-
- 2025年4月30日
-
データ・デザインは、AI(人工知能)がCAMによる加工プログラム作成の大半を自動で行うソフトウエアを発売した。英クラウドNC(ロンドン市)が開発し、データ・デザインが日本語化した。主要工程部分のプログラムをソフトが自動生成し、残りの部分をプログラマーが補完して完成度を高める。プログラム作成の大幅な短縮や省力化をする製品として注目を集めそうだ。
航空宇宙や造船、半導体、建設機械、エネルギーなどの分野の付加価値の部品加工での利用を想定する。消費税抜きの年間利用価格は、利用者3人の場合で1年目300万円、2年目以降240万円。初年度100本の販売を目指す。
新ソフト「CAMアシスト」ではCADファイルを読み込んだ後、加工方向や治具情報を設定し、工具、材料、加工機を選んで加工精度や生産性などを指定する。ソフトはその情報をクラウドNCのサーバーに送り、それで自動作成した加工プログラムを出力する。
単純な形状で幾何公差がプラスマイナス0・02ミリメートル程度の部品であれば、70―100%の範囲でプログラムの自動生成が可能。残りの高度な技術や付加価値が求められる部分をプログラマーが補完して仕上げる。
クラウドNCは英国で機械加工事業を手がけており、自らの加工ノウハウを元に新ソフトを作り上げた。
使用するAIは、大量のデータに基づくデータ駆動型と人の知能を再現する理論知識型を組み合わせたハイブリッドAIで、少ない学習データでも高度な自動化を可能にしたという。
対応のCAMソフトはシーメンスNX、Mastercam、オートデスクフュージョン。今後、対応ソフトを増やしていく予定。
- 2025年4月30日
-
- 2025年4月28日
-
MOLDINOは、車体部品をアルミニウム鋳造で一体成形する「ギガキャスト」用の金型向けに、荒加工から仕上げ加工まで対応する切削工具を相次ぎ投入する。独自の刃形や加工方法を含めた提案で、高機能材を採用した同金型の高能率加工を支援。放電加工をしていた深い溝部分の安定切削加工も実現し、生産性向上にも寄与する。自動車の電動化などに伴う生産革新に対応する。
「部品点数削減を図るための金型の大型化や深掘りなどの加工ニーズに対応できる商品になっている」。MOLDINOの金子社長は製品開発の狙いをこう強調した。
ギガキャスト用の金型は従来と比べ大型化し、広さと深さを含めた縦横に幅広い加工が求められる。素材も熱間ダイス鋼に添加するシリコンの量を減らすなどして高機能化するため、従来と比べ粘りや硬さが増し、切削加工の難易度が高まる傾向にあるという。
MOLDINOはこうした高機能素材を採用したギガキャスト用金型を、複数の工具を使い分けることで効率的に加工する課題解決策を提案する。広く深い範囲の加工では、薄く滑らかに削ることで抵抗を抑えた刃形を採用した刃先交換式の切削工具を開発した。
併せて、同工具を先端に取り付けて深部を加工するためのフリーネックタイプの超硬シャンクも開発。先端に向け傾斜を付けることで金型との干渉を防ぎ、毎分100メートルの切削速度で深さ250ミリメートルまでの溝の高速で安定した荒加工を実現した。
狭く深い「リブ溝」などの加工向けには、先端にラジアス形状の刃を設けたフリーネックタイプの細長い切削工具を20日に発売する。たわみを抑えた設計を採用するなどし、深さ120ミリメートル程度の溝の加工に対応する。
仕上げ加工では、深さ120ミリメートルの加工にも対応する切削工具を開発し、同工具を回転させながら上下に動かして加工する工法「突き加工」での活用を含めた提案を一部で始めた。
従来こうした深い溝の加工では、長い工具を回転させながら左右に動かして加工するため、金型に「段差」のような削り跡が残ることがあり、形彫り放電加工機で仕上げ加工するケースが多かった。新たな工具と工法で切削による仕上げ加工を実現し、放電加工用の型を起こすことなどを含めた手間や時間の大幅な削減に貢献する。
また突き加工は工具の切削跡「筋」が縦方向にでき、同社担当者は「鋳造した後に金型からワークを剥がしやすくする効果が期待できる」という。
自動車産業ではバッテリーを搭載する電動化の潮流で、軽量化などを狙いとする生産革新が進む。ギガキャスト以外にも複数部品を一体成形する動きがあり、金型が大型化する傾向にあるという。MOLDINOはこうした変化に対応する工具やシャンク計4製品を投入し、生産性や品質の向上といった付加価値を提案して顧客の課題解決に貢献する。
- 2025年4月28日
-
- 2025年4月25日
-
