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- 2021年11月19日
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住友電気工業は切削工具の高能率粗加工用高送りカッター「SEC―スミデュアルミルDMSW型」に、鋼と鋳鉄に適するインサート(刃先交換チップ)を追加し、発売を開始した。
用途別に計4種類そろえ自動車や航空機、造船、産業機械、金型などの高能率加工に訴求する。消費税抜きの価格は2200円。初年度1億円、2年後に年間2億5000万円の販売を目指す。
鋼用は2種類で、耐熱亀裂性が高い強靱超硬母材で新たな被膜も採用した高速加工用と、耐摩耗・耐欠損性が高い被膜と耐熱亀裂性も高い超硬母材の転削加工用。鋳鉄用も2種類で、耐熱性が高い強靱超硬母材と新たな被膜を採用した高速加工用と、耐摩耗性・耐欠損性が高い被膜と高熱伝導率超硬母材の転削加工用を用意した。
- 2021年11月19日
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- 2021年11月18日
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大昭和精機は、マシニングセンター(MC)内に設置する撮像式機内工具測定器と振れ調整ホルダーを組み合わせて、工具の動的振れ精度を1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下に調整できる「Dyna ZEROシステム」を開発、受注を始めた。
主軸高速回転中の動的振れを高精度測定し、半導体製造装置部品や光学部品金型の鏡面加工など精密切削加工ニーズに対応する。価格は従来機と同等。初年度200台以上の販売を見込む。
新システムは測定器「Dyna ZERO Vision」と振れ調整ホルダー「Dyna ZERO Chuck」を併用。測定器はカメラヘッド、制御パソコン、コントローラー、モニターで構成する。
回転するヘリコプターの羽根が止まって見える現象の「ストロボ効果」を応用した。高速回転する工具を疑似低速化して撮像し、高精度に動的振れを測定。最高12万回転まで対応可能という。
同効果でエンドミルなど工具各刃のR形状など高速回転中の摩耗状態も把握する。チップ式工具などは刃先高さのバラつき具合も確認できる。従来は工具のつかみ直しなど振れ修正作業に数時間かかることもあったが、新システムは数分程度で済む。
調整ホルダーはネジで振れ調整が可能。測定器の計測結果と照合し、ホルダー周囲の調整ネジを最大トルク60センチニュートンメートルで締め付けられる。
- 2021年11月18日
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- 2021年11月17日
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日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の4―9月期の工作機械受注実績は、前年同期比2・1倍の2305億1900万円だった。前年同期は新型コロナウイルス感染症の影響があったことに加え、その後の世界的な経済活動の再開に伴って中国需要の拡大とともに欧米や日本でも回復が進んだ。
10月以降の下期も受注環境はおおむね堅調に推移する見通しだが、部品・部材不足の早期解消が見込めないことから受注活動への影響が懸念される。
牧野フライス製作所は、輸出が4―9月期として過去最高を更新した。中国での電子機器や電動車向けの需要増加に加え、米国でも半導体製造装置や自動車、医療機器向けが増えた。下期も「上期ほどの高水準とはいかないまでも、前年比増加傾向を維持する」見通しだ。
オークマは19年4―9月期と比べて約1割増となり、コロナ禍前の水準を回復した。9月単月も堅調に推移しており、国内は半導体製造装置向けが引き続き好調なほか、「ロボット向け減速機などほかの業種にも広がってきた」という。
また、芝浦機械とツガミ、日本電産マシンツール(旧三菱重工工作機械)は、総額、国内、輸出の全項目で2倍以上に伸びた。特に中国市場が強みのツガミは半期として過去最高を更新。中国需要は足元で落ち着いてきたものの「今後も順調に推移する」とみる。
工作機械の需要自体は10月以降も良好に推移するとみられる一方、部品・部材不足の影響は徐々に広がっている。大手工作機械メーカーの担当者は「部品の調達納期が長引き、機械の納期も延びている。今後も続けば、失注につながるリスクもある」と話す。
- 2021年11月17日
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- 2021年11月16日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した9月の工作機械受注実績(速報値)は、前年同月比71・9%増の1445億9400万円で、11カ月連続の増加となった。
国内外での需要回復が継続したことで内需、外需ともに大幅に伸びた。1400億円を上回るのは2018年9月以来36カ月ぶりで、1000億円超えは8カ月連続となった。
内需は同90・2%増の575億6000万円で、7カ月連続の増加。18年12月以来33カ月ぶりに550億円を上回った。ユーザーの設備投資拡大に加え、補助金による押し上げ効果も加わったと見られる。
外需は同61・7%増の870億3400万円で、11カ月連続の増加。中国のほか、欧米でも需要が堅調に推移した模様で、2カ月ぶりの850億円超えとなった。
受注環境は今後も堅調さが見込まれる一方で、部品・部材の逼迫や原材料価格の高騰などによるユーザーへの設備投資減退の影響も懸念される。また、日工会では「中国での電力不足の問題が工作機械の受注に今後どう影響が出るかがまだ不透明」(調査企画部)としている。
- 2021年11月16日
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- 2021年11月15日
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OSGはタップを生産する八名工場で植物由来の廃食用油を加工に使用する実証実験を始めた。前工程の荒ネジ転造加工でテストし、切削工程での検証を進める。
廃食用油を工作油に再利用するのは全国初という。良い結果が得られれば今後、他工場にも展開していく。
廃食用油から不純物を取り除き、複数の廃食用油などを混ぜ合わせることで、日本産業規格(JIS)に適合する工作油とする。鉱物油と比べコスト高だが、油の引火点が高いため燃えにくく、火災発生リスクは低くなる。斎藤塗工店(愛知県豊橋市)の依頼を受け、実証実験を始めた。
