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- 2021年12月21日
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三菱マテリアルは高硬度鋼旋削加工用コーテッド立方晶窒化ホウ素(CBN)材種「BC8220」に、高切り込み加工用の「BRブレーカ」を追加し、発売した。高切り込み時の切りくず処理性能の向上により、加工パス回数を削減でき、高能率加工を実現する。価格は代表型番の「BR―CNGM120404TA2 BC8220」が8965円(消費税込み)。
計9アイテムで構成。すくい角とブレーカー壁により切りくずを効果的に分断できるほか、ブレーカー壁が多段構造のため、幅広い切り込み領域に対応する。また、CBN基材に超微粒バインダーなどを分散することでクラックの進展を抑え、切削時の突発的な欠損を防げる。クレーター摩耗の進行軽減のために耐熱バインダーも採用した。
- 2021年12月21日
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- 2021年12月20日
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オークマは、工作機械用の新省エネルギーシステム「エコ・スイート・プラス」を同社製コンピューター数値制御(CNC)装置に標準搭載し2022年2月にも出荷を始めると発表した。電力使用量や二酸化炭素(CO2)排出の表示・記録、暖機運転の自動停止など既存システムから機能を拡大。社内の門型マシニングセンターでCO2排出の30%削減を実証した。顧客の脱炭素を後押しする。
同社は省エネシステム「エコ・スイート」を14年から提供し、搭載機を累計3万5000台納入した。CO2排出・各部消費電力の表示、非加工時の暖機運転自動停止、電力消費が大きいミストコレクターやチップコンベヤーの最適制御などの機能を持つ。
同プラスは、CO2排出や各部位の消費電力の記録管理機能を追加しネットワーク対応を向上。暖機運転の自動停止では機械操作時や保全作業時も対象にした。ミストコレクターなどの運転制御は、より緻密化しCO2排出削減を徹底した。
同社は熱変位に対応しやすい機械設計、加工空間変位の検知・修正などの独自技術で、脱炭素対応へのアピールを強化する。新省エネシステムで差別化をさらに進める。
- 2021年12月20日
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- 2021年12月17日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめた10月の新車販売台数は、前年同月比31・3%減の27万9341台だった。半導体不足や東南アジアでの新型コロナウイルス感染再拡大の影響で、各社が工場の稼働を停止するなど、生産調整を実施した影響が出た。トヨタ自動車は国内全14工場で稼働停止日を設け、ホンダの国内生産は当初計画比3割減とした。
登録車の販売台数は同30・2%減の17万6743台で、2カ月連続のマイナス。10月単月として、統計を開始した1968年以降で過去最低となった。「部品不足の影響が大きかったのではないか」。
軽自動車の販売台数は同33・2%減の10万2598台で、5カ月連続のマイナス。10月単月で11万台を下回るのは、81年以来40年ぶり。メーカー別では日産自動車を除く7社が前年同月を下回った。
11月も各メーカーは減産を予定している。ホンダの11月上旬の国内生産は当初計画比1割減となる見通し。三菱自動車は国内1工場で生産調整を予定している。
減産幅に関しては縮小傾向にあるものの、依然として予断を許さない状況だ。全軽自協の担当者は「半導体不足や海外調達部品の滞りの影響が広がってきており、新車販売台数への影響がいつまで続くのか読み切れない。情勢は非常に複雑で見通しを立てられる状況にない」とのコメントを出した。
- 2021年12月17日
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- 2021年12月13日
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不二越は従来機と比べ成膜速度を最大150倍に速めたダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティング装置「SMVP―1020」を発売開始した。マイクロ波を利用した技術を採用することで、高密度プラズマによるDLC膜コーティングを超高速化する。半導体製造装置のバルブや継ぎ手、パイプ内面に加え、金型などの耐腐食化・耐摩耗化を実現する。価格はオープン。年間10台の販売を目指す。
SMVP―1020では、マイクロ波を利用したコーティング技術「MVP法」を採用した。高密度プラズマによるDLC膜コーティングの高速化で、外面コーティングでは毎時150マイクロメートル(マイクロは100万分の1)を実現する。アーク法やスパッター法を採用した従来機と比べ、成膜速度は30―150倍程度まで向上する。
小径穴内面へのコーティングを可能にしたのも特徴の一つ。従来技術では困難だった直径30ミリ×長さ500ミリメートルや直径3ミリ×長さ100ミリメートルといった小径穴への成膜にも対応できる。
装置の据え付け寸法は幅2・1×奥行き2・0×高さ2・1メートル。成膜有効範囲は直径250ミリ×高さ500ミリメートル。
DLC膜は炭素を主成分とする非結晶質のカーボン物質膜。半導体製造装置や金型関連だけでなく、紡績機械のノズルや自動車部品、アルミニウム切削用ドリル、ガラスなどに幅広く使用されている。
