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- 2024年11月25日
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DMG森精機は二つの主軸を搭載したターニングセンター「NLX2500/700 2nd Generation」を発売した。主軸の切削能力を同社従来機比25%向上。刃物台のミーリング能力も同40%高め、マシニングセンター(MC)と同等の性能を備えた。複雑な加工形状への対応力を向上し、工程集約や自動化をしやすくした。電気自動車(EV)や半導体製造装置など幅広い部品の加工に対応する。
シミュレーションによる性能予測と熱変位解析による機械構造の最適化で、長時間の加工でも安定した精度を実現。X軸とZ軸のすべり案内は摺動(しゅうどう)面幅を同10%広げ、振動減衰性と動剛性を高めた。左右の両主軸では同等の切削能力を備える。
ロボットシステムやガントリローダー、棒状の素材を供給する「バーフィーダー」などの自動化システムと組み合わせることで夜間の無人運転にも対応。長時間の連続稼働を実現する立型大容量クーラントタンクも選択でき、安定した長時間稼働を支援する。
NLX2500シリーズは同社のベストセラー機で、新機種が第5世代。
- 2024年11月25日
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- 2024年11月22日
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乗用車メーカー7社の2024年4―9月期連結決算はホンダ、スズキ、SUBARU(スバル)を除く4社が営業減益となった。
7社合計の営業利益は前年同期比6・1%減の3兆9904億円となり、2年ぶりの前年割れとなった。為替のプラス効果があったものの米国や中国、アジア市場での競争激化で販売奨励金の増加などがマイナス影響となった。25年3月期連結業績予想の下方修正も相次いだ。
4―9月期は市場競争環境の激化が顕著だった。日産自動車は主力の米国市場でハイブリッド車(HV)需要を取り込めていないことに加え、在庫削減や競争環境に対応するため販売奨励金の増加が収益を圧迫。営業利益が前年同期比90・2%減と落ち込んだ。マツダも販売奨励金の増加が響き同20・5%減となったほか、三菱自動車は米国やタイなどで販売費を積み増したことがマイナス要因となり、同12・9%減だった。
一方でホンダは販売奨励金の増加などの影響があったものの、商品価値向上に見合う値付けの効果などにより営業増益となった。スズキは収益改善努力に加え、国内4輪事業の価格改定やモデルミックス改善が貢献し、営業利益が同40・7%増と伸長。スバルは米国で小売り販売が堅調な中、販売奨励金の増加を抑制できたことなどが寄与し同19・5%増となった。トヨタ自動車は認証問題の対応で一部車種の生産を停止した影響や一時費用がある中でも、原価改善や営業面の努力で前年並みの利益水準を確保した。
世界販売台数では日本やパキスタン、欧州などで4輪車販売が伸びたスズキ、北米販売が過去最高となったマツダ、東南アジアや北米、日本などが増加した三菱自を除き、4社が前年割れとなった。
25年3月期連結業績予想は日産とマツダが売上高、営業利益を下方修正する一方で、ホンダは売上高を、スズキは営業利益を上方修正した。販売台数目標は三菱自を除き6社が従来予想を引き下げた。
- 2024年11月22日
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- 2024年11月21日
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OSGがM&A(合併・買収)によりダイヤモンド工具事業の展開を加速している。
7月に微細なダイヤモンド工具の製造販売を手がけるコントア・ファイン・ツーリングなどの持ち株会社を買収してグループ傘下に収めたのに続き、子会社の日新ダイヤモンドが10月1日付で、極小径の単結晶ボールエンドミルを得意とするマイクロ・ダイヤモンドの事業継承を決めた。中長期の課題としている微細精密加工分野の開拓に弾みを付ける構えだ。
OSGのベルギーの現地法人がコントアの持ち株会社であるオランダのプレシジョン・ツールズ・ホールディングの全株式を買い取り、完全子会社化した。コントアは眼鏡や眼内レンズを加工する旋盤向けのダイヤモンド工具を扱い、「世界トップクラスのシェアを持つ」。この分野の実績が乏しいOSGグループにとって、新たな顧客層とダイヤモンド工具の研削技術の獲得が期待できる。
また、日新ダイヤが事業継承するマイクロ・ダイヤモンドが扱う極小径のエンドミルやドリルなどのダイヤモンド工具は、大学などの研究施設のほか、半導体や医療関連などが利用している。特に極小径の単結晶ボールエンドミルを製造できるのは同社が世界で唯一とされる。
OSGは以前から、ノダプレシジョンやイタリアのフューディといったダイヤモンド工具メーカーをグループ傘下に置いている。今回のコントアの買収とマイクロ・ダイヤモンドの事業継承でグループ内のダイヤモンド工具の関連会社の売上高は50億円程度に上り、「OSGグループはダイヤモンド工具業界でトップクラスの地位になる」という。
