。価格は代表型番の「EPYD06M050C32.0R06」が12万9030円(同)。
- 2021年6月11日
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- 2021年6月10日
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工作機械メーカーによるデジタル変革(DX)の取り組みが急加速している。専任組織の設立から商談、アフターサービスまで変革の領域は幅広い。以前からの自動化ニーズの高まりに加え、コロナ禍で感染防止とビジネスの両立に向けた取り組みが後押しされたことも背景にある。工作機械市場の回復が続く中、デジタルの力が製品・技術の進化とともに、需要取り込みに向けた重要なカギとなりそうだ。(編集委員・土井俊、名古屋編集委員・村国哲也)
デジタルツイン専任 加工変位を察知・補正「未来工場」
出荷前の立ち会いを遠隔でできるジェイテクトの「リモート・トーク」
「デジタル時代のモノづくりサービスの基盤を作る」。オークマの家城淳社長は自社で取り組むDXの狙いについて、こう強調する。同社はユーザーへの遠隔支援やオンラインでの商談・立ち会いなどを強化する専任部署「ものづくりDXセンター」を2020年7月に新設。さらに、DX時代の会社のあるべき姿を検討するプロジェクトチームも始動し、23年度以降に全社改革を本格化する。
また同社はデジタル技術で高度化、知能化した未来型工場「ドリームサイト(DS)」を構築。19年8月に稼働したマシニングセンターの部品加工工場「DS3」(岐阜県可児市)では72時間連続の無人稼働も実現した。DS3では熱や振動での加工空間の変位を機械自身が察知・補正し、校正支援もする技術「3Dキャリブレーション」も1年以上かけて実証した。
オークマのマシニングセンター部品加工工場「DS3」
DMG森精機はデジタルツイン技術による工作機械のテスト加工を始めた。加工時の切削力や工具振動などの切削状態を、実機による加工と同じように確認できる。テスト加工時間の大幅短縮と、工具や消費電力の削減も実現する。工作機械の微妙な構造変化まで再現できるデジタルテスト加工は世界初という。専任組織「デジタルツイン加工技術グループ」を設置し、5軸・複合加工機のテスト加工を中心に実施している。
同社はこれまで、顧客との出荷前確認を遠隔で行う「デジタル立ち会い」や、展示施設をデジタル上で再現したショールームの開設に取り組んでいる。これらのデジタル施策を通じて、顧客の生産性向上や持続可能な社会への貢献につなげる。
ジェイテクトは情報通信技術(ICT)による業務の効率化を進める。ギアスカイビング加工機向けに、工具の特注などで2カ月以上かかった加工テストをコンピューター上で数分でできる技術「自動設計システム」を実用化した。また、出荷前のユーザーによる立ち会いを遠隔でできるスマートフォン用ツール「リモート・トーク」なども製品化している。
顧客の機械、継続的に進化 操作サポートにチャットボット
機械の高精度化や高速化が進む中、各社はデジタル技術を活用した製品力向上にも力を注ぐ。牧野フライス製作所の井上真一社長は「デジタルを使ってどのような付加価値を提供できるかが機械メーカーの勝負どころだ」と捉える。同社は、デジタル技術を使って顧客の機械を継続的に進化させる仕組みを提供する方針。機械が加工内容や生産形態に応じて変容する新商品コンセプト「e―Machine」を掲げ、第1弾として21年1月に5軸制御横型マシニングセンター「a800Z」を投入した。
牧野フライスの5軸制御横型マシニングセンター「a800Z」
ヤマザキマザックはデジタル技術を活用したユーザーへの遠隔支援サービス「マザックアイコネクト」を強化している。人工知能(AI)を採用したコンピューター数値制御(CNC)装置「マザトロール スムースAi(エーアイ)」を搭載する工作機械には、20年12月販売分から同サービスを3年間無料にした。さらに21年4月には、同社CNC装置の全ユーザー向けに一部サービスを無料化し、有料サービスの料金も引き下げた。
ユーザーの生産活動に対するデジタルサポート体制を拡充する動きもある。
三菱重工工作機械(滋賀県栗東市)は門型5面加工機の操作・保守に関する自動会話プログラム「お問い合わせチャットボット」を3月に始めた。ユーザーがスマートフォンやパソコンから問い合わせた内容に対してAIが回答する。今後は販売促進用とユーザー専用の各ポータルサイトも開設するほか、「顧客が撮影した映像を見ながら、当社がサポートするサービスなども試行している」(若林謙一社長)という。
DMG森精機はユーザー専用サイトを通じて、機械の修理依頼や部品注文などを受け付けるサービスを4月に始めた。アフターサービスの利便性向上とともに、迅速な修理復旧と顧客の生産性向上につなげる。
コロナ禍でウェブ展示会の開催が多くなる中、工作機械業界でもウェブ上で製品・技術を訴求する仕掛け作りが広がっている。
日本工作機械工業会(日工会)は、常設のウェブ展示場を構築する方向で検討している。会員企業の製品紹介やワークショップ開催など、さまざまな情報を閲覧できる場としての活用を想定する。
企業レベルでは、既に独自に展示会やショールームをウェブ対応する動きが拡大している。アマダは今後、営業・サービスに特化したウェブ展示場を設けるなどし「リアルとバーチャル両面で商品を訴求できる体制を作る」(磯部任社長)方針だ。
ニュースソース:日刊工業新聞(https://www.nikkan.co.jp/)
- 2021年6月10日
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- 2021年6月9日
