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- 2024年1月26日
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ソディックは精密小物部品向け射出成形機を開発した。独自の射出機構の採用などにより、高い精度と応答性を実現した。成形条件を最適化する運転モードも設定し、機械全体の消費電力を同社従来製品と比べ最大約11%低減できる。成形領域の拡大で薄肉化や軽量化といった要求に応え、電子、光学、医療機器などの部品需要を取り込む。
新型機「LP―EH4シリーズ」を昨年11に発売開始。最大型締め力10トンと同20トンの2機種をそろえた。
材料を溶かす機構と、金型に樹脂を流し込む機構を分離した独自構造「V―ライン」を採用し、正確で再現性の高い成形を実現した。また型締め時の金型面圧分布と熱膨張による伸縮が均等になるシンメトリック機構も採用。成形品の中心からのずれを抑えながら俊敏な成形が可能となり、歩留まり率の向上と高い生産性を両立した。
19インチの大型操作画面を搭載して視認性を高め、タッチパネル上で目的の波形を指先で拡大するなどの操作も可能にした。部品ごとに成形している環境や条件を管理するシステムも構築でき、デジタル変革(DX)を活用した生産体制にも柔軟に対応する。
成形時に設定する型締め力や射出圧力といった条件が、機械に備わる能力より低い場合、消費電力を抑えて運転するモードを選べる機能も設けた。また、射出成形機の国際安全規格「ISO20430」にも準拠する。
- 2024年1月26日
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- 2024年1月25日
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エヌティーツールは、非接触の光学式ツールプリセッター「イーグル」を刷新し、発売した。機械の剛性を高め、締め付けトルクの上限を従来比7割増の100ニュートンメートルに向上。対応するホルダーが増えたことにより、締め付けに高いトルクが必要なミーリングチャックも機上締め付けできるようになった。
新モデルの「AOTP・A」は、最大測定範囲が工具直径400ミリメートル、工具長500ミリメートルまで。繰り返し取り付け精度は2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下で、スピンドルの振れ回り精度は200ミリメートルの先端で5マイクロメートル以下。
イーグルは高い精度を持ちながら機上締め付けが可能で、作業者がクランパーとプリセッターを往復する手間をなくせる。
今回から、カメラのレンズ部を保護するレンズガードを標準装備とした。アダプター用の防錆ケースも標準付属品としたことで、ユーザーの防錆処理作業の簡略化につなげられる。
また、アダプターに防錆ケースを付けたままプリセッター本体のアダプタートレーに収納できる。
- 2024年1月25日
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- 2024年1月24日
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日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の2023年12月の工作機械受注実績は、前年同月比13・9%減の299億300万円となり、10カ月連続で前年を下回った。
一方、前月比は0・8%増と2カ月連続で増加した。欧米での金利高や景気の先行き不透明感などから設備投資の様子見が続くが、顧客によっては計画通り投資を続ける動きがあるようだ。
4社合計の国内は前年同月比20・1%減と、14カ月連続で減少。輸出は同11・4%減と4カ月連続でマイナスとなった。前月比では国内が0・3%減と2カ月ぶりに減少し、輸出は1・2%増と2カ月連続で増加した。
国内では大手企業で設備投資を計画通り進める傾向がある一方、「中小企業では様子見が続いている」。
海外では牧野フライス製作所が「22年12月は比較的良かった中国の自動車向けの需要が減少した影響が出ている」という。中国市場に強いツガミは「どこも景気は良くない。全体的に受注の調整局面が続いているが、底が割れる感触ではない」としている。
芝浦機械は北米で航空機関連向け、インドでエネルギー関連向けに大型工作機械などの受注が増加した。一方、「国内では金型向けの大型機、中国で車載用カメラレンズ金型向けの超精密加工機の受注減などが響いた」。
23年暦年の工作機械受注実績は前年比11・5%減の3700億2900万円だった。特に国内が同21・7%減の1064億8100万円と振るわなかった。輸出は同6・6%減の2635億4800万円だった。
