-
- 2023年2月21日
-
グリーンツールは、先端部が正五角錐の形状をした超硬ドリルの提供を始めた。穴を開け始めるときにドリルが暴れにくく、穴の位置がずれない。他形状のドリルからの再研磨で提供し、年間1万件の販売を目指す。
2枚の刃を備えており、刃と刃が合わさるチゼルと呼ぶ先端部分が正五角錐をしている。先端が錐形状でとがっているため被削材への食いつきがよく、穴の位置がずれない。
このため位置決め用のセンタードリルとしての使用や、さらにはセンタードリルを省略した穴開けに適する。長い貫通穴を両方向から開けるトンボ加工にも向くという。トヨタ自動車から特許技術の供与を受けた。
材質は超硬ソリッド(無垢材)で寸法は直径3ミリ―12ミリメートル、全長は270ミリメートル以下。
同社はエンドミルやドリルの再研磨専業で、自前の営業部門を抱え東北から九州まで全国に顧客を持つ。最近では再研磨以外の新製品での提供を含め、自社オリジナル製品の開発に力を入れている。
- 2023年2月21日
-
- 2023年2月20日
-
タンガロイは、高性能ソリッドエンドミル「ソリッド・マイスター」シリーズに、曲面仕上げ加工に適したバレルタイプを追加、発売した。金型の意匠面といった複雑な3次元曲面の仕上げ加工に向く。価格は主要型番の「TEBO120A4―12/20・0―R250R3 AH710」が消費税込みで4万5430円。
バレルタイプは大きな曲率半径の円弧切れ刃を持ち、たる(バレル)のような形状を特徴とする。従来のボールエンドミルに比べてパス数が減り、加工時間を大幅に短縮できる。
壁面の形状加工に適したバレルロングタイプ、同ショートタイプのほか、底面の形状加工に向くレンズタイプを用意した。耐摩耗性能の高い物理気相成長(PVD)コーティング材種「AH710」を使用。幅広い被削材を対象に、長寿命の性能を安定して発揮できる。
- 2023年2月20日
-
- 2023年2月17日
-
アサヒ工具製作所は、大径対応で高能率・高速加工のリーマ「ハイパーリーマ=写真」を発売した。炭素鋼など一般鋼の被削材を切削速度毎分80―120メートルと従来の6倍以上の高速加工ができるのが特徴。リーマはオーダー品で製作寸法の目安は外径が18ミリ―40ミリメートル、全長は100ミリ―350ミリメートル、シャンク径は16ミリ―32ミリメートルの範囲内で対応可能。
同リーマは高速対応設計やリーマ専用コーティングにより製品化した。これまで各切削加工においてドリルを高速化しても穴仕上げ用工具のリーマ加工で切削時間を費やしていた課題を解消。これにより全切削工程のトータル加工時間の短縮が図れる。
例えば刃具寸法が径25ミリメートルの大径で被削材「S50C」を切削速度毎分100メートルで高速加工しながら、加工対象物(ワーク)の仕上がりは面粗度(Ra)が0・11マイクロメートル(マイクロは100万分の1)、円筒度は3・46マイクロメートル、真円度は1・54マイクロメートルの高品質を保つ。
また顧客が使用したリーマを預かり、再研磨や再コーティング、超硬の刃先部分だけの取り換えも可能で、ランニングコストも低減する。同社は各リーマなど年間1万点以上の特殊品を製造販売しており、同ノウハウを生かし貫通穴や止まり穴用のオイルホールにも対応する。
- 2023年2月17日
-
- 2023年2月16日
-
中村留精密工業は、精密コンピューター数値制御(CNC)複合加工機「SC―200Ⅱ」を発売した。加工精度の安定性から顧客の評価が高い従来機「SC―200」を進化させ、「ワンランク上の加工」をコンセプトに製造現場へ複合加工を訴求する。価格は1880万円(消費税抜き)。
新型機は8インチクラスのシングルタレット機。所要床面積が幅2520ミリ×奥行き1825ミリ×高さ2125ミリメートルとコンパクトだが、最大加工径は390ミリメートル、カバー上の加工対象物(ワーク)の振りは700ミリメートルと広い加工領域を確保したことで、10インチチャックも搭載できる。
また、角スライドを採用した高剛性スラントベッドで、従来機よりさらに高い加工剛性と安定性を実現した。中村社長は「シングル機の進化が、複合加工をより身近なものにしてくれる」と期待を寄せる。
- 2023年2月16日
-
- 2023年2月15日
-
タンガロイは、高精度溝入れ・突切り加工用工具「テトラ・ミニ・カット」シリーズのTCS18形、TCL18形インサートに左勝手タイプを拡充、発売した。
一般的な右勝手タイプに加え左勝手を拡充することで、幅広い機械や加工領域で同シリーズを使えるようにした。価格は主要型番の「TCS18L100―010 AH7025」が3883円(消費税込み)。