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MOLDINOは、超硬ねじ切りカッタシリーズからロングネックタイプを発売した。壁際など従来の首下長では干渉が発生する加工や、穴奥など従来では切りくずの排出性に難のある加工などの用途に適している。
「エポックスレッドミルET形」・「エポックDスレッドミルEDT形」の2製品で、首下長が呼び径の3倍の「3Dタイプ」と3・5倍の「3・5Dタイプ」を追加した。
超硬ねじ切りカッタシリーズは、良好な切り屑排出性によって折れ込みのリスクを低減し、美しい加工面を得ることができる。また、高硬度鋼のねじ切り加工を実現し、NC(数値制御)による自動化に貢献する。さらに、「EDT形」は1本で穴あけとねじ切りを同時に加工できる。
ニュースソース:日本産機新聞(https://nihonsanki-shimbun.com/)
- 2021年6月9日
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- 2021年6月8日
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三菱マテリアルは切削工具ユーザー向けの技術者育成研修「切削アカデミー」にオンライン版を追加した。講師による座学と切削加工実演のリアルタイム中継により、切削加工の基礎から応用までを遠隔で学べる。同研修のオンライン開催は初めて。
オンライン版の「切削アカデミーオンライン」は、従来の集合型教育と同様、初心者向けの導入教育から、加工原理を学ぶ一般教育、改善に役立つ専門教育と体系的に学べるプログラム構成とした。
コースは切削加工初心者向けの「初心者コース」や、実務経験2年以上の人や機械系学生向けの「機械加工基礎コース」、旋削や転削、穴開けといった「加工形態別コース」を用意した。同社ウェブサイトで受講者を募集しており、各コースの開催日程も確認できる。
切削アカデミーはモノづくりの技術・技能の継承を目的に2016年に開講。これまでに延べ827人が受講した。21年度はオンラインでのみ開催する。
- 2021年6月8日
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- 2021年6月7日
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乗用車メーカー8社が発表した2020年度の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年度比12・1%減の2335万1897台となり2年連続で前年を下回った。コロナ禍による年度前半の工場稼働停止や販売減少が響き、全社がマイナスだった。ただ足元の世界生産は需要増に対応するため回復傾向にあり、3月単月の実績は前年同月比30・1%増の大幅なプラスだった。
トヨタ自動車の3月の世界販売は単月として過去最高だった。
20年度の8社合計の国内生産は前年度比15・8%減だった。全社がマイナスとなり、スズキとダイハツ工業以外の6社は2ケタ減となった。トヨタは5年ぶり、日産自動車は4年連続、ホンダは2年連続のマイナスだった。
20年度の8社合計の海外生産は同10・2%減。コロナ禍からいち早く回復した中国生産は日産自動車が同16・3%増、ホンダが同37・0%増、トヨタは同30・9%増といずれも過去最高だった。
3月単月の世界生産は三菱自動車とSUBARU(スバル)以外の6社は前年同月比プラスだった。需要回復のほか、20年3月はコロナ禍で工場が停止し生産が落ち込んでおり反動増が出た。
国内生産は前年同月比4・5%増。ホンダやスバルは半導体不足の影響を受けた。国内販売は同6・1%増だった。ホンダやスズキ、ダイハツで軽自動車の需要が増えたほか、20年3月が新型コロナによる外出自粛で低水準だった反動も出た。
- 2021年6月7日
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- 2021年6月3日
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新潟精機は、超硬合金製ブロックゲージ「K0級」を発売した。従来品に比べて摩耗・腐食に強く、高精度を長期間保持可能。難加工材での製作に挑戦し、日本産業規格(JIS)「B 7506」の最上位精度「K級」「0級」を実現した。
3年がかりで完成したフラッグシップ製品。K級と0級の精度を兼ね備えた製品として「K0級」と命名した。五十嵐社長は「こうした分野でトップを目指すのが当社らしい姿。日本のモノづくり力の素晴らしさを世界へ発信したい」としている。
新潟精機は業界最高水準の0・3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の精度を持つピンゲージや、リングゲージなどを製造する。K0級のブロックゲージ開発は、五十嵐社長が「高い技術力を持つメーカーとして生きていきたい。ゲージの最高峰を作ろう」と社内に呼びかけたのがきっかけ。勤続30年を超える品質保証部品質管理課の小林正毅さん(68)が開発を担当し、3年がかりで完成した。
一般的には0級を作って精度が良かったものをK級とするが、今回は超硬でK級を目指してK0級の精度にたどり着いた。「職人技で作ったというだけだと承継が難しくなる。加工条件を数値化し測定技術を生かしてデジタルでやっている」(小林さん)という。
製品は1ミリ―2ミリメートルまで0・1ミリメートル刻みで10サイズ、2ミリ―10ミリメートルまで1ミリメートル刻みで9サイズの計19サイズ。K0級は1個5万円、K級相当は3万円、0級相当は2万円(消費税抜き)。
- 2021年6月3日