オークマは輸出が同0・8%増の1088億8500万円と過去最高を更新した。23年6月以降は受注の調整局面が続いたが、「米国や中国で電気自動車(EV)向けなどの受注が下支えとなった」。牧野フライス製作所は「半導体製造装置向けなどが好調だった22年上期と比べると23年は受注が減少した。ただ中国でのEV向けや米国での航空機向けなどの受注を積み重ねた」としている。
- 2024年1月24日
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- 2024年1月23日
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日本レヂボン(大阪市西区)は、鋼材向けの網状のオフセット砥石「スパイダーネット」を発売開始した。
板金加工の平面出しなど仕上げ加工に向く。放熱しやすい形状としたことで研削焼けを抑制でき、平面研磨の精度向上が見込める。
グラインダー(研削装置)に取り付けて使う砥石で、一般鋼やステンレス鋼、鋳鉄などに対応する。外径は100ミリメートル。粒度は80と120の2種類を用意した。
最高使用周速度は毎秒80メートルで、溶接のビード(溶接痕)取りやバリ取り、面取り、サビ落としなどに向く。フランジが不要のため着脱しやすい。
ガラス繊維を研磨剤でコーティングしたことで網状の構造を実現した。砥石に柔軟性を持たせたことにより、凹凸のある鋼材に密着させやすくなり、仕上げ精度の向上が見込める。
また、隙間を通じて切りくずが排出できるため目詰まりも起こしにくい仕組み。
日本レヂボンはノリタケカンパニーリミテドの子会社で、研削や研磨で使われるオフセット砥石大手。
- 2024年1月23日
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- 2024年1月19日
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山田マシンツールは、レーザーマーキング加工を自動化・高効率化できる汎用レーザーマーキングユニット「MARKING CELL(マーキングセル)」を開発した。集塵機やパソコンなども含めたセットで提供することで、製造現場の仕様に合わせて設計するマーキング専用機と比べて導入コストを大幅に低減できる。レーザーマーキングのユニット製品は業界初という。
レーザーヘッドの位置制御方式が自動と手動の2製品を設定し、消費税抜きの価格は850万円から。自動車や建築など幅広い産業分野に提案し、初年度10台の販売を目指す。
レーザーマーキングは、金属の板などにレーザー光を照射してロゴや商品名、シリアル番号や型番などを印字する。一般的なレーザーマーキング装置では加工対象物(ワーク)の出し入れやマーキング起動など複数の作業が必要。価格も仕様によるが通常1000万円以上となっていた。
新製品はワークをテーブルに置いて作動ボタンを押すだけで済む。スライド式のワークテーブルは3方向からアクセスでき、オペレーターの負担となる動作が不要で、チェーンブロックやリフターなどの補助具の併用も可能。マーキングセルは全自動で扉の開閉とレーザーの起動を行うため作業ミスによるレーザーの露光リスクを最小限に抑えられる。
キーエンスやブラザー工業、グラボテック製のレーザーヘッドを搭載可能。搭載できるワークサイズは横1250ミリ×縦450ミリ×奥行き450ミリメートル。
- 2024年1月19日
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- 2024年1月18日
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不二越は切削加工時に発生する「バリ」を極小化できる工具を開発した。バリの発生を抑える新形状を見いだし、実装した。バリ取り工程が不要になることで、ユーザーは加工時間の短縮による生産性向上や、バリ取り用工具の購入費低減による生産コスト削減などにつなげられる。「バリは必ず発生する」という固定観念を覆す技術として訴求する。
新シリーズ「バリレスシリーズ」として12月から国内外で発売開始。ドリルとタップ、エンドミルの3種類をそろえ、タップについてはバリを完全になくすことに成功した。シリーズ全体で初年度に年3億円、3年後に年10億円の売上高を目指す。
バリレス工具の形状は工具の種類によって異なるが、ドリルタイプでは従来の汎用ドリルに比べて先端の刃先を鋭角にして振れを抑制。外周の形状も切削抵抗が小さくなるようにし、ドリルがワークを抜ける際、バリを細かく分断・切除しワークに残さない構造を取り入れた。こうした新形状によってバリの高さを0・01ミリメートルとほぼゼロに近づけ、ワークの仕様次第ではバリ取りの二次加工を不要とできる。
電気自動車(EV)の普及に伴い需要増が見込まれるモーターシャフトは、穴が縦軸と横軸で交差するクロス穴加工が施される。こうした加工が施された部品は、バリがワーク内部に発生するため、バリ取り作業に手間がかかる。
不二越のバリレス工具はこうした課題にも有効で、切削速度を従来より遅くする必要もなく、寿命も汎用ドリルと同等以上という。
