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- 2021年6月15日
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タンガロイは、多機能溝入れ工具シリーズ「タング・カット」に、高剛性突切り・溝入れ加工用ホルダー「タングフィード・ブレード=写真」を追加し、発売した。独自の3コーナー仕様のブレード形状と高剛性の2面拘束ツールブロック形状により、突切り・溝入れ加工の高能率化を実現した。価格は代表型番の「CHGP52―3T」が1万7930円(消費税込み)。
インサート(刃先交換チップ)保持部の下側にブレードサポート形状を設けて高い工具剛性を確保した。溝入れ用DGM形、SGM形インサートとの組み合わせにより、送り量を30―50%増加でき、加工能率も高めた。溝幅は2ミリメートル、3ミリメートル、4ミリメートルを設定。最大突切り径は52ミリメートル、82ミリメートルに対応する。
- 2021年6月15日
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- 2021年6月14日
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日産自動車は2023年度までに精密加工が必要なエンジン部品を国内4工場で集中生産し、国内外に供給する体制を整備する。投資額は100億円超とみられる。可変圧縮比(VCR)エンジン向けの部品で高い加工精度が必要なため、技術に優れる国内での生産が欠かせないと判断した。同エンジンは独自のハイブリッド車(HV)技術「eパワー」でも採用。世界でeパワー車を拡販する同社の電動車戦略を日本のモノづくりで支える。
横浜工場、いわき工場、栃木工場、日産工機の4工場でVCRエンジン向け精密加工部品を分担して製造する。熱処理、鍛造、切削といった加工設備を各工場に導入。一部で生産を始めており、生産量に応じて能力を順次広げる。
日産は18年に世界で初めて排気量2000ccの量産型VCRエンジンを実用化した。走行状況に応じてエンジンの圧縮比を変えられ、低燃費と力強い走りを両立できる。新たにeパワーでの活用を想定した同1500ccのVCRエンジンを開発。22年に欧州で同エンジンを搭載したeパワー仕様のHVを投入するなど国内外でVCRエンジン搭載車の積極展開を計画する。
一方、VCRエンジンは主要部品に高い精度、強度、硬度を実現する難しい加工が求められる。日産は加工技術や品質管理に優れる国内工場で、難加工が必要な精密部品を集中して生産。これを国内外のエンジン組立工場に供給し、需要拡大に応える。
日産は30年代の早期に主要市場で販売する新型車をすべてeパワー搭載のHVや電気自動車(EV)などの電動車に切り替える方針。23年度では世界で年100万台以上の電動車販売を目指す。
アーサー・ディ・リトル・ジャパン(東京都港区)によると、30年に世界で生産される乗用車のHV比率は20年の10%から36%に向上。EV比率は同15%にとどまり、HVの存在感が高まる見通し。
- 2021年6月14日
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- 2021年6月11日
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タンガロイは、アルミニウムの超高速加工用カッターシリーズ「タングスピード・ミル」に、多結晶ダイヤモンド(PCD)インサート(刃先交換チップ)とカッターボディーを拡充し、発売した。インサートはコーナーR仕様と、切れ刃長が長い仕様(ロングエッジ)を追加した。新商品全体で初年度に1100万円の販売を見込む。
コーナーR仕様はR0・4ミリメートルと0・8ミリメートルをそろえ、立壁の隅にR指定のある加工物などに対応可能。ロングエッジ仕様は切れ刃長が従来比3・0ミリメートル長い9・5ミリメートルで、外周切れ刃とチャンファ部に刃先処理を施し、大きな切り込み部の加工でもチッピングや欠損が起きにくくした。価格は主な型番の「YDEN060304PDFR―D DX110」が9295円(消費税込み)。
カッターボディーは刃数が少ない仕様を追加。工具径50ミリ―160ミリメートルで6―20枚のアイテムをそろえた。同時接触刃数が少なくなり、ビビリやうねり発生を抑えられるため、切削幅の広い加工に適する。価格は代表型番の「EPYD06M050C32.0R06」が12万9030円(同)。