関東精機は、工作機械向け油温自動調整機「オイルマチック」に、地球温暖化係数(GWP)148の新冷媒「R―454C」搭載機種を追加し、受注を始めた。米国冷媒規制(GWP閾値〈しきいち〉700)や欧州Fガス規制(同150)などの環境規制に適合する。価格は見積もり対応。各国・地域の環境規制に応じ、ノンフロン冷媒の「GreenRシリーズ」と合わせて提案する。
三井・ケマーズ フロロプロダクツ(東京都港区)の新冷媒「オプテオンXL20」を搭載した。汎用のR―407C(GWP1770)搭載機種の構成要素を変えずに代替導入が可能。このため、ユーザーも大幅な仕様変更をせずに投資を抑えて設備更新できる。冷却能力や熱変位抑制などを検証し、微燃性であるといった特性も考慮して運用方法を提案する。
同シリーズはGWP1の「R―1234yf」「二酸化炭素(CO2)」を搭載している。環境規制適合機種を拡充し、ユーザーニーズに対応する。
- 2025年4月25日
-
- 2025年4月24日
-
スタッドラインファスナーは、中国ボーダーレーザー製レーザー加工機の拡販に向けて営業体制を増強する。6月ごろに北九州市に九州地区向け営業拠点を新設するほか、2025年度中には東大阪市周辺に機械の在庫保管用の倉庫の設置も検討する。また角田事業所(大阪府東大阪市)を顧客向け研修やパーツセンターの拠点としても活用する予定。販売・サポート体制を拡充し、板金加工業者らからの設備投資需要を取り込む。
25年12月期に同レーザー加工機10台を販売する計画。工作機械やロボットなどのマシン事業の売上高で24年12月期比倍増の4億円、全社売上高で同6割増の8億円を目指す。
スタッドラインファスナーは24年5月にボーダーレーザーの岐阜県・三重県以西の地域総代理店となった。ボーダーのファイバーレーザー加工機は発振器の種類が豊富で、日本製の機械の半額程度と安価なのが強み。
北九州市の営業所は小倉地区で開設し、26年をめどにショールームの併設も検討する。在庫倉庫は東大阪市周辺に設置を予定しており、工作機械やロボットなどの在庫を置いて即納体制を構築したい考え。
角田事業所はショールームにボーダー製のファイバーレーザー加工機2台などを設置して顧客向けの試運転に対応しており、ここで近く納入後のトレーニングを始める。25年中に国内顧客向けの保守や部品供給の機能も付与する。ボーダーが派遣する技術者の常駐も検討している。
スタッドラインファスナーは板金加工用の工作機械やスタッドボルトなどのファスニング製品、ロボットなどを扱う商社。
試作品の設計や自社設計の協働ロボット用溶接架台なども手がける。
- 2025年4月24日
-
- 2025年4月18日
-
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が公表した2024年度の車名別新車販売によると、ホンダの軽自動車「N―BOX」が4年連続で首位をキープした。前年度比3・5%減の21万768台で唯一20万台を超えた。上位10車種ではスズキの軽「スペーシア」や、8年ぶりに全面改良したホンダの新型小型ミニバン「フリード」の伸びが目立った。
全体首位のN―BOXは、軽自動車のみに限ると10年連続で首位だった。全体2位のトヨタ自動車の小型車「ヤリス」は、登録車としては5年連続の首位。同「カローラ」は23年10月の小型スポーツ多目的車(SUV)「カローラクロス」の改良や、24年1月に「同セダン」「同スポーツ」などを一部改良した効果などが寄与し全体4位に入った。
全体3位のスペーシアは前年度から一つ、全体8位のフリードは同七つ、それぞれ順位を上げた。24年度は6車種が10万台を超えた。
一方、リコール(無料の回収・修理)などの影響でトヨタのハイブリッド車(HV)「プリウス」は前年度比25・3%減となり、前年度より六つ順位を落とした。ダイハツ工業の軽「ムーヴ」は、23年度中に一部モデルの生産を終了したことに伴い同16・6%減となり、前年度から九つ順位を下げた。
25年3月単月のランキングでもN―BOXが3カ月連続の首位となり根強い人気が続く。2位以下はヤリス、スペーシア、カローラが続き、24年度の上位4位と同じ顔ぶれとなった。
- 2025年4月18日
-
- 2025年4月17日
-
テラルは、工作機械の切削液(クーラント)向けポンプの次期製品を2025年に発売する。モーターを外部調達品から自社開発した高効率な新型に切り替えることで、従来より40%近く省エネ化する。価格や販売目標は今後詰める。
