-
- 2022年2月15日
-
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した2021年の新車販売台数は前年比3・3%減の444万8340台だった。3年連続の前年割れ。新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大した20年の反動増の動きはあったものの半導体不足が長引いた影響が大きく、2年連続で500万台を下回った。
21年の登録車の販売台数は同2・9%減の279万5818台で4年連続、軽自動車の販売台数は同3・8%減の165万2522台で3年連続のマイナスだった。「半導体などの部品不足の影響が大きかったのではないか」(自販連の担当者)としている。
21年12月単月の新車販売は前年同月比11・4%減の33万6442台と6カ月連続の前年割れ。登録車は同10・2%減の21万8782台で4カ月連続減、軽自動車は同13・6%減の11万7660台で、7カ月連続減だった。
22年に入り、自動車メーカー各社は挽回生産を本格化する方針だ。ホンダは国内4輪車工場の稼働を正常化する。ただ物流の逼迫や半導体不足といった状況は解消していない。トヨタ自動車は1月に国内工場の非稼働日を設けるほか、一部の休日出勤を取りやめる。
今後については「新型コロナの変異株『オミクロン株』の感染が拡大しているほか、部品不足が長期化しており不透明な状況」(同)としている。全軽自協も「新型車や一部改良車追加などのテコ入れや初売りに期待したいが、半導体不足や海外調達部品の滞りなどの影響が継続している。いまだ情勢は複雑で見通しを立てられる状況ではない」とのコメントを出した。
- 2022年2月15日
-
- 2022年2月14日
-
ホンダは、中国合弁会社の東風ホンダが武漢市内に電気自動車(EV)専用工場を建設すると発表した。生産能力は年間12万台で、投資額は約40億元(約728億円)。2024年の稼働を目指す。中国政府の後押しもありEVの需要増が見込まれる同国で攻勢をかける。
新工場の敷地面積は63万平方メートルで、武漢経済開発区に設ける。プレスから検査まで一貫生産し、組み立て工程を中心に自動化する。再生可能エネルギーを活用するなど、環境に配慮した工場にするとしている。
東風ホンダは現地の東風汽車との合弁会社で、現在の生産能力は年間72万台。ホンダは中国初のホンダブランドEV「e:N(イーエヌ)」シリーズの展開を22年春に始める。東風ホンダからは「イーエヌS1」を発売予定だ。イーエヌS1は既存の東風ホンダの工場で生産する。
ホンダは30年以降に中国で投入する全ての4輪車をEVなどの電動車にする方針を掲げている。広州汽車との合弁会社の広汽ホンダ(広東省広州市)も24年にEV専用工場を稼働予定だ。
- 2022年2月14日
-
- 2022年2月10日
-
タンガロイは、旋削加工用工具「ミニ・フォース・ターン」用の立方晶窒化ホウ素(CBN)インサート(刃先交換チップ)に、HP形チップブレーカー付きを追加し、発売開始した。価格は主要型番の「6QS―WXGU040304R―HP BXA10」が1万8370円(消費税込み)。計8製品で構成し、初年度3600万円の販売を見込む。
焼入れ鋼の旋削加工での切り込み0・2ミリメートル以下の領域で、高い切りくず処理性能を発揮する。切れ刃とブレーカーの位置を離して設計したことで、すくい面摩耗の成長を抑え、長寿命化が図れる。また、切削抵抗を低く抑える刃先仕様の採用により、加工対象物(ワーク)の変形やびびりの発生も抑えられるため、安定加工を実現する。
ミニ・フォース・ターンシリーズは、両面ポジ仕様のインサートを採用した旋削加工用工具。両面仕様インサートでありながらも、従来の片面ポジインサート並みの低抵抗を実現する。
- 2022年2月10日
-
- 2022年2月8日
-
日本工作機械工業会が発表した11月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比64・0%増の1454億100万円で13カ月連続の増加となった。1400億円を上回るのは3カ月連続。前月比は微減となったものの、これまでと同様に内需、外需ともに回復が進み、高水準の状態が持続している。