- 2021年6月11日
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- 2021年6月10日
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工作機械メーカーによるデジタル変革(DX)の取り組みが急加速している。専任組織の設立から商談、アフターサービスまで変革の領域は幅広い。以前からの自動化ニーズの高まりに加え、コロナ禍で感染防止とビジネスの両立に向けた取り組みが後押しされたことも背景にある。工作機械市場の回復が続く中、デジタルの力が製品・技術の進化とともに、需要取り込みに向けた重要なカギとなりそうだ。(編集委員・土井俊、名古屋編集委員・村国哲也)
デジタルツイン専任 加工変位を察知・補正「未来工場」
出荷前の立ち会いを遠隔でできるジェイテクトの「リモート・トーク」
「デジタル時代のモノづくりサービスの基盤を作る」。オークマの家城淳社長は自社で取り組むDXの狙いについて、こう強調する。同社はユーザーへの遠隔支援やオンラインでの商談・立ち会いなどを強化する専任部署「ものづくりDXセンター」を2020年7月に新設。さらに、DX時代の会社のあるべき姿を検討するプロジェクトチームも始動し、23年度以降に全社改革を本格化する。
また同社はデジタル技術で高度化、知能化した未来型工場「ドリームサイト(DS)」を構築。19年8月に稼働したマシニングセンターの部品加工工場「DS3」(岐阜県可児市)では72時間連続の無人稼働も実現した。DS3では熱や振動での加工空間の変位を機械自身が察知・補正し、校正支援もする技術「3Dキャリブレーション」も1年以上かけて実証した。
オークマのマシニングセンター部品加工工場「DS3」
DMG森精機はデジタルツイン技術による工作機械のテスト加工を始めた。加工時の切削力や工具振動などの切削状態を、実機による加工と同じように確認できる。テスト加工時間の大幅短縮と、工具や消費電力の削減も実現する。工作機械の微妙な構造変化まで再現できるデジタルテスト加工は世界初という。専任組織「デジタルツイン加工技術グループ」を設置し、5軸・複合加工機のテスト加工を中心に実施している。
同社はこれまで、顧客との出荷前確認を遠隔で行う「デジタル立ち会い」や、展示施設をデジタル上で再現したショールームの開設に取り組んでいる。これらのデジタル施策を通じて、顧客の生産性向上や持続可能な社会への貢献につなげる。
ジェイテクトは情報通信技術(ICT)による業務の効率化を進める。ギアスカイビング加工機向けに、工具の特注などで2カ月以上かかった加工テストをコンピューター上で数分でできる技術「自動設計システム」を実用化した。また、出荷前のユーザーによる立ち会いを遠隔でできるスマートフォン用ツール「リモート・トーク」なども製品化している。
顧客の機械、継続的に進化 操作サポートにチャットボット
機械の高精度化や高速化が進む中、各社はデジタル技術を活用した製品力向上にも力を注ぐ。牧野フライス製作所の井上真一社長は「デジタルを使ってどのような付加価値を提供できるかが機械メーカーの勝負どころだ」と捉える。同社は、デジタル技術を使って顧客の機械を継続的に進化させる仕組みを提供する方針。機械が加工内容や生産形態に応じて変容する新商品コンセプト「e―Machine」を掲げ、第1弾として21年1月に5軸制御横型マシニングセンター「a800Z」を投入した。
牧野フライスの5軸制御横型マシニングセンター「a800Z」
ヤマザキマザックはデジタル技術を活用したユーザーへの遠隔支援サービス「マザックアイコネクト」を強化している。人工知能(AI)を採用したコンピューター数値制御(CNC)装置「マザトロール スムースAi(エーアイ)」を搭載する工作機械には、20年12月販売分から同サービスを3年間無料にした。さらに21年4月には、同社CNC装置の全ユーザー向けに一部サービスを無料化し、有料サービスの料金も引き下げた。
ユーザーの生産活動に対するデジタルサポート体制を拡充する動きもある。
三菱重工工作機械(滋賀県栗東市)は門型5面加工機の操作・保守に関する自動会話プログラム「お問い合わせチャットボット」を3月に始めた。ユーザーがスマートフォンやパソコンから問い合わせた内容に対してAIが回答する。今後は販売促進用とユーザー専用の各ポータルサイトも開設するほか、「顧客が撮影した映像を見ながら、当社がサポートするサービスなども試行している」(若林謙一社長)という。
