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- 2020年12月11日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した10月の工作機械受注実績は、前年同月比5・9%減の823億2100万円で、25カ月連続の減少となった。
ただ、2カ月連続で800億円台を維持し、前月比では2・1%減の小幅の減少にとどまった。日工会では「(期末効果が表れる)9月からの落ち込みを勘案しても、回復傾向は続いている」と見ている。
内需は前年同月比13・6%減の288億6600万円で、23カ月連続の減少となった。300億円を下回るのは2カ月ぶり。
外需は同1・1%減の534億5500万円で、2カ月ぶりに前年を下回った。中国での需要回復が継続していると見られ、2カ月連続で500億円を上回り、前月比は0・7%減で同水準を維持した。
- 2020年12月11日
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- 2020年12月10日
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トーヨーエイテックは、立型複合研削盤「TVG―40S」を開発した。2シュー、マグネットチャックを備えたシューセンターレス型。ワンチャックで内・外径面、端面を研削できる。
加工対象物(ワーク)の最大外径は420ミリメートル、最大内径は400ミリメートル。中・大型軸受など大径工作物に対応する。軸受メーカーなどに2020年度内の発売予定。価格は未定。
ワークをチャックする主軸がX軸上を移動し、上下方向に動く砥石(といし)のZ軸と独立させ、加工負荷によるZ軸のねじれを低減し高精度加工につなげる。内径面と外径面の加工ではワークを支持する2対のシューの位置は異なるが、数値制御(NC)によりシューの位置を切り替えられる。砥石5本を格納できる自動工具交換装置(ATC)も備える。
- 2020年12月10日
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- 2020年12月9日
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スター精密は中国工場で生産するスイス型(主軸移動型)自動旋盤のうち、日本向け機種をタイ工場に移管する。2021年中をめどに、まず2機種で実施し、続いて3機種程度を順次移管する。移管規模は年100台程度。中・下位機種を生産する中国工場は、中国国内向けの生産に特化。コロナ禍で生産のリスク分散を図るとともに、中国市場では底堅い需要を取り込む。
スター精密の国内外合わせた生産能力は年約5000台。中国工場からタイ工場への生産移管は、19年に米中貿易摩擦対策として米国向け機種を皮切りに、20年に入り欧州向け機種でも実施した。
タイ工場の生産能力は同150台。中国工場からの移管分を加えても生産に余力があるという。移管後、日本向け機種はタイ工場から輸出する。
中国は技術、サービスなどの輸出管理を強化する輸出管理法が成立し、12月1日に施行された輸出環境を注視する必要も指摘されている。リスク分散のため、中国工場は中国市場向け機種の生産に絞ることにした。
中国工場の生産能力は月230台程度。中国では5月単月の受注が過去最高の211台となるなど、今後も市場の伸びを見込む。このため、生産能力は当面維持する。
中国市場を深耕するため、21年中に販売会社の上海星昂機械を上海市内で移転、拡張する計画。テスト加工に対応するショールームを備え、加工提案など販促のためのソリューションを活発化する方針。ここで得た知見、ニーズを中国国内向け機種開発に生かす。
- 2020年12月9日
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- 2020年12月8日
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牧野フライス製作所はレーザー加工機事業に参入すると発表し、「ルミナイザーLB300」「同LB500」の計2機種を順次投入した。微細加工市場を開拓し、両機種それぞれ年間10台の販売を目指す。
水と空気との境界面での光の全反射現象を利用してレーザービームを加工対象物(ワーク)に照射する、スイス・シノヴァ(ローザンヌ市)のレーザーマイクロジェット技術を採用した。
