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- 2020年10月20日
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松浦機械製作所は、5軸制御立型マシニングセンター(MC)の上位製品シリーズ「MAM72」の中型機「MAM72―52V」を発売した。
従来機を大幅に刷新し、工作物の最大寸法を拡大、長時間無人運転の機能を標準装備した。価格は消費税抜きで7790万円。月3台の生産・販売を目指す。
従来の「同42V」を2006年発売以来となるモデルチェンジして発売した。工作物の最大寸法は直径520ミリ×高さ400ミリメートル、重量300キログラムと、径方向で23%増、重量は50%増えた。標準で工具130本の収容装置、15枚の加工パレット交換装置を備え、テーブルはダイレクトドライブモーター駆動で高速化した。
またオプションにより通信規格「MTコネクト」によるIoT(モノのインターネット)、切削クーラント液の量・濃度の自動管理の機能を提供する。
同社の新機種は2年ぶり。高機能と製造コスト抑制を両立させる視点で設計・製造が連携体制をとり、大型と小型の間に位置する中型機のコストパフォーマンスを従来より大幅に高めたという。
- 2020年10月20日
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- 2020年10月19日
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日刊工業新聞社がまとめた8月の工作機械主要7社の受注実績は、前年同月比41・4%減の179億6600万円で、21カ月連続の減少となった。国内外ともに同4割前後の減少率となり、受注環境は依然として底ばいの状況だ。ただ足元では中国市場の回復が続いているほか「引き合いが増えており、9月以降に少しずつ数字に出てくるのでは」と回復に期待する声も挙がる。
国内は前年同月比46・8%減の75億900万円だった。牧野フライス製作所は自動車と一般機械向けが低調で同57・8%減。芝浦機械(旧東芝機械)は精密加工機、工作機械ともに需要が減少し、同62・5%減となった。OKKも「長期休暇も重なり低調な受注状況」(総務人事部)となった。一方、オークマは同31・6%減だったものの、半導体製造装置関連向け需要などで「実働日数が少なかったにもかかわらず、そこそこの数字が出た」と捉える。
輸出は同36・8%減の104億5700万円。全社で唯一増加を確保したのは、三菱重工工作機械だ。中国の産業機器メーカーからの大口受注により、同4・6倍となり、2カ月連続で前年実績を上回った。また、ツガミは中国で自動車をはじめ幅広い産業からの受注があり、減少幅は1ケタ台にとどまった。
他社でもおおむね中国市場が徐々に回復を続けており、輸出のけん引役となっている。牧野フライス製作所は欧米は依然として厳しい状況ながらも「中国はほぼ前年同月並みに戻ってきている」とした。オークマも一般機械向けを中心に堅調だった。
- 2020年10月19日
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- 2020年10月16日
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日本機械工具工業会がまとめた7月の機械工具生産動態調査(会員統計)によると、切削工具の生産額は前年同月比37・7%減の239億5400万円で、15カ月連続の減少だった。販売額は同35・2%減の251億円と16カ月連続の減少。生産、販売ともに全品目で前年割れとなった。新型コロナウイルス感染症の影響による製造業の設備投資低迷が続いている。販売額に占める輸出分は同32・0%減の90億900万円。
主な品目別生産額は、ドリルが同39・2%減の34億3900万円、エンドミルが同39・5%減の29億4400万円、ネジ加工工具が同43・6%減の22億5700万円、インサート(刃先交換チップ)が同34・3%減の106億500万円だった。
材種別生産額では、特殊鋼工具が同39・1%減の50億700万円、超硬工具が同35・6%減の188億1200万円、ダイヤモンド・立方晶窒化ホウ素(CBN)が同51・7%減の10億9200万円だった。切削工具に耐摩耗工具と鉱山土木工具を加えた機械工具の総計は、生産が同36・9%減の271億6200万円、販売が同34・7%減の283億500万円だった。
- 2020年10月16日
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- 2020年10月15日
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タンガロイは、平面加工用カッター「ドゥー・ペント」用に、大径工具と新たなインサート(刃先交換チップ)材種を発売した。
大型部品に適した直径200ミリ―315ミリメートルの工具と、鋼・高硬度部材加工用の新材種3種を追加。初年度2500万円の販売を見込む。
これまでの工具径(直径32ミリ―160ミリメートル)に加え、新たに同200ミリメートル、250ミリメートル、315ミリメートルの大型カッターを追加。
大型部品の高能率加工に対応できる。価格は主な型番の「TEN09R200M47.6―10」が17万8000円(消費税抜き)。
インサートには、鋼加工用物理気相成長(PVD)材種、高硬度部材加工用PVD材種、鋼仕上げ加工用サーメット材種を追加した。価格は1170円(同)から。
- 2020年10月15日
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- 2020年10月14日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した8月の工作機械受注実績は、前年同月比23・3%減の678億9100万円で、23カ月連続で減少した。ただ中国市場が牽引(けんいん)役となり、減少幅は7月(31・1%減)よりも縮小。今後の米中関係や新型コロナウイルス感染症の動向に注視する必要はあるが、受注底打ちへ期待感が増している。
