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- 2022年9月20日
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タンガロイは、ヘッド交換式ドリル「ドリル・マイスター」の汎用ヘッドDMP形、高精度加工用ヘッドDMC形、座繰り加工用ヘッドDMF形を大幅に拡充した。炭素鋼、合金鋼の加工での長寿命化により、工具費用の低減につなげられる。
全85製品をそろえ、価格は代表型番の「DMP060AH9130」が8899円(消費税込み)。初年度2000万円の販売を見込む。
DMP形では耐摩耗性が高い「AH9130」材種を直径6・0ミリ―9・9ミリメートルのすべての径に拡充した。汎用的な「AH725」材種と合わせ、さまざまな加工で最適な材種を選択できる。
また、DMC形で同20・0ミリ―25・9ミリメートルのすべての径を拡充。DMF形は同10・0ミリ―19・9ミリメートルの径範囲で14製品を追加した。
- 2022年9月20日
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- 2022年9月16日
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日刊工業新聞社がまとめた1―6月の工作機械主要7社の受注実績は、前年同期比38・1%増の2669億9400万円だった。国内が同53・6%増、輸出が同30・4%増。半導体製造装置を中心に、自動車や一般機械、医療機器向けなど幅広い業種で設備投資の活況が続いた。物価高や金利上昇による景気後退リスクはあるものの、業界では7月以降も受注環境は当面高水準で推移するとの見方が強い。
全社が国内、輸出、総額の全項目で増加となった。牧野フライス製作所とツガミは総額が1―6月として4年ぶりに過去最高を更新したほか、オークマも輸出が1―6月として過去最高となった。
輸出では、最大市場の中国で電気自動車(EV)を含む自動車関連や電気・電子機器向けなどで旺盛な需要が持続。米国でも半導体製造装置をはじめ、自動車や医療機器向けなどが好調だった。
オークマは足元で製造業の自動化、省力化投資が活発なほか、けん引役の半導体製造装置向けの需要も根強いことから、7月以降について「急激な落ち込みはない」と見通す。
6月単月の7社の受注総額は、前年同月比21・7%増の466億500万円で、19カ月連続の増加となった。400億円を上回るのは5カ月連続で、高水準を維持している。
牧野フライスは、中国と米国を中心に好調で、総額がすべての月を通じて過去3番目の実績となった。
日本電産マシンツールは、国内で産業機械向けに門型機械を多く受注したことで大幅増加となった。米国でも自動車向けに歯車機械の大口受注を獲得するなど、「国内外で市場が動き始めてきた印象だ」。
中国市場は以前よりも若干調整気味の状況ではあるものの、まだ高い水準が続いている。ツガミは3カ月連続で減少したが、年間を通じて1000億円を上回るペースを持続しており「悪くない数字」と捉える。
- 2022年9月16日
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- 2022年9月14日
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ミスミグループ本社は、オンラインで機械部品を調達できるサービス「meviy(メビー)」で、長納期を選んだ顧客の部品価格を割り引くサービスを始めた。「納期が長くても安く調達したい」という顧客の要望を踏まえた。顧客は生産計画など状況に応じた納期を選べ、調達価格のコストダウンも同時に実現できる。
「長納期低価格サービス」は出荷日の選択時に「20日目」を選ぶと完了する。機械部品1個から適用し、短納期選択時と変わらない品質で価格を30%引き下げる。対象とするのは工場自動化(FA)メカニカル部品の切削プレートや板金部品。
メビーは顧客が3次元(3D)データをアップロードして見積もりを依頼すると、人工知能(AI)が価格と納期を即時に回答。製造プログラムの自動生成で最短1日の出荷に対応している。
- 2022年9月14日
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- 2022年9月12日
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三菱マテリアルは、両面インサート(刃先交換チップ)式汎用肩削りカッター「WWX400シリーズ=写真」に、コーナー半径(R)1・6ミリメートル、同2・0ミリメートルのインサートを追加し、発売した。耐欠損性が求められる加工や高送り加工に適する。価格は代表型番の「6NMU1409160PNER―M」が、1716円(消費税込み)。