既存の回転工具による加工が難しいサブミクロンオーダーや、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などの脆性材の加工に対応する。半導体や航空機、医療向けなど幅広い用途で採用を見込む。
繰り返し位置決め精度は両機種ともにプラスマイナス0・001ミリメートルを実現。水でワークを冷却しながら加工するため、熱影響を抑えられる。今後も短パルスレーザー加工機などを投入し、製品群を拡充する。
- 2020年12月8日
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- 2020年12月7日
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ヤマザキマザックは中国の2工場で工作機械の生産能力を、合計月産300台から2021年3月までに2割増強する。老朽化した部品加工設備の更新を前倒しして生産効率を高め、組み立て要員も数十人規模で増やす。導入設備は自社製で投資額は数億円。中国では工作機械需要が急回復し、同社の中国での10月の受注は前年同月比で2倍だった。能力増強で納期も短縮し旺盛な現地の需要を取り込む。
中国工場はマシニングセンターを生産する寧夏回族自治区銀川市の中国寧夏小巨人机床と、コンピューター数値制御(CNC)旋盤を生産する大連市の山崎馬扎克机床(遼寧)。稼働は小巨人が2000年、遼寧が13年で、特に設備が老朽化した小巨人を中心に、部品加工設備などの更新を計画的に進めていた。
両工場はここ数カ月の受注急増でフル稼働に近い。設備更新計画を前倒しで実施し、生産性を高め、一部増設もする。両工場で増員もし、工場全体の生産能力を高める。
工作機械はメーカー社員が納入先に出向き製品を据え付け、試運転と最終調整をし引き渡すのが一般的。現在は多くの工作機械メーカーが、コロナ禍で海外渡航を制限され、海外顧客への製品納入に支障が出ている。
一方、同社は中国に2工場を持ち現地スタッフも豊富。対応力の高さが業界平均以上の受注増につながったと同社は分析しており、現地の生産能力増強で差別化をさらに進める。世界の他地域では工作機械の明確な需要回復がいまだ見えない中、中国事業強化が業界での当面の課題の一つとなりそうだ。
- 2020年12月7日
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- 2020年12月4日
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ダイジェット工業は本社工場で、主力の超硬工具製造に携わる従業員の多能化に着手した。新型コロナウイルス感染症による工場の稼働率低下を逆手にとり、通常の実務内で複数の製造工程を担当できるように、工場での“学び”を始めた。工具需要の回復局面を見据えた現場改革を急ぐ。
ダイジェットの工具は海外で中国市場向けが回復基調にあるが、新型コロナの影響が直撃する航空機関連など国内は弱含み。約100人が勤務する本社工場の稼働率は7―8割程度にとどまっている。
工具製造は加工、研磨、仕上げ用など各種機械を扱う。従来は単一工程の担当だった従業員が各工程に応じた機械を使えるように、半年程度かけて教育する。
将来は現場従業員がCAD/CAM(コンピューター利用設計・製造)まで使えるようにしたい考え。「工場で生産技術の仕事までできるのが理想」とする。
現状は稼働率低下に伴い、工場の出社人員を2割程度減らした状態でローテーションを組んでいる。工具製造の多能化は「自動車関連が動き出しこともあり、受注が戻った時にすぐ対応できるようにしたい」との狙いだ。
- 2020年12月4日
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- 2020年12月3日
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国内2輪車メーカーが苦境に立たされている。各国の実情に合わせて商品投入するが、新型コロナウイルス感染症問題で販売が大きく落ち込む。電動化対応や新興メーカーとの競争も激化する。川崎重工業が2021年10月をめどに2輪車事業などを分社化し、経営の意思決定のスピードを高める計画を発表した。各社も環境変化に応じた販売戦略の見直しを迫られる可能性がある。