内需は同38・6%減の230億4100万円で、21カ月連続の減少。200億円を上回るのは3カ月連続で、前月実績と比べると7・1%減少した。外需は12・0%減の448億5000万円で、23カ月連続の減少。400億円を上回るのは3カ月連続で、前月比0・3%減となった。
- 2020年10月14日
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- 2020年10月8日
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三菱マテリアルは高能率切削が可能なチタン合金加工用カッター「ASPXシリーズ」を発売した。
制振設計と切削抵抗の低減により、難削材であるチタン合金に対して安定した高能率加工を実現する。標準価格は13万8000円(消費税抜き)から。
最新の切削理論に基づいて算出した最適な不等分割の各段インサート(刃先交換チップ)の配置により、びびり振動を抑制。クーラントを制御して、インサート切れ刃すくい面に流すことで、切りくずの排出性も高めた。
インサートは大きなすくい角とチタン合金加工に最適な刃先処理により、低切削抵抗で耐欠損性にも優れる。耐欠損性が高い超硬合金母材と耐溶着性に優れたコーティングの組み合わせで安定した長寿命加工が行える。
- 2020年10月8日
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- 2020年10月7日
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日本機械工具工業会がまとめた6月の機械工具生産動態調査(会員統計)によると、切削工具の生産額は前年同月比31・3%減の252億8500万円で、14カ月連続の減少となった。販売額は同29・9%減の256億2800万円で、15カ月連続の減少。販売額に占める輸出分は、同28・6%減の92億4900万円だった。新型コロナウイルス感染症の影響による製造業の需要落ち込みが響いた。
主な品目別生産額はドリルが同29・0%減の37億5000万円、エンドミルが同30・3%減の32億4000万円、ネジ加工工具が同35・8%減の24億5900万円、インサート(刃先交換チップ)が同30・7%減の107億9800万円。
材種別生産額で見ると、特殊鋼工具が同33・2%減の53億1000万円、超硬工具が同29・3%減の195億7500万円、ダイヤモンド・立方晶窒化ホウ素(CBN)が同43・8%減の12億5400万円だった。
また、切削工具に耐摩耗工具と鉱山土木工具を加えた機械工具の総計は、生産が同30・7%減の284億7100万円となり、販売は同28・9%減の289億9500万円だった。
- 2020年10月7日
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- 2020年10月6日
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日本工作機械工業会が日発表した7月の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比31・1%減の697億8800万円となった。700億円を下回るのは4カ月連続で、7月としては2009年以来11年ぶり。ただ、前月比は2カ月連続の増加となるなど、一部で持ち直しの動きも見られ、徐々に回復基調にある。
内需は前年同月比39・7%減の248億800万円。自動車関連を中心に設備投資の先送り傾向が根強いことから、4カ月連続で250億円を下回った。一方、半導体製造装置や自動化装置が好調な一般機械は4カ月ぶりに100億円を上回るなど、業種によっては投資に前向きな動きが見られる。
また、大手企業からの受注が中心だった6月に比べ、7月は「ものづくり補助金」の活用による中小企業からの受注も若干増加したもようだ。
外需は同25・2%減の449億8000万円となり、5カ月連続で450億円を下回った。中国を中心にアジアの受注が13カ月ぶりに240億円を上回ったものの、欧州と北米の受注が引き続き低水準にとどまった。
中国はインフラやテレワーク関連のほか、自動車関連でも商談が増え、受注額が16カ月ぶりに180億円を上回り、前年同月比で2カ月連続のプラスになった。ただ、日工会の飯村幸生会長は「中国は今は内需主導の需要であり、今後は輸出が増えなければこれ以上の伸びは苦しい」と慎重な見方を示す。
- 2020年10月6日
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- 2020年10月5日
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スギノマシンは、自動車などの金属部品のバリ取り・洗浄をする高圧水バリ取り洗浄機「JCC 303 TT」を発売したと発表した。高圧水による部品の洗浄・バリ取りと乾燥を1台で同時にできる。ユニットの高速化と加速度の向上で、サイクルタイムを従来より約30%短縮した。価格は2500万円(消費税・コラムロボット抜き)から。年間100台の販売を目指す。
機械室内に洗浄対象物(ワーク)を載せるターンテーブルを設け、片側では高圧バリ取り・洗浄をし、同時に片側でエアブロー乾燥をする。乾燥には自社製のスイングアーム式コラムロボットを採用し、ロボットアーム先端のノズルが対象物の周りを自在に動き、高精度な乾燥を実現した。
ストロークが拡大し、従来は精密狙い撃ち洗浄が困難だった大型ワークの6面洗浄に対応した。異なるワークを同時に洗浄・乾燥できるので、多品種混流生産が可能。サーボモーター駆動により、ポンプ停止状態の監視ができる。高圧洗浄機と乾燥機の2台が必要な工程を1台で対応でき、設置スペースを半分に抑えられる。
- 2020年10月5日
