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- 2022年5月30日
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ヤマザキマザックは、工作機械ユーザーへの遠隔支援サービス「マザックアイコネクト」で無償提供している機能を改良し、提供すると発表した。ウェブサイト上でパーツの見積もり・再注文ができるなどユーザーの要望が多い内容を反映した。利便性を高め、利用促進を図る。
「WEBサービス」の名称で無償提供している機能のうち「パーツ注文履歴」では、注文したパーツ履歴から選ぶだけで見積もり依頼と再注文がウェブサイト上で可能。入力の手間を省くとともに、パーツを画面で確認できるようにして注文ミスを減らす工夫を取り入れた。
このほか、プログラミングなど目的に応じたeラーニングコンテンツを整理し、効率的な学習を支援。生産支援ソフトウエアなどの無償トライアル版も用意し、導入効果の事前検証に役立てる。
WEBサービスは2021年4月に無償提供を開始。サービス内容はユーザーの声を反映させながら強化を図っている。
- 2022年5月30日
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- 2022年5月27日
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三菱マテリアルは、小物高精度部品旋削加工用の低送り加工に適した物理気相成長(PVD)コーテッド超硬材種「MS7025」を発売した。緻密なナノ積層コーティングにより、被膜損傷を抑え、高い耐溶着性と耐摩耗性を実現した。価格は代表型番の「CCGT060201M―FS―P MS7025」が1639円(消費税込み)。
耐溶着性に優れる高潤滑層と摩耗を抑える高耐摩耗層をナノレベルで制御。これにより、被膜損傷を大幅に抑えられる。またナノレベルの高潤滑層は、低送り加工で発生しやすい溶着から生じる構成刃先を抑え、加工面の傷を抑制できる。
近年、加工精度向上へのニーズの高まりや自動車部品の小型化により、加工速度と加工送りが上がらない状況での加工が増えている。特に小型自動旋盤の加工では低送り領域がメーンターゲットとなり、同領域でも安定した加工を実現する切削工具の需要が高まっている。
- 2022年5月27日
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- 2022年5月26日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめた2021年度の新車販売台数は、前年度比9・5%減の421万5826台だった。3年連続でマイナスだった。半導体などの部品不足や新型コロナウイルス感染拡大の影響で各社が工場の稼働調整を実施したため、生産や納入に支障が生じた。各社は4月も稼働調整を計画しており、不透明な状況は続きそうだ。
登録車の販売台数は同8・2%減の266万855台。5年連続のマイナスとなった。08年のリーマンショック時を下回り、1968年度の統計開始以来、下から2番目の水準だった。
軽自動車は同11・5%減の155万4971台で、3年連続のマイナス。98年に軽自動車が現行規格となってからは、最低の水準となった。160万台を下回ったのは24年ぶり。
3月の新車販売台数は前年同月比16・3%減の51万2862台だった。登録車は同14・8%減の32万7293台で7カ月連続の前年割れ。軽自動車は同18・9%減の18万5569台で10カ月連続の前年割れだった。3月として軽自動車の販売台数が20万台を下回ったのは、東日本大震災が発生した11年以来となった。
まだ今後も「新型コロナや部品不足の影響は続くのではないか。ウクライナ情勢悪化が部品供給やエネルギー価格に響く懸念もある」と憂慮する。需要は堅調だが、供給面が足かせとなっている。
- 2022年5月26日
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- 2022年5月25日
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日本精工は産業用ロボットの関節部のサーボモーター向け軸受、工作機械の直線運動を実現するボールネジなど自動化設備の中核部品を手がける。直近では、摩擦や潤滑の科学技術「トライボロジー」などを駆使し、協働ロボットやサービスロボット向けのユニット製品も開発する。中核部品の強化と新領域向け製品の両輪で自動化を力強く支える。
産業用ロボット向け減速機に搭載する軸受では、高剛性で薄肉が特徴の「アンギュラ玉軸受」を供給する。ロボットの重量を受けながらスムーズな旋回・駆動を実現する。ロボットに不可欠なサーボモーター用の軸受も外部の粉じんを防ぐシール構造を持つ高機能な製品が強みだ。
同社が約2年前に量産を開始したのは小型産業用ロボットや協働ロボット向けの波動歯車減速機用軸受。同減速機は内輪が楕円形で歯車のかみ合わせが少しずつ移動。これにより小さい力を大きな力に変換できる。「産業用ロボット向け減速機の需要は中国メーカーなどで活発化している」と話すのは産業機械事業本部副本部長の早田龍史執行役常務。「自動車業界の投資も変化しており、電気自動車(EV)対応のため小型ロボットも求められている」と続ける。市場ニーズをいち早く捉え製品を供給できており、同事業本部プレシジョン本部長の菊池健次郎執行役員は「ロボット市場は3-4年で1・5倍に拡大したが、当社は市場を上回る成長を実現している」と語る。
