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- 2021年12月10日
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倉敷機械は、横中ぐり盤と5軸マシニングセンター(MC)の機能を併せ持つ新型工作機械「KTR―1200」を開発し、1日に発売する。加工対象物(ワーク)の深部を加工する際に先端の工具を取り替える必要がなく、作業を効率化できる。ワークと工具の干渉を防ぎなから加工可能。複合加工が必要な幅広い分野の産業向けの加工に対応する。消費税抜きの価格は1億5000万円から。国内外合計で年間5台の販売を目指す。
奥行きのあるワークの加工などに用いる横中ぐり盤の機能を5軸MCに搭載した。剛性を維持したまま内部を加工できる。直径1200ミリメートルのトラニオンテーブルを組み込み、最大直径1650ミリメートルまでのワークに対応可能。主軸の回転数は毎分3000回転。オプションで同5000回転まで引き上げられる。60本の工具を収納可能で、オプションで最大120本まで拡張できる。
倉敷機械はKTR―1200の主軸が前後にも駆動することから、同機を「6軸マシニングセンター」というキャッチコピーで訴求し、新規顧客獲得を目指す。航空機用ジェットエンジンケースをはじめ、自動車の金型など幅広い分野で用途を開拓する。今回の開発で得た知見を基に、新たな製品の開発も進めていく。
- 2021年12月10日
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- 2021年12月9日
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日進工具は高硬度鋼加工用の小径3枚刃ロングネックボールエンドミル「MRBSH330」を発売開始した。新たなコーティングと刃先形状の採用により、微細形状でも高切り込み・高能な加工を実現する。ボール半径(R)0・1ミリ―1・0ミリメートルの全22サイズで構成。価格は4900円(消費税抜き)から。
耐酸化性・耐摩耗性の高い「無限コーティングプレミアムプラス」により、硬度60―70HRCまでの被削材に効果を発揮する。切削負荷を低減して高切り込みを可能にするため、中心刃の形状を最適化した。切りくず排出性を損なわないチップポケット形状により、切りくず詰まりによる折損も抑制できる。
また、切削負荷を軽減するポジティブ切れ刃形状と耐欠損性を重視した素材を採用。高硬度鋼に対して、長寿命で高精度な加工を実現する。底刃の不等分割により、加工中のびびりも抑えられる。
- 2021年12月9日
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- 2021年12月8日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した2021年4―9月期の工作機械受注実績(確報値)は、前年同期比98・1%増の7854億7300万円で、2半期連続の増加となった。4―9月期(上期)として18年以来3年ぶりに7000億円を上回った。経済活動の再開が本格化し、国内外で工作機械需要の回復が進んだ。下期も「市場動向に大きな変化はない」と、引き続き高い水準を見込む。
内需は一般機械や電気・精密を中心に全11業種で増加となり、上期としては3年ぶりの増加。外需も、中国を中心とするアジア、欧州、北米の主要3極で増加したことで、上期として3年ぶりの増加となった。
また9月単月は、18年9月以来36カ月ぶりに1400億円を上回ったほか、8カ月連続の1000億円超えとなった。年度上期の期末効果などにより、内外需ともに回復傾向が継続。稲葉会長は「地域・業種により若干濃淡はあるものの、世界市場全体で好調が継続している」と手応えを示した。
内需は18年12月以来33カ月ぶりの550億円超え。需要回復に加え、各種補助金の採択案件も全体を押し上げた。業種別では、一般機械が36カ月ぶりに230億円を上回るなど、計10業種で増加。金属製品は初の50億円超えで、過去最高額(18年9月の48億円)を更新した。
外需は2カ月ぶりの850億円超え。アジアは中国とインドで自動車向けの大型受注などがあったものの、電気・精密の減少などにより、2カ月連続で400億円を下回った。欧州は夏季休暇が明けたことなどにより、2カ月ぶりの200億円超えで、5カ月連続ですべての国・地域が増加した。北米は米国を中心に自動車や航空機関連の需要が高まり、33カ月ぶりの250億円超えとなった。
- 2021年12月8日
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- 2021年12月7日