川重は20年4―6月期の世界販売が、前年同期比45・5%減の5万4000台と大きく落とした。主要市場である欧米や東南アジアの市場で新型コロナの影響が出ている。新興国向けの2輪車の減少なども収益を悪化させた。20年7―9月期は同27・8%減の9万1000台と減少幅は縮小するが、21年3月期はマイナスになる見込みだ。
事業方針説明会で橋本康彦社長は2輪車事業の分社化について「当社で唯一の量産型コンシューマービジネス。意思決定のスピードを高める」と説明する。これまでは“親会社”と“子会社”のような関係だったが、分社化でより消費者に密着した製品・サービスの提供を目指す考えだ。
2輪各社は各国の実情に合わせ、迅速な販売戦略が求められる。高価格帯で趣味性の高い2輪車は、日本や欧州などの先進国での需要が高い。
一方、アジアなど新興国では安価な移動手段としての役割がある。経済成長とともに排気量が大きく価格も高いモデルに需要がシフトするため、需要をくみ取ったきめ細かい商品設計が求められる。また環境対応などで電動2輪車の開発にも迫られ、コスト負担が課題となる。中国や台湾、インドなど新興メーカーの台頭も懸念される。
世界最大手のホンダも20年4―6月期の世界販売は中国を除くアジアを中心に販売台数が減少し、同62・3%減の185万5000台だった。中国や米国では前年実績を上回る見込みだが、21年3月期通期見通しは同23・5%減の1480万台と大きく落とす。
ヤマハ発動機は新興国と先進国の2輪車事業ともに苦戦する。アジアを中心にロックダウン(都市封鎖)の影響があり販売台数が大幅に減少している。
スズキは20年4―6月期の世界販売が北米や中国を除き各国で前年割れとなっている。特にインドが同68・7%減の5万4000台、欧州も同32・8%減の1万台など販売が減少する。
世界の2輪車市場が大きく落ち込む中、競争力をいかに維持するか。各社の手腕が試される。
- 2020年12月3日
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- 2020年12月2日
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ブラザー工業は、主軸30番の立型小型マシニングセンター(MC)に加工範囲が広いシリーズ「W」を新設する。
第1弾として移動量がX軸1000ミリ×Y軸500ミリ×Z軸300ミリメートルのMCに新数値制御(NC)装置を搭載し機械性能も高めた「スピーディオW1000Xd1」を12月10日に発売する。消費税抜きの価格は870万円。
主軸40番で行う加工領域への対応力を高めた。新NC装置は15インチ液晶タッチパネルを採用。同装置による最適動作制御に加え、低慣性の高加減速主軸モーターも採用し生産性を従来機より3%高めた。工具交換時間はチップで1・3秒、ツールで0・7秒とそれぞれ0・1秒短縮した。
設計変更により多段工具など重い工具も使用可能にした。クーラント液の吐出力を高めて難削材や深穴形状などにも対応しやすい。テーブルは幅1100ミリ×奥行き500ミリメートルで最大積載能力400キログラム。
- 2020年12月2日
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- 2020年12月1日
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乗用車メーカー8社が発表した9月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比1・7%増の241万5940台だった。2019年7月以来14カ月ぶりにプラス。新型コロナウイルス感染拡大の影響で新車需要が減退するなど、生産活動が一時停滞したが、5月の同6割減を底に米国、中国がけん引し、回復基調にある。トヨタ自動車は新型車効果もあり過去最高を記録した。
海外生産は同2・5%増の162万4684台だった。中国ではトヨタがセダン「カローラ」などが好調で同48・5%増の16万4563台。ホンダはセダン「シビック」などが増え、同33・9%増の18万9060台で過去最高となった。
米国ではトヨタがセダン「カムリ」がけん引し、同12・2%増の11万2916台。ホンダは同5・6%増の10万2112台。SUBARU(スバル)はスポーツ多目的車(SUV)「アウトバック」が増加し、同32・5%増の3万4771台と過去最高を記録した。
また、インドではスズキが前年に落ち込んだのを受けて反動増となり、同25・7%増の16万6040台と伸ばした。
