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- 2023年3月8日
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DMG森精機は大型加工対象物(ワーク)の高精度加工用の横型マシニングセンター(MC)を開発した。高剛性と高い空間精度を兼ね備えることで、安定した高精度加工を実現する。価格は個別見積もり。建設機械や航空機、金型、自動車、エネルギー産業向けに、年間数台の販売を見込む。
新開発の「NHX10000マイクロプレシジョン=写真」は、最大ワークサイズが直径2000ミリ×1600ミリメートル、最大積載質量が5000キログラム。機械ストローク時の自重による変形の影響を算出して高精度に機械案内面の加工を行うとともに、すり合わせによる最終仕上げ工程により、空間精度15マイクロメートル以下(マイクロは100万分の1。従来機種は30マイクロ―70マイクロメートル)を実現した。
フルストローク時の真直度精度は6マイクロメートル以下。Y軸送り軸専用の冷却装置を追加し、熱源となる機器を機械本体から切り離したことで熱変位も低減した。
構造解析によりベッドの剛性を大幅に高めるとともに、3点支持構造により、長期での加工精度安定と据え付け作業時間の短縮が見込める。
また、主軸やワークへの接近性が向上。治具調整などの段取り替え作業の負荷を低減できる。クーラントタンク内の微細なスラッジを高効率に回収する装置を標準搭載し、清掃頻度を少なくでき、メンテナンスによる機械停止時間と費用を大幅に減らせる。
- 2023年3月8日
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- 2023年3月7日
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タンガロイは、内径溝入れ用工具「アド・インターナル・カット」用インサート(刃先交換チップ)の溝幅を大幅に拡充し、発売した。より幅広い内径溝入れ加工に対応する。価格は主要型番の「TCIG10―050―005AH725」が2442円(消費税込み)。初年度1800万円の販売を見込む。
発売したのは最小溝幅0・5ミリメートルのインサートのほか、日本産業規格(JIS)のOリングやスナップリング用溝加工に最適な溝幅1・22ミリ―2・77ミリメートル用の計8製品。
アド・インターナル・カットは、経済的で高精度な研削級4コーナー仕様インサートを採用。工具剛性と良好な切りくず排出性を両立させたクランプシステムにより、安定した刃先位置精度で高精度内径溝入れ加工を実現する。インサートは最小加工径10・5ミリメートルに対応するTCIG10形と、最大溝深さ3ミリメートルが可能な同12形の2シリーズをそろえる。
- 2023年3月7日
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- 2023年3月6日
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住友電気工業は低コスト・高品質に小型部品を加工する切削工具「小径ボーリングバイトSEXC型」のインサート(刃先交換チップ)に、物理気相成長(PVD)で被膜した超硬の「AC1030U」と、サーメット材種の「T1500A」を加え、発売した。消費税抜きの価格はAC1030Uが2140円、T1500Aが1650円。
鋼やステンレス鋼をはじめ、焼入鋼以外の加工ニーズに向く。AC1030Uの特徴は鋭利な切れ刃形状と高密着で平滑な被膜。T1500Aではサーメット組織内で粒子サイズを最適に制御した。いずれも高度な切れ味を長時間維持する。加工径を4ミリメートルに最小化したほか、刃先の位置決めも高精度とした。
- 2023年3月6日
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- 2023年3月3日
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日本電産マシンツールは、切削工具用の外観検査装置を外販を開始した。自社製工具の品質検査用に開発した装置を商品化し、顧客と工具メーカー向けに販売開始。目視で行っていた外観検査を自動化できる。検査時間の短縮が見込めるとともに、摩耗状態などの適切な把握により、工具使用期間の長期化や生産性向上にもつなげられる。
日本電産マシンツールは歯車機械や門型5面加工機などの工作機械事業のほかに、歯車加工用のホブやシェービングカッター、ブローチなどの精密切削工具も生産・販売している。今回の外販は、工具のサポートサービス向上の一環。工具メーカーとして、自社開発している検査装置の外販は初めてという。
