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- 2023年5月25日
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三菱マテリアルは超耐熱合金加工用超硬ソリッドドリル「DSAドリルシリーズ」に、直径12・3ミリ―15・0ミリメートルサイズを追加し、発売した。価格は代表型番の「DSAS1230X03S140 DP9020」が3万4210円(消費税込み)。
DSAドリルシリーズは、一般鋼と比べて加工硬化しやすく切削熱が上がりやすい超耐熱合金の加工において、長寿命で優れた穴品位を実現する。
加工径5ミリメートル以上の内部給油式は、独自のクーラント穴形状により、ドリル剛性を低下させることなくクーラント吐出量を増大させて潤滑性、冷却性を高められる。また、頑丈な直線状切れ刃と超耐熱合金加工用ホーニングにより、安定した切りくず生成とチッピングの抑制が可能となる。
- 2023年5月25日
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- 2023年5月24日
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スター精密は全面刷新を計画している工作機械の国内生産拠点の菊川工場で、最新の省エネルギー、創エネルギー技術を取り入れたネット・ゼロ・エネルギービル(ZEB)を目指す。
ZEB実現に向けて、2022年度中に着工を予定していた当初の計画を見直す。着工時期は24年めどの見通し。太陽光発電を中心にした再生可能エネルギーを100%利用し、工場全体の省エネ性能を高める。二酸化炭素(CO2)排出量の削減効果が大きい工場ZEB化は珍しいという。
スター精密は菊川工場で主軸移動型(スイス型)自動旋盤に搭載するスピンドルの生産能力増強に合わせ、建屋・設備の老朽化対応、デジタル変革(DX)推進に向けて全面刷新工事を計画している。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)が待ったなしとなり、ESG(環境・社会・企業統治)経営を加速する一環で、同工場のZEB化を決めた。
ZEB化による初期投資の増加に材料費の高騰が加わり、総事業費は当初の100億円から増える見通し。着工時期も約2年後ろ倒しの24年めどに変更する。
同工場はDXを駆使し、最新鋭の自動倉庫、工程間を無人搬送車(AGV)で結ぶなど生産から物流、アフターサービスまで一貫した自動化を目指している。ZEB化は地中の埋設管に空気を循環させて空調に用いるほか、高効率の空調機器導入などで使用する電力量を極力削減。リニューアルに伴って設ける事務所、倉庫も含めて取り組み、ZEB認証取得を目指す。
同社は24年12月期までに中国、タイ、日本の3工場合わせた自動旋盤の生産能力を年7200台に増強する。菊川工場では国内で加工するスピンドルのうち、直径20ミリメートルの棒材料向けを中心に月800本に増やす予定。協力工場を含めた生産能力は年1万4400本に増強する計画だ。
- 2023年5月24日
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- 2023年5月19日
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オークマは、環境対応に貢献する工作機械「グリーンスマートマシン」を一斉出荷を開始した。併せて新世代コンピューター数値制御(CNC)装置「OSP―P500」を5軸制御マシニングセンター(MC)、複合加工機に搭載する。高まる工程集約への需要に応えることで、2023年度は5軸制御MCの販売台数を前年度比5割増にする見通しだ。
「寸法精度の安定性」と「エネルギー消費量の削減」の両立を自律的にし、加工時の二酸化炭素(CO2)排出量を削減する工作機械をグリーンスマートマシンと定義。5月から専用のエンブレムを装着し出荷を始めた。
また、加工時間の見積もりを実加工時間の1000分の1、誤差1%以下の超高速・超高精度でシミュレーションする「デジタルツイン」や、加工プログラムを知らなくても高度な加工ができるOSP―P500の装備も開始。5軸制御MC、複合加工機を皮切りに、展開を広げる考え。
- 2023年5月19日
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- 2023年5月18日
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京セラはミーリング用切削チップを長寿命化する物理気相成長(PVD)コーティングの新材種を開発した。
耐摩耗性や耐熱性に優れ特殊ナノ積層化した2種類の被膜を交互に多層積層し、被膜硬度と靭(じん)性を向上。耐チッピング性も高め、同社従来品比約2倍の加工寿命を実現した。新材種を採用し、耐欠損性と低抵抗を両立したエンドミルも同日発売する。コストと環境負荷の低減につながる長寿命工具の需要増に応える。