- 2021年12月13日
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- 2021年12月10日
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倉敷機械は、横中ぐり盤と5軸マシニングセンター(MC)の機能を併せ持つ新型工作機械「KTR―1200」を開発し、1日に発売する。加工対象物(ワーク)の深部を加工する際に先端の工具を取り替える必要がなく、作業を効率化できる。ワークと工具の干渉を防ぎなから加工可能。複合加工が必要な幅広い分野の産業向けの加工に対応する。消費税抜きの価格は1億5000万円から。国内外合計で年間5台の販売を目指す。
奥行きのあるワークの加工などに用いる横中ぐり盤の機能を5軸MCに搭載した。剛性を維持したまま内部を加工できる。直径1200ミリメートルのトラニオンテーブルを組み込み、最大直径1650ミリメートルまでのワークに対応可能。主軸の回転数は毎分3000回転。オプションで同5000回転まで引き上げられる。60本の工具を収納可能で、オプションで最大120本まで拡張できる。
倉敷機械はKTR―1200の主軸が前後にも駆動することから、同機を「6軸マシニングセンター」というキャッチコピーで訴求し、新規顧客獲得を目指す。航空機用ジェットエンジンケースをはじめ、自動車の金型など幅広い分野で用途を開拓する。今回の開発で得た知見を基に、新たな製品の開発も進めていく。
- 2021年12月10日
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- 2021年12月9日
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日進工具は高硬度鋼加工用の小径3枚刃ロングネックボールエンドミル「MRBSH330」を発売開始した。新たなコーティングと刃先形状の採用により、微細形状でも高切り込み・高能な加工を実現する。ボール半径(R)0・1ミリ―1・0ミリメートルの全22サイズで構成。価格は4900円(消費税抜き)から。
耐酸化性・耐摩耗性の高い「無限コーティングプレミアムプラス」により、硬度60―70HRCまでの被削材に効果を発揮する。切削負荷を低減して高切り込みを可能にするため、中心刃の形状を最適化した。切りくず排出性を損なわないチップポケット形状により、切りくず詰まりによる折損も抑制できる。
また、切削負荷を軽減するポジティブ切れ刃形状と耐欠損性を重視した素材を採用。高硬度鋼に対して、長寿命で高精度な加工を実現する。底刃の不等分割により、加工中のびびりも抑えられる。
- 2021年12月9日
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- 2021年12月8日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した2021年4―9月期の工作機械受注実績(確報値)は、前年同期比98・1%増の7854億7300万円で、2半期連続の増加となった。4―9月期(上期)として18年以来3年ぶりに7000億円を上回った。経済活動の再開が本格化し、国内外で工作機械需要の回復が進んだ。下期も「市場動向に大きな変化はない」と、引き続き高い水準を見込む。
内需は一般機械や電気・精密を中心に全11業種で増加となり、上期としては3年ぶりの増加。外需も、中国を中心とするアジア、欧州、北米の主要3極で増加したことで、上期として3年ぶりの増加となった。
また9月単月は、18年9月以来36カ月ぶりに1400億円を上回ったほか、8カ月連続の1000億円超えとなった。年度上期の期末効果などにより、内外需ともに回復傾向が継続。稲葉会長は「地域・業種により若干濃淡はあるものの、世界市場全体で好調が継続している」と手応えを示した。
内需は18年12月以来33カ月ぶりの550億円超え。需要回復に加え、各種補助金の採択案件も全体を押し上げた。業種別では、一般機械が36カ月ぶりに230億円を上回るなど、計10業種で増加。金属製品は初の50億円超えで、過去最高額(18年9月の48億円)を更新した。
外需は2カ月ぶりの850億円超え。アジアは中国とインドで自動車向けの大型受注などがあったものの、電気・精密の減少などにより、2カ月連続で400億円を下回った。欧州は夏季休暇が明けたことなどにより、2カ月ぶりの200億円超えで、5カ月連続ですべての国・地域が増加した。北米は米国を中心に自動車や航空機関連の需要が高まり、33カ月ぶりの250億円超えとなった。
- 2021年12月8日
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- 2021年12月7日
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工作機械業界で、部材価格や海上運賃の上昇を製品価格に転嫁する動きが広がっている。オークマは10月分から工作機械などの価格を3%上げた。牧野フライス製作所やDMG森精機も2022年から値上げする。各社とも従来から取り組んでいる生産や部品調達の効率化と合わせ、コスト高に対応。収益を改善して事業基盤を強化し、工作機械の安定供給につなげる。
オークマは工作機械などの製品と、施工や修理のサービスを含めて3%値上げした。牧野フライス製作所は22年1月の受注分から約3%値上げする。またDMG森精機は「現在顧客と交渉しており、22年からは(価格を)3%は上げたい」(森雅彦社長)としている。芝浦機械も成形機と同様、工作機械も値上げを決めた。