国内生産は同0・3%増の79万1256台で14カ月ぶりにプラス。トヨタは世界市場の回復を受け、SUV「ハリアー」などの新型車がけん引し、同4・5%増の30万5628台だった。ダイハツ工業は小型SUV「ロッキー」などが好調で、同9・5%増の9万1818台と過去最高。
2020年度上期(4―9月)の世界生産は、前年同期比29・1%減の978万8870台で1000万台を割り込んだ。新型コロナの影響で各国の生産、販売活動が停滞したことが大きい。
- 2020年12月1日
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- 2020年11月30日
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ミスミグループ本社はユーザーが設計データをアップロードするだけで機械加工部品を調達できるオンデマンドサービス「meviy(メヴィー)」に新機能を追加する。
機械・設備向け切削部品の納期を半減する「納期選択サービス」を26日に始めた。調達のリードタイムを削減することでユーザー側の急な設計変更に柔軟に対応できる体制構築を支援する。
メヴィーでは見積もりをする際に、人工知能(AI)が材質と表面処理の有無から判断して「標準納期」を提示する。切削部品は表面処理がないと6日出荷だが、新サービスで「短納期」を選択した場合は半分の3日で出荷できるようになる。表面処理がある場合も通常は8日かかっていたものが、短納期対応では4日になる。
ミスミグループ本社は材料の手配工程などに改善を加えることで、切削部品の短納期対応が可能な生産体制を整えた。短納期を選択した場合の料金は通常の1・5倍程度になる。
メヴィーは2019年3月に切削部品の取り扱いを開始し、20年10月の取引量は前年同月比約2倍に増加した。機械や設備の製造現場では生産計画に基づき部品を調達するが、設計変更が発生し、急ぎの部品調達を迫られることも少なくない。部品の納期を短縮する新サービスで、増加する短納期での部品調達ニーズに対応する。
- 2020年11月30日
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- 2020年11月27日
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三菱重工業は長崎造船所内に、短・中距離旅客機用のエンジン部品の新工場を完成し、稼働を始めた。燃焼器部品の加工や組み立てを手がける生産ラインを整備するとともに、自動搬送・自動工具交換システムなどの省人化技術も活用した。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた国内線の需要回復を見据えており、段階的に生産規模を拡大する。
旧推進器工場(船舶用プロペラ工場)の跡地に建設し、グループ会社の三菱重工航空エンジンの長崎工場として運営する。IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)技術も活用して、生産性や内製のノウハウを高める。コロナ禍の前後で、欧エアバスの旅客機「A320ネオ」に搭載する燃焼器の生産計画に大きな変動はないという。
- 2020年11月27日
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- 2020年11月26日
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新型コロナウイルス感染症の脅威の中、日本同様に欧米やアジアの主要国・地域の工作機械業界も奮闘している。各国・地域の業界団体によると、2020年の受注額や生産額はおおむね前年比20―30%減で推移する見通し。21年は好転を予想する向きが多いが「コロナ禍前の水準に戻るには数年かかる」との指摘もある。営業活動の制約など困難が続くが、デジタル技術の活用をはじめとした創意工夫で乗り越える構えだ。
米国製造技術工業協会(AMT)は20年の工作機械(金属切削・鍛圧)生産額が前年比23%減と予想する。ドイツ工作機械工業会(VDW)は20年の受注が同28%減と見込む。新型コロナ感染がいち早く収束した中国市場は回復が早く、中国工作機械工具工業協会(CMTBA)によると3月以降は月を追うごとに改善した。