OSGは関連会社の売上高を2030年までに100億円に伸ばす青写真を描く。かつて売上高の過半を自動車業界向けが占めていた同社は、電気自動車(EV)の普及によるエンジンやトランスミッション製造における工具需要の減少を見据え、微細精密加工分野の開拓で顧客の裾野を広げてきた。
現状で自動車向けの売上高は「5割を切っている」状態で、他業種への販売先の平準化は着実に進んでいる。今後も伸長させる微細精密加工で、ダイヤモンド工具は「一つの目玉になる」と大沢社長は期待をかけており、その行く末が顧客層拡大の成否を占う試金石になりそうだ。
- 2024年11月21日
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- 2024年11月20日
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日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の10月の工作機械受注実績は、前年同月比12・9%増の327億4600万円だった。
5カ月連続で増加し、全社がプラスとなった。前月比は0・3%減と3カ月ぶりに減少した。地域や業種、企業ごとに設備投資の動きが異なり、まだら模様の受注環境が続いているようだ。
4社合計の輸出は前年同月比12・2%増と2カ月連続で増加。国内は同14・6%増と3カ月連続で増えた。
オークマは受注総額が同3・0%増と19カ月ぶりに増加に転じた。輸出は大手を中心に中国で電気自動車(EV)向けなどが、米国で航空・宇宙や車向けなどが堅調に推移。国内は半導体製造装置の消耗品関連向けで受注があり、「一般機械向けでも様子見していた設備投資に動きが出てきた」。
牧野フライス製作所は輸出が3カ月連続で増加。「中国で新エネルギー車(NEV)関連や一般機械向けの受注が伸び全体を押し上げた」。国内は4カ月連続で増加し、「低迷した昨年と比べ大幅に伸びた。半導体関連向けでは一部で動きが出ている」という。
中国市場に強いツガミは輸出が同26・0%増と2カ月連続で増加した。同社幹部は「各地で着実に事業を進められた。ただ市場全体の先行き不透明感は続いている」と見る。芝浦機械は国内外で受注が堅調に推移し、「中国で車載用カメラレンズ金型向けに超精密加工機などを受注した」。
10日まで都内で開かれた日本国際工作機械見本市(JIMTOF)では「3軸から5軸加工機への切り替えなど付加価値を高める製品への引き合いが多かった」との声も聞かれ、受注回復の追い風となるのか注目される。
- 2024年11月20日
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- 2024年11月18日
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ユーエフツールは、アクリルやポリカーボネートといった透明のプラスチックの加工時に、優れた透明度を実現するボールエンドミルを発売した。不等分割した3枚刃の採用により、切削面を美しく仕上げられる。自動車用レンズの試作モデルや、製品の外側を透明にした模型などの製造での利用を想定する。
新発売の「PX―EMO」は、通常2枚刃のボールエンドミルを3枚刃にすることで、1枚当たりの刃の寿命を延ばしつつ鋭利さを維持。さらに3枚刃を不等分割して、やわらかいプラスチックの切削に最適な刃形によって切削面粗度の高い加工を持続させられるようにした。
既に自動車関連メーカーや遊戯機器部品メーカーなどへの納入実績がある。今後は、薄膜ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングを施し、耐摩耗性を大幅に向上するモデルの追加も視野に入れている。
同社はエンドミルを主力とする切削工具メーカーで、自動車分野を中心に事業を展開している。
- 2024年11月18日
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- 2024年11月14日
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オーセンテックは、2023年に市場投入したバリ取り機などが好調で、新規ユーザーの引き合いも増えている。
23年に発売した製品のうち、小物から大型対象物(ワーク)まで幅広い加工に対応したバリ取り機「オーデブ・イクノイア」は、ユーザーの声を反映して扱いやすさを高めた。空気の流量を減らしつつ吸引力を高め、消費電力を同社従来機比30%削減した。
また小型の板金洗浄機「オーデブ・ラクーン1000」も強い引き合いがある。水道水をそのまま使用でき、ワークに付着した油や指紋、粉塵などの汚れを両面同時に除去できる。
いずれも「『人手で行っていた作業を自動化できる』と好評を博している」という。
- 2024年11月14日
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- 2024年11月13日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した10月の車名別新車販売は、トヨタ自動車の小型車「ヤリス」が前年同月比5・7%増の1万6830台で首位に立った。1月に同車種の一部改良をしたことなどが寄与した。2位は同26・7%減だったホンダの軽自動車「N―BOX」。N―BOXは年度上期(4―9月)として3年連続、単月ベースでも9月まで4カ月連続で首位を維持していたが、10月は僅差で首位を逃した。