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工作機械業界で、部材価格や海上運賃の上昇を製品価格に転嫁する動きが広がっている。オークマは10月分から工作機械などの価格を3%上げた。牧野フライス製作所やDMG森精機も2022年から値上げする。各社とも従来から取り組んでいる生産や部品調達の効率化と合わせ、コスト高に対応。収益を改善して事業基盤を強化し、工作機械の安定供給につなげる。
オークマは工作機械などの製品と、施工や修理のサービスを含めて3%値上げした。牧野フライス製作所は22年1月の受注分から約3%値上げする。またDMG森精機は「現在顧客と交渉しており、22年からは(価格を)3%は上げたい」(森雅彦社長)としている。芝浦機械も成形機と同様、工作機械も値上げを決めた。
シチズンマシナリーは現状は値上げを予定していない。ただ、中島圭一社長は「この状況がしばらく続けば検討する可能性もある」と価格見直しを示唆する。
工作機械の受注環境は好調が続いている。日本工作機械工業会(日工会)によると、21年9月の受注額は18年9月以来3年ぶりに1400億円を超え、8カ月連続で1000億円を上回った。各社の工場操業率も高水準の状態が続いている。
一方、半導体や電装品をはじめとする部品・部材の不足が続き、製品納期が延びている。さらに鋼材などの部材価格上昇やコンテナ不足による海上運賃高騰が重なっている。
工作機械メーカー各社はこれまで、製造現場の効率化や部品の集中購買などの自助努力により、製品価格の維持に努めてきたが、コスト高は一段と進んでいる。「今後もしばらく部材価格が落ち着く兆候はない」(高山幸久牧野フライス製作所執行役員営業本部長)との見方もあり、各社とも価格転嫁に踏み込む。
- 2021年12月7日
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- 2021年12月6日
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サワイリエンジニアリングは、長尺の加工対象物(ワーク)向け数値制御(NC)加工機「SWSシリーズ」に「SWS6000―WA―24ATC」を追加し、発売した。穴開けやタップ加工、ミーリングを行う主軸とは別に、切断用チップソーを搭載した軸を備える。1台で複数種類の加工が可能で工程を削減できる。価格は2000万円(消費税抜き)から。主にアルミサッシなどの建材加工向けだが、工具を変更すれば他の材質も対応可能。初年度5台の販売を見込む。
新製品は同じく切断用チップソーを搭載したサワイリエンジの「SWS―SAシリーズ」の派生型。以前は切断を行う際、主軸の工具を穴開け用のドリルなどから切断用の丸鋸アングルヘッドに変更し、切断を行っていた。そのため主軸に直行する形で丸鋸が取り付けられていたが、新製品はより頑丈な構造にするため、主軸とは別に平行する形で切断用チップソーを搭載した軸を設けた。チップソーは直径255ミリ―455ミリメートルに対応する。
また、24本の工具を搭載したツインアーム方式の高速自動工具交換装置(ATC)を標準装備。メモリーランダム機能も備え、今まで10秒前後かかっていた工具交換を0・8秒まで短縮した。
主軸はBT(ボトルグリップテーパ)40番で、3・7キロワット、最高回転数は毎分1万回転。対応可能なワークの大きさは6000ミリ×400ミリ×150ミリメートルで、特注でさらに長尺のワークにも対応可能。同社は新製品を含めたSWSシリーズを詳しく知ってもらうため、実機の見学も受け付けている。
- 2021年12月6日
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- 2021年12月2日
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ジーベックテクノロジーは、加工対象物(ワーク)の穴の内径研磨や、交差部のバリを除去する工具「XEBECブラシ 内径・交差穴用 大径タイプ」を発売した。内径20ミリ―35ミリメートルに対応する3製品。加工穴内で回転させ、遠心力でブラシを広げバリを取る。ステンレス鋼や難削材などを研削するセラミックスファイバー線材の製法などを独自に工夫し、内径3・5ミリ―20ミリメートル用既存製品と研削力は同等で、寿命を2倍に延ばした。消費税抜きの価格は8050―1万1500円。
新製品は小さな遠心力でブラシが広がりやすくした。研削によりブラシが摩耗し短くなるが、広がりが増すことで既存品より長寿命化を実現。使用可能回数を約2倍にできた。
内径20ミリ―25ミリメートル、同25ミリ―30ミリメートル、同30ミリ―35ミリメートル用の3種類。ブラシとシャンク(工具の柄)は着脱型を採用し、ブラシだけを交換できる。シャンクを含めたブラシの全長は150ミリメートル。