DMG森精機はユーザー専用サイトを通じて、機械の修理依頼や部品注文などを受け付けるサービスを4月に始めた。アフターサービスの利便性向上とともに、迅速な修理復旧と顧客の生産性向上につなげる。
コロナ禍でウェブ展示会の開催が多くなる中、工作機械業界でもウェブ上で製品・技術を訴求する仕掛け作りが広がっている。
日本工作機械工業会(日工会)は、常設のウェブ展示場を構築する方向で検討している。会員企業の製品紹介やワークショップ開催など、さまざまな情報を閲覧できる場としての活用を想定する。
企業レベルでは、既に独自に展示会やショールームをウェブ対応する動きが拡大している。アマダは今後、営業・サービスに特化したウェブ展示場を設けるなどし「リアルとバーチャル両面で商品を訴求できる体制を作る」(磯部任社長)方針だ。
ニュースソース:日刊工業新聞(https://www.nikkan.co.jp/)
- 2021年6月10日
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- 2021年6月9日
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MOLDINOは、超硬ねじ切りカッタシリーズからロングネックタイプを発売した。壁際など従来の首下長では干渉が発生する加工や、穴奥など従来では切りくずの排出性に難のある加工などの用途に適している。
「エポックスレッドミルET形」・「エポックDスレッドミルEDT形」の2製品で、首下長が呼び径の3倍の「3Dタイプ」と3・5倍の「3・5Dタイプ」を追加した。
超硬ねじ切りカッタシリーズは、良好な切り屑排出性によって折れ込みのリスクを低減し、美しい加工面を得ることができる。また、高硬度鋼のねじ切り加工を実現し、NC(数値制御)による自動化に貢献する。さらに、「EDT形」は1本で穴あけとねじ切りを同時に加工できる。
ニュースソース:日本産機新聞(https://nihonsanki-shimbun.com/)
- 2021年6月9日
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- 2021年6月8日
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三菱マテリアルは切削工具ユーザー向けの技術者育成研修「切削アカデミー」にオンライン版を追加した。講師による座学と切削加工実演のリアルタイム中継により、切削加工の基礎から応用までを遠隔で学べる。同研修のオンライン開催は初めて。
オンライン版の「切削アカデミーオンライン」は、従来の集合型教育と同様、初心者向けの導入教育から、加工原理を学ぶ一般教育、改善に役立つ専門教育と体系的に学べるプログラム構成とした。
コースは切削加工初心者向けの「初心者コース」や、実務経験2年以上の人や機械系学生向けの「機械加工基礎コース」、旋削や転削、穴開けといった「加工形態別コース」を用意した。同社ウェブサイトで受講者を募集しており、各コースの開催日程も確認できる。
切削アカデミーはモノづくりの技術・技能の継承を目的に2016年に開講。これまでに延べ827人が受講した。21年度はオンラインでのみ開催する。
- 2021年6月8日
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- 2021年6月7日
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乗用車メーカー8社が発表した2020年度の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年度比12・1%減の2335万1897台となり2年連続で前年を下回った。コロナ禍による年度前半の工場稼働停止や販売減少が響き、全社がマイナスだった。ただ足元の世界生産は需要増に対応するため回復傾向にあり、3月単月の実績は前年同月比30・1%増の大幅なプラスだった。
トヨタ自動車の3月の世界販売は単月として過去最高だった。
20年度の8社合計の国内生産は前年度比15・8%減だった。全社がマイナスとなり、スズキとダイハツ工業以外の6社は2ケタ減となった。トヨタは5年ぶり、日産自動車は4年連続、ホンダは2年連続のマイナスだった。
20年度の8社合計の海外生産は同10・2%減。コロナ禍からいち早く回復した中国生産は日産自動車が同16・3%増、ホンダが同37・0%増、トヨタは同30・9%増といずれも過去最高だった。
3月単月の世界生産は三菱自動車とSUBARU(スバル)以外の6社は前年同月比プラスだった。需要回復のほか、20年3月はコロナ禍で工場が停止し生産が落ち込んでおり反動増が出た。