価格は、直径6ミリメートル、全長82ミリメートルの寸法の場合、ドリルは1本1万1700円(消費税抜き)。今後、対応可能な被削材の種類を増やし、ラインアップを順次拡充する方針。
- 2024年1月18日
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- 2024年1月17日
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日本工作機械工業会(日工会)の稲葉善治会長は、2024年の工作機械の年間受注額が23年の推定値と比べ1%増の1兆5000億円になるとの見通しを示した。2年ぶりの増加を予想した。24年の前半は受注の調整局面が続くが、後半から半導体関連や新エネルギー車向けの新たな需要を見込む。
稲葉会長は都内で開いた賀詞交歓会であいさつし、24年の受注環境について「年の前半は緩やかな調整局面が続く」とした上で、「半導体の需要増加や自動車の新エネルギー対応のため、後半には新たな需要が見込まれる」と述べた。
24年の受注額見通しでは内需や外需の内訳は公表しなかった。ただ外需の約3割を占める中国市場について「今は良くないが、多分持ち直す。通年で見ると23年と変わらないのではないか」との見通しを示した。
また1兆5000億円の受注規模について稲葉会長は「好不況のボーダーラインとして1兆3000億円の線を考えている。非常に厳しい状況だが、決して悪い数字ではない」とし、自動化、デジタル変革(DX)、環境対応などの根強い設備需要に期待を示した。
24年の受注額見通しについて工作機械メーカー幹部からは「もう少し厳しく見ていたが、1兆5000億円は良い目標ではないか」「25、26年には半導体製造装置、自動車、航空機向けなどの受注が上がり次のピークがくる。その間の1兆5000億円は悪くない」との声が聞かれた。
- 2024年1月17日
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- 2024年1月15日
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豊和工業は旋盤用油圧パワーチャックの新製品「H037MAシリーズ」を開発した。くさび型の3爪中空チャックで、くさび角の変更により従来品の把握力を保ちつつ爪ストロークと貫通穴を拡大して、より広範囲の加工対象物(ワーク)に対応させた。
6インチは61キロニュートン、8インチが95キロニュートンの高い把握力を持ち、高回転の重切削に対応する。チャックの締め付け位置を変更し、ボディー歪みを最小化した。
把握精度は0・01ミリメートル以下で、爪の浮き上がりは従来品比20%低減した。高剛性化と摺動効率改善により、回転数と耐久性も向上した。
同社の油圧パワーチャックは「H037M」「H3KT」「H3KB」を展開しているが、この3機種は新製品に統合する。
- 2024年1月15日
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- 2024年1月9日
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和工業は旋盤用油圧パワーチャックの新製品「H037MAシリーズ」を開発した。くさび型の3爪中空チャックで、くさび角の変更により従来品の把握力を保ちつつ爪ストロークと貫通穴を拡大して、より広範囲の加工対象物(ワーク)に対応させた。チャック外径が6インチ、8インチのサイズを先行して発売し、10インチ、12インチのサイズを順次販売開始。
6インチは61キロニュートン、8インチが95キロニュートンの高い把握力を持ち、高回転の重切削に対応する。チャックの締め付け位置を変更し、ボディー歪みを最小化した。
把握精度は0・01ミリメートル以下で、爪の浮き上がりは従来品比20%低減した。高剛性化と摺動効率改善により、回転数と耐久性も向上した。
同社の油圧パワーチャックは「H037M」「H3KT」「H3KB」を展開しているが、この3機種は新製品に統合する。
- 2024年1月9日
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- 2024年1月5日
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中村留精密工業は、素材供給と完成品の取り出しを自動で行う自社製機内搬送装置「コンパクトローダー」にサーボタイプを追加し、発売した。工場の高さ制限を受けにくい省スペースという利点はそのままに、顧客の要望に応えて全軸をサーボ駆動にすることで位置決め精度を高めた。また、加工対象物(ワーク)ごとに細かい設定が可能になり操作性を向上させた。価格は427万円(消費税抜き)。
新発売の「コンパクトローダーservo」は、ハンド昇降軸をサーボモーター駆動に変更することで、従来品に比べて機内搬送速度を早めた。
さらに、繰り返し位置決め精度はガントリーローダーと同等の能力を持たせた。これによりティーチングポイントをワークに合わせて設定が行えるようになり、段取り性の向上も実現した。