同社バリ取り工具はマシニングセンター(MC)や自動旋盤などに取り付けて使用する。これまで内径50ミリメートル以上はホイール型ブラシで対応していた。同20ミリ―50ミリメートルに対応する製品がなく、新製品群でカバーする狙い。建設機械や重機械などの部品向けを中心に提案する。
- 2021年12月2日
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- 2021年12月1日
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富士精工は切削加工の切りくずを従来の4分の1以下に細かくできる「パラパラドリル」を開発した。切りくずが加工対象物(ワーク)に絡んだり、引っかかったりするのを防ぎ、品質と生産性向上につながる。エンジンやミッションなど自動車部品向けのほか、電気自動車(EV)関連部品も視野に入れる。自動車以外の業界の開拓も目指す。
「メカトロテックジャパン2021」で公表し、本格販売を開始した。
パラパラドリルは、2枚刃ドリルのフルート(溝部)に、幅0・8ミリメートルの細い溝を左右ずらして施した。「送り速度や切削条件によるが、切りくずは幅0・5ミリ―0・8ミリメートル程度まで細かくできる」としている。
同技術は大手自動車部品メーカーと共同開発し、特許出願中。同メーカーで先行して使用したところ、「切りくずがワークに絡まらず、従来、人の手で対応していた手間が省ける」との評価を得た。同ドリルは直径8ミリメートル以上で製作可能。切りくずの細かさはユーザーニーズに対応し、溝のポジションでコントロールできる。
- 2021年12月1日
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- 2021年11月30日
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スギノマシンは、主軸テーパ30番の小型・立型マシニングセンター(MC)「セルフセンタ SC―V30a」を発売した。
アルミニウム材の切削で従来比約3倍の高効率加工を可能にした。X軸ストロークを700ミリメートル確保しながら機械幅を1440ミリメートルに抑えた。価格は1900万円(消費税抜き)。初年度は年間100台の販売を目指す。
同期スピンドルモーターを採用し、高速回転・高送り切削を強化した。
電気自動車(EV)に使用するダイカストケースのような大型加工物の搭載や多数個取り加工ができ、設置面積当たりの生産性の向上が期待できる。
早送り速度は毎分60メートル、加減速度はX・Y軸が1・3G、Z軸が1・7Gを実現。非切削時間を極限まで短縮した。また、加工室内の配管・配線レスなどで切りくずの排出性を向上するなど、徹底した切りくず対策を図った。
- 2021年11月30日
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- 2021年11月26日
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牧野フライス製作所は自動工具交換装置(ATC)や加工対象物(ワーク)ストッカーを一体化した5軸制御立型マシニングセンター(MC)を発売開始した。自動化に必要な装置・ソフトウエアをワンストップで提供することで、顧客の早期生産立ち上げや長時間連続運転を実現する。価格は7200万円(消費税抜き)。部品加工業向けに年間100台の販売を目指す。
同MC「DA300(自働化パッケージ)」は、ワーク最大寸法が直径360ミリ×高さ300ミリメートルで、主軸の回転速度は毎分最大2万回転。X、Y、Z軸の送り速度は同60メートルと速い。118本の工具を収納可能なATCや40棚のワークストッカーなどを組み込んだパッケージとして提供する。
スケジュール管理ソフトを標準で搭載しており、加工の状態や計画を確認可能。ワークパレットはポリゴンテーパ方式を採用し、精度面での信頼性に加えて3次元方向での位置誤差を最小化できる。
また、加工室内の壁面を急斜面にすることで、切りくずが自重で落下する構造を採用。作業者の清掃作業が不要で、切りくずが原因となる機械の停止時間の短縮も図れる。
- 2021年11月26日
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- 2021年11月25日
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兼房はアルミニウム部材の高速、高精度加工が可能で、取り扱いも容易なヘッド交換式多刃ダイヤフェースミル「NovaE,zDisc(ノバ・イージー・ディスク)」を開発した。
ヘッド部のディスクを交換する新機構は特許出願中。自動車のエンジンや変速機部品の加工のほか、電気自動車(EV)関連向けも視野に入れる。