1位のヤリスは2020―23年度に4年連続で登録車で販売台数首位となるなど人気の車種。トヨタは型式指定の申請で不備が見つかった問題で24年6月から約3カ月間、小型スポーツ多目的車(SUV)「ヤリスクロス」の生産を停止したが9月上旬に再開した。10月のヤリスクロスの販売は9655台だった。
N―BOXは23年10月の全面改良以降、24年5月に一度首位を明け渡したものの、翌6月に首位に返り咲いていた。10月は全面改良で販売が伸びた前年の反動があったようだ。9月にアウトドアのテイストを取り入れた新グレード「N―BOX JOY」を追加しており、今後の販売をけん引できるかが焦点だ。
3位はトヨタの「カローラ」で前年同月比25・8%増だった。4月に「カローラセダン」「同スポーツ」などを一部改良したことなどが増販につながった。
同50・8%増と大幅なプラスとなった4位のスズキの軽「スペーシア」は、9月に全面刷新し発売したSUVテイストの「スペーシアギア」が台数押し上げに寄与した。加えて「前年同月がスペーシアのモデルチェンジの直前で、買い控えがあった反動も影響した」(スズキ)とみている。
- 2024年11月13日
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- 2024年11月8日
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北川鉄工所は主力の旋盤用パワーチャックで、加工対象物(ワーク)を把持するジョー(爪)の交換を自動化するシステムを開発した。
旋盤へのワーク着脱を行うロボットが、ハンドを新開発の専用品に持ち変えることでジョー交換を自動化し、段取り替えの工数を低減できる。専用ハンド単体の価格は消費税抜きで360万円。2025年3月期に12件の販売を目指す。
開発したシステム「BR―AJC」では、ジョーを把持するグリッパーにナットランナーを組み合わせた専用ハンドを開発した。新旧ジョーの着脱やネジの締め緩めをこなす。
ほかにもジョーのストッカーや、ワーク搬送用のロボットハンド、多関節ロボットとの締結部(ハンドチェンジャー)などを提供。ロボットは各メーカー製に対応しており、システム開発業者(SIer)や客先の生産技術部門がシステム化を担う。
対象となるチャックは主力の高精度チャック「BRシリーズ」。ジョーのガタつきを抑える新機構で、従来はジョー交換のたびに必要だった成形加工を不要にできる。またジョーの差し込み位置を固定できる専用部品を開発し、自動化に対応した。
ジョー交換に要する時間は1個当たり1分。交換がより速い専用チャックもあるが高価で旋盤の改造が必要となる。手頃な価格の標準品をベースに、部品を段階的に追加導入することで完全自動化まで可能なことから、より導入しやすいとみている。
- 2024年11月8日
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- 2024年11月6日
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乗用車メーカー8社が発表した2024年度上期(4―9月)の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同期比6・0%減の1187万8301台で4年ぶりの前年割れとなった。認証不正の影響で国内生産が減少したほか、中国での新エネルギー車(NEV)市場拡大による競争激化が影響した。
メーカー別の上期の世界生産はマツダ、スズキを除く6社が前年同期を下回った。トヨタ自動車と日産自動車は4年ぶり、SUBARU(スバル)は3年ぶり、ホンダは2年ぶりの前年割れ。三菱自動車とダイハツ工業は2年連続でマイナスとなった。
トヨタはハイブリッド車(HV)「プリウス」のリコールや、認証問題による小型スポーツ多目的車(SUV)「ヤリスクロス」など3車種の生産停止があり国内生産が減少。中国生産も厳しい市場環境が影響した。日産は日本や中国でSUV「エクストレイル/ローグ」、米国でセダン「アルティマ」などの台数減が響いた。
ホンダは国内生産が3年連続で増加したものの海外生産が2年ぶりにマイナス。特に中国はNEV市場の拡大や価格競争激化が影響した。三菱自はタイやインドネシアの生産が減少し、ダイハツは国内外とも減少した。
一方、マツダは国内生産の減少を海外生産の増加がカバーした。SUV「CX―50」などの生産が伸び世界生産は3年連続の増加。スズキはインド生産が上期として過去最高となったほか国内生産が増加。世界生産は2年ぶりの増加となった。
9月単月の8社合計の世界生産台数は前年同月比11・3%減の207万1585台。5カ月連続でマイナスとなり全社が前年割れとなった。
- 2024年11月6日
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- 2024年11月4日