1―11月の累計受注は前年同期比74・7%増の1兆4021億9200万円となった。日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は、21年暦年の目標額(1兆4500億円)について「達成はほぼ確実な状況だ」と自信を示した。
11月は内需が9カ月連続の増加で、3カ月連続で500億円を上回った。政府の補助金効果は弱まったが、半導体製造装置関連を中心に回復傾向が続き、全11業種が増加となった。
特に一般機械が21年の中で2番目の受注額に達したほか、電気・精密も4カ月ぶりの80億円超え。一方、自動車は2カ月連続の100億円割れで、21年は横ばい傾向が続いている。
外需は13カ月連続の増加となった。950億円を上回るのは2カ月連続で、稲葉会長は「17年終盤から18年上期にかけて過去最高を記録した頃の水準に迫っている」と好調ぶりを強調した。
地域別では、欧州が3カ月連続の200億円超えで堅調に推移した。特にイタリアは10月の国際見本市開催効果などにより、国・地域別統計開始以来の最高額を2カ月連続で更新し、初の50億円台を記録した。アジアは2カ月連続の400億円超えで、中国が2カ月ぶりに250億円を上回るなど持ち直し傾向にある。
- 2022年2月8日
-
- 2022年2月7日
-
スギノマシンは、高圧水部品洗浄機「JCC」シリーズの新製品2機種を発売した。最高50メガパスカルの高圧水でバリや切りくずを除去する「JCC104WIDE」と、機内の洗浄槽に水をためて洗浄対象物(ワーク)を浸し、水中で高圧水を噴射してワークの内部まで洗浄する「JCC403U―JET」で、高圧水発生ポンプの動力を最適化し、従来より消費電力を50%以上削減可能。駆動部の性能向上でサイクルタイムを約30%短縮できる。
消費税抜きの価格は104が2500万円から、403は3000万円から。それぞれ年間100台の販売を目指す。
清浄度やバリ取りの要求品質に合わせて洗浄条件を最適化し、使用エネルギーを最小限にする省エネパッケージ「JCC―eSmart」を標準搭載。ストロークの拡大により従来より大きなワークの6面洗浄が可能になった。異なるワークを同時に洗浄・乾燥でき、多品種混流生産にも対応する。
- 2022年2月7日
-
- 2022年2月4日
-
大弥精機は、工作機械用スピンドルの修理事業を開始した。自社製以外にも、国内外の他社製の修理や工作機械メーカーの修理業務も引き受ける。修理が必要になった際、新品との交換より安価で早期に復旧できる点を訴求。5年後に同事業で売上高7500万円以上を目指す。
スピンドルを修理する場合、費用は新品との交換に比べ半分以下で済む。また納期は新品交換の場合で約3カ月間かそれ以上要するが、修理は約1カ月間で完了する。
コロナ禍から景気が回復途上にある中、海外製の高性能機の修理も含め、問い合わせが増えている。修理が必要になった際、メーカーの指示通り新品へ交換していたユーザーから「より安価な修理で設備を延命し、経費を節減したい」といったニーズが顕在化していた。大弥精機によると、自社製に加え他社製のスピンドルを修理する企業は珍しく、新規性があることから新事業として立ち上げた。
同社は工作機械用スピンドルメーカーとして30年以上、多種多様なスピンドルを顧客のニーズに合わせてオーダーメードで製造。国内外、自社・他社問わず構造を推察して修理できる高い技術力と多くのノウハウを持つ。今後、事業拡大に向け複合研削盤を導入し、高効率の修理工程を構築する予定。また、ユーザーにスピンドルが修理して使えることを認知させるため、情報発信にも力を入れる。
- 2022年2月4日
-
- 2022年2月3日
-
タンガロイは、自動盤対応突切り工具「デュオ・ジャスト・カット」に0・6ミリメートル、0・8ミリメートル幅のインサート(刃先交換チップ)を拡充し、発売した。価格は主要型番の「JXPS06R06F SH725」が3300円(消費税込み)。初年度1000万円の販売を見込む。
切りくずの擦過がない3次元ブレーカー付きインサートで、計4製品で構成。突切り加工時の切りくずが安定してカールし、切りくず排出性や加工面品位の向上が見込める。また加工対象物(ワーク)素材使用量を削減でき、加工コスト改善につなげられる。
インサート材種には汎用性が高く、鋼やステンレス鋼に対して幅広く使用できる「SH725」を設定した。
同工具は独自の高剛性クランプ機能を搭載。主に自動盤での突切り、溝入れ、ネジ切り加工で高い性能を発揮する。