新材種「PR18シリーズ」は、自動車などの幅広い加工現場で使用される鋼やステンレス鋼、鋳鉄加工用のミーリング向け。初年度10億円の売上高を目指す。
PVDコーティングは耐摩耗性に優れたアルミニウムクロム(AlCr)系の被膜層と、耐熱性に優れたアルミニウムチタン(AlTi)系の被膜層で構成する。それぞれナノメートルレベル(ナノは10億分の1)で積層した両層を、さらに交互に多層積層したのが特徴だ。被膜のクラック(割れ)進展抑制と内部応力の適正化によって、高い耐チッピング性も実現した。
他にも発売した、縦置きエンドミル「MA90」は、大きな逃げ角で摩耗を抑制した特殊さらい刃形状と独自の切れ刃設計により、耐欠損性を高めつつ低抵抗と両立させた。
これにより高品質、長寿命加工を実現。直線と円弧を組み合わせた外周研磨仕様で、仕上げ面の高品質化と優れた壁面精度を持続する。
MA90はチップが85型番あり、消費税抜きの希望小売価格は2310―2640円。ホルダーは77型番あり、同3万3300―13万2000円。初年度5億円の売上高を目指す。
- 2023年5月18日
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- 2023年5月16日
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牧野フライス精機は、切削工具の製造に必要な「ブランクの切削」「工具の研削」「工具の測定」の三つを全て手がける世界でもまれなメーカー。そのノウハウを生かして開発した精密コンピューター数値制御(CNC)工具研削盤「AGE30FX」は「世界トップの技術で人手に頼っていた工具のホーニング加工を自動化した」画期的な製品だ。
ホーニング加工とはドリルの刃先を加工し、工具の耐久性向上や長寿命化を図る手法。従来は熟練作業者による手作業に頼ってきた。このため自動化や省力化が課題となっており「皆が苦労している」という。
AGE30FXは同社の画像認識技術を用いて工具を自動測定・補正する「monocam2」に対応。ホーニング加工を世界で初めて非接触かつ自動化した。2022年の「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」で初披露した。
加工対象の工具の測定について、これまでもタッチセンサー方式で計測する技術はあるが、時間がかかる上に摩耗による部品交換などのコストが発生する。同社ではこれを画像認識で計測する技術を開発した。
タッチセンサーより高精度な計測が可能で、計測時間も半分から3分の1まで短縮できる。非接触測定のため摩耗もない。細い刃先でもセンサーの接触による刃先の欠けが起こらないなどのメリットがある。
本来、加工時の装置内は多量のクーラント液を使用するため、画像認識による計測は難しい環境にある。同社では独自技術でこうした環境下でも高精度な計測を可能にしており、「まねしようとしてもできない」と自信をみせる。
今後は刃数の多いドリルや各種エンドミルの加工など、幅広いニーズに対応していく方針。非接触・自動化を推進する上で画像認識技術を重視しており、同技術の研究開発・利活用を進める。
- 2023年5月16日
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- 2023年5月15日
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オークマは、環境対応に貢献する工作機械「グリーンスマートマシン」を5月から一斉出荷すると発表した。
併せて新世代コンピューター数値制御(CNC)装置「OSP―P500」を5軸制御マシニングセンター(MC)、複合加工機に搭載する。高まる工程集約への需要に応えることで、2023年度は5軸制御MCの販売台数を前年度比5割増にする見通しだ。
「寸法精度の安定性」と「エネルギー消費量の削減」の両立を自律的にし、加工時の二酸化炭素(CO2)排出量を削減する工作機械をグリーンスマートマシンと定義。5月から専用のエンブレムを装着し出荷を始める。
また、加工時間の見積もりを実加工時間の1000分の1、誤差1%以下の超高速・超高精度でシミュレーションする「デジタルツイン」や、加工プログラムを知らなくても高度な加工ができるOSP―P500の装備も開始。5軸制御MC、複合加工機を皮切りに、展開を広げる考え。
- 2023年5月15日
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- 2023年5月12日
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京セラは旋削チップを長寿命化する化学気相成長(CVD)コーティングの新材種を開発し、発売開始した。成膜するアルミナの結晶方位の均一性(配向度)を業界最高水準に高め、他社製品と比べ耐摩耗性を約5割高めた。スムーズな切りくず処理を持続する長寿命仕様の旋削チップ「PMGブレーカ」も発売。工具の長寿命化に貢献する新製品の投入により、コスト削減と環境負荷低減のニーズに応える。
