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                        - 2024年5月1日
   
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                                    タンガロイは、内径奥端面の深溝入れ加工用工具向けに新シリーズ「フェイス・ミニ・カット」を発売した。最小端面加工径10ミリメートル、最大溝深さ9ミリメートルに対応する。消費税込みの標準価格はインサート(刃先交換工具)の主な型番「MFGR10―200―020 SH7025」が8151円。
 
 インサートに物理気相成長(PVD)コーティング材種「SH7025」を採用。切削力を大きな支持部厚みで受けるなど、設計の工夫で高いインサートクランプ剛性を実現した。びびりを抑え、端面の深溝入れで安定した加工が可能となる。
 独自の2段形状のチップブレーカーでは切りくずの流出を横方向に制御し、工具への絡みつきなどによる機械停止時間を削減する。2カ所からの内部給油機構で刃先近傍に切削油を確実に供給。切りくず排出性と安定した長寿命化が見込める。ホルダーのシャンク径は12ミリ―16ミリメートルを設定。自動盤から一般旋盤に対応する。
 
- 2024年5月1日
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                        - 2024年4月30日
   
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                                    三菱電機はファイバーレーザー加工機の旗艦機種「GX―Fシリーズ」に、窒素と安価なエアを混合したアシストガスを用いる軟鋼向けの新切断方式「AGR―Mix」などの新技術を開発した。同機種のオプションとして設定するほか、既存の購入者には有償で機能追加をする。同シリーズは購入済みの製品に後付けできる新技術を毎年、投入することを掲げている。
 
 AGR―Mixは窒素ガスのみの切断に比べ加工品質を高めつつ、同等の加工速度を実現する。窒素ガス消費量を最大60%削減できるため、ランニングコストも低減できるという。
 このほか、ジョイントの切り離しの手間を大幅に減らす「ライトジョイント」や、加工パラメーターの編集機能を拡張する新技術も提供する。
 自動シートチェンジシステム「FOTシリーズ」も投入。素材を1枚ずつ加工機にローディングし、加工後は加工品・端材ともに製品棚に移して、素材供給から加工材搬出までの連続運転を実現する。工場の形に合わせて設置の方向を、幅方向を短くする「I型」や長手方向を短くする「L型」から選択できる。
 
- 2024年4月30日
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                        - 2024年4月26日
   
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                                    中村留精密工業は、同社が独自に開発した旋盤のアイドルタイム(待機時間)を短縮する機能「クロノカット」を、国内向けではほぼすべてとなる合計23機種に標準搭載する。5月の出荷分から搭載する。生産効率向上を実現する同機能の搭載機種を拡充し、受注拡大につなげる。
 
 クロノカットは2023年10月に発売した精密コンピューター数値制御(CNC)複合旋盤「WY―100V=写真」に初搭載し、主軸の同期、リジッドタップや原点復帰の高速化などを実現した。さらにパーツキャッチャーにより加工対象物(ワーク)の取り出し時間を短縮することで、サイクルタイムやリードタイムを低減させ、生産効率を高めた。
 
 一方で加工条件は変わらないため、精度への影響はない。加工事例として油圧バルブ品の場合、加工時間を30%短縮できたという。
 
- 2024年4月26日
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                        - 2024年4月24日
   
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                                    ニデックマシンツールは、遊星歯車機構などの内歯車を高精度に仕上げる量産用ポリッシュ(研磨)加工法を開発した。
 同加工法は外歯車向けでは確立されているが、内歯車向けは世界初という。従来の研削やホーニング、スカイビングといった加工法では得られなかった精度を実現し、歯車の耐久性や伝達効率などの向上につなげられる。今夏の実用化を目指す。
 新開発の加工法は独アーヘン工科大学との共同研究の成果の一部で、同社の量産用内歯車研削盤「ZI20A」を使用した。
 同研削盤は歯車の歯から歯へと連続的にかみ合いながら軸方向に砥石(といし)を動かす独自の仕上げ加工法を搭載。この加工機と加工技術を基に、砥石の回転数や加工時間などの加工条件を導き出し、外歯車ポリッシュ加工法と同等の精度を内歯車で実現した。
 
 遊星歯車機構は自動車の駆動ユニットや変速機、ロボットの関節部分などに使われている。構成部品の歯車にわずかな歪みがあると耐久性や伝達効率に影響し、騒音や振動が起こる要因となる。このため、高品質な歯車が求められる。
 
- 2024年4月24日
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                        - 2024年4月23日
   