八名工場の乗松顕太朗製造技術担当は「これまでの結果は良好で、加工における工具品質にも問題はない」としている。植物由来であるため、作業者に優しく、日本政府が打ち出したカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の目標にも貢献する。
大沢二朗常務執行役員は「安価で大量に使用している鉱物油をすべて置き換えるのは難しいが、廃食用油の再生利用を進め、環境に優しい取り組みに挑戦したい」としている。
- 2021年11月15日
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- 2021年11月12日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した9月の工作機械受注実績(速報値)は、前年同月比71.9%増の1445億9400万円で、11カ月連続の増加となった。国内外での需要回復が継続したことで内需、外需ともに大幅に伸びた。1400億円を上回るのは2018年9月以来36カ月ぶりで、1000億円超えは8カ月連続となった。
内需は同90.2%増の575億6000万円で、7カ月連続の増加。18年12月以来33カ月ぶりに550億円を上回った。ユーザーの設備投資拡大に加え、補助金による押し上げ効果も加わったと見られる。
外需は同61.7%増の870億3400万円で、11カ月連続の増加。中国のほか、欧米でも需要が堅調に推移した模様で、2カ月ぶりの850億円超えとなった。
受注環境は今後も堅調さが見込まれる一方で、部品・部材の逼迫や原材料価格の高騰などによるユーザーへの設備投資減退の影響も懸念される。また、日工会では「中国での電力不足の問題が工作機械の受注に今後どう影響が出るかがまだ不透明」(調査企画部)としている。
- 2021年11月12日
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- 2021年11月4日
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タンガロイは、直角肩削りカッター「タング・レック11」シリーズに、非鉄金属加工用多結晶ダイヤモンド(PCD)インサートを追加し、発売した。従来の超硬インサートと合わせ、近年増加傾向にある非鉄金属加工のトータルツーリングが可能となる。
価格は代表型番の「ASGW11T302PDFR―D DX110」が1万2430円(消費税込み)。初年度300万円の販売を見込む。
切れ刃形状の最適化により従来のPCD工具に比べて切削抵抗を低減可能。直角肩加工時の壁面精度も大幅に高められる。非鉄金属の超高速加工にも対応し、アルミニウム材の加工でも高い工具寿命を実現する。
またPCDには超微粒系のDX110材種を採用。刃立ち性に優れ、高品位の安定した仕上げ面が得られる。
- 2021年11月4日
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- 2021年11月1日
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スター精密は小径部品加工を主要ターゲットにしたスイス型(主軸移動型)自動旋盤「SLシリーズ」に2モデルを追加し、発売開始した。小径部品の複雑形状化や多様化する加工ニーズに対応するため複合加工能力を強化した。消費税抜きの価格は820万円。情報通信機器、自動車、医療分野などで拡販し、2機種で年間240台の販売を目指す。
追加したのは棒材の材料径7ミリメートルまでに対応する「SL―7」、同10ミリメートルまでに対応する「SL―10」。正面加工用のくし歯刃物台にカートリッジ式クロスドリルユニット5軸型を搭載。4カ所のカートリッジポジションに各種工具ユニットを装着し、多様な加工に対応する。背面側での複合加工能力も充実し、効率的な工程分割によりサイクルタイム短縮を図る。
段取り替え時などで作業スペースを確保するため、切削室側に大開口の跳ね上げ式ドアを採用したほか、作業者側に角度を付けた数値制御(NC)画面を操作パネルに配置。操作性、作業性に配慮した。
- 2021年11月1日
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- 2021年10月29日
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タンガロイは、自動盤向けヘッド交換式工具シリーズ「モジュ・ミニ・ターン」でY軸加工用ヘッドを発売した。切りくずトラブルを解消し、生産性向上につなげられる。価格は主な型番の「QC12―JSDJ2CR11―Y」が2万2220円(消費税込み)。初年度5000万円の販売を見込む。
切れ刃が加工対象物(ワーク)側面に位置し、すくい面を下向きにすることで、切りくずをワークに絡ませずに下方に落とせる。また、切削抵抗の主分力方向が工具の長手方向と一致して工具剛性が高くなるため、びびりに強く、負荷の大きな加工でも高い安定性を発揮できる。
同シリーズは独自カップリングにより、ヘッド脱着時の繰り返し刃先位置精度5マイクロメートル以下(マイクロは100万分の1)を実現。高い繰り返し精度で工具交換時間を大幅に削減できる。
- 2021年10月29日
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- 2021年10月28日
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日本工作機械工業会が日発表した8月の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比85・2%増の1259億300万円で、10カ月連続の増加となった。3カ月ぶりの1300億円割れとなったが、6カ月連続で1200億円以上の水準を維持しており、回復傾向が継続している。
内需は6カ月連続の増加で、3カ月連続の440億円超え。夏季休暇の影響があったものの、事業再構築補助金の採択案件などが需要を下支えし、前月比は微減にとどまった。主要4業種はすべて前年同月比増加。一般機械の中の金型が61カ月ぶりに30億円超えとなり、金属製品も23カ月ぶりに40億円を上回った。
外需は10カ月連続の増加で、800億円を上回るのは6カ月連続。北米は欧州とアジアを含めた主要3極では唯一、前月比、前年同月比ともに増加となった。欧州は2カ月ぶりの200億円割れとなったが、稲葉善治会長(ファナック会長)は「バカンスシーズンにあってむしろ健闘した」と捉える。
アジアは7カ月ぶりに400億円を割り込んだ。中国が3―5月の水準と比べて鈍化。東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)の影響も重なった。ただインドは、7カ月連続の増加で緩やかな回復を持続している。
また部品・部材は引き続き逼迫(ひっぱく)している状況で「工作機械の納期も延びつつある」(稲葉会長)という。
- 2021年10月28日