国内生産は前年同月比4・5%増。ホンダやスバルは半導体不足の影響を受けた。国内販売は同6・1%増だった。ホンダやスズキ、ダイハツで軽自動車の需要が増えたほか、20年3月が新型コロナによる外出自粛で低水準だった反動も出た。
- 2021年6月7日
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- 2021年6月3日
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新潟精機は、超硬合金製ブロックゲージ「K0級」を発売した。従来品に比べて摩耗・腐食に強く、高精度を長期間保持可能。難加工材での製作に挑戦し、日本産業規格(JIS)「B 7506」の最上位精度「K級」「0級」を実現した。
3年がかりで完成したフラッグシップ製品。K級と0級の精度を兼ね備えた製品として「K0級」と命名した。五十嵐社長は「こうした分野でトップを目指すのが当社らしい姿。日本のモノづくり力の素晴らしさを世界へ発信したい」としている。
新潟精機は業界最高水準の0・3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の精度を持つピンゲージや、リングゲージなどを製造する。K0級のブロックゲージ開発は、五十嵐社長が「高い技術力を持つメーカーとして生きていきたい。ゲージの最高峰を作ろう」と社内に呼びかけたのがきっかけ。勤続30年を超える品質保証部品質管理課の小林正毅さん(68)が開発を担当し、3年がかりで完成した。
一般的には0級を作って精度が良かったものをK級とするが、今回は超硬でK級を目指してK0級の精度にたどり着いた。「職人技で作ったというだけだと承継が難しくなる。加工条件を数値化し測定技術を生かしてデジタルでやっている」(小林さん)という。
製品は1ミリ―2ミリメートルまで0・1ミリメートル刻みで10サイズ、2ミリ―10ミリメートルまで1ミリメートル刻みで9サイズの計19サイズ。K0級は1個5万円、K級相当は3万円、0級相当は2万円(消費税抜き)。
- 2021年6月3日
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- 2021年6月2日
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OKKは工作機械の主軸近くに据えたカメラを活用し、加工対象物(ワーク)の位置認識といった段取り替えの作業などの省力化につなげるソフトウエアを開発、発売した。機内カメラで撮影したワークの形状を3次元(3D)モデリングする。得たデータはタブレット端末で確認でき、段取り替えに必要な自動計測プログラムを実行する。工作機械を使う工場などでの省力化対応を支える。
OKKが開発したソフトは「3Dマイスター」。工作機械に付けるカメラとソフトを組み込んだ専用のパソコン、タブレットを含め価格は200万円。複数の工作機械に搭載する場合、2台目以降は130万円(いずれも消費税抜き)となる。年200台の販売を目指す。
適用対象は同社の立型マシニングセンター(MC)「VM―R」シリーズなどで、取り付け作業は1日程度で可能となる。工場に導入済みのMCへの後付けのほか、新規発売機種への搭載はオプションで対応する。
撮影したワークのデータは3Dモデルに自動変換し、MCに送信する。ワークのさまざまな計測パターンも画面から選択できる。MCのオペレーターは機械のモード変更などの操作が不要なため、初心者でも扱いやすい。
3Dマイスターの開発に携わった馬場先宏行上席執行役員は「コロナ禍の中で、急速に進む製造現場の省力化対応に貢献できる」と話す。
将来的には他社製MCへの適用も視野に入れる。
- 2021年6月2日
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- 2021年5月31日
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トヨタ自動車グループの主要部品メーカー7社の業績回復が鮮明だ。2022年3月期連結業績予想で、デンソーや豊田自動織機など5社が売上高や営業利益などで過去最高を記録しそうだ。コロナ禍や半導体不足による不透明感を織り込みつつも、トヨタなど自動車メーカーの販売が好調に推移する見通し。また体質改善などを通じて利益を底上げする。
