-
- 2021年10月5日
-
ミスミグループ本社は、機械や設備の自動化に必要な部品を短期で受注生産するデジタルサービス「meviy(メヴィー)」に、3次元(3D)CADで設定した部品の穴の種類や精度などを自動反映する機能を追加した。
トヨタ自動車との共同開発。部品の穴をメヴィーで再設定する手間をなくし、部品の調達時間を従来比30%削減する。両社は共同開発した機能を標準展開することで製造業のデジタル変革(DX)を加速する。
新機能は、トヨタ自動車で設備開発を行うモノづくりエンジニアリング部のノウハウを投入した。3DCADデータの製造情報を自動でメヴィーに反映する。今回は第1弾として、はめあい公差やネジなどの穴の種類・精度を3DCADデータと連携する。
これまでメヴィーではアルゴリズムを活用し、最適と思われる穴を提案していたが、3DCADと異なる場合は一つずつ変更する必要があった。新機能では穴の製造情報ごとに3DCADとメヴィー上で色を設定。色と製造情報を組み合わせることで穴の種類・精度を正確に反映する。
対象のCADソフトウエアは富士通の「iCAD SX(アイキャド エスエックス)」と仏ダッソー・システムズの「ソリッドワークス」の2種類。
今後もミスミとトヨタはメヴィーの機能に関する共同開発を継続する。紙図面を廃止することによる効率化やデジタル化、環境への貢献を目指す。
- 2021年10月5日
-
- 2021年10月4日
-
日本工作機械工業会(日工会)が発表した7月の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比93.4%増の1349億8300万円だった。9カ月連続の増加で、2カ月連続で1300億円を上回った。国内外で多様な業種で設備投資の動きが広がる中、内需は補助金採択で受注が底上げされた。外需も主要3地域で増加し、高水準を持続している。
内需は5カ月連続の増加で、2019年9月以来22カ月ぶりの450億円超え。一般機械や自動車など主要4業種はいずれも前年同月比増となった一方、前月比では自動車が2カ月ぶりに減少した。事業再構築補助金などの各種政策について、稲葉善治会長(ファナック会長)は「中小企業からの受注増加に一定の効果を発揮したと思われる」とした。
外需は9カ月連続の前年同月比増加となり、5カ月連続で850億円を上回った。欧州は18年10月以来33カ月ぶりの200億円超え。イタリアは自動車関連需要の増加や政府の経済政策により、08年2月以来13年5カ月ぶりに40億円を上回り、ドイツも3カ月連続で35億円超えとなった。北米も3カ月連続で200億円を超え、回復軌道に乗りつつある。
一方でアジアは2カ月連続の450億円割れで、前月比は3カ月連続の減少。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、インドや東南アジアは「一進一退の状況」(稲葉会長)が続いている。中国は自動車関連需要の大幅な増加により、2カ月ぶりに300億円台に回復した。
旺盛な需要を背景に部品・部材不足の影響が広がり始めている。山崎智久副会長(ヤマザキマザック会長)は「半導体などの電子部品やコネクター類、板金部品などの供給が一段とタイトになっている」と現状を話す。
業界では部品の入手難に加えて、コンテナ不足による海上輸送の遅れも発生しているという。今後さらに悪化すれば工作機械の長納期化にもつながりかねず、受注への影響が懸念される。
- 2021年10月4日
-
- 2021年9月30日
-
村田ツールは、最大加工幅1550ミリメートルで板金の大型加工対象物(ワーク)に対応したブラシ式バリ取り機「DB1500S」を9月に発売開始した。電源設備といった産業機器の筐(きょう)体や、建具のドアなどの大型化で大きな板材の活用が増えており、品質のバラつきを抑えるバリ取り機の大型化ニーズを捉える。消費税込みの価格は1790万円。月2台の販売を目指す。
村田ツールはタレットパンチプレスやレーザー加工機などを手がける村田機械の子会社。これら板金機械で加工後のバリ取りは品質を左右する重要工程。手作業からの置き換えを促す。
ブラシ式はブラシを縦回転させながら旋回させ、ブラシの毛先5ミリメートルほどをワークに当ててバリを取る。当てる精度が新製品はプラスマイナス0・5ミリメートル。同精度プラスマイナス5ミリメートルなどの競合他社製品と1ケタ異なる。均一なバリ取りで、後工程の塗装の品質なども向上するという。
新製品のブラシ長は約1500ミリメートルと、最大加工幅1000ミリメートルの同社従来品比で約1・5倍。長くて重いと回転時の制御が難しいが、新製品はブラシ部のシャフト大径化、フレームの高剛性化、ブラシの両サイドを保持する独自の両持ち機構採用で、高速回転してもたわまないようにし、均一化した。競合品は、ブラシの片側の端を保持して旋回するタイプが一般的という。
加工時の金型の状態などでバリの出方は変わる。この時の追加工などが簡単に行えるモードや、ブラシ寿命のモニタリングなど、オペレーターを支援する機能も充実させた。
- 2021年9月30日
-
- 2021年9月29日
-
内閣府が発表した2021年6月の機械受注統計によると、同年4―6月期の受注額(季節調整値)が民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」で前期比4・6%増の2兆5210億円と、マイナスだった1―3月期からプラスに転じた。半導体製造装置や工作機械などの受注増が寄与した。併せて公表した7―9月期見通しは、船舶・電力を除く民需で同11・0%増の2兆7980億円と拡大を見込む。