材種などにより全30製品で構成。大きなインサートコーナーRにより、刃先強度の向上と高能率加工を実現する。既存のR0・4ミリメートルと同0・8ミリメートルのインサートを含め、幅広い加工に対応する。
同シリーズは強度を追求した独自開発のX形状インサートを採用。両面6コーナー使用が可能で工具費用削減につなげられる。また、さらい刃を大Rとすることで、無研磨クラスのインサートでも良好な仕上げ面を実現する。
- 2022年9月12日
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- 2022年9月9日
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工作機械メーカーの2022年度は、国や業種によってまだら模様ながらも底堅い需要に支えられ、おおむね好業績を維持しそうだ。売上高予想を開示している主要19社の総額は前年度比13・1%増の1兆4841億円となる見通し。営業損益も開示企業15社のうち13社が増益または黒字転換を見込む。ただ、部品不足や原材料高、中国経済の先行きなどの不透明要素も多く、収益の伸びを微増にとどめる企業も目立つ。部品調達や収益管理の巧拙が一層問われる局面を迎えている。
前年度末までの受注残が豊富に積み上がっていることに加え、製造業の自動化・省人化や電気自動車(EV)化の加速、脱炭素対応に関する機械設備需要も引き続き活況が見込まれる。
ツガミは売上高、営業利益、当期利益で2期連続の過去最高更新を予想する。牧野フライス製作所やシチズン時計も売上高が過去最高を見込む。最大市場の中国は需要減速が懸念されるが、牧野フライス製作所の永野敏之専務は「今のところ底堅い需要が当面続く」とみる。
オークマは売上高が2100億円と、過去最高だった08年3月期の2138億円に近い水準を予想し、「過去最高(になること)を視野に入れる」(家城淳社長)と強気の姿勢を見せる。
DMG森精機は、1―3月期の好調な受注実績などを反映し、22年12月期業績予想を上方修正した。受注は全地域で堅調に推移しており、特に米州市場は「宇宙関係やEV、エネルギー、医療関連などが非常に強く回復している」(森雅彦社長)と捉える。
旺盛な需要を背景に工場の稼働率が高まることで生産性の改善も進む。芝浦機械や滝沢鉄工所が営業利益で大幅増益を見込む。
一方で小幅増にとどまる予想も目につく。シチズン時計の古川敏之常務は、部材調達難の影響でリードタイムが長期化していることに加え、「輸送コストも増加している」と指摘する。
収益確保に向けて、生産効率化や原価低減の取り組みが重要となる。一方、高松機械工業の高松宗一郎社長は、原材料の高騰に対して「製品価格への転嫁も検討する」と値上げを示唆する。
- 2022年9月9日
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- 2022年9月8日
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藤原製作所は、立型マシニングセンター(MC)の主軸向けスピンドルユニットを開発した。最高回転数は毎分5万回転と、これまでの同社最高速品より1万回転高速化した。仕上加工用の高精度MCへの搭載を目指し、工作機械メーカーに売り込む。
加工精度は0・2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)とサブミクロンの高精度を確保。軸受にはオイルエア潤滑方式の玉軸受を採用し、高速回転ながらもエアスピンドルに比べて高い切削トルクを得られる。
内蔵(ビルトイン)モーターは、欧州メーカー製の同期モーターを採用した。ツールホルダーのテーパー規格はHSK―E32。
構成部品を少しずつ見直し、改善することで高精度かつ高速回転を実現した。価格や販売目標台数は、今後の工作機械メーカーの採用の動向によって変わるとして明らかにしていない。
同社は独立系の主軸スピンドル専業メーカー。内製する工作機械メーカーも多い中で、専業メーカーは全国的に見ても数少ないという。
- 2022年9月8日
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- 2022年9月7日
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住友電気工業は自動車部品などのアルミニウム合金加工用切削工具「アルネックスANX型」に、バリを抑え光沢仕上げできる化学気相成長(CVD)単結晶ダイヤモンドを刃先に適用した「ワイパーブレードWS型」を追加、発売した。
