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- 2021年2月26日
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遠州工業は、主軸の回転数を変更する際にベルトの掛け替えが不要なタッピング兼用ボール盤「ESS460MT―QCR」を発売した。
回転数変更の段取りにかかる工数を大幅に削減でき、ベルト掛け替え時に回転物に巻き込まれる危険も防げる。消費税抜きの価格は150万円。
スイッチ操作により回転数を電気制御する。低速と高速の二つのギアがあり、それぞれ毎分125―473回転で13段階、同529―2000回転で13段階の計26段階の変速が可能。
従来機種は機械上部のカバーを開けて、人手でベルトの位置を変えることで回転数を調整していたため、段取りに手間がかかっていた。また、作業中に誤って機械が運転してしまうと巻き込まれる危険があった。変速も6段階までしか対応できなかった。
多品種少量生産の中小製造業や、大手メーカーの試作部門などに売り込む。すでに大手自動車メーカー向けで1台の採用が決まっている。
- 2021年2月26日
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- 2021年2月24日
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ノダキは、工業用内視鏡を拡販する。2020年末に同内視鏡専用のウェブサイトを刷新した。また取り扱いメーカーを10社程度に増やし、機械工具商社として顧客の要望に合致した製品を紹介できる体制を築いた。
工業用内視鏡の国内市場は約60億円。品質管理や工場設備、航空機のメンテナンスなどで用いられる。国内で流通する製品の大半はオリンパス製。世界で高シェアを握る独カールストルツ製など、他社メーカーの導入事例は少ない。
ノダキの専用ウェブサイト「工業用内視鏡ドットコム」では、これらの海外製品を加えて多様な工業用内視鏡を紹介。動画投稿サイト「ユーチューブ」を活用し、内視鏡の使い方や種類、用途提案などの動画を配信する。今後は他の会員制交流サイト(SNS)活用も検討。工業用内視鏡を身近に感じてもらうことで、国内市場の活性化につなげる。
- 2021年2月24日
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- 2021年2月22日
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日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の2020年(暦年)の工作機械受注実績は、前年比31・1%減の2545億500万円となり、2年連続の減少となった。米中貿易摩擦の継続に、年初からの新型コロナウイルス感染拡大の影響が重なり、各地域で設備投資が低迷。ただ年央以降、受注環境は中国を中心に持ち直しており、21年は日本や欧米の需要回復の度合いが注目される。
全社が減少となる中、ツガミは唯一輸出が増加し、総額も微減にとどめた。高いシェアを持つ中国で「自動車を中心にほとんどの業種で受注が伸びた」ほか、インドも4輪車、2輪車向けに需要が回復しているという。
牧野フライス製作所は、中国が1―3月期を底に受注が回復したのをはじめ、日米欧も「期を追うごとに徐々に戻ってきたが、回復が弱かった」ことで、10年ぶりに400億円台に落ち込んだ。
オークマも800億円台で10年ぶりの低水準。「コロナ禍で需要が見通せない中、ウェブ会議や展示会などを活用し、なんとか踏みとどまった印象」だ。
21年の見通しは「北米は21年度の設備投資に期待している」など、中国以外の地域を含めておおむね緩やかな回復を見込む声が多い。大手工作機械メーカー首脳は「これまで続いた調整期から今は回復期へ入っている」と現状を捉える。一方、「国内は依然低調で、海外、特に中国頼みの感が強い」との見方もある。
20年12月単月の受注額は前年同月比7・3%増の271億9500万円となり、単月ベースでは25カ月ぶりの増加に転じた。OKKと三菱重工工作機械は輸出が大幅に増加した。三菱重工工機はインドでの4輪車向け歯車工作機械の大口受注が寄与した。
- 2021年2月22日
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- 2021年2月19日
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韓国のUNDは、組立工場などの協働ロボット向けに、部品をつかむ部分のアタッチメントを磁力で素早く交換できる自動工具交換装置(ATC)と部品搬送用の磁気グリッパーを開発した。米国に続き日本での販売も近く開始する。
「マグボット(Magbot)」と名付けた製品群は、デンマークのユニバーサルロボット(UR)の協働ロボ用。
スイッチングによる磁気の切り替えで協働ロボに取り付けた本体と、工具側のアタッチメントとを接続・切り離しできる仕組み。同社によれば、これまでの空圧や機械式のATCに比べて、ワイヤレスのため機構がシンプルなほか、交換時間の短縮、設置コストの低減が図れるという。ATCに加え、可搬重量10キロ―16キログラムまでの強磁性の部品や材料を磁力で吸着して運搬できる磁気グリッパーも3種類用意。