- 2022年2月3日
-
- 2022年2月2日
-
シチズンマシナリーは、本社敷地内に精密加工工場を新設し、工作機械の基幹部品であるスピンドル(主軸)の生産能力を2023年に現在比6割増やす。投資額は45億円。海外での自動旋盤の生産体制増強に伴い、スピンドルの生産能力も高めることで自動旋盤の安定供給を図る。
新工場は延べ床面積約4100平方メートルで、23年3月に完成予定。本社工場での新棟建設は09年以来となる。ロボットや無人搬送車(AGV)を活用して生産体制の自動化・省力化につなげる。太陽光発電の採用や周辺地域への電力供給などを通じて、持続可能な社会への貢献を目指す。
現在は本社工場内で、自動旋盤350台分のスピンドルを毎月生産している。今後はスピンドル生産を新棟に集約し、同550―600台分を生産する計画。それに伴い、本社工場内のスピンドル生産スペースは、ショールームや人材教育に活用し、生産品質の向上につなげる。
同社は21年8月に中国で新工場が稼働した。22年にはタイ工場(アユタヤ県)の増床も予定するなど、自動旋盤の生産能力増強を進めている。23年には全生産拠点での自動旋盤の生産能力が現在比4割増となる見込みだ。
- 2022年2月2日
-
- 2022年2月1日
-
中村留精密工業は、自社製複合加工機の利便性を向上させるための二つの新機能「ジオナビ」と「1(ワン)タレットプログラミング」を発表した。多品種少量生産が増加する中、変化に強い工場を求める企業に複合加工機の使い勝手の良さを訴求する。
ジオナビはツールセッターを使用した形状補正取得作業において、アプローチ以外の測定動作をすべて自動化したサポート機能となる。モニターのガイダンスに沿って簡単に操作し、作業を完了できる。実際に初心者が手動で作業する場合と比較し、45%程度の時間削減に成功したとしている。また、測定のバラつきを抑えたり、座標の取り忘れのミスを防いだりする効果もある。
1タレットプログラミングは、例えば複数タレットの場合、一つのタレットで入力した工程を、工程編集画面で内容に応じて他のタレットに展開できる。そのプログラム内容は座標系の反転などを自動変換するため、複数タレットのプログラミングが不慣れな場合でも作成を容易にした。
- 2022年2月1日
-
- 2022年1月31日
-
日刊工業新聞社がまとめた11月の工作機械主要7社の受注実績は、前年同月比66・3%増の407億7000万円で、12カ月連続の増加となった。400億円を上回るのは2カ月ぶり。欧米や中国を中心に海外需要の好調が続いており、日本国内でも需要回復の動きが強まっている。
牧野フライス製作所は輸出が前年同月比2・3倍だった。「米国と中国が想定よりも好調」(経営企画室)で、米国向けは半導体製造装置に加えて、自動車や医療関連が堅調。航空機も底堅い需要が続いている。
オークマは中国が堅調なほか、欧米が幅広い業種で需要が喚起され「かなりの高水準となっている」(マーケティング室)。国内も半導体製造装置関連が好調で、自動車も一部で回復の動きが出ているという。ジェイテクトも国内が自動車関連などのスポット受注により大幅に増加した。
芝浦機械は国内、輸出ともに同2倍以上の増加。国内では、産業機械や半導体製造装置向け門型機などに加え、発光ダイオード(LED)や光学向けで超精密加工機を受注した。
ツガミは強みの中国に加え、日本や欧米、インドも含めて「各市場ともに堅調」(同社首脳)な状況。日本電産マシンツール(滋賀県栗東市)は、インドで自動車向けに歯車機械の大口受注を獲得した。
今後の受注環境について、業界では「政治的な事情など、よほどの外部要因の悪化がなければこの傾向がまだ続く」(大手メーカー担当者)と、高水準持続への見方が強い。ただ、部品の供給不安は依然として続いており、OKKでは国内市場について「納期がキーとなる商談が増えている状況」という。
- 2022年1月31日
-
- 2022年1月28日
-
日本工作機械工業会(日工会)が発表した11月の工作機械受注実績(速報値)は、前年同月比64.0%増の1454億200万円で、13カ月連続の増加となった。1400億円を上回るのは3カ月連続。前月比は2.6%減と3カ月ぶりの減少に転じたものの、内需、外需ともに高水準の状況が持続。主要メーカーの足元の受注動向から、12月以降も市場の好況が続いている。