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                                    ワイヤープラスは、工場内で使用する加工液を従来の油性から水性に切り替え、オイルレスの生産体制を整えた。ワイヤ加工を手がける同社が保有する切断機や転造機などに、アルカリ電解水を主とする金属加工液を導入。工場内のオイルミストがなくなり作業環境を改善したほか、洗浄工程を簡素化できたことで生産性向上も実現した。
 導入したのは、日本フルードシステムの電解水専用加工液「OilWater」。ワイヤープラスの加工現場では女性従業員が多く、作業環境改善のため今回の全面切り替えを決めた。
 防腐剤を使わないため人体への影響が少ない上に、オイルミストが発生しないことで衣類や髪に切削油のにおいが付くこともない。加工後の脱脂工程も省けることから生産効率化にもつなげられた。
 
 同社は自動車や医療、弱電向けの金属ワイヤ加工と販売がメーン。水性金属加工液への切り替えにより、加工に使用する油にも規制がある医療用などで受注できる製品領域の拡大を見込む。
 また、水道水からアルカリ電解水を製造する装置も日本フルードシステムから購入し、水性金属加工液を内製化した。同社からの生産委託も受け、自社用だけでなく外販用の加工液製造も始めた。
 ワイヤープラスでは作業環境の改善だけでなく、子育て世代の女性が働きやすいように、働く時間は個人が自由に設定できる。今後も“人にやさしい会社”作りを進める。
 
- 2024年4月23日
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                        - 2024年4月22日
   
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                                    曽根田工業は、超硬エンドミル「M200」シリーズに刃先をR形状にしたラジアスタイプの「同4RS」を追加し、発売した。窒化アルミニウムクロム(AlCrN)コーティングと振動が起きにくい構造の刃を採用。刃径は1ミリ―16ミリメートルで、Rの半径の長さなどが異なる計40種類を用意した。
 ユーザーが望む必要な機能に絞って価格を抑え、「普通に使える工具」を目指す「FUTOOL(フツール)シリーズ」の製品。刃形は底刃の角度が不均一な「少不等ピッチ」と、隣り合う刃のねじれの角度が異なる「不等リード」で加工精度に影響が出る振動を抑える。対応素材は鉄やステンレス、鋳物。
 
 コーナー部を曲面で仕上げられるラジアスエンドミルは部品加工に幅広く用いられる。ただスクエアエンドミルよりも高価になる傾向があるため、フツールシリーズとして購入しやすくした。一部仕様は即納が可能。
 
- 2024年4月22日
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                        - 2024年4月19日
   
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                                    京セラは独自の特殊形状により、高精度で安定した小径穴あけ加工が可能なソリッドドリルを開発した。加工時に穴曲がりを防ぐマージンと呼ばれる形状をドリル先端に3組、同中間部に2組設けた。ドリルとしては珍しい形状で、直進安定性と切りくず排出性を両立した。鉄や鋳鉄、半導体製造装置部品の素材として採用されるステンレス加工にも対応。幅広い加工現場での利用を見込む。
 
 新開発の「KDA Mini」は、従来ラインアップにはなかった直径1ミリ―2・9ミリメートルの穴あけ加工に対応する。切れ刃の冷却と切りくず排出性を高めるクーラントホール付きで、特殊形状を採用した製品「タイプC」を60型番、同ホールなしの「タイプN」を40型番用意。加工深さは8D(径の8倍)まで対応する。
 タイプCはドリルの部位によってマージンの数を最適に配置した。ドリル先端は3組にしたことにより、切削抵抗が大きく、工具の揺れが発生しやすい穴あけ序盤の加工でのドリルの直進安定性を高めた。
 中間部はマージンの数を2組にしてチップポケットを大きくし、切りくず排出性を向上。これらにより一般品と比べ、加工時の穴曲がりや穴位置ずれを抑制しやすいという。
 またタイプNも含めて、潤滑性や耐溶着性に優れた窒化アルミニウムクロム系層と耐摩耗性に優れた窒化チタンアルミ系層を多層積層化した特殊コーティングを施し、他社従来品と比べ約2倍の工具寿命を実現した。
 
- 2024年4月19日
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                        - 2024年4月16日
   
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                                    データ・デザインは、解析時間が短く、ギア加工にも対応する切削解析ソフトウエアを発売開始した。
 従来解析手法の有限要素法(FEM)では数日かかる解析を、独自のアルゴリズムによって数十分で実施できる。電気自動車(EV)化で増えるギアスカイビング加工の需要を取り込むとともに、解析の短時間化により解析ソフト導入のハードルを下げることで国内市場を深掘りする。
 
 発売したのは独Tetralytix(テトラリティクス)が開発した「Toolyzer(トゥーライザー)」で、日本国内向けにデータ・デザインが日本語化した。同ソフトの国内販売は初めて。
 
