-
- 2021年2月1日
-
DMG森精機は、工作機械に使われるさまざまなプロトコル(通信規約)に対応する通信デバイス「IoTコネクター」を開発し、同社の工作機械に標準搭載すると発表した。同社製工作機械と他社製品を含めたIoT(モノのインターネット)システムとのネットワーク接続が可能となり、工場のデジタル化促進につなげられる。
同デバイスは「MTConnect」「OPC UA」「MQTT」の各プロトコルに対応する。工作機械の制御盤に組み込むことで、各プロトコルを通じてネットワーク接続が可能となる。
オンラインによるサポートサービスとして、同社の修理・復旧拠点と接続し、機械トラブルを遠隔解決する。問題解決に必要なデータをオンラインで修理・復旧拠点に転送できるファイル転送機能なども提供する。
また、最新のセキュリティーアップデートやアプリケーション(応用ソフト)をオンラインで提供する。
- 2021年2月1日
-
- 2021年1月29日
-
日本工作機械工業会(日工会)(飯村幸生会長・芝浦機械会長)は1月7日、2021年の年間受注総額が20年(推定)に比べて33.2%増の1兆2000億円になるという見通しを発表した。新型コロナウイルスの影響や各国の通商問題といった不安要素はあるものの、半導体製造装置や自動車関連などの旺盛な需要を背景に、徐々に回復が進むとみる。
内外需の内訳は、内需が4500億円、外需が7500億円。飯村会長は、「新型コロナや各国対立による通商や安全保障面の不安が引き続き足かせとなる可能性があるものの、中国では幅広い業種での好況が継続するほか、新政権による経済政策の効果が期待される日本や米国、欧州やインドなどでも景気改善が進むと思う」と述べた。
業種別では、半導体製造装置関連需要の高まりや自動車関連需要の回復が期待される。飯村会長は、「データセンタ増設、テレワークの普及、巣ごもり需要、次世代携帯端末の製造などが追い風となり半導体製造装置関連需要は高水準で推移する」とし、「また、新車販売の回復を受けてCASEやMaaSへの対応など、多様なテーマを抱える自動車関連需要も外需を中心に回復が進む」と先行きへの期待感を示した。
20年は、19年比26.6%減の9007億円となる見込みで、10年以来10年ぶりに1兆円を下回った。一方で、4‐6月期を底に徐々に回復傾向にあり、12月には前年同月比8.7%増の979億円(速報値)まで持ち直している。日工会は、「(21年は)月を追うごとに、水準が上がっていくのではないかとみている」とする。
ニュースソース:日本産機新聞(https://nihonsanki-shimbun.com/)
- 2021年1月29日
-
- 2021年1月28日
-
DMG森精機は、デジタル化による製造支援に向けた新会社「T Project(Tプロジェクト)」を設立したと発表した。生産性向上に必要なアプリケーション(応用ソフト)を作成するプラットフォーム(基盤)サービスの展開を強化するのが狙い。資本金は1000万円で、DMG森が全額出資した。製造業を中心に生産現場の改善ニーズを取り込む。
新会社は、資本業務提携している米チューリップが開発した同サービス「チューリップ」の国内販売を手がける。工作機械ユーザーに加え、医薬品製造や食品加工、物流業、不動産業などを幅広く開拓する。
チューリップを利用し、作業手順書や品質管理、機器モニタリングなど多様な機能を持つアプリを作成できる。プログラミングの知識も必要なく使いやすい。計測システムや稼働しているシステムなどとも連携するため工程改善につなげられる。価格は1ライセンス当たり年間36万円(消費税抜き)。
- 2021年1月28日
-
- 2021年1月27日
-
乗用車メーカー8社がまとめた11月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比0・3%減の236万3399台だった。8月以降3カ月ぶりの減少だったものの、世界生産でトヨタ自動車が11月単月で過去最高を記録し、ホンダとスズキも前年同月を上回った。世界的な新型コロナウイルス感染症の収束がまだ見通せない中、一進一退の攻防が続く。
海外生産は同0・8%増の161万5373台だった。アジアでは中国市場が好調をキープしている。中国でホンダが同20・0%増の18万3487台と11月単月としては過去最高で、6カ月連続で単月での過去最高を記録。スポーツ多目的車(SUV)「CR―V」などが販売好調で生産台数を押し上げた。
トヨタ、日産自動車なども前年同月を上回った。スズキは主力市場のインドが秋の祭事シーズンの需要増で同5・9%増の15万163台で4カ月連続で増加した。東南アジア市場は本格的な回復には至っていない。