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シージーケーは、卓上型精密カシメ機の「TOP―100」に荷重表示機能を搭載した新バージョンを発売開始した。弱電・自動車・医療機器業界などの需要を見込む。消費税抜きの価格は71万円。年間60台の受注を見込む。
表示部を本体に内蔵したスリムな設計で、クラッチレス・ブレーキレスのため低騒音、低振動で作業できる。別売りのソフトウエアにより、測定データの管理とCSV形式ファイルの出力が可能となる。
加圧能力は10キロニュートン、ストロークの長さが25ミリメートルで、ストローク数は毎分69―83ショット、ダイハイト(金型取り付け高さ)が125ミリメートルで、スライド調整量は15ミリメートル。
11月5―10日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「日本国際工作機械見本市(JIMTOF)2024」に出展する予定
- 2024年11月4日
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- 2024年10月29日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した9月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比6・4%減の1253億6000万円と、2カ月連続で減少した。前月比は13・2%増と3カ月ぶりに増加し、1250億円も3カ月ぶりに上回った。日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は「需要全体として底堅さが感じられる」と評価した。
地域別の受注額は中国が前年同月比40・1%増の274億1800万円と6カ月連続で増加した。業種別では一般機械向けが同19・5%増の97億円、自動車向けが同66・8%増の98億円、電気・精密向けが同57・4%増の56億円と、春先からの回復基調を持続。稲葉会長はインドやベトナムも好調で、「アジア全体で高原状態が続いている」と見る。
米国は同23・5%減の221億5800万円と2カ月連続で減少。欧州も同34・7%減の135億300万円と9カ月連続でマイナスとなり、夏場以降の厳しさが続く。
内需は同7・8%減の415億2900万円と25カ月連続で減少した。一方、11月5日に都内で日本国際工作機械見本市(JIMTOF)が開幕。稲葉会長は「各社新製品を一堂のもとに比較できるJIMTOFまで決定を保留する動きが感じられる」と述べた。
今後の中国について日工会は自動車関連で世界市場を見据えた積極投資の継続を予想。稲葉会長は「金型など各産業機械や通信機器関連で意欲的な企業によるまとまった投資や補助金効果の持続が見込まれる」とした。
一方、欧州について稲葉会長は「受注の底割れはないが、回復の糸口が見えない」と指摘。受注低迷の要因として日米と同様に、自動車関係で電気自動車(EV)からハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)への開発方針のシフトや逡巡があるとし、「プロジェクトが定まらず厳しい状況が続いている」(稲葉会長)との見方を示した。
- 2024年10月29日
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- 2024年10月28日
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ソディックは切削機能を搭載した精密複合金属積層造形(AM)機を10年ぶりに刷新する。造形する金属粉末材料ごとに付属ユニットを付け替えるアタッチメント方式で、材料を2時間以内に入れ替えられる独自機能を搭載する。従来は材料の入れ替えに2日程度かかっていたが、アルミニウムやチタンなどステンレス鋼以外の材料も容易に試せるようにする。金属AM機の活用の幅を広げ、受注の拡大につなげる。
敷き詰めた粉末材料をレーザーで溶融して造形するパウダーベッド方式の複合金属AM機「OPM250L+」を開発し、11月に発売する。価格はオープン。国内外で年5台の販売を目指す。
AM機への金属粉末材料の自動供給、造形後に残った材料の自動回収、回収した材料を再供給するため自動でふるいにかける三つの機能を組み合わせたユニット「MRS(マテリアル・リサイクル・システム)」を新たに搭載する。材料ごとにMRSを付け替えることで、2時間以内に材料の入れ替え作業を完了できる。同社複合金属AM機でのMRSの搭載は初めて。
現行機は材料入れ替えのため配管など流路に残る金属粉末をきれいに取り除く必要がある。そのため専門の保守業者に依頼し、2日程度かけて清掃するのが一般的という。
MRSは切削機能のない同社製金属AM機「LPM」シリーズで既に提供しており、同シリーズの同サイズの機種と共有できる。
OPM250L+は主軸の駆動軸など主な制御軸にリニアモーターを採用する。AM後の基準面を高速高精度にミーリング加工するなど、精度の高い加工対象物(ワーク)を効率的に造形できる。
黎明(れいめい)期の金属AM機は粉末材料を含め用途を模索している段階と言われる。ソディックは使いやすさを向上し、金属AM機の裾野の拡大につなげていく。
- 2024年10月28日