従来、フェースミルによるフライス加工はチップ交換式のインサートタイプが主流。開発品はディスク型の多結晶ダイヤモンド(PCD)多刃をボルトでボディーに締結するだけで高い刃先振れ精度を確保する。インサートタイプと比べ刃先の高さ調整も不要なため、段取り時間を大幅に短縮できる。
ディスクは刃数12―24、刃径50ミリ―125ミリメートルで5タイプを設定。独自のロウ付け技術により一般的なインサートタイプより刃数を増やせるため高速、高能率な加工が可能。すでに大手自動車部品メーカーで先行採用され、変速機部品加工では送り速度3倍、寿命が1・4倍に向上した。
- 2021年11月25日
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- 2021年11月24日
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タンガロイは、刃先交換式ガンドリル「ディープ・トライ・ドリル」のインサートにAH9130材種を追加し、発売を開始した。価格は「LOGT060204R―NDJ AH9130」が2376円(消費税込み)。初年度1500万円の販売を見込む。
特に鋼、ステンレス鋼、鋳鉄の深穴加工で高い耐摩耗性を発揮し、安定した長寿命を実現する。
ドリル径12ミリ―13・9ミリメートルに対応する2コーナー仕様のLOGT形と、同14ミリ―28ミリメートルをカバーする3コーナー仕様のTOHT形の各インサートに設定し、計7品で構成。両インサートともにチップスプリッター付きで、切りくずが細分化され、切りくず排出性を高められる。そのため、深穴加工でも工具の破損トラブルを低減できる。
ディープ・トライ・ドリルは、従来のロウ付けガンドリルに比べて高送りが可能。深穴加工の高能率化と安定化を実現する。
- 2021年11月24日
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- 2021年11月23日
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日新ダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンド工具(イメージ)の即納体制を整えた。標準品として在庫することで、従来の受注生産では約30日かかっていた納期を短縮。
半導体や電気自動車(EV)関連向けに拡大が見込まれる単結晶ダイヤ工具による鏡面切削加工の需要を取り込む。
単結晶ダイヤ工具は切削摩耗が小さく、高速切削で鏡面が得られる。ただ多結晶ダイヤモンド(PCD)工具と比べ高価なため、業界でも受注生産が主流。同社は単結晶ダイヤをインサート上に特殊接着し、標準品として在庫を持つ。即納体制を整えることで受注の機会ロスを減らし、差別化を図る考えだ。
単結晶ダイヤ工具による鏡面加工は半導体関連向けが好調で、EV関連の需要拡大が見込まれる。第一弾として旋盤加工用で最小の4品番8品目を標準品としてラインアップ。国内のほかアジアや欧州、北米市場などへ投入する方針。
同社はOSGグループ。OSGと連携しての販路開拓も進める。
- 2021年11月23日
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- 2021年11月22日
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本電産マシンツールは、1分間に8000回転の高速加工時でも工具の先端位置を安定でき、加工面の工具間段差を3・5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下に抑えた門型マシニングセンター(MC)を発売したと発表した。
航空機部品やプレスアウター金型など、高精度を求められる大物部品加工に向く。消費税抜きの本体標準価格は9500万円から。年72台の販売を目指す。
投入したのは、主軸の熱伸びを抑制する軸心冷却機能や環境温度変化を受けにくい主要構造体などの熱対策を施した機種「MVR―Hx」。主軸の外筒冷却に加え、内部からも冷却し、高速回転時の主軸熱変位を抑えた。機械を構成する柱(コラム)内に温度制御媒体を封入し、一般的な鋳鉄製コラムに比べ熱容量を8倍に高めた。
一般大物部品加工で多品種少量生産を高効率に行う新機種「MVR―Cx」と合わせ、2026年3月期に全社売上高で現状比約4・3倍の1000億円を目指す戦略機種となる。両機種とも、新開発の操作支援機能を搭載しており、オペレーターの熟練度を問わず操作できる。
同社は21年夏、本社工場に大型工作機械のショールームを新設。実機を見て最適な機種を選べるようにした。
- 2021年11月22日