デンソーは予防安全製品や電動化対応製品で販売が伸びる見込み。有馬浩二デンソー社長は「お客さまが示す数字を前提に体質強化して利益を上げていく」と語る。
豊田自動織機は好調な受注がけん引し、売上高と当期利益を除く各利益項目で過去最高を見込む。アイシンは統合効果による構造改革などが寄与し、当期利益で過去最高を更新する予想。トヨタ紡織は営業利益と当期利益、豊田合成は営業利益で過去最高を見込む。ジェイテクトも体質改善の取り組みなどで大幅な営業利益増を予想する。
世界的な半導体の供給不足などで一部では車両生産に影響が出ており、デンソーは半導体不足などの外的要因として22年3月期に約900億円の営業減益影響を織り込む。ただ現状は「今見えている中では(サプライチェーン)に問題は無い」(アイシンの伊勢清貴社長)、「影響は出ていない」(愛知製鋼の藤岡高広社長)などと捉える。むしろルネサスエレクトロニクスの工場火災からの復旧や半導体メーカーの生産増強などで車載半導体は「今夏頃に向けて需給が緩む」(デンソー松井靖経営役員)との見方を示す。
21年3月期連結決算はコロナ禍の影響で全社が減収となったが、デンソーとアイシン、トヨタ紡織、豊田合成は体質改革などが寄与し、営業増益だった。ジェイテクトは前回公表時は当期赤字の予想だったが、当期黒字で着地した。佐藤和弘社長は「損益分岐点が下がり、強くなってきた。さらに体質を強化したい」と語る。
- 2021年5月31日
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- 2021年5月28日
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住友電気工業は5月から、自動車や家電などの焼結合金部品の仕上げ加工用に、切れ味の良さと耐欠損性を備えた立方晶窒化ホウ素(CBN)焼結体切削工具「スミボロンBN7115」を型番ごとに順次発売開始している。消費税抜きの価格は標準品(2NU―CNGA120408BN7115)が5570円。初年度に3億円、3年後に年6億円の販売を目指す。
独自の焼結体製造技術によりCBN粒子間の結合力を高め、高度な切れ味と耐欠損性を両立した。刃立ち性も優れ、バリ、むしれを抑制し、高精度加工と長寿命を実現する。鋳鉄を高速仕上げ加工する場合の長寿命化も可能とする。
刃先の種類は、汎用性の高い標準刃先処理や切れ味重視のLF型、刃先強化タイプのHS型、断続度の強い加工に最適な耐欠損重視のUS型など計6種類。
これらの種別などにより、焼結合金部品の多様な形状・材種の加工ニーズに応える。
- 2021年5月28日
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- 2021年5月26日
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日本工作機械工業会が発表した3月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比65・1%増の1278億7600万円で、5カ月連続の増加となった。中国を中心に外需が引き続き好調だったことに加えて、内需も28カ月ぶりに増加に転じた。1000億円超えは2カ月連続。2020年度累計はコロナ禍の影響で11年ぶりの1兆円割れとなったが、足元では受注水準が一段と高まっており、先行きに明るさが増している。
3月の受注額は、19年3月以来24カ月ぶりに1200億円を上回った。内需は需要回復傾向に年度末効果も加わったことで18カ月ぶりの400億円超えとなった。業種別では全11業種中9業種が増加。特に半導体製造装置関連の需要増により、一般機械が28カ月ぶりに増加へ転じ電気・精密も24カ月ぶりの45億円超え。また自動車が16カ月ぶりの100億円超え、鉄鋼・非鉄金属が14カ月ぶりの15億円超えとなった。
外需は5カ月連続の増加で、29カ月ぶりの800億円超え。需要をけん引するアジアは36カ月ぶりに500億円を上回るなど活況を呈している。特に中国は半導体や自動車関連向けの伸びと、コロナ禍で前年の経済活動が停滞した反動もあり、前年同月比3・3倍に拡大。過去3番目の受注額に達した。欧州は20カ月ぶりの140億円超え、北米も20カ月ぶりの200億円超えを果たすなど、回復の波が広がっている。
20年度累計は3年連続の減少。年度後半から中国向け需要が回復したものの、コロナ禍による国内外での需要減退が響いた。内需は2年連続の減少で、8年ぶりの4000億円割れ。外需は3年ぶりに増加へ転じたが、2年連続で7000億円を下回った。
- 2021年5月26日