販売する検査装置は、ホブ用の「ロボットカメラスピード」とブローチ用の「ロボットカメラマックス」の2機種。標準価格は各4000万円(消費税抜き)で、2機種合わせて年間5台の販売を見込む。
工具の切れ刃をデジタルカメラを用いて高速・高精度に撮影し、画像データとして保存。工具の性能などを入力することで、さまざまな形状の工具の撮影箇所を決めて、切れ刃先端の欠損やコーティングの剝がれ、摩耗状態など外観の正常・異常を判定する。同社では検査時間を10分の1以下に短縮できているという。
ロボットカメラスピードは、ストレート刃溝とスパイラル刃溝、外径20ミリ―130ミリメートル、全長50ミリ―350ミリメートル、重量20キログラムまでのホブカッターに対応する。ロボットカメラマックスは、最大直径200ミリメートル、長さ2300ミリメートル、重量300キログラムの大型・長尺の工具を搭載可能。ストレートやヘリカルなど刃並びを問わず撮影できる。
ユーザーの工具外観検査は目視で行われることが多い。その際、工具の摩耗量が許容範囲であっても交換してしまったり、欠損の見落としによる品質不良につながったりする課題もあるという。
- 2023年3月3日
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- 2023年3月2日
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中村留精密工業は、自社製操作盤「NT SmartX」を搭載した工作機械に、新機能として「パスチェッカー」を追加した。プログラム作成段階で爪、加工対象物(ワーク)、刃先経路の干渉確認ができる。完成度の高いプログラムをより早く作成することが可能で、生産効率の向上に貢献する。
従来、プログラム作成中に刃先経路を確認するためには、プログラム作成画面からシミュレーション画面に移行しなければならず、プログラムチェックや機械干渉確認などに時間を要していた。
新機能はその時間を省き、プログラムを編集しながら刃先経路などの干渉確認を行える。さらに画面上の経路部分に触れることで、プログラム中の該当箇所にカーソルが自動で移動する機能を搭載。素早く該当箇所を確認・修正でき、プログラム作成の工数削減につなげられる。
- 2023年3月2日
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- 2023年3月1日
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住友電気工業は切りくず処理と加工安定性が高い切削工具のインサート(刃先交換チップ)「微小切削用ポジティブG級チップブレーカ『FF型ブレーカ』」を発売した。消費税抜きの価格は同社従来品と同じに設定し、標準品種の「DCGT11T302MN―FF(AC1030U)」が2750円。
突起やポケット形状など微小切削に最適化した形状設計で、特に切り込み0・5ミリメートル以下での切りくず処理性を向上した。切りくず処理が不安定になりやすい切り込み変動加工でも、切りくず処理の能力を上げた。自動旋盤の小径精密部品加工に多いならい加工やテーパー加工の安定性を増す。販売計画は初年度9000万円、2年後に年2億7000万円。
- 2023年3月1日
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- 2023年2月27日
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スズキは北海道苫小牧市に4輪車の純正部品・用品の供給拠点となる広域部品センター「スズキ部品センター苫小牧」を新設、稼働を始めた。同拠点を含め、広域部品センターは国内6カ所の体制となる。
これまで直営代理店のスズキ自販北海道が運営するパーツセンター北海道が役割を担ってきた。新たに苫小牧の拠点を設けることで、部品・用品の在庫点数を増加でき、代理店や販売店への即納性が高まる。
静岡県湖西市にある部品工場から同センター苫小牧までの輸送は約8割が海上輸送となり、モーダルシフトによる二酸化炭素(CO2)排出の削減にもつながる。
また、同センター苫小牧の同じ建物内に、新車の納車整備を行う「スズキ納整センター苫小牧」も移転し、稼働を開始。納車整備能力や車両保管能力を増強する。
- 2023年2月27日
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- 2023年2月24日
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コガネイは、2021年にロボットを使って工場自動化(FA)の課題に対応する専門部署を新設した。自社開発のハンドリングツールやオートハンドチェンジャー、アダプター、誤差吸収ユニットといった豊富なロボット用製品を組み合わせたソリューションを構築。顧客の生産効率の向上や省力化につながるシステム提案に力を入れている。