既存製品を基盤に協働ロボットやサービスロボットなど新たな領域も開拓する。全方向への滑らかな移動を実現する車輪ユニット「アクティブキャスタ」やトルク検出誤差を低減し安全機能の強化につながる「協働ロボット用アクチュエータ」開発。拡大する市場で確固たる地位を獲得するため、さまざまな手を打っている。
- 2022年5月25日
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- 2022年5月24日
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不二越は、既存機に比べタクトタイムを最大43%短縮する産業用ロボット「MZ Fシリーズ」を発売した。高速・小型・軽量が特徴の従来機種「MZシリーズ」に比べ、さらに速度・精度を高めた。可搬質量7キログラムの標準タイプとロングアームタイプ、同10キログラムのロングアームタイプの3機種を用意。価格はオープン。2022年度に7キログラム可搬2機種で1万2000台、10キログラム可搬で2000台の販売を目指す。
製造現場では労働人口減少による人手不足や生産性向上に対応するため、産業用ロボットの活用が加速している。特に電機・電子分野は生産性向上や効率化のニーズが強く、既存機より高速・高精度化したMZ Fシリーズを投入する。
軽量化と高剛性を両立した設計で、クラストップレベルの高速・高精度を実現。可搬質量7キログラムの「MZ07F」は内部構造を最適化し加速・減速性能を大幅に強化した。7キログラムの重さがかかった状態での連続動作時間は、既存機のMZ07の6・9秒に対し、MZ07Fは3・9秒と大幅に時間を短縮する。
同社のロボットの特徴である中空構造を採用し、配線・配管の引き回しを不要にした。周辺との干渉リスクを低減し利便性も向上する。
国際電気標準会議(IEC)が規定する保護等級「IP67」の防塵・防滴機能を備える。クリーン度も、クリーンルームの国際規格「ISO14644―1」で「クラス4」を標準で達成する。
MZ07Fは最大リーチ723ミリメートル、位置繰り返し精度プラスマイナス0・015ミリメートル、本体重量41キログラム。
ロングアームタイプの同07LFは最大リーチ912ミリメートル、位置繰り返し精度プラスマイナス0・02ミリメートル、本体重量43キログラム。可搬質量10キログラムの同10LFは最大リーチ1202ミリメートル、位置繰り返し精度プラスマイナス0・025ミリメートル、本体重量55キログラム。
- 2022年5月24日
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- 2022年5月23日
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岡谷鋼機は、レーザー事業を強化する。レーザー加工技術などを試験できる拠点を活用して工法の提案を進めるほか、レーザー関連の商材を増やす。2023年度には営業や技術部隊の拡充も検討する。商社の強みを生かして素材から工法提案、最適な装置の組み合わせまで一貫でカバーし、主要顧客である自動車業界のほか、今後は半導体や電子関連業界にも訴求する。25年度に10億円の売上高を目指す。
グループ会社の東海岡谷機材が、21年3月にレーザー事業を立ち上げた。同時に愛知県豊田市内に、レーザー加工技術を実演できる「レーザラボ」を開設。同年11月には最新のファイバーレーザーシステムを導入し、テスト能力を増強した。22年度はレーザー加工テストを行う専任の技術者を置き、新たな工法の提案などを強化する。
21年、導入したシステムはレーザー発信器やロボットで構成。加工のためのセンタービームと、その周りを温めるリングビームの2種類のビームを制御することで接合などを高品質にできる。またパソコン上でプログラムを作成し、教示工程なしでロボットやビームを操作できるファナック製のシミュレーションソフト「ロボガイド」を採用。リングビーム対応は初めてだという。
車の電動化に伴い軽量化ニーズが高まり、異種素材の接合や微細加工といった面でレーザー加工の引き合いが強まっている。岡谷鋼機はこれまでレーザー加工機の取り扱いはあったが、より上流の工法提案や光学設計の段階から顧客を取り込み、量産設備の構築までつなげたい考えだ。
- 2022年5月23日
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- 2022年5月20日
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ユーベックは、小型マシニングセンター(MC)によるアルミニウムなどのダイカスト加工で発生するスラッジを、クーラント液と同時に目詰まりなく回収する濾過システムを開発した。回収したクーラント液は精密濾過で処理後、MCの高圧外部ノズルやハイブリッドノズルに送り、繰り返し使える。回収タンク内の清掃や液の交換が不要で、廃棄時に発生する二酸化炭素(CO2)削減にもつながる。