4コーナー仕様の同シリーズは独自のクランプ機構を用いており、刃先位置精度とインサートクランプ剛性に優れる。TCS18形とTCL18形のインサートは3次元ブレーカー仕様で、切りくずの処理性能が高い。
数値制御(NC)旋盤や自動旋盤では通常、主に右勝手の工具が使われる。一方、複数のスピンドルを搭載した旋盤やツーリングによっては左勝手の工具が必要となる。
- 2023年2月15日
-
- 2023年2月13日
-
乗用車メーカー7社の2023年3月期連結業績予想が出そろい、全社が売上高を上方修正した。為替の円安を反映しており、トヨタ自動車を除く6社が営業利益と当期利益も上方修正した。一方で販売台数の見通しは、スズキを除く6社が下方修正。半導体不足解消のめどが立たない中、各社は設計変更や販売車種の見直しなどの工夫をしているが、厳しい状況は続くと見込む。
マツダは、23年3月期連結業績予想の営業利益を前回公表比200億円増の1400億円(前期比34・3%増)に上方修正すると発表した。22年4―9月期連結決算は、原材料高騰や中国のロックダウン(都市封鎖)の影響を受けたものの増収、各利益項目で増益を達成した。毛籠勝弘取締役専務執行役員は「サプライチェーン(供給網)の問題で生産台数を伸ばせない中、収益力改善を進めた」と説明した。
各社が23年3月期連結業績予想を上方修正した最大の要因は急激な円安だ。マツダは営業利益が為替効果で656億円上振れすると見込む。想定為替レートは1ドル=136円と、8月公表比で13円円安に見直した。販売奨励金(インセンティブ)抑制も各社の業績に寄与する。
スズキは23年3月期の年間売上高が初めて4兆円を超える見通しだ。鈴木俊宏社長は「好決算だが、半導体不足などの中で生産の組み替えといった努力をした結果」と話す。
トヨタは営業利益と当期利益の見通しを据え置いた。円安や原価改善による増益を見込むが、販売減やロシアでの生産終了に伴う費用が押し下げる。
世界販売台数は6社が下方修正。日産は30万台減の370万台とした。内田誠社長は「サプライチェーンの混乱は改善しつつあるが、回復のペースは想定より緩やか」と説明する。米国で受注残が高止まりしている」(中村知美SUBARU〈スバル〉社長)など需要は堅調だが、生産制約が足かせとなっている状況だ。
- 2023年2月13日
-
- 2023年2月10日
-
金属加工機メーカーが工作機械の使いやすさを重視した数値制御(NC)技術の開発、商品化を加速する。キタムラ機械は遠隔からのマシニングセンター(MC)の自動運転機能とMCのセット販売を始めた。ヤマザキマザックは加工物の3次元(3D)CADデータから加工プログラムを自動生成するソフトウエアを2023年に市場投入する。
アマダは顔認証による作業者識別機能を搭載したNC装置を順次搭載していく(VENTIS 3015AJ e)
工作機械を扱う技能者にとって習熟が必要な加工プログラム作成の自動化、省人化などを進めることで、製造現場における熟練技能者の減少や、外国籍技能者をはじめとする人材の多様化に対応する。
キタムラ機械が自社製MCとセットで販売するのは、事務所や外出先から第5世代通信(5G)を介してCADデータを送り、遠隔からのMCの自動運転を実現する「Auto―Part―Producer 5G」。NTTドコモと共同開発した同技術は加工プログラム作成のデータ処理をクラウド上で行い、そのデータをリアルタイムに機械に伝送。遠隔操作や複数の機械の制御を1人でできるようになる。
これまでも独自のNC装置「Arumatik―Mi」に、プログラム作成と自動運転をする機能「Auto―Part―Producer」を搭載していたが、一段の省人化につながる。
ヤマザキマザックが開発した自動生成ソフト「マザトロールDX」は、同社のNC装置「マザトロール」と同期し、加工時間の自動見積もりや、加工現場の機械へのデジタル指示書の発行、自動計測などの段取り支援といった機能を実装。プログラム作成と加工の見積もりで従来30分ほどを要していた作業が30秒程度で完了する。
オークマは新開発したNC装置「OSP―P500」で、加工動作作成から段取り、加工、検査までの一連の作業を一つの画面で、ガイドに従いながら図面情報の入力をするだけで加工準備ができるようにした。加工用のプログラム言語を知らない初心者でも簡単に扱える。同装置は23年5月から5軸制御MCや複合加工機に搭載。その後、順次、他機種に広めていく。
アマダは顔認証による作業者識別機能を搭載したNC装置「AMNC 4ie」を23年春以降、ファイバーレーザー加工機などの実機に順次搭載する。同機能は作業者を顔認証し、一人ひとりの熟練度に合わせた操作画面の起動や言語表示を自動で行う。同社のIoT(モノのインターネット)サービスと連携することで、管理者が各作業者の作業状況・結果を一元把握できる。また二酸化炭素(CO2)排出量の算出や遠隔操作機能も取り入れた。