独自の気相合成技術による単結晶ダイヤモンドにより、高度な耐摩耗性・耐欠損性でアルミ合金の長寿命・安定加工を可能とする。切れ刃をシャープにすることで、アルミ合金加工で生じるバリを長時間抑制する。
消費税抜きの価格は標準品の「ANB1600R―WS SCV10」が、6万9000円。販売計画は初年度1200万円、次年度3600万円。
自動車産業では燃費性能を改善するための部品軽量化に伴い、アルミ合金の使用割合が増加。切削加工の高能率化や工具の長寿命化、加工面品質向上などのニーズに応える。
- 2022年9月7日
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- 2022年8月31日
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共立精機は、画像処理タイプのツールプリセッター用人工知能(AI)ソフトウエアを開発した。ドリルやエンドミルなど刃具に付着した切り粉、塵やホコリなどの異物を検知し、付着物を除いた寸法を正確に測定できる。自動車、航空機業界など金属加工が必要な製造現場で、人手による工具の付着物の除去作業を省ける。消費税抜きの価格は50万円。10月に発売し、2022年度に20台の販売を目指す。
省人化、省力化のニーズが高まっており、24年度には年販60台に引き上げる考えだ。
共立精機製の非接触式の画像処理ツールプリセッター向けに展開する。画像処理プリセッターは、電荷結合素子(CCD)カメラで工具の形状、径や高さ、角度などの寸法を測定する。高精度に測定できる半面、刃具に付着した塵やホコリまで認識する誤測定が課題となっていた。そのため、専用クリーナーで工具を拭き取る作業が生じていた。
開発したAIソフトは、数千パターンにおよぶ深層学習(ディープラーニング)により、付着物を検知して刃具の寸法だけを正確に測定できる。「工具の交換から測定、データ転送まで人を介さない自動化システムを実現した」(共立精機)としている。
共立精機は、スギノマシンの完全子会社。1950年創業で従業員は約100人。ツールプリセッターのほか、工作機械と切削工具をつなぐツーリング(工具保持具)、光学機器向けの球面加工機、撹拌・脱泡機などの開発、製造を手がける。ツールプリセッターと刃具交換装置や複数の機器を組み合わせて、工具の交換から計測までを自動化したシステムを15年に開発した。AIを活用し機械加工現場の自動化ニーズに対応する。
- 2022年8月31日
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- 2022年8月30日
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DMG森精機は、小型・複雑形状加工に対応する複合加工機「NTX500」を発売を開始した。容積を従来最小機種と比べ4割縮小。高出力主軸の搭載などにより、同加工における生産性や加工精度向上を実現する。価格は3770万円(消費税抜き)から。医療機器や時計、光学部品、ロボット部品など加工向けに年間240台の販売を見込む。
サイズは幅3480ミリ×奥行き2060ミリメートルで、同社複合加工機「NTXシリーズ」で最小となる。これまで自社工場の広さに制約があり、複合加工機を導入しにくかった顧客でも利用できる。
全長250ミリメートルと小型で、最高回転速度が毎分4万2000回転、出力15キロワットのターンミル主軸を搭載。90度回転した同主軸が左右主軸の間にあっても、第2刃物台との干渉がなく、左右の各主軸で同時に加工できる。
第2刃物台には、最高回転速度が毎分1万2000回転のミーリング主軸を標準搭載したほか、ストロークがプラスマイナス30ミリメートルのY軸も搭載し、幅広いミーリング加工に対応する。
またX、Y、Z軸へのスケール標準搭載や機体冷却などの熱変位抑制により、高精度を実現した。直感的な操作で工具段取り時間を短縮できるマガジン操作パネルの搭載や、加工対象物(ワーク)の搬送や洗浄、バリ取りに対応する機内走行式ロボットも組み込める。
医療機器や時計、ロボット部品市場では複雑な形状のワークの小型化、精密化が進んでいる。同社では「より小型・複雑なワークに見合った機械」(栗谷龍彦執行役員)として訴求し、小型複合加工機の需要を取り込む。
- 2022年8月30日
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- 2022年8月29日