CVDコーティングの新材種のうち、連続から強断続まで幅広い加工に対応する汎用性の高い材種「CA125P」を。高能率加工用で連続から軽断続の加工に対応する材種「同115P」を6月に発売する。自動車や産業機械など幅広い産業で使われる鋼加工用旋削チップ向け。型番数はともに502型番。消費税抜きの希望小売価格は610―2420円。初年度15億円の売上高を目指す。
新開発のコーティングは耐摩耗性を備えた高配向アルミナ膜と、耐欠損性を備えた炭窒化チタン(TiCN)膜で構成。同アルミナ膜は独自の結晶制御技術により結晶方位の配向度を高め、耐摩耗性を高めた。切りくずの擦過によって発生するチップ上のすくい面のクレーター摩耗を抑制。工具の長寿命・安定加工を実現する。
PMGブレーカは低抵抗設計で、チップ上のすくい面温度の上昇を抑えるのが特徴。切りくずを分断・制御するために、すくい面に設けた溝や突起の摩擦を抑制し、切りくず形状の変化も抑えた。熱などによる母材の塑性変形リスクを低減し、コーティングの剝離を防止する。
- 2023年5月12日
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- 2023年5月11日
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中村留精密工業は、同社サービス事業部担当者が顧客訪問時に追加で工作機械のチェックやメンテナンスを行うサービス「あんしんメンテナンス」を開始した。基本点検後の時間を利用して、機械の予防保全、安定稼働につなげる。サービス料金は1時間当たり1万円(消費税抜き)。
点検項目はチャック関連、タレットといった大きな分類の中に、動作確認・異音発生の確認などとさらに細分化している。合計90種類以上の項目にはそれぞれ目安の所要時間を設定しており、顧客が希望する内容を選びやすくした。
見落としそうな箇所を丁寧に確認し不意の故障を防ぐなど、点検結果を基に必要な保全を提案する。
また、サービス担当者が訪問のついでに工作機械を点検する形式のため、顧客側はその点検だけのために日程調整をする手間も省ける。
- 2023年5月11日
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- 2023年5月10日
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岩本工業の工作機械用の切削液自動供給装置「クーラントサーバー 楽~ラント」が着実に販売を伸ばしている。2021年度は15台だったが、22年度は23年2月の段階で24台に拡大。展示会などでPRを重ね、自動車・建設機械メーカーへの採用が決まるなどした。岩本社長は「来年度は販売目標を月5台のペースにしたい」と抱負を語る。
同製品は切削液の計量、希釈、濃度確認から工作機械への運搬、供給といった一連の作業を自動でする。さらに濃度変更の調整や起動・停止のタイマーを設定できる。これら充実した機能に現場の人手不足も重なり、導入企業の3割強がリピートで購入するという。
渡辺政臣商品企画部営業担当課長は「製造現場の自動化としては一見地味だが、比較的容易に取り組めるので第一歩に」と勧める。
- 2023年5月10日
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- 2023年5月9日
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日清工業は、同社製の両頭平面研削盤を対象とした再生販売事業を強化する。顧客が使用していた機械を引き取り、ベッドや主軸の整備、電装品などの更新を行い「リビルド機」として販売する。同社の第50期となる6年後までに年間で10台以上、3億円弱の売上高を目指す。
再生販売事業は顧客の工場にある遊休機械や、長年使用されてきた機械を有償もしくは無償で回収。剛性が非常に高く長持ちするベッドや主軸は整備して再利用し、制御機器や各駆動部、周辺機器などは更新。外観も入念に整え、リビルド機として販売する。要望に合わせて仕様を追加することも可能。価格は機械の状態によるが、30年以上使われてきた「V―5P」のリビルド機は2600万円(消費税抜き)。新品と比べ7割程度だ。
日清工業の主力は加工対象物(ワーク)の平行2面を同時に研削する両頭平面研削盤。完全箱型ベッドにクイル式主軸を搭載した高剛性構造を持つ。
特に主軸は構成部品の一つひとつに高精度加工した部品を使用。厚生労働相が表彰する卓越した技能者「現代の名工」がクイルとスリーブのすり合わせ、組み上げをする。こうして作り込んだ主軸は、長期の使用で電装品などが老朽化しても、整備すれば使い続けられるため、リビルド機の価格を抑えられる。
同社は今後、研削加工の展示会にリビルド機を出展して再生販売事業をアピール。インサート(刃先交換チップ)に特化した機種や省スペース、低コストの新品の機種も併せて展示し、新規顧客の開拓を狙う。
- 2023年5月9日
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- 2023年5月8日