21年の市況は各国・地域とも一定程度回復する見通しだが、スイスのSWISSMEM工業会は「少なくとも2年間は18年の水準に戻らない」とみる。過去の景気の谷とコロナ禍で決定的に異なるのは人々の移動が制限された点だ。新たな制約に対処するためデジタル技術の活用が進む。AMTによると「サービス要員が出張できない際に顧客を支援するためのAR(拡張現実)の使用が劇的に増加した」という。重要な商談の場である展示会のオンライン対応も進む。
オンライン展はいつでもどこでも、好きな時間にアクセスできる利点がある一方、VDWは「『オンライン疲れ』に関する個別の報告がある」とし、「目新しさの効果が消え、多くの人は再び直接会うことを喜んでいる」と指摘する。今は「アフターコロナ」に向けた過渡期。リアルとオンラインを調和させ、顧客満足度をどう最大化するかが今後の業界共通の課題となりそうだ。
- 2020年11月26日
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- 2020年11月25日
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機械工具上場商社9社と、製造業向けのネット通販上場企業2社の20年4‐9月期決算が出そろった(トラスコ中山、MonotaROは1‐9月期、NaITOは8月期)。コロナの影響で工場の稼働率の低下や設備投資減が響き、機械工具商社では7社が二けた以上減収となる厳しい決算となった。一方、対面せずに済むネット通販は巣ごもり需要を掴むなど堅調を維持した。通期予想では、コロナの感染再拡大の懸念は残るものの、最悪期は脱したとの意見が多く、回復基調にある。
コロナウイルスの影響が直撃した今決算。特に厳しかったのが、工作機械や切削工具だ。日本工作機械工業会(日工会)の受注は5月の512億円を底に8月まで600億円台と低迷した。受注から売上計上まで時間がかかるため、工作機械に強い商社では大きくマイナスに響いた。
山善の国内の機械事業部の売上高は270億円と前期比で40%ダウン。ユアサ商事でも、工作機械事業の売上高は407億円と33%減少した。フルサト工業の工作機械事業は42%減少し、54億円となった。
コロナで工場の稼働率が低下したことにより、切削工具の需要も大幅に減少した。日本機械工具工業会の統計によると、4‐9月期の生産は前年比で3割強ダウンし、販売も低迷した。このため、切削工具に強いNaITOの切削部門の売上高は89億円と23%減少。Cominixの切削工具事業の売上高も59億円と22%マイナスとなった。
一方、対面を主とする機械工具の販売に比べ、コロナ禍でも人と接触する必要が少ないネット通販向けは堅調を維持した。MonotaROは販売先のすそ野が広いため、単純に比較しづらいが、1‐9月期の売上高は1148億円と18・8%伸びた。ミスミグループ本社の製造業向けの流通事業「VONA事業」は、中国が堅調だったこともあり、売上は644億円の8%減にとどまった。トラスコ中山のeビジネスルートは12・3%増の286億円となったほか、ホームセンタールートが18・9%増の125億円となり、巣ごもり需要を上手くつかんだ。
機械工具上場商社にとっては、今期は厳しい結果となったが、最悪期を脱したとの見方は強い。日工会の受注額は9、10月と連続で800億円を超えた。10月以降の商社の売上増に貢献してくるはずだ。切削工具についても、機械工具工業会の数字によると、単月ベースでは7月以降の生産は回復基調にある。
コロナウイルスの「第3波」の懸念は残るが、通期売上高をユアサ商事が4500億円、フルサト工業は919億円とするなど、全社とも下期は上期を上回る数字を予想するなど、回復を見込んでいる。
- 2020年11月25日
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- 2020年11月24日
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オーエスジーは、マザー工場のひとつである新城工場を「NEO(ネオ)新城工場」にリニューアルし、デジタル技術を駆使して超多品種少量生産を実現した。次世代を支える技術を詰め込んだ基幹工場が誕生した。
キャッチフレーズは「ゼロワンファクトリー」。製造工程をゼロから考え直し、長年培ってきた「巧の技」や「研削加工技術」と「最新のデジタル技術」を融合。生産性とアウトプットの最大化を目指す。「お客様に選んでもらえるよう競争力、QCDを実現する」としている。