 一般的な切削解析に用いるFEMではなく、3方向デクセルモデルという手法を用いた独自のアルゴリズムで解析。FEMではほぼできなかったギア加工の解析にも対応する。
 3次元形状加工時の切削工具の複雑な動きを再現し、個々の刃先にかかる応力を高精度に解析する。切削工具の各部分と加工対象物(ワーク)の距離などが分かるため、加工の最適条件の算出や切削工具の試作・開発に要する時間を短縮できる。
 また、複雑なスローアウェイ(刃先交換型)工具なども短時間で解析可能。解析時間の短縮で製造プロセス開発のデジタル化を推し進める。切削工具や工作機械のメーカーのほか、切削加工を行う部品加工会社向けに広く提案する。
 データ・デザインは、製造業向けのコンピューター利用設計・製造(CAD/CAM)、コンピューター利用解析(CAE)や、3次元技術を用いた閲覧システムなどの開発、販売を手がける。
 
- 2024年4月16日
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                        - 2024年4月15日
   
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                                    エンシュウは中国・青島市の工場で、主軸40番台の横型マシニングセンター(MC)の生産開始について検討を始めた。早ければ2024年中にも始めたい考え。「基本的に地産地消」である中国市場に向けて、現地生産によりコスト競争力向上やリードタイム短縮を図ることで、市場を深耕する。
 
 エンシュウは中国で主軸30番台と40番台の立型MCを生産しているが、同型機種は現地メーカーとの競争が激しくなっている。ただ横型MCは現状でも日本製に優位性があると見て、現地生産の検討を進める。
 
 中国では自動車メーカーが自前で工作機械や周辺装置をシステムアップする事例が増えており、エンシュウが得意とする部品の量産加工用ラインの受注が伸び悩んでいる。そのため自動車業界向けであっても、ライン一括以外の商談を増やすために機械単体の製品群の拡充が必要になっていた。
 横型MCの現地生産に伴い、日本国内と同様に汎用機の販売体制も強化する。
 中国に限らず市場性や価格帯を考慮してタイやベトナムの工場の活用を進める。22年に発売した小型MC「セービングセンタ」シリーズの2機種は、23年10月に日本からタイ工場での生産に切り替えた。今後タイ工場は拡張も視野に入れる。
 一方で、5軸加工機などの付加価値の高い商品は引き続き日本国内で生産する。
 
- 2024年4月15日
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                        - 2024年4月12日
   
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                                    ニデックマシンツールは、門型5面加工機用アタッチメントの一つで、小型ながらも高速加工が可能なユニバーサルヘッド(UH)を開発した。全体設計を見直したことで、体積を同社従来品比約20%縮小。工具と加工対象物(ワーク)がより接近でき、高品位の仕上げや高効率加工が可能となる。鋳物の重切削から金型高精度仕上げまで、幅広い加工の自動化と省人化につながる点を訴求し、拡販する。
 
 従来のUHでは体積が大きいために工具がワークに近づけず、対応可能な加工の工程や精度に制限があった。
 
 新開発のUHは、全長655ミリ×幅490ミリ×奥行き306ミリメートル。
 
 工具を取り付ける傾斜軸の突き出し部分を長くして主軸の剛性も高めた。これにより、短小工具も長尺工具も使えるようになり、荒加工から仕上げ加工まで幅広い加工に対応できる。
 またワーク内部を加工する際、その側面にUHが220ミリメートルまで接近できる設計とし、小型や薄型のワーク、奥深い角部の細かな加工も実現した。
 主軸回転速度は最大毎分6000回転、主軸出力は15キロワット、主軸最大トルクは341ニュートンメートル。各軸の割り出し時間の高速化やアタッチメントの剛性を高めたことなどにより、加工時間の短縮、生産性の向上を図った。
 
- 2024年4月12日
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                        - 2024年4月10日
   
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                                    不二越は主力製品の一つである切削工具の生産能力を増強した。米国子会社のナチツールアメリカに、約20億円を投じて新たな生産設備を導入した。高精度・長寿命を特徴する超硬ドリルの生産能力を従来比約4倍に高めた。航空機関連分野をはじめ、現地での旺盛な超硬ドリル需要を取り込む。
 研削盤やコーティング炉などの設備を導入し、2023年12月に稼働を開始した。
 米国では航空機や住宅・インフラ、電機・電子の需要増加に伴い、航空機や建設機械、半導体製造装置などの部品加工に使われる超硬ドリルの需要拡大が見込まれる。
 そのため「アクアREVOドリル」など売れ筋の超硬ドリル商品の現地での生産能力を増やし、速やかに供給できる体制を構築。短納期化により、シェア拡大を狙う。
 不二越は24年11月期連結業績予想で、工具事業の売上高として前期比1・3%増の345億円を計画する。切削加工時に発生するバリを極小化し、バリ取りの二次加工が不要な「バリレスシリーズ」をはじめとする切削工具の拡販により、計画達成につなげる方針だ。
 