内需は前年同月比84.1%増の497億9300万円で、9カ月連続の増加となった。半導体関連を中心に需要が堅調なことに加え、「自動化や省人化への設備投資の度合いも強まっている」(日工会調査企画部)。事業再構築補助金などによる一定の下支え効果もあったもようだ。
外需は同55.1%増の956億900万円で、13カ月連続の増加。前月比は3カ月ぶりの減少となったが、2カ月連続で950億円を上回った。中国市場に加えて、欧米での需要が引き続き伸びているようだ。
11月までの21年累計受注額は1兆4021億円となった。12月も好調を持続し、日工会の21年受注見通しである1兆4500億円の達成はもちろん、1兆5000億円台到達も高まった。
- 2022年1月28日
-
- 2022年1月26日
-
長く低迷していた受注がコロナ禍でさらなる打撃を被った2020年から一転、21年の工作機械市場は回復傾向が鮮明となり、受注も高水準に達した。ただ、半導体や電装品などの部品不足の影響で、機械の納期が徐々に長期化。材料・輸送費用なども高騰を続け、好況ぶりとともにリスクも顕在化した1年となった。
「世界中で不調な地域を探すのが難しいというくらい全般的にマーケットは好調だ」。日本工作機械工業会(日工会)の稲葉善治会長(ファナック会長)は、工作機械の需要が高水準を続ける現状についてこう説明する。
日工会がまとめた工作機械受注実績は、10月まで12カ月連続で前年同月比プラスを持続。9月と10月は2カ月連続で1400億円を上回る好調ぶりだ。これまで受注回復のけん引役だった中国向けが、パソコンやスマートフォン需要の減少で春以降は伸びが鈍化しているものの、欧米を中心に先進国市場での需要が本格化。日本市場も半導体製造装置をはじめ幅広い産業で需要が伸びており、政府の補助金の効果も受注を押し上げた。
一方、深刻さが増しているのが春ごろからの部品不足の影響だ。半導体や電装部品、鋼材など「ありとあらゆるものの確保に各社が苦労している」(稲葉会長)状況で、機械の納期も延び始めている。顧客が機械を複数社に発注し、納期優先で1社に選ぶ事態も起きているという。ある工作機械メーカー首脳は「当社より納期が短い他社の機械を選ばれることもある」と話す。
受注は今後も当面、高水準が続くとの見方が強い。稲葉会長は「この勢いが急に失速するとは思えない」と期待する。市場の好況を背景にメーカー各社の受注残は着実に積み上がっている。DMG森精機の森雅彦社長は「受注残をいかにスムーズに売り上げにつなげていくかが今年、来年の大きな課題だ」と話す。部品不足やコスト増への対応の巧拙が、各社の成長に向けた重要なカギとなる。
- 2022年1月26日
-
- 2022年1月20日
-
自動車部品メーカーが完成車の生産計画変動への備えを厚くしている。河西工業は内装部品の一部生産工程を先進国から賃金の安い新興国に移管。生産コストを削減し、車の減産などで売上高が下振れても利益を出せる体制を築く。ヨロズは工場稼働日に部品を集中生産して非稼働日を設け、急な車の減産に伴う生産要員の調整を減らす。半導体など部品の調達難は2022年以降も続く見通しで、部品各社は対応に腐心する。
河西工業は車のドアの内装の革張りような労働集約的な工程を新興国に移す。先進国では従来通り最終的な組み立て工程などを担う。従来、完成車メーカーの工場近くで部品を生産し納めることを基本方針としていたが、一部工程移管で品質を担保しながら物流費を含めた生産コストの削減が可能と試算する。
先進国では移管で生まれた余剰スペースを生かして拠点の統廃合を推進。移管先では関連部材を現地調達に切り替え材料費も減らす。米国や日本、英国、ドイツから、それぞれメキシコ、東南アジア、モロッコへの移管を想定。24年度まで3年間の中期経営計画に盛り込む方針で、車各社と調整しながら移管する工程やコスト削減効果などを詰める。
ヨロズは車の生産変動に併せた柔軟な生産体制を導入。車メーカーへの部品の納入が毎日あっても、例えば1週間のうち3日間に生産を集中し、残り2日間は休業して「光熱費や労務費などのコストを徹底的に抑えている」(平中勉社長)。
曙ブレーキ工業は車の生産挽回に対応するため、本社の間接部門の人員を工場に送る対策に乗り出している。車メーカーから翌月の挽回計画が変更されることもあり、採用単価も上がる中で「派遣労働者の新規採用などを慎重に見極めている」(同社幹部)という。
- 2022年1月20日