- 2023年2月10日
-
- 2023年2月9日
-
住友電気工業は低コスト・高品質に小型部品を加工する切削工具「小径ボーリングバイトSEXC型」のインサート(刃先交換チップ)に、物理気相成長(PVD)で被膜した超硬の「AC1030U」と、サーメット材種の「T1500A」を加え、発売した。消費税抜きの価格はAC1030Uが2140円、T1500Aが1650円。
鋼やステンレス鋼をはじめ、焼入鋼以外の加工ニーズに向く。AC1030Uの特徴は鋭利な切れ刃形状と高密着で平滑な被膜。T1500Aではサーメット組織内で粒子サイズを最適に制御した。いずれも高度な切れ味を長時間維持する。加工径を4ミリメートルに最小化したほか、刃先の位置決めも高精度とした。
- 2023年2月9日
-
- 2023年2月7日
-
ムラキが、バリ取りホルダー市場に参入。プリロード(予圧)調整と内部バネ交換によるテンション調整機構を搭載し、複雑形状の加工対象物(ワーク)も一定圧でならいながら加工できるホルダーを開発した。加工機の最高回転速度で毎分1万5000回転まで対応し、バリ取り面の品質向上にも貢献。
発売した「でばりんMC表」「同MC裏」は、マシニングセンター(MC)やフライス盤に簡単に接続できる。プリロードおよび交換するバネは、オプションの購入によってさらに細かい調整が可能。
同社は半世紀にわたってバリ取りなどに使う超硬バーを扱っている。今回のホルダー市場への参入により、バリ取り関連製品を総合的に提供し、バリ取り市場における優位性の維持と向上を目指す。
- 2023年2月7日
-
- 2023年2月6日
-
トーカロイは、即日発送可能な超硬プレートの在庫売りを始めた。電子部品用金型のパンチ用途を想定。価格は5000円(消費税抜き)から。超硬製品を受注生産で手がける同社としては、初めての在庫販売品となる。これにより超硬プレートの加熱工程を効率化し、受注生産品の価格維持を狙う。
午前中の発注は当日、午後の発注は翌日出荷する。サイズは100ミリ×100ミリメートル、厚さが1・5ミリ―21・5ミリメートルまで2ミリメートル刻みの11種類を用意した。超微粒の「FX30」と汎用材種「G4」の2材種。従来の受注生産で超硬プレートの納期は1週間だったが、即日発送することで顧客の納期短縮に貢献する。
超硬プレートの加熱工程で使うバッチ炉は、受注生産品だけではフル充填できない場合も多かった。余剰部分に在庫品を入れればフル充填で稼働できるようになり、生産の効率化につながる。
超硬合金製の切削工具・耐摩耗用素材を、材料の製造から手がける同社では、原料や燃料の高騰により、超硬材料の価格維持のためのコスト削減が課題だった。今回の在庫販売品の生産でコスト削減を目指す。
- 2023年2月6日
-
- 2023年2月2日
-
丸善機械が、中古大型工作機械のレンタル事業に参入。埼玉県内の展示場に設置した2台を対象に作業スペースと周辺設備を合わせた場所ごと貸し出す独自サービスを始めた。
工作機械を使う需要の先行きが不透明な中、設備投資に二の足を踏む顧客は少なくない。投資判断をするまでの試用要望に応える一つとして賃貸事業を育成。需要に応じ対象機種の追加も検討。
丸善機械がレンタルする中古大型工作機械の一つ、オーエム製作所製の立型旋盤「TMD-40/45」
今回、貸し出す大型機械はオーエム製作所製の立型旋盤「TMD―40/45」とオークマ製の5面加工門型マシニングセンター「MCR―BⅡ30×50E―AP」の2台。材料や加工品を取り置く場所も含めて貸し出す。操作要員は顧客が手配し、電気代などの必要経費も顧客負担とする。
消費税抜きのレンタル料はTMDが月400万円、MCRは同250万円をそれぞれ想定。利用者に企業規模、業種などの条件は付けない。貸し出し期間は最低半年の予定だが、要望には柔軟に対応する。
2台を設置したのは同社にとって五つ目の展示場として7月開設した「ネクスト東京マシンテック」(埼玉県加須市)。敷地面積は1万3000平方メートル、展示場面積は約3000平方メートル。手狭になれば拡張の余地はある。
工作機械は新品の場合、納期が10カ月から1年以上とされる。大型機械を導入する場合、機械単体が高額な上、設置するには広いスペースと周辺設備の確保が課題となる。レンタルを利用すれば投資負担を減らし、需要に応じた柔軟な供給が可能になるという。
丸善機械は1960年に創業。簡易機や小物を含めた中古の工作機械を常時計約5000台展示・在庫している。
- 2023年2月2日