- 2024年4月10日
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                        - 2024年4月9日
   
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                                    FINESYSTEMは、大型の鋳鉄鋳物やアルミニウムダイカスト品のバリ取りに特化したロボットシステムを開発した。強固なバリを除去するため、同システム用に高トルクのスピンドルを内蔵したアタッチメントと工具ホルダーを開発し、搭載。電気自動車(EV)部品への応用が見込まれる大型のアルミダイカスト「ギガキャスト」製品への適用も視野に入れる。
 
 開発したアタッチメントは、装着した工具がバリの形状に合わせて追従して動く独自の「エアフロート機構」を搭載。加工対象物(ワーク)を削らずにバリだけを取り除く。ロボットティーチングの簡略化も可能。スピンドルの回転数は毎分最大1万5000回転。ホルダーは工具の固定機能と自動交換機能を備える。
 
 大型の鋳物のバリ取り工程は一例として、プレス機で不要部をせん断加工した後、作業者がハンドツールで処理する。
 
 同アタッチメントを用いたロボットシステムであれば、これら一連のバリ取り工程を工具交換しながら集約可能。丸鋸で切断、ダイヤモンドホイールやエンドミルでの粗引き、ロータリーバーでの仕上げまでを完結する。
 
 想定するワークは、鋳鉄が産業機械用フレームや自動車・建設機械用駆動部品などで、アルミはEV用車体部品など。ユーザーの反応を見て、専用機への搭載や標準仕様のロボットセルの開発も進める。
 
- 2024年4月9日
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                        - 2024年4月8日
   
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                                    MOLDINOは、高硬度鋼加工用高送りラジアスエンドミル「エポックハイハードラジアス」シリーズに、刃径が1ミリメートル未満の荒加工用小径エンドミル「EHHRE―TH3 mini」を追加して発売した。冷間鍛造金型や小型精密金型などの高硬度鋼を高能率加工できる。
 
 独自の高剛性設計を採用した。高硬度鋼の荒加工ではボールエンドミルなどと比べて削り残しを少なく、早く工具を送ることができる。燃料電池セパレーター向け金型など高硬度鋼を活用した小型精密金型での活用を見込む。
 
 刃先が0・5ミリ―0・8ミリメートルで18アイテムを展開する。また同シリーズの「EHHRE―TH3」では、刃先が1・5ミリメートルの4アイテムも追加して発売した。
 
 同シリーズに刃先が1ミリメートル未満の仕様を追加するなど品ぞろえを拡充し、高能率荒加工需要を取り込む。
 
- 2024年4月8日
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                        - 2024年4月5日
   
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                                    乗用車メーカー8社が発表した2月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比7・6%減の190万9747台で、2023年1月以来13カ月ぶりの減少となった。国内ではダイハツ工業や豊田自動織機の認証不正問題、能登半島地震による部品調達の遅れ、海外では中国の春節(旧正月)休みによる工場稼働日の減少と競争の激化といった影響を受けた。世界生産台数はスズキを除く7社が前年同月を下回った。
 
 トヨタ自動車は世界生産が14カ月ぶりに前年同月を下回った。国内生産はダイハツと豊田自動織機の認証不正の影響で前年同月比12・9%減。海外は中国が春節休みと競争激化で同41・5%減の7万545台となったが、欧州の生産が回復したほか北米も堅調だったため海外生産全体では2月として過去最高だった。
 
 ホンダは能登半島地震による部品調達の遅れにより国内生産が同15・8%減、中国の生産が同49・2%減となり、6カ月ぶりに世界生産を減らした。日産自動車は中国やタイ、アルゼンチンなどで海外生産が減少し、世界生産は5カ月ぶりに前年同月を下回った。
 
 認証不正による出荷停止の影響が大きかったダイハツは、国内生産が同91・7%減、国内販売が同82・0%減となった。
 
 世界販売はトヨタが国内と中国の減少などで同6・9%減の71万9630台となった。一方、ホンダは同5・5%増の28万3591台、日産は同8・4%増の28万7493台。両社とも国内、北米、欧州が堅調で、7カ月連続で前年同月を上回った。
 
 スズキはインドの生産が2月として最高となり、国内の新車効果もあって、世界販売が2月として過去最高の同11・5%増の28万8140台だった。
 
- 2024年4月5日