発売するクーラントポンプは、低圧でダーティー液用の「LPWE型」と中圧「LVS型=写真」の2シリーズ。いずれも現在は外部調達の誘導モーターを使用している。これを自社開発した永久磁石同期モーターに切り替える。
国際電気標準会議(IEC)が定める産業用モーターの効率規格で最高レベルの「IE5」を達成し、消費電力量は従来比40%近く削減できる。
モーターの出力はそれぞれ1・5キロワット、2・2キロワット。流量は毎分80―350リットルと同10―50リットル。LPWE型は羽根車の材質に鋳物を採用し、異物に強い。インバーター制御でドライバーは内蔵、操作や監視はスマートフォンのアプリケーションで行う。インバーターで回転速度を制御できるようになったため、モーターを定速運転し、バルブで流量を制御する従来方式に比べて大幅に省エネ化できる。
新ポンプを採用したクーラント濾過装置のコンセプトモデルでは、ポンプの搭載台数を従来の5台から2台に集約。従来機に比べて43%省エネ化、発熱量は31%低減できるという。
多くの新技術を盛り込んだ意欲的なモデルで、競合メーカーからの市場シェア奪還を目指す。
- 2025年4月17日
-
- 2025年4月16日
-
三菱マテリアルは超硬工具の材料に使うタングステン製品の安定供給に力を入れる。2024年12月に独エイチ・シー・シュタルク・ホールディングス(HCS)を買収。同製品の生産能力を現状比6倍以上の年1万6000トンに拡大、世界最大規模のリサイクル処理能力も確保する。
HCSはドイツやカナダ、中国で超硬工具の原料となる炭化タングステン粉末を生産。ドイツでは使用済み超硬工具などのリサイクル原料のみを調達して生産する。三菱マテリアルは子会社の日本新金属(大阪府豊中市)で超硬工具向け炭化タングステン粉末、電子部品や半導体向けタングステン粉末などを生産。秋田工場(秋田市)では国内外で回収した使用済み超硬工具を全て再利用している。
HCSのドイツの拠点と秋田工場を軸に欧州、米州、アジアで超硬工具の回収からタングステンの再資源化、新たな工具の生産まで完結する循環型の仕組みを構築する。タングステンは硬度が高く、自動車や航空機部品の切削工具に使われる。
一方、タングステンの埋蔵量は世界の6割、鉱石由来のタングステンの供給は世界の8割を中国が占め、米中対立に伴う調達リスクが懸念される。HCSとは使用済み超硬工具の回収でも連携し、30年度までにタングステン製品の生産でリサイクル原料の使用比率を現状の53%から80%以上に高める。小原和生執行役常務は「タングステン製錬などを手がけるベトナム企業とタングステンの中間原料の長期調達契約も結んだ。中国に依存せず、タングステン製品を安定供給できる仕組みを築く」と力を込める。
- 2025年4月16日
-
- 2025年4月15日
-
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の2024年度の工作機械受注実績は、前年度比11・4%増の3989億2400万円だった。3月単月は前年同月比36・5%増の456億1100万円となり、10カ月連続で増加した。地域や顧客ごとに異なるが、設備投資を計画通り進める企業を中心に受注が支えられ、国内では期末効果による押し上げも見られた。
24年度の受注総額は全社がプラスとなった。中国では政府による景気刺激策にも支えられる形で受注が回復し、欧米では航空機産業向けの需要が底堅く推移した。またインドでは「自動車や航空機向けの需要が堅調だった」(牧野フライス製作所経営企画部)ほか、国内では「週末などでの連続稼働を見据え、大型機や複合加工機が増えた」。
3月単月ではオークマが受注総額と輸出が単月として過去最高を更新した。中国では電気自動車(EV)や風力向けなどで大型機を中心に受注が増加。米国は航空宇宙やエネルギー関連産業向けが伸びたほか、「トランプ米政権の関税政策を見据えた駆け込み受注のような動きも一部見られた」。
牧野フライスは輸出が前年同月比で8カ月連続で増加した。中国で新エネルギー車(NEV)関連向けの受注が堅調に推移し、「欧州では航空機向けが増えた」。
中国市場が主力のツガミは輸出が7カ月連続で増加し、12カ月ぶりに100億円を上回った。中華圏では1月下旬から春節を祝う大型連休があり、同社幹部は「春節明けの反動も一部で見られた」と話す。一方、米国と中国が互いに関税を掛け合う展開については「米中問題の影響がないとはいえず、見方が難しい」と注視する。
国内では芝浦機械が2カ月連続で増加。横中繰り盤など大型機を中心に「建機、航空機関連、金属加工向けが増加した」。オークマも国内が大幅に増加し、「複数台を受注する単価の高い商談もまとめられた」という。