回収したクーラント液とスラッジは、独自技術のコンベヤーと精密フィルターで分離、濾過するだけの簡易な機構とした。ドラムフィルターやサイクロンフィルターなどの装置も使用しない。小型MCのほか旋盤にも対応する。個別回収ポンプは750ワットと小型で、処理能力は毎分120リットル。回収タンク1台の設置面積は0・5×1・5メートルと省スペース化した。
精密濾過したクーラント液は刃具周速より早い流速で高圧外部ノズルやハイブリッドノズルから吐出し、刃具や加工対象物(ワーク)、センサー、機内なども洗浄できる。ツール寿命の向上やクーラント液の腐敗を抑制し、悪臭を抑える。
複数台のMCに対応する集中クーラント方式では、複数のフィルターを稼働中に順次自動洗浄する機能があり、72時間から1週間程度の自動運転も可能。除去能力は20マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以上でフィルターは1年間保証する。
回収タンクは仕様により1台当たり80万―150万円(消費税抜き)で、濾過装置本体は30―40台接続できる。自動車部品メーカーなどを中心に年間10システムの販売を目指す。
- 2022年5月20日
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- 2022年5月19日
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渋谷工業はコンパクトファイバーレーザー加工機「ファルコン―Sファイバー」を発売した。二酸化炭素(CO2)レーザー加工機で板金加工をする中小企業を主な対象に、加工領域を広げつつ、省スペース化による生産性向上につながる効果を提案する。価格は4000万円(消費税抜き)。初年度20台の販売を目指す。
同加工機は出力2000ワットの同社製レーザー発振器と数値制御(NC)を搭載したオールインワン構造。幅2450ミリ×奥行き2425ミリ×高さ1950ミリメートルとコンパクトな設計ながら、加工範囲は最大1250ミリ×1250ミリメートルに対応する。テーブルは高さが800ミリメートルで手前に引き出せる構造のため、加工対象物(ワーク)供給時の作業負担を軽減できる。
機械内部に発光ダイオード(LED)照明を取り付けたほか、操作パネルを15インチサイズにして視認性を向上させた。
- 2022年5月19日
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- 2022年5月18日
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スター精密は、2024年12月期までに自動旋盤に搭載するスピンドルの生産能力を現行の約40%増の月1100本に引き上げる。中国、タイ、日本の3工場を合わせた自動旋盤の生産能力を年6600台体制に増強する方針に沿い、基幹部品であるスピンドルの供給力を高める。総事業費100億円をかけ、工作機械の国内生産拠点である菊川工場をリニューアルして拡張し、基幹部品の生産体制を固め、旺盛な需要に対応する。
スター精密は加工材料の棒材径10ミリ―38ミリメートルに対応するスピンドル5種類を菊川工場で生産している。現在の生産規模は、棒材径20ミリメートル対応のスピンドルを中心に月800本。
菊川工場のリニューアル工事は22年度中に着手する。複数の工期に分けて実施し、25年度に工場全体のリニューアルを完了する計画。リニューアル後の工場は、現在に比べてスペースが30%程度拡張する。最新鋭の自動倉庫を導入するほか、工程間を無人搬送車(AGV)で結ぶなど生産、物流、アフターサービスの自動化、デジタル化を推進し、効率化を進める。
工場の脱炭素化にも取り組む。太陽光パネルで発電した電力のほか、再生可能エネルギーの積極活用を通じて電気量を削減するなど「スマートDX工場」を目指す。
21年度の工作機械の受注台数は過去最高の5255台と堅調に推移。引き続き、中国をはじめとするアジア中心に自動旋盤の需要拡大を見込む。各生産拠点で能力拡大に取り組み、22年末までに中国で年間3600台、タイで同2400台、国内は24年末までに協力工場を合わせて同600台に増強する。
- 2022年5月18日
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- 2022年5月16日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した2月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比31・6%増の1389億9800万円だった。16カ月連続の増加となり、好不調の目安となる1000億円を13カ月連続で上回った。足元では部品不足のほか、ウクライナ情勢による世界経済への影響などの懸念が強まっているものの、稲葉善治会長(ファナック会長)は「国内外ともに回復基調に変わりはない」との認識を示した。
内需は前年同月比60・4%増の488億5900万円で12カ月連続の増加。前月比も2カ月ぶりに増加に転じた。主要4業種では電気・精密と自動車が前月比、前年同月比ともに増加し、特に電気・精密は半導体関連需要の拡大により初めて100億円を上回った。産業機械や金型も堅調で「多様な業種で自動化や高効率化、環境対応のための投資が見られる」