小型ロボット向け製品で新たに投入するのが真空ポンプユニット「EVPシリーズ」だ。ロボットアームに搭載し、加工対象物(ワーク)を真空吸着して搬送するために使う。本体に正負圧ポンプ、圧力センサー、切り替え用バルブを一体化した。ポンプを内蔵しているため、外付けの真空ポンプや配管が不要になる。
エア供給のためのコンプレッサーも必要なくなり、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)への貢献を訴求する。接続用のロボットアダプターは国際規格のISOに対応した4種類を用意し、ハンドツールの着脱を容易にできるようにした。
FA機器・ロボットといった自動化装置のネットワーク・IoT(モノのインターネット)化が進む中、同社もネットワークシステム機器に参入した。装置末端の電気信号を集約して上位システムとの通信を可能にする新製品の「I/Oターミナル」を投入。自社製品の電磁弁にリモートI/O(入出力)機能を追加した。接続機器は自社製品の圧力スイッチ、シリンダーセンサースイッチなどに対応可能で、IoT化に向けた製品を増やす計画。
自社製品群と上位システムをつなぐネットワークシステム機器を投入する意義について冨田英樹執行役員は「生産現場の省人化の流れは加速度を増す。トータルソリューションを提供することで、現場の作業性向上に貢献でき、顧客への訴求力が高まる」と強調。自動化対応の課題解決に向け、製品の拡充を着実に進めていく。
- 2023年2月24日
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- 2023年2月23日
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日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した1月の新車販売台数は、前年同月比16・0%増の38万2338台と5カ月連続のプラスになった。半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大などで低水準だった2022年1月からの反動増で、特に軽自動車の回復が目立った。
登録車は同10・8%増の22万9497台と2カ月ぶりのプラス。特に普通乗用車は同19・5%増の12万9068台で、1月としては1968年の統計開始以降で上から2番目の水準となった。ブランド別では、トヨタ自動車やマツダなど5ブランドが前年同月と比べ増加した。貨物車は同8・0%増の2万6705台。いすゞ自動車が同48・1%増の4121台と大幅に伸びた。
軽自動車は同24・7%増の15万2841台と5カ月連続のプラスとなった。車種別では乗用車が同29・9%増の11万7615台。メーカー別では8銘柄中の6銘柄が前年実績を上回った。
日産自動車はワゴン型の軽「ルークス」の台数増が貢献し、同2・1倍の1万7790台と大幅に伸びた。
貨物車は同9・9%増の3万5226台となった。うちボンネットバンは、同57・7%増の4390台と好調だった。
- 2023年2月23日
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- 2023年2月22日
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ゴードーソリューションは、工作機械の稼働監視システム「ナスカ・ネオ・リンカ」にカメラ映像による監視機能を追加し、発売開始した。機械の稼働状態などをリアルタイムの映像だけでなく録画でも確認できる。新機能の価格はカメラシステムはオープンだが、ソフトウエアが43万5600円(消費税込み)、年間保守・サポート料が4万3560円(同)。
新機能はシステム・ケイのネットワークカメラ映像管理システムと連携する。機械や作業者の状況を映像で遠隔からリアルタイムに確認できる。稼働停止などのアラーム発生時に該当する録画映像を表示でき、改善に生かせる。今後、映像の人工知能(AI)解析が得意なシステム・ケイの強みを生かし、作業者の顔認証による工数情報の取得といった、新たなソリューションの展開も視野に入れる。
ナスカ・ネオ・リンカは機械の稼働時間、作業者の工数などの情報を自動で取得してまとめ、手軽にウェブ上から確認可能な点が特徴だった。今回、映像に関わる新機能を加えることで、データだけでなく視覚的にも生産状況を的確に確認できる。映像は若手作業者の教材などに活用することも想定している。
ゴードーソリューションは自動車業界などの製造業向けソフト開発・販売を得意とする。
- 2023年2月22日
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- 2023年2月21日