- 2025年4月15日
-
- 2025年4月11日
-
三菱マテリアルは超硬工具の材料に使うタングステン製品の安定供給に力を入れる。2024年12月に独エイチ・シー・シュタルク・ホールディングス(HCS)を買収。同製品の生産能力を現状比6倍以上の年1万6000トンに拡大、世界最大規模のリサイクル処理能力も確保する。
HCSはドイツやカナダ、中国で超硬工具の原料となる炭化タングステン粉末を生産。ドイツでは使用済み超硬工具などのリサイクル原料のみを調達して生産する。三菱マテリアルは子会社の日本新金属(大阪府豊中市)で超硬工具向け炭化タングステン粉末、電子部品や半導体向けタングステン粉末などを生産。秋田工場(秋田市)では国内外で回収した使用済み超硬工具を全て再利用している。
HCSのドイツの拠点と秋田工場を軸に欧州、米州、アジアで超硬工具の回収からタングステンの再資源化、新たな工具の生産まで完結する循環型の仕組みを構築する。タングステンは硬度が高く、自動車や航空機部品の切削工具に使われる。
一方、タングステンの埋蔵量は世界の6割、鉱石由来のタングステンの供給は世界の8割を中国が占め、米中対立に伴う調達リスクが懸念される。HCSとは使用済み超硬工具の回収でも連携し、30年度までにタングステン製品の生産でリサイクル原料の使用比率を現状の53%から80%以上に高める。小原和生執行役常務は「タングステン製錬などを手がけるベトナム企業とタングステンの中間原料の長期調達契約も結んだ。中国に依存せず、タングステン製品を安定供給できる仕組みを築く」と力を込める。
- 2025年4月11日
-
- 2025年4月9日
-
DMG森精機は5軸制御立型マシニングセンター(MC)「NMV5000DCG」に独自の歯車研削ユニットなどを搭載して受注を始めた。加工対象物(ワーク)の旋削やミーリング、ギアスカイビングによる歯車の荒加工、仕上げ研削までの各工程にバリ取りも含めて1台で対応する。研削時は機内に格納していた歯車研削ユニットを自動で主軸に装着し、歯車の位相を検知して歯合わせをしながら1歯ずつ自動で成形研削する。
内歯車と外歯車の両加工に対応し、加工精度は「ISO4級」。ある歯車では、旋盤や歯車加工専用機など複数台の機械で加工していた従来と比べてサイクルタイムを約47%短縮できたという。同社担当者は「歯車の加工から研削まで工作機械1台に工程を集約できる機種は初めて」と自信を示す。こうした歯車加工の課題解決策を「GearProduction+(ギヤプロダクション・プラス)」として順次開発して展開し、対応機種を拡大していく。
不二越は歯車研削盤「GSGT260」を開発。「これまで歯車用の工具や加工機で培ったノウハウを活用する」(同社幹部)ことで、高い精度や能率の研削加工を実現した。外歯車の加工に対応し、加工精度は「新JIS1級」。
複数の歯を同時に創成研削し、EV用駆動装置「イーアクスル」の減速機向けなど量産部品の加工需要を取り込む。
- 2025年4月9日
-
- 2025年4月8日
-
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が公表した2024年度の車名別新車販売によると、ホンダの軽自動車「NーBOX」が4年連続で首位をキープした。前年度比3・5%減の21万768台で唯一20万台を超えた。上位10車種ではスズキの軽「スペーシア」や、8年ぶりに全面改良したホンダの新型小型ミニバン「フリード」の伸びが目立った。
全体首位のNーBOXは、軽自動車のみに限ると10年連続で首位だった。全体2位のトヨタ自動車の小型車「ヤリス」は、登録車としては5年連続の首位。同「カローラ」は23年10月の小型スポーツ多目的車(SUV)「カローラクロス」の改良や、24年1月に「同セダン」「同スポーツ」などを一部改良した効果などが寄与し全体4位に入った。
全体3位のスペーシアは前年度から一つ、全体8位のフリードは同七つ、それぞれ順位を上げた。10年度は6車種が10万台を超えた。
一方、リコール(無料の回収・修理)などの影響でトヨタのハイブリッド車(HV)「プリウス」は前年度比25・3%減となり、前年度より六つ順位を落とした。ダイハツ工業の軽「ムーヴ」は、23年度中にモデル末期となり生産を終了。このため同16・6%減となり、前年度から九つ順位を下げた。
25年3月単月のランキングでもNーBOXが3カ月連続の首位となり根強い人気が続く。2位以下はヤリス、スペーシア、カローラが続き、24年度の上位4位と同じ顔ぶれとなった。
- 2025年4月8日