超硬ドリル、超硬タップ、ハイスドリル、ハイスエンドミルを月当たり5400種類、7700ロット生産する。月当たり生産能力は、6000種類、8000ロット、70万本以上。ロットの大小に関わらずQ・C・Dを満足させる生産体制を目指す「OSG4・0」プロジェクトの一環として省人化・デジタル化を進めた。顧客、営業、設計、製造のデジタル情報を繋ぐOPDM(OSG Product Data Management)の構築を進め、受注力強化、利益最大化を目指す。
加工機ごとの稼働率、生産スケジュール、生産状況、流動数など生産情報を見える化し、収集したデータを分析。徹底的に生産の無駄を省き、状況に応じた最適な組み入れを行うことで標準品、特殊品ともにリードタイムの短縮を目指している。10月には生産管理システムの新バージョンを導入。次世代型の複合研削盤と自動検査装置も開発している。
また、材料、加工履歴など測定値を品質情報としてサーバーで一元管理し、トレーサビリティーの確保を図っている。設備の予知保全体制も整備した。工場全体の中心となる位置には、彫刻家・三澤憲司氏による鎖のモニュメント「地球を吊る」を設置した。高さ8・5m、重さ約4トンのステンレス製の鎖で、地球を吊っているイメージ。
NEO新城工場の概要
敷地面積 :11万2000㎡
月産生産本数 :70万本
月間生産品種 :6000種
月間生産ロット :8000ロット
生産品目 :超硬ドリル、超硬タップ、ハイスドリル、ハイスエンドミル
工場従業員数 :600人
ニュースソース:日本産機新聞(https://nihonsanki-shimbun.com/)
- 2020年11月24日
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- 2020年11月19日
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日本工作機械工業会が発表した2020年9月分の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比15・0%減の840億99百万円となり、24か月連続で減少した。前月比は23・7%増と2か月ぶりに増加し、8か月ぶりの800億円超えで本年の最高額となった。
9月は、年度上期の期末効果に加え、中国市場の受注増のほか、国内外で自動車関連需要の受注がみられた。
内需は、前年同月比34・3%減の302億70百万円となり、22か月連続で減少。前月比は31・2%増と2か月ぶりに増加し、6か月ぶりの300億円超えとなった。水準は依然低いものの、期末効果に加え、全11業種すべてで前月を上回るなど、5月を底に回復傾向が継続している。
内需の主要業種では、一般機械向けが6か月ぶりの120億円超えとなった。自動車向けは、自動車部品、完成車とも前月を上回り、6か月ぶりの70億円超え。航空・造船・輸送用機械向けも6か月ぶりの10億円超えとなった。
外需は、前年同月比1・7%増の538億29百万円となり、24か月ぶりに増加へ転じた。前月比も19・9%増で、8か月ぶりの500億円超え。堅調な中国をはじめ、主要3極(アジア、欧州、北米)すべてで前月を上回った。
アジア向けは、東アジア、その他アジアともに前月を上回り、15か月ぶりの250億円超えとなった。中でも中国は、18か月ぶりの200億円超えで、前年同月比でも4か月連続の増加と堅調。 欧州向けは、前月比で2割超えの増加となったが、7か月連続の100億円割れと低調が続いている。
北米向けは、アメリカが7か月ぶりの140億円超えとなり、北米全体で6か月ぶりの150億円超えとなった。
2020年度上期の受注額は34・5%減の3964億39百万円.
併せて発表された2020年度上期(4月~9月)の工作機械受注額は、前年同期比34・5%減の3964億39百万円となった。上期としては3年連続の減少で、2009年以来11年ぶりの4000億円割れ。
内需は、前年同期比43・4%減の1408億50百万円となり、上期としては2年連続の減少。主要業種は、「電気・精密」のみ半導体関連の受注もあり前期比で増加したものの、多くの業種の受注水準は2009年下期以来のレベルまで減少した。
外需は、前年同期比28・2%減の2555億89百万円となり、上期としては3年連続の減少。アジア向けは、3半期連続の1500億円割れとなったものの、中国の回復により前期比は5半期ぶりに増加した。
ニュースソース:名古屋機工新聞(http://www.kikou.co.jp/)
- 2020年11月19日