シチズンマシナリーは現状は値上げを予定していない。ただ、中島圭一社長は「この状況がしばらく続けば検討する可能性もある」と価格見直しを示唆する。
工作機械の受注環境は好調が続いている。日本工作機械工業会(日工会)によると、21年9月の受注額は18年9月以来3年ぶりに1400億円を超え、8カ月連続で1000億円を上回った。各社の工場操業率も高水準の状態が続いている。
一方、半導体や電装品をはじめとする部品・部材の不足が続き、製品納期が延びている。さらに鋼材などの部材価格上昇やコンテナ不足による海上運賃高騰が重なっている。
工作機械メーカー各社はこれまで、製造現場の効率化や部品の集中購買などの自助努力により、製品価格の維持に努めてきたが、コスト高は一段と進んでいる。「今後もしばらく部材価格が落ち着く兆候はない」(高山幸久牧野フライス製作所執行役員営業本部長)との見方もあり、各社とも価格転嫁に踏み込む。
- 2021年12月7日
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- 2021年12月6日
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サワイリエンジニアリングは、長尺の加工対象物(ワーク)向け数値制御(NC)加工機「SWSシリーズ」に「SWS6000―WA―24ATC」を追加し、発売した。穴開けやタップ加工、ミーリングを行う主軸とは別に、切断用チップソーを搭載した軸を備える。1台で複数種類の加工が可能で工程を削減できる。価格は2000万円(消費税抜き)から。主にアルミサッシなどの建材加工向けだが、工具を変更すれば他の材質も対応可能。初年度5台の販売を見込む。
新製品は同じく切断用チップソーを搭載したサワイリエンジの「SWS―SAシリーズ」の派生型。以前は切断を行う際、主軸の工具を穴開け用のドリルなどから切断用の丸鋸アングルヘッドに変更し、切断を行っていた。そのため主軸に直行する形で丸鋸が取り付けられていたが、新製品はより頑丈な構造にするため、主軸とは別に平行する形で切断用チップソーを搭載した軸を設けた。チップソーは直径255ミリ―455ミリメートルに対応する。
また、24本の工具を搭載したツインアーム方式の高速自動工具交換装置(ATC)を標準装備。メモリーランダム機能も備え、今まで10秒前後かかっていた工具交換を0・8秒まで短縮した。
主軸はBT(ボトルグリップテーパ)40番で、3・7キロワット、最高回転数は毎分1万回転。対応可能なワークの大きさは6000ミリ×400ミリ×150ミリメートルで、特注でさらに長尺のワークにも対応可能。同社は新製品を含めたSWSシリーズを詳しく知ってもらうため、実機の見学も受け付けている。
- 2021年12月6日
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- 2021年12月2日
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ジーベックテクノロジーは、加工対象物(ワーク)の穴の内径研磨や、交差部のバリを除去する工具「XEBECブラシ 内径・交差穴用 大径タイプ」を発売した。内径20ミリ―35ミリメートルに対応する3製品。加工穴内で回転させ、遠心力でブラシを広げバリを取る。ステンレス鋼や難削材などを研削するセラミックスファイバー線材の製法などを独自に工夫し、内径3・5ミリ―20ミリメートル用既存製品と研削力は同等で、寿命を2倍に延ばした。消費税抜きの価格は8050―1万1500円。
新製品は小さな遠心力でブラシが広がりやすくした。研削によりブラシが摩耗し短くなるが、広がりが増すことで既存品より長寿命化を実現。使用可能回数を約2倍にできた。
内径20ミリ―25ミリメートル、同25ミリ―30ミリメートル、同30ミリ―35ミリメートル用の3種類。ブラシとシャンク(工具の柄)は着脱型を採用し、ブラシだけを交換できる。シャンクを含めたブラシの全長は150ミリメートル。
同社バリ取り工具はマシニングセンター(MC)や自動旋盤などに取り付けて使用する。これまで内径50ミリメートル以上はホイール型ブラシで対応していた。同20ミリ―50ミリメートルに対応する製品がなく、新製品群でカバーする狙い。建設機械や重機械などの部品向けを中心に提案する。
- 2021年12月2日
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- 2021年12月1日
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富士精工は切削加工の切りくずを従来の4分の1以下に細かくできる「パラパラドリル」を開発した。切りくずが加工対象物(ワーク)に絡んだり、引っかかったりするのを防ぎ、品質と生産性向上につながる。エンジンやミッションなど自動車部品向けのほか、電気自動車(EV)関連部品も視野に入れる。自動車以外の業界の開拓も目指す。
「メカトロテックジャパン2021」で公表し、本格販売を開始した。
パラパラドリルは、2枚刃ドリルのフルート(溝部)に、幅0・8ミリメートルの細い溝を左右ずらして施した。「送り速度や切削条件によるが、切りくずは幅0・5ミリ―0・8ミリメートル程度まで細かくできる」としている。
同技術は大手自動車部品メーカーと共同開発し、特許出願中。同メーカーで先行して使用したところ、「切りくずがワークに絡まらず、従来、人の手で対応していた手間が省ける」との評価を得た。同ドリルは直径8ミリメートル以上で製作可能。切りくずの細かさはユーザーニーズに対応し、溝のポジションでコントロールできる。
- 2021年12月1日