搭載機種として、まずは同社製複合加工機「MX―100」を対象とするが、今後、搭載可能な機種を順次広げていく。
- 2024年1月5日
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- 2024年1月4日
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マイクロ波化学は、製造プロセスへのマイクロ波の導入を見据えた検証が手軽にできる実験装置を発売した。ユーザーの実験環境によって周波数などをカスタマイズできる。価格は仕様によって異なる。同社が実験装置を外販するのは初めて。外販を通じて、マイクロ波を用いた加熱プロセスの事業化を進める企業を増やす。
発売した「M―block(ブロック)」は、マイクロ波を使った単純な加熱実験だけでなく、マイクロ波プロセスの実機導入を見据えた検討にも利用できる。
マイクロ波の周波数は915メガ、2450メガ、5800メガヘルツで、マイクロ波発振器が照射部と分離されているため容易にカスタマイズできる。手軽にマイクロ波プロセスを検討できる環境を提供でき、事業化を見据えたスケールアップも円滑に実現できる。
- 2024年1月4日
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- 2023年12月29日
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シチズンマシナリー(長野県御代田町)は、主軸台移動型コンピューター数値制御(CNC)自動旋盤「シンコムL20」シリーズの4機種を全面刷新して2024年4月に発売する。最新の数値制御(NC)装置を搭載し、サイクルタイムを短縮するなど基本性能を高めた。消費税別の価格は1055万円から。月50台の生産を目指す。
新型機は最大加工径20ミリメートルで、主軸回転数は最大毎分1万回転。独自の切りくず分断技術「LFV(低周波振動切削)」を、オプション機能で正面と背面の主軸それぞれで利用できるようにした。
最新のNC装置でプログラムの処理能力を向上し、サイクルタイム短縮も実現した。
操作盤も一新し、15インチの大型タッチパネルを採用して操作性も高めた。切削室扉と機械背面にも扉を設置することで切削室内へのアプローチを容易にし、作業性を向上させた。
- 2023年12月29日
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- 2023年12月28日
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キラ・コーポレーション(愛知県西尾市)は、低速・重切削加工領域をターゲットにした主軸40番の立型マシニングセンター(MC)「PCV―40b」を開発した。2024年1月に受注開始する。スピンドルに減速装置をオプション設定し、鉄や鋳物の横引き加工(フライス加工)に対応する。容量200リットルのクーラントタンク付きで、消費税抜きの標準(減速装置なし)価格は1144万9000円。年間25台の販売を目指す。
ブレーキなど自動車の足回り部品加工を中心に導入を提案する。主軸モーターとスピンドルを直結しており、減速装置に採用した独自のギア変速機構により、低速域での重切削加工ではギアを切り替えて高トルクを発揮する。
工具収納本数は標準で24本。主軸回転数は標準で毎分1万回転に設定しており、加工目的に応じて減速仕様を含めた4種類のスピンドルをオプション設定した。
- 2023年12月28日
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- 2023年12月25日
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ニデックオーケーケーは5軸制御の立型マシニングセンター(MC)「VB―X350」を開発し、2024年1月をめどに発売する。09年発売の現行機種(VC―X350)から基本性能を大幅に向上。直線3軸の早送り速度を従来機比1・2倍、傾斜軸を同1・4倍、回転軸を同1・5倍にそれぞれ高速化し、生産性を高めた。価格は現行機種の価格(消費税抜きで約2900万円)を据え置く。24年度に100台の販売を目指す。
金型・部品の工程集約加工に加え、多品種少量生産を行う企業を中心に提案する。電気自動車(EV)や航空機のアルミニウム部品加工も対象に、欧米への拡販も図る。
現行機種の高剛性や高精度を継承しつつ、直線軸の早送り速度は毎分63メートルに向上。傾斜軸と回転軸は高トルクのダイレクトドライブモーター採用で高速化した。設置面積は5・8平方メートルでクラストップレベルの省スペース化も実現した。
機械の前面カバーからテーブル中央までの距離は460ミリメートルに短縮し、段取り作業性も向上。機械の消費電力や二酸化炭素(CO2)排出量を確認できる機能も標準搭載した。
- 2023年12月25日