外需は前年同月比20・0%増の901億3900万円で、16カ月連続の増加となった。2カ月連続で900億円を上回り、需要の底堅さがうかがえる。主要地域では欧州と北米がともに13カ月連続の増加となった。一方でアジアは、台湾での前月の大型受注反動減などから、前年同月比、前月比ともに2カ月ぶりの減少。中国は一般機械や自動車の落ち込みにより、前年同月比で2カ月ぶりに減少した。
ウクライナ情勢の影響は、現状で発注の先送りが一部で見られるという。稲葉会長は今後の動向について、制裁措置の対象となっているロシアとベラルーシで商談が止まっていることを踏まえ、「エンドユーザーからの買い控えが欧州各地で起きるリスクがある」と指摘。その上で「今後この傾向がどう推移するか、もう少し見極めが必要だ」と慎重な姿勢を示した。
また日工会が同日公表した22年4―6月期の工作機械受注予測DI(「増加」と答えた企業の割合から「減少」と答えた企業の割合を引いた値)は、22年1―3月期から6・8ポイント減のプラス8・1だった。ウクライナ情勢への警戒などから、5四半期ぶりに10を割り込んだものの、6四半期連続のプラス値となった。
- 2022年5月16日
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- 2022年5月13日
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タンガロイは、倣い加工用刃先交換式カッター「アド・フォース・バレル」を発売した。たる形状の切れ刃により、3次元曲面の中仕上げ加工の高能率を実現する。価格は代表型番の「HFZN10M016M08R03」が3万7730円(消費税込み)。初年度300万円の販売を見込む。
R20ミリメートルまたは同30ミリメートルの円弧切れ刃を持つインサート(刃先交換チップ)を使用。従来の刃先交換式ボールエンドミルよりも大きな曲率半径の円弧切れ刃を持つため、ピックフィード(工具移動量)を大きくしてパス数を減らし、加工時間を大幅に短縮できる。
両面仕様2コーナータイプの研削級高精度インサートは小型のため、工具径20ミリメートルでも4枚刃仕様と多刃化を実現した。また十分な切れ刃長さを確保し、主軸に対する加工面の傾き(傾斜角)はR20ミリメートルのインサートで最大21・5度まで対応可能。
- 2022年5月13日
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- 2022年5月11日
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日本精工は、射出成形機など産業機械で使用する高負荷駆動用ボールネジの長寿命化技術を開発したと発表した。ボールネジに内蔵するボールなどへの荷重バランスを最適化することで、従来比最大2倍の寿命を実現する。長寿命化と設備の小型化、省資源化に貢献する。6月に受注を開始し、2024年に同技術を適用した製品で1億2000万円の売上高を目指す。
ボールネジの荷重が大きくなると、ボールや循環回路に対する荷重バランスは不均一になる。特定のボールなどに負荷が掛かり、ボールネジ全体の寿命低下につながる。
日本精工では新たに開発した専用加工機による「高精度加工技術」とデジタルツインを活用した「解析技術」、加工データを連携した「精密測定技術」の三つを融合。ボールなどにかかる荷重を分散・低減することで、ボールネジの寿命を向上した。使用条件によるが1.1―2倍程度の長寿命化を実現する。
まずは大きな荷重がかかる射出成形機向けボールネジから同技術を適用。その後、半導体製造装置や工作機械向け製品などに広げる。駆動方式が油圧式からサーボモーターに移行しているサーボプレス機での利用も想定する。
- 2022年5月11日
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- 2022年5月10日
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エフ・シー・シーは浜松市に新たな研究開発施設を建設する。2027年1月の稼働予定で、本社機能の一部の移転も検討する。電気自動車(EV)部品、摩擦材の抄紙技術応用製品、新領域での事業開発、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に向けた環境技術などの開発の一部を担う見込み。投資額は10億円以上。また本社近くの旧細江工場跡地には新規事業の生産拠点を設ける。
エフ・シー・シーの研究開発の新施設は、浜松市北区の第三都田地区工場用地に建設する。敷地面積は約2万6300平方メートルで、浜松市と売買契約を結んだ。今後、既存の研究開発拠点との機能の役割分担を固め、建物や設備の詳細な仕様を詰める。
同社は応用製品では燃料電池スタックや不純物フィルタリング用水処理ペーパー、触媒などの開発を加速している。また環境関連では、二酸化炭素(CO2)排出量で30年度までに13年度比50%減、50年度までに実質ゼロを目指す。
工場では地下水空調などの新技術で省エネを図る。太陽光発電やカーボンフリー電源などの再生可能エネルギー導入や水素バーナー導入などで燃料転換する。
主力の2輪車・4輪車用クラッチでは事業拡大を図っており、このほどダイハツ工業から商用車用クラッチアセンブリーを受注した。
こうした新領域での開発、環境対応、既存事業の競争力向上のため、新たに研究開発施設を構えることを決めた。
- 2022年5月10日