米国ではホンダが同5・8%増の8万9138台だった。一方、SUBARU(スバル)は部品輸送の遅れで生産調整を行い、同33・6%減の2万2661台。日産もSUV「ムラーノ」などの減少により同16・9%減の4万7591台と低調だった。
国内生産は同2・5%減の74万8026台で3カ月ぶりに減少した。SUV「ハリアー」や小型車「ヤリス」など新型車が販売好調のトヨタと、新型車種を中心に需要が回復傾向にあるホンダ以外は、前年同月を下回った。
- 2021年1月27日
-
- 2021年1月26日
-
牧野フライス製作所は、鋳物メーカーなどと軽量・高剛性の新素材を開発し、2021年度中に工作機械の可動構造部に適用すると発表した。構造部の移動を高速化でき、生産性の従来比85%向上と加減速の消費電力の同45%低減を実現する。高性能化に加え、「持続可能性という新たな付加価値を顧客に提供する」ことで工作機械の拡販につなげる。
新素材の「ATHIUM(アシウム)」は、同社と田島軽金属、ヒノデホールディングス、日之出水道機器の4社で共同開発したアルミニウム鋳造品。金属組織の制御の適正化やバラつきを抑える高度プロセス管理により、ネズミ鋳鉄と比べて重量を60%低減しつつ同等の剛性を実現した。
牧野フライスは工作機械のコラム(柱)やテーブル、主軸のボディーなどに適用する。高速移動中のたわみを抑えられるほか、軽量化により移動物やボールネジ、モーターなどのイナーシャ(慣性)を全体で従来比50%削減できる。
工作機械への適用による効能などを踏まえ、今後は「ロボットや半導体製造装置メーカー、自動車などの高速移動体の分野にも提案していく」方針だ。
- 2021年1月26日
-
- 2021年1月25日
-
シチズンマシナリーは、主軸台移動型コンピューター数値制御(CNC)自動旋盤「シンコムL3212型」で、B軸用自動工具交換装置(ATC)搭載機を4月に発売する。価格は1656万円(消費税抜き)。月産4台を見込む。
最大加工径が直径32ミリメートルで、斜め加工を行うB軸ツールの自動交換により、複合・複雑加工に対応する。切削室内に配置した工具マガジンからATCスピンドルに工具を直接受け渡しするため、機械を止めずに4秒で工具を交換できる。
1度の段取りで13本のB軸用ツールをセット可能。インプラントなどの医療部品をはじめとする複雑部品加工のほか、複数部品を1度の段取りで連続加工できる。ダウンタイムを削減し、多品種少量生産にも対応する。
オプションで同社独自の低周波振動切削(LFV)技術も併用でき、切削加工の切りくずによる課題解決につなげられる。
- 2021年1月25日
-
- 2021年1月22日
-
日本工作機械工業会が発表した11月の工作機械受注実績は、前年同月比8・6%増の886億8000万円となり、2018年9月以来26カ月ぶりに増加に転じた。850億円を上回るのは11カ月ぶり。中国を中心に外需の回復傾向が続き、内需の低迷を補った。1―11月の累計額は8027億7800万円となり、年間の累計受注額見通しの8500億円超えはほぼ確実な状況。21年も外需がけん引する形での回復傾向が続きそうだ。
内需は24カ月連続で前年同月を下回り、2カ月連続の300億円割れ。新型コロナウイルスの感染再拡大の影響などにより、投資の慎重姿勢が強まっている。
業種別では、10月まで回復傾向が続いていた自動車が前月比で4カ月ぶりの減少に転じた。日工会の飯村幸生会長(芝浦機械会長)は「自動車関連メーカーで設備投資の選択に迷いが出ている」と現状を捉える。前年同月比で見ても自動車などの主要4業種はすべて減少した。
外需は前月比、前年同月比ともに2カ月ぶりの増加となり、16カ月ぶりに600億円を上回った。中国はインフラやスマートフォン、自動車など幅広い業種で受注増加が続き、20年の最高額を記録。アジア全体では20カ月ぶりの300億円超えとなった。欧州は9カ月ぶりに100億円を上回り、北米は22カ月ぶりに前年同月を上回るなど、緩やかに改善の動きが出ている。
また、日工会が公表した21年1―3月期の工作機械受注予測DI(「増加」と答えた企業の割合から「減少」と答えた企業の割合を引いた値)は、20年10―12月期から24・3ポイント改善のプラス9・5となり、10四半期ぶりのプラスに転じた。同DIは実際の需要動向と連動性が高いことから、飯村会長は「今後、さらなる受注水準の高まりが期待される」とした。
- 2021年1月22日
-
- 2021年1月21日
-