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冨士ダイスは汎用の超硬合金に比べタングステンとコバルトの含有量を9割削減した合金を開発した。産出地が偏在する希少金属(レアメタル)の使用を抑え、地政学リスクに影響されずに安定供給する。硬さと欠けにくさを汎用超硬と同等程度とし、重さはほぼ半分。回転工具に使えばモーターの負荷軽減による電力削減や、回転数の増加による生産性向上が見込める。
開発した新合金「サステロイ ST60」は、硬さ(HRA)が88・2(汎用超硬は88・0-90・0)で、硬さ試験でのクラック長が34マイクロメートル(同17―45マイクロメートル)。導電性や磁性があるため放電加工や磁力選別ができる。
超硬製の大型金型は重量が大きく取り扱いが課題。サステロイ ST60は重さが超硬の半分と軽量で、回転工具や大型金型を大幅に軽量化できる。
超硬合金の主要成分であるタングステンは、採掘量のほとんどを中国が占める。結合材のコバルトは、電気自動車(EV)のリチウムイオン電池(LiB)向けの主原料として需要が増加し、価格高騰の懸念がある。
冨士ダイスは新合金が地政学リスクや価格高騰にさらされにくいとみており、リスクが顕在化した際には汎用合金の代替品になると想定している。
- 2023年5月8日
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- 2023年5月1日
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岩本工業の工作機械用の切削液自動供給装置「クーラントサーバー 楽~ラント」が着実に販売を伸ばしている。2021年度は15台だったが、22年度は23年2月の段階で24台に拡大。展示会などでPRを重ね、自動車・建設機械メーカーへの採用が決まるなどした。岩本社長は「来年度は販売目標を月5台のペースにしたい」と抱負を語る。
同製品は切削液の計量、希釈、濃度確認から工作機械への運搬、供給といった一連の作業を自動でする。さらに濃度変更の調整や起動・停止のタイマーを設定できる。これら充実した機能に現場の人手不足も重なり、導入企業の3割強がリピートで購入するという。
渡辺政臣商品企画部営業担当課長は「製造現場の自動化としては一見地味だが、比較的容易に取り組めるので第一歩に」と勧める。
- 2023年5月1日
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- 2023年4月28日
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日清工業は、同社製の両頭平面研削盤を対象とした再生販売事業を強化する。顧客が使用していた機械を引き取り、ベッドや主軸の整備、電装品などの更新を行い「リビルド機」として販売する。同社の第50期となる6年後までに年間で10台以上、3億円弱の売上高を目指す。
再生販売事業は顧客の工場にある遊休機械や、長年使用されてきた機械を有償もしくは無償で回収。剛性が非常に高く長持ちするベッドや主軸は整備して再利用し、制御機器や各駆動部、周辺機器などは更新。外観も入念に整え、リビルド機として販売する。要望に合わせて仕様を追加することも可能。価格は機械の状態によるが、30年以上使われてきた「V―5P」のリビルド機は2600万円(消費税抜き)。新品と比べ7割程度だ。
日清工業の主力は加工対象物(ワーク)の平行2面を同時に研削する両頭平面研削盤。完全箱型ベッドにクイル式主軸を搭載した高剛性構造を持つ。
特に主軸は構成部品の一つひとつに高精度加工した部品を使用。厚生労働相が表彰する卓越した技能者「現代の名工」がクイルとスリーブのすり合わせ、組み上げをする。こうして作り込んだ主軸は、長期の使用で電装品などが老朽化しても、整備すれば使い続けられるため、リビルド機の価格を抑えられる。
同社は今後、研削加工の展示会にリビルド機を出展して再生販売事業をアピール。インサート(刃先交換チップ)に特化した機種や省スペース、低コストの新品の機種も併せて展示し、新規顧客の開拓を狙う。
- 2023年4月28日
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- 2023年4月27日
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住友電気工業は、インド・マハーラーシュトラ州ナビムンバイ市に、切削工具販売会社のスミトモエレクトリック・ハードメタル・インディアをこのほど設立した。資本金は2億5600万円。3月に営業を開始し、自動車生産をはじめ機械加工の需要が拡大する同国で地域に密着し、事業を拡大する。販売会社は2023年に売上高10億円を目指す。
販売会社には住友電工が100%出資する切削工具アジア統括会社が約99%を、住友電工が残りを出資した。従業員は10人。超硬合金や立方晶窒化ホウ素(CBN)のインサート(刃先交換チップ)、超硬ドリルなどを販売する。23年に人口が世界一となる見通しのインドで、切削工具事業を強化する。
- 2023年4月27日