- 2021年2月19日
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- 2021年2月18日
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2020年の企業倒産は、8000件を割る記録的な低水準になった。帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)がまとめたところ、TDBは前年比6・5%減の7809件で、00年以降で2番目に少なかった。TSRは同7・3%減の7773件で、30年ぶりに8000件を割った。2社とも前年を下回るのは2年ぶり。新型コロナウイルス感染拡大が経営の重荷となったが、政府や金融機関の資金繰り支援策が倒産の歯止め役になった。コロナ禍は続いており、21年は増加に転じると懸念する声があがる。
感染拡大による消費低迷の影響を受けた飲食、宿泊は倒産が目立った。飲食はTDBが同6・6%増の780件、TSRが同5・4%増の842件で、いずれも過去最多だった。一方でTDBは全7業種、TSRは全10産業中6産業が前年を下回った。建設業は2社とも2ケタ減で、TDBでは過去最少。
同時に発表した20年12月の倒産件数は、TDBが前年同月比22・0%減の552件で、5カ月連続で前年同月を下回った。00年以降の12月で最少。TSRは同20・7%減の558件で、6カ月連続で前年同月を下回った。12月では、71年以降で2番目の少なさ。
21年の見通しについて、TSRは「(資金繰り支援策の)返済期に入るが原資を確保できない企業が出る」と懸念する。TDBは20年度末に向けて増加局面に移る可能性があるとして「20年よりも倒産件数が増えるだろう」と見込む。
- 2021年2月18日
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- 2021年2月17日
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高松機械工業は工作機械メーカーとしては珍しく、創業当初から加工対象物(ワーク)を固定するコレットチャックを内製している。現在も旋盤の特性を熟知した22人の専門スタッフによるコレットチャックの製造部門「コレット課」を置く。モットーは「高精度、短納期、高耐久性」(宮田淳コレット課課長)。モノづくりの姿勢や性能の認知度向上に向けて、新たな取り組みを始めている。
2018年にカタログを一新し、コレットチャックの用途が分かるよう型式を変更した。カタログには標準品のほかユーザー自身が加工して成形する「ブランク製品」も数多く取りそろえ、15時までの注文で当日出荷が可能な体制を取っている。
20年からは動画投稿サイト「ユーチューブ」によるブランク製品の成形方法の配信も始めた。11月24―26日に本社工場で開催した自社展「FAソリューションズフェア2020」でもコレットチャックを紹介している。
最近は生産量の65%を占める特殊品の製造に注力している。20年11月には主に特殊品を加工する専用機を導入した。提携する台湾の友嘉実業集団(FFG)との協力で開発した機械だ。営業面では自社製コンピューター数値制御(CNC)旋盤と競合しない、研削盤や搬送機向けへの拡販も強化する。
今後の課題は22年4月の新工場稼働による工作機械本体の増産を見据えたコレットチャックの生産能力の増強だ。現状の月産能力2000本程度から、2割程度の能増を視野に入れている。
- 2021年2月17日
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- 2021年2月16日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した2020年の工作機械の年間受注実績(速報値)は、前年比26・8%減の9007億5300万円で2年連続の減少となった。1兆円を下回ったのは10年ぶり。年初からの新型コロナウイルス感染拡大により、設備投資が低迷。受注環境は下期(7―12月)以降持ち直してきたが、上期(1―6月)の落ち込みを補えず、内外需とも2年連続で減少した。
内需は同34・4%減の3233億7600万円で、8年ぶりの4000億円割れ。外需は同21・6%減の5773億7700万円で、リーマン・ショック直後の09年以来11年ぶりに6000億円を割り込んだ。
12月単月は前年同月比8・7%増の979億7500万円で、2カ月連続の増加。19年12月以来、12カ月ぶりに900億円を上回り、20年の単月最高額となった。外需が年度末効果による受注増加などにより、同27・3%増の672億1200万円と2カ月連続で増加。19カ月ぶりの650億円超えとなった。
一方、内需は同17・5%減の307億6300万円で、25カ月連続の減少。12月として8年ぶりの350億円割れで「外需と比べてまだ厳しい状況が続いている」。
- 2021年2月16日
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- 2021年2月5日