津田駒工業は、金沢市の本社工場にロボットセル2基と横型マシニングセンター(MC)3台で構成し、約50種類の繊維機械の部品を加工する完全自動化ラインを自社で構築した。従来7台の横型MCを使用していた工程を集約し、5人の作業者を1人に削減した。加工対象物(ワーク)や治具のストッカーを組み合わせて連続自動運転や夜間の無人化も可能。投資額は約3億円。
完全自動化ラインでは、2基のセルの片方が停止しても一方で生産を継続できる。生産スケジュール管理機により、短納期のワークを優先する柔軟な対応も可能にした。セルはワーク搬出入用と、治具をボルトで固定するナットランナー用の計2台のロボットで構成する。
一連のフローは、搬送装置がストッカーから、仕切り網を使って素材を段積みしたパレットを出入庫ステーションに運ぶ。ワークの搬出入を担当するロボットはパレットから画像認識でワークを確認し、6種類のハンドや反転台などを駆使して固定する治具のベースに置く。同時に仕切り網も専用ラックにかける。
治具も搬送装置でストッカーからセルに装備した割出台に運ぶ。割出台は90度傾きワークを平置きで固定できる。台に設置した津田駒製数値制御(NC)円テーブルの割出機能でベースの4面にワークを搭載できる。ロボットが固定を確認後、搬送装置がワークと治具をMCのパレットチェンジャーに送る。
加工後はナットランナーロボットが治具の離脱とエアブローによる洗浄を行う。ボルトで締める治具とロボットを併用するため、高額な油圧の自動治具が不要。
津田駒工業は今後、自動化提案事業「ツダコマ・ロボティック・インテグレーション(TRI)」の事例として公開する。
- 2021年1月21日
-
- 2021年1月19日
-
ジェービーエムエンジニアリングは、CAD/CAM(コンピューター利用設計・製造)ソフトウエアの教育動画を配信する製造業支援の総合ウェブサイトを2021年9月までに開設した。ソフトの卸売先である取引企業の新人教育用に製作してきた動画の内容を充実させ、CAD/CAMソフトの顧客企業に有料で配信する。サービスのオンライン化ニーズやデジタル変革(DX)の進展もつかみ、新たな教育事業を創出する。
ジェービーエムエンジは米CNCソフトウエア製CAD/CAMソフト「マスターキャム」の総代理店で、世界トップの販売実績を持つ。顧客サポートではすでにインターネットで遠隔サポートを実施し、6月には技術サポートの契約企業にウェブサイトでの講習も開始した。取引企業の新人教育用にも実験的に6月から動画を無料配信している。初級者から上級者までオンラインの教育ニーズが高まっていると判断し、製造業をサポートする総合サイトで有料動画を配信する。
動画の料金や目標契約数などの詳細は今後詰める。技術サポート契約を結ぶ約5000社の顧客を潜在需要と想定している。CAD/CAMの初級から5軸加工などの上級まで、代理店とも協力して、こつや事例も盛り込んだ動画を提供する予定だ。
小谷社長は「取引企業向けの動画は評判が良く、いつでもどこでも視聴したいという要望も強い。5G(第5世代通信)が進めば、さらにリアルな内容にできる。サブスクリプション(定額制)型サービスとして取り組みたい」としている。
- 2021年1月19日
-
- 2021年1月15日
-
日本工作機械工業会が発表した11月の工作機械受注実績は、前年同月比8・0%増の882億2200万円で、26カ月ぶりに増加に転じた。2020年では最高額となり、11カ月ぶりに850億円を上回った。中国を中心に外需が大きく伸び内需の低迷を補った。
内需は同15・2%減の265億9100万円と、24カ月連続の前年割れ。300億円を下回るのは2カ月連続で、国内の受注環境は依然として低水準の状態が続いている。日工会では「新型コロナの再拡大の影響で、一部ユーザーの中では設備投資に慎重さが増している」と指摘する。
一方、外需は同22・5%増の616億3100万円で、2カ月ぶりの増加となった。600億円を上回ったのは16カ月ぶりで、2020年で最高額となった。中国でスマートフォンや自動車など幅広い業種で需要回復が続いており、外需全体をけん引している。
20年1―11月の累計額は8023億2000万円(前年同期比29・6%減)となった。12月も新型コロナウイルスの感染再拡大が及ぼす影響などが懸念されるものの、日工会の年間見通しである8500億円を超えることがほぼ確実となった。
- 2021年1月15日
-
- 2021年1月14日
-