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- 2020年10月2日
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キャプテンインダストリーズは、自動ゼロポジション調整機能を搭載した独ヘキサゴン製の高精度タッチプローブ「HPP41.10(RWP20.50―G―HPP)」を9月14日に国内で発売した。
初心者でも容易に加工対象物(ワーク)の機上計測を行える。価格は非公表。工作機械メーカーなど向けに、初年度100システムの販売を目指す。
従来の高精度プローブは姿勢が変わると、自重で誤信号が発生する可能性がある。そのため姿勢が変化するたびに、プローブの電源をオフ・オンする操作が必要だった。新製品は自動ゼロポジション調整機能により、姿勢や移動量を検知。自動的にゼロ位置に修正する。
ワークに接触しタッチ信号を出力するまでの遅延時間も短縮した。キャプテンインダストリーズの機上計測ソフトウエアなどと組み合わせることで、初心者でも高精度に計測できる。
- 2020年10月2日
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- 2020年10月1日
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Cominixは切削工具の電子商取引(EC)事業に参入する。OEM(相手先ブランド)調達したドリル、エンドミルの工具類のほか、インサート(刃先交換チップ)などを10月1日から、ネット販売に特化した新設の子会社が供給する。従来回り切れていなかった町工場などの少量需要を開拓する。将来の海外展開も視野に、新会社で2027年3月期に10億円の売り上げを目指す。
工具通販の新会社「さくさく」は大阪市中央区に拠点を置く。資本金は1000万円で従業員は3人。Cominixの沢口典宏常務が、さくさく社長を兼務する。
通販では切削工具や旋盤のインサートなど、さくさくブランドの自社製品としてまず約1200点を用意。20年中に約2000点に伸ばす。インサートの価格は100枚購入時に1枚当たり222円(消費税抜き)で設定。工具を含め通常より3割程度安価にする。委託倉庫を大阪府箕面市に構えて在庫は約30万個を確保。18時までの注文は当日発送に応じる。
専用サイトでは販売する工具の扱い方を分かりやすく動画で指南し、訪問営業が行き届きにくい中小の町工場など加工現場の困りごとの解決に貢献する。
さくさくの沢口社長は「コモディティー(汎用品)化した製品の場合、営業スタッフや販売店が扱いづらい」と指摘。人的対応だと利益が出にくい安価な領域と、新型コロナウイルス禍もあり現在は訪問営業がカバーしにくい需要をECで取り込む。当面国内向けでの展開だが、将来は中国や東南アジアなど海外展開も目指す。
- 2020年10月1日
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- 2020年9月30日
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日本特殊陶業が機械工具事業を拡充している。新しい超高性能セラミックス材質「HX5」を市場投入したほか、耐熱合金の仕上げ加工用工具「バイデミックス」で新商品「JP0」を追加し、幅広いニーズに対応する。日特陶は2030―40年に向けた長期経営目標で非内燃機関事業の強化を掲げている。機械工具事業でも新たな付加価値のある商品やサービスを提案していく構えだ。
新世代のセラミックス材質「NTK CeramiX」シリーズ第1弾のHX5は、立方晶窒化ホウ素(CBN)と同等の対摩耗性能を実現しつつ、価格を抑えた。新開発のコーティングを被膜したほか、素材の密着強度を高める工夫で高い耐摩耗性を実現している。自社のCBNシリーズ商品の価格と比べるとおよそ半額前後で提供する。ギアやシャフトといった自動車部品など、高硬度材の仕上げ連続加工に適しているという。
一方、バイデミックスは航空機エンジンなどの耐熱合金向け工具で、JP0は耐摩耗性能(耐倒れ性能)をさらに高めた。切削速度は毎分180―500メートルに対応する。JP0を加えることで加工条件などのニーズに幅広く対応する。バイデミックスはこれまで粗加工用の「JX1」と仕上げ加工用の「JP2」の2種類を用意している。超硬やCBNと比べて大幅な高速加工が可能な点などが特徴だった。
日特陶は自動車用エンジン点火プラグなど内燃機関事業を主力とするが、次世代の成長に向けて非内燃機関事業を強化する。機械工具事業でも新製品だけでなく、新たなサービスを展開している。
小型自動旋盤のユーザー向けに複数のツールホルダーを交換しながら利用できるサブスクリプション(定額制)サービス「SUISUI SWISS(すいすいスイス)」を提供するほか、対話アプリケーション(応用ソフト)「LINE」で公式アカウントを開設し、ユーザーが手軽に技術相談をできるようにしている。
- 2020年9月30日
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- 2020年9月29日
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丸一切削工具は、超硬シャンクを採用したヘッド交換式の面取り工具を発売した。従来シリーズのスチールシャンクに比べ突き出しの長い加工ができる。消費税抜きの価格はシャンクが3万6000―5万6000円、ヘッドが2万―3万円。年間4000本の販売を目指す。
シャンクは長さが100ミリ、150ミリメートルの2サイズで、直径は12ミリ、16ミリ、20ミリメートルの3サイズ。ヘッドはV溝や45度面取り、平面加工ができるタイプや、面取りだけでなく穴加工前センタリング(もみつけ)が可能なタイプ、穴面取りと裏面取りできるタイプなどをシリーズ化した。シャンク、ヘッドともに全てクーラント穴を付け、切りくずの排出性を高めた。専用チップの消費税抜きの価格は770―3080円。
- 2020年9月29日