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滝沢鉄工所は、工作機械のユーザーに向けてウェブサイトで情報提供などを行うサービスを始めた。近く、メンテナンス履歴の電子化システムも稼働させる。顧客の利便性向上と自社サービススタッフの業務効率化が狙い。物品の購入を除き利用は無料。ユーザーの8割の利用を目指す。
「TAKISAWA DXサービス」の名称で始めた。機械の番号を入力してユーザー登録すれば、工作機械のマニュアルや新製品情報を閲覧できる。旋盤によるネジや溝切りなどの加工法の解説動画も視聴できる。
物品の電子商取引(EC)機能もあり、工具ホルダーや、入門機種「TACシリーズ」向けの対話入力型ソフトウエアを販売する。
さらに近く、メンテナンスの作業報告書を電子化するシステムも稼働させる。サービススタッフ全員にタブレットパソコンを配備。修理などの検収時のサインをタブレット上で行うほか、報告書を電子化して保存し、顧客とメーカー双方で閲覧できるようにする。
同社のサービス拠点は11カ所、30人強で全国をカバーする。サービスの付加価値向上が課題になっていた。
工作機械に通信機能を持つ端末を装着し、稼働データなどを収集するIoT(モノのインターネット)をサービス化する構想もある。
- 2022年8月29日
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- 2022年8月26日
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入曽精密は、DMG森精機の協力を得て、5軸切削加工のノウハウを動画で提供するサブスクリプション(定額制)サービスを始めた。多様な加工対象物(ワーク)モデルごとに、5軸加工機の操作方法を分かりやすく習得できる。5軸加工機の普及を促進し、製造現場の高度化、高付加価値化を支援する。
新サービスは「5軸加工ナビ―K’sワーク加工工程動画」。5軸加工機による多様なワークへの加工工程を動画で解説し、加工の全ての作業を直感的に習得できる。価格は消費税抜きで月額3800円。まず10事例から提供を開始し、毎月3―5事例を追加する予定。
また、5軸加工ナビのメニューとして、実際の加工に必要なモデルデータや数値制御(NC)データ、ツール情報などをパッケージにした「K’sワーク加工データ」を7月からダウンロード販売する方針。入曽精密が持つDMG森精機製の5軸マシニングセンター(MC)「DMU50 3rd Generation」での加工実績のあるデータも含む予定だ。材料や治具の準備、取り付けなどの手順を教える「段取りナビ」も2022年秋に投入する計画。3サービスで年内100社以上への販売を目指す。
5軸加工機は製造工程の集約や省エネルギー化、省力化など高機能な点が特徴だが、取り扱いの難しさなどから国内で普及が遅れているのが現状だ。入曽精密ではこれまで5軸加工ナビのマニュアル書を出版するなど普及を支援してきた。斎藤社長は「“匠の技”をネットで伝承することで、製造現場のデジタル変革(DX)につなげたい」としている。
- 2022年8月26日
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- 2022年8月25日
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日本機械工具工業会は、2022年度の機械工具生産額見通しを前年度比1・3%増の4770億7600万円に設定した。内外需ともに比較的好調を持続する予想としつつも、米国の金利上昇による影響や中国経済の低迷、資源価格の上昇など先行き不透明感が強いことを踏まえて微増にとどめた。
半期別では、上期が前年同期比4・7%増の2417億7800万円、下期が同2・1%減の2352億9800万円となる見通し。上期は堅調な米国経済と内需回復がけん引するものの、下期は金利上昇やウクライナ危機の長期化による資源の高騰などを踏まえて減少を予想する。
主な品目別生産額は、ドリルが前年度比5・8%増の641億6400万円、エンドミルが同3・2%増の516億900万円、ネジ加工工具が同4・7%増の423億5800万円を見込む。一方でインサート(刃先交換チップ)は同4・3%減の1862億1500万円を予想。前年度に大きく伸びた反動によるもので、日本機械工具工業会では「数字自体は悪くはない」(事務局)としている。
また材種別生産額は、特殊鋼工具が同3・1%増の851億7100万円、超硬工具が同0・2%減の3247億6600万円、ダイヤモンド・立方晶窒化ホウ素(CBN)が同0・9%減の270億5900万円と予想した。切削工具全体では同0・9%増の4289億3000万円を見込む。
- 2022年8月25日