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タンガロイは、小型旋盤用工具「Jシリーズ」でヘッド交換式バイトを追加発売した。シャンク(工具の柄)を刃物台に固定したまま、刃先のヘッドの脱着が可能。自動車部品や医療部品、IT部品などの小物加工の大幅な能率改善につなげられる。
ヘッドの価格は、主な型番の「QC12―JSDJ2CR11」が1万1900円(消費税抜き)。ヘッドとシャンク合わせて、初年度に2億5000万円の販売を見込む。
ヘッドは外径加工用と後挽き用、溝入れ加工用をそろえた。シャンクは12ミリメートル角サイズで、長さは85ミリメートルと120ミリメートルの2種類。
自動旋盤でのインサート(刃先交換チップ)の交換が容易になる。取り付け精度にも優れ、交換後も刃先位置が変化しない。また段取り変更時でも、各ヘッド長が統一されていることでヘッド交換後すぐに加工を再開でき、機械の停止時間を大幅に短縮できる。
小型部品を加工する自動旋盤は機内スペースが狭く、刃物台に工具を付けたままでのインサート交換が難しいため、機械を長く停止させる必要があった。
- 2021年2月5日
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- 2021年2月4日
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ダイジェット工業は両面4コーナー仕様の荒加工用工具「マックスマスター」に、幅広い被削材に対応するための用途別インサート(刃先交換チップ)を拡充した。
汎用ブレーカーとなる「ENMU―PH形」は、切れ味と刃先強度を兼ね備えたブレーカーにより耐欠損性に優れ、高負荷切削に対応する。低抵抗ブレーカーの「同SL形」はシャープな刃先形状などを備え、チタン合金や耐熱ステンレス鋼など難削材を安定加工できる。
そのほかに高硬度材加工用などをそろえた。炭素鋼から焼入れ鋼、高強度ステンレス鋼、チタン合金などの難削材の平面、ポケット、ヘリカル、曲面、溝削りの加工で幅広く使える。価格は全インサート共通で1180円(消費税抜き)。
- 2021年2月4日
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- 2021年2月3日
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三菱マテリアルは、転削加工用コーテッド超硬材種「MV1020」インサート(刃先交換チップ)に26型番を追加し、発売した。
インサート型番を主要カッターに展開し、MV1020の用途拡大を図る。価格は代表型番の「LOGU1207320PNER―M MV1020」が3300円(消費税抜き)。
高能率加工用多機能カッター「VPXシリーズ」搭載用の24品、両面インサート式汎用肩削りカッター「WWXシリーズ」搭載用の2品を追加した。
MV1020は高いアルミニウム含有比率でも結晶構造が変化しない独自のコーティング技術を採用。硬さに加えて耐酸化性も大幅に高め、優れた耐摩耗性を実現した。耐熱衝撃性も強く、熱亀裂が発生しやすい湿式切削でも加工安定性を高められる。
- 2021年2月3日
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- 2021年2月2日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽協)がまとめた2020年の新車販売台数は、前年比11・5%減の459万8615台だった。2年連続の前年割れ。新型コロナウイルス感染症拡大による販売不振で2ケタ減となった。東日本大震災があった11年(同15・1%減)以来の減少幅となり、4年ぶりに500万台の大台を下回った。
登録車、軽自動車ともに前年実績を下回った。登録車は同12・3%減の288万527台となり3年連続で前年実績を下回った。軽は同10・1%減の171万8088台と2年連続でマイナス。
登録車の車種別では乗用車が同12・2%減の247万8832台、貨物車は同12・7%減の39万2361台。軽の車種別では乗用車が同10・0%減の133万1149台、貨物車が同10・3%減の38万6939台だった。
12月単月の新車販売台数は前年同月比10・2%増の37万9896台と3カ月連続のプラスだった。登録車は同7・4%増の24万3753台。新型車効果に加え、前年が消費増税の実施で需要が低水準だったため反動増となった。軽は同15・4%増の13万6143台で3カ月連続のプラス。前年の新型車を待つ買い控えによる反動増などが主な要因だった。
緊急事態宣言中だった20年5月を底に回復基調が続いていた。しかし、感染が再拡大したことで政府は東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に緊急事態宣言が発出。自販連は「今後もコロナ次第。収束度合いにより販売に与える影響が出てくる可能性がある」と指摘。全軽協も「再びコロナの陽性者数が拡大し、市場への影響を注視していく必要がある」と今後の見通しは不透明な状況だ。
- 2021年2月2日