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グリーンツールは、先端部が正五角錐の形状をした超硬ドリルの提供を始めた。穴を開け始めるときにドリルが暴れにくく、穴の位置がずれない。他形状のドリルからの再研磨で提供し、年間1万件の販売を目指す。
2枚の刃を備えており、刃と刃が合わさるチゼルと呼ぶ先端部分が正五角錐をしている。先端が錐形状でとがっているため被削材への食いつきがよく、穴の位置がずれない。
このため位置決め用のセンタードリルとしての使用や、さらにはセンタードリルを省略した穴開けに適する。長い貫通穴を両方向から開けるトンボ加工にも向くという。トヨタ自動車から特許技術の供与を受けた。
材質は超硬ソリッド(無垢材)で寸法は直径3ミリ―12ミリメートル、全長は270ミリメートル以下。
同社はエンドミルやドリルの再研磨専業で、自前の営業部門を抱え東北から九州まで全国に顧客を持つ。最近では再研磨以外の新製品での提供を含め、自社オリジナル製品の開発に力を入れている。
- 2023年2月21日
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- 2023年2月20日
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タンガロイは、高性能ソリッドエンドミル「ソリッド・マイスター」シリーズに、曲面仕上げ加工に適したバレルタイプを追加、発売した。金型の意匠面といった複雑な3次元曲面の仕上げ加工に向く。価格は主要型番の「TEBO120A4―12/20・0―R250R3 AH710」が消費税込みで4万5430円。
バレルタイプは大きな曲率半径の円弧切れ刃を持ち、たる(バレル)のような形状を特徴とする。従来のボールエンドミルに比べてパス数が減り、加工時間を大幅に短縮できる。
壁面の形状加工に適したバレルロングタイプ、同ショートタイプのほか、底面の形状加工に向くレンズタイプを用意した。耐摩耗性能の高い物理気相成長(PVD)コーティング材種「AH710」を使用。幅広い被削材を対象に、長寿命の性能を安定して発揮できる。
- 2023年2月20日
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- 2023年2月17日
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アサヒ工具製作所は、大径対応で高能率・高速加工のリーマ「ハイパーリーマ=写真」を発売した。炭素鋼など一般鋼の被削材を切削速度毎分80―120メートルと従来の6倍以上の高速加工ができるのが特徴。リーマはオーダー品で製作寸法の目安は外径が18ミリ―40ミリメートル、全長は100ミリ―350ミリメートル、シャンク径は16ミリ―32ミリメートルの範囲内で対応可能。
同リーマは高速対応設計やリーマ専用コーティングにより製品化した。これまで各切削加工においてドリルを高速化しても穴仕上げ用工具のリーマ加工で切削時間を費やしていた課題を解消。これにより全切削工程のトータル加工時間の短縮が図れる。
例えば刃具寸法が径25ミリメートルの大径で被削材「S50C」を切削速度毎分100メートルで高速加工しながら、加工対象物(ワーク)の仕上がりは面粗度(Ra)が0・11マイクロメートル(マイクロは100万分の1)、円筒度は3・46マイクロメートル、真円度は1・54マイクロメートルの高品質を保つ。
また顧客が使用したリーマを預かり、再研磨や再コーティング、超硬の刃先部分だけの取り換えも可能で、ランニングコストも低減する。同社は各リーマなど年間1万点以上の特殊品を製造販売しており、同ノウハウを生かし貫通穴や止まり穴用のオイルホールにも対応する。
- 2023年2月17日
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- 2023年2月16日
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中村留精密工業は、精密コンピューター数値制御(CNC)複合加工機「SC―200Ⅱ」を発売した。加工精度の安定性から顧客の評価が高い従来機「SC―200」を進化させ、「ワンランク上の加工」をコンセプトに製造現場へ複合加工を訴求する。価格は1880万円(消費税抜き)。
新型機は8インチクラスのシングルタレット機。所要床面積が幅2520ミリ×奥行き1825ミリ×高さ2125ミリメートルとコンパクトだが、最大加工径は390ミリメートル、カバー上の加工対象物(ワーク)の振りは700ミリメートルと広い加工領域を確保したことで、10インチチャックも搭載できる。
また、角スライドを採用した高剛性スラントベッドで、従来機よりさらに高い加工剛性と安定性を実現した。中村社長は「シングル機の進化が、複合加工をより身近なものにしてくれる」と期待を寄せる。
- 2023年2月16日