ユーベックは、アルミニウムダイカストの切削加工で発生する切りくずとクーラント液を同時に回収できる小型マシニングセンター(MC)向けのクーラントポンプシステムを開発した。切りくずの切断機能を搭載し、ポンプ詰まりによる機械トラブルを低減して生産性向上につなげる。集中クーラント方式で50―60台連結の場合、配管工事費別でMC1台当たりの価格は約150万円(消費税抜き)。
通常のクーラントポンプ入り口にある羽根部分を改造し、回収した大きな切りくずを細かく切断する。切りくずが直径20センチメートル程度の固まりになっても切断し、圧送できる。
使用するポンプは出力750ワットと小型で、処理能力は毎分120リットル。回収タンク1台当たりの設置面積は0・5×1・5メートルと省スペース化した。
回収したクーラント液は精密濾過システムに圧送し、円筒状カートリッジフィルターでスラッジを除去する。除去能力は20マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以上。同フィルターは1年間の保証付き。精密濾過システムの設置面積は2×6メートル。濾過したクーラント液は再びMCに送り込む。
自動車部品メーカーなどに年間10システムの販売を目指す。最適な使い方など効率的なクーラント液管理の提案を通じ、拡販につなげる。
- 2021年1月14日
-
- 2021年1月13日
-
黒田精工は、精密成形平面研削盤「GS―45Vs」とチャック長さが1200ミリメートルの精密平面研削盤「同―126CVs」の2機種を発売した。油圧作動ではなく、同社の精密ボールネジとサーボモーター送り機構を搭載。省スペース化と消費電力削減を実現した。価格はそれぞれ非公表。45Vsは年間20台、126CVsは同10台の販売を目指す。
45Vsは砥石を成形でき、複雑な研削加工に対応する。チャックサイズは長さ450ミリ×幅150ミリ×高さ70ミリメートル。最大積載量は70キログラム。油圧タンクをなくしたことで所要床面積を40%削減し、消費電力は約3分の1になった。
従来はテーブル下の油圧シリンダーを動かして研削していたが、油圧タンクが熱源となり、装置全体の温度が上がるため精度維持が難しかった。
ボールネジにしたことで油漏れがなくなり、位置決め精度も向上した。機械寸法は幅2040ミリ×奥行き1280ミリ×高さ1950ミリメートル。
126CVsはチャックサイズが長さ1200ミリ×幅600ミリ×高さ100ミリメートル。最大積載量は1500キログラム。機械寸法は幅4220ミリ×奥行き3070ミリ×高さ2280ミリメートル。
両機ともに作業者の操作を支援するソフトウエア「GS―スマートタッチ」を搭載可能。砥石の表面を研いで切れ味を戻す「ドレッシング」や、砥石の加工対象物(ワーク)への当たり出し作業を自動化する。
- 2021年1月13日
-
- 2021年1月12日
-
2020年の工作機械業界は、米中対立と新型コロナウイルスの二重苦に直面した。19年から続く米中貿易摩擦による受注低迷に加え、新型コロナの感染拡大で一段と市況が悪化。年間の受注高は10年ぶりに1兆円を割り込む見通しだ。
「設備投資に対する慎重姿勢は依然根強い」。日本工作機械工業会の飯村幸生会長は9月の定例会見で設備投資の冷え込みぶりをこう説明した上で、年間受注見通しを年初公表の1兆2000億円から8500億円に修正した。新型コロナの感染拡大に伴い、主要国での経済活動停滞や移動制限、顧客の設備投資先送りが発生した影響などを折り込んだ。
実際、1―10月の間の単月受注額で、好不調の分かれ目と言われる1000億円を上回った月は一度もない。5月には512億円と10年6カ月ぶりに550億円を割り込んだ。
ただ、その後の経済活動の再開を受け、受注に回復の兆しが見られている。特に中国がけん引役となり、6月以降は受注額の前年同月比減少幅の縮小が継続。日本やインド、米国など中国以外の国でも持ち直しの動きが強まってきている。
21年も、新型コロナの感染再拡大や米中関係などのリスク要因が引き続きくすぶるものの、受注環境は緩やかな回復の流れがおおむね持続しそうだ。
そうした中で主要メーカーでは、製品出荷前の立ち会い検査や製品のPR、商談活動などにデジタル技術を活用する動きが広がる。DMG森精機の森雅彦社長は「デジタルによって、顧客とかなりの部分までつながれるようになった」と手応えを示す。
製造業は以前からの自動化・省人化ニーズに加えて、作業者の衛生に配慮した設備環境の構築やデジタル変革(DX)の推進など多くのテーマを抱えている。21年は工作機械メーカーにとって、こうした潜在需要をいかに喚起し、デジタルも駆使しながら受注を積み上げられるかが試される1年となりそうだ。
- 2021年1月12日