4―6月期実績で、製造業は前期比12・1%増の1兆1736億円、非製造業は同1・8%減の1兆3356億円だった。内閣府は「春先まで抑えていた投資やデジタル化など将来を見据えた投資が実行され、数字に表れている」と分析する。
6月単月の船舶・電力を除く民需は、季節調整でならした影響により前月比1・5%減の8524億円となった。内訳は製造業が同3・6%増の4039億円、非製造業が同3・8%増の4705億円と堅調だった。「はん用・生産用機械」向けに工作機械、運搬機械、「非鉄金属」向けに原動機などの受注が好調。「建設業」向け建設機械などの受注も伸びた。
6月の船舶・電力を除く民需は、3カ月移動平均がプラスを維持した。このため判断基調も「持ち直しの動きがみられる」と先月の表現を継続。先行きは「製造業は堅調で、非製造業も底堅さがあり、運輸業・郵便業の回復が期待される」(内閣府)とした。
- 2021年9月29日
-
- 2021年9月28日
-
ファースト技研は、工具を搭載するタレットを備えた立型の「ターレットセンター」で、加工可能な寸法を広げたロングストロークタイプを発売した。エンジンや変速機の部品などの加工ラインへの組み込み用途を想定。価格はオープンだが、消費税抜きで600万円弱を見込む。年間10台の販売を目指す。
主軸30番、加工対象物(ワーク)を載せたテーブルが動くテーブルフィード式の普及機種。タレットは工具を4本搭載するタイプと6本搭載するタイプから選べる。加工可能なストロークはX軸が600ミリメートル、Y軸が400ミリメートル。従来のタレット機よりもX軸は2倍、Y軸は1・6倍強に伸ばしており、より大型のワークの加工に対応した。
- 2021年9月28日
-
- 2021年9月27日
-
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要7社の7月の受注実績は、前年同月比2・2倍の405億1900万円で8カ月連続の増加となった。中国のほか日本や欧米でも需要が伸びたことで、全社が3カ月連続で国内、輸出、総額すべてで増加となり、回復度合いが一段と強まっている。
牧野フライス製作所は、中国で電気自動車(EV)メーカー向けに横型マシニングセンター(MC)の大型受注を獲得。国内も事業再構築補助金の効果などで大幅に増加した。オークマは、受注総額が3カ月連続の100億円超え。国内は半導体製造装置関連を中心に受注が伸び、「補助金なしでも老朽化設備の更新などへの投資も増えている」(マーケティング室)という。
ツガミは総額が前年同月比2・7倍に伸びた。中国は「若干落ち着いてきたが依然好調」(同社幹部)で、日本と欧米も堅調に推移した。
芝浦機械は国内、輸出ともに同3倍以上の増加。国内では産業機械や発電関連向けに門型MCなどを受注し、事業再構築補助金の採択効果も見られたという。日本電産マシンツール(旧三菱重工工作機械、滋賀県栗東市)は、外需について「好調の中国以外の地域でも商談が具体化しており、今後の動きに期待したい」(事業戦略推進室)としている。
各社は今後も国内外ともに引き続き回復傾向を見込む。一方で、半導体など部品・部材不足の懸念も高まっている。オークマでは、まだ直接的な影響は出ていないものの、「今後も(不足の状態が)長引くようであれば心配だ」(マーケティング室)とみる。
- 2021年9月27日
-
- 2021年9月24日
-
日本工作機械工業会(日工会)が発表した7月の工作機械受注額(速報値)は、前年同月比93.4%増の1349億7400万円で、9カ月連続の増加となった。1300億円を上回るのは2カ月連続。2月以降1000億円超えが続いている中、受注水準が一段上がった印象だ。
内需は同75.3%増の434億7800万円で、5カ月連続の増加。前月比では2.6%減と2カ月ぶりの減少に転じたものの、2カ月連続で400億円を上回るなど、回復傾向が続いている。
外需は前年同月比2.0倍の914億9600万円で、9カ月連続の増加。900億円超えは2カ月ぶりで、前月比も4.7%増と2カ月ぶりに増加した。中国のほか北米や欧州でも需要が拡大しているとみられ、「全地域的に良好な受注環境が継続している」(日工会)ようだ。
- 2021年9月24日
-
- 2021年9月22日
-
乗用車7社の2021年4―6月期連結決算が出そろい、トヨタ自動車など全社が増収、ホンダなど5社の営業損益が黒字に転換した。新車販売は新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ前年同期と比べ米国などで回復。収益体質の強化も利益を押し上げた。22年3月期の業績見通しは日産自動車など3社が上方修正したが、半導体不足に伴う生産への影響など先行き不透明として3社が据え置いた。
北米市場は4―6月期の販売台数がトヨタは前年同期比2・3倍、ホンダが同2・2倍、日産やマツダが同70%増と大幅に伸びた。
半導体不足に伴う生産制約で在庫が逼迫(ひっぱく)し新車販売が一部滞った。中古車の市場価格が上がり、リースバックした車両の再販価格も上昇し販売金融事業の収益性が高まった。
日産は新型車の投入などで米国の市場シェアを伸ばし、「販売奨励金を抑制した」(アシュワニ・グプタ最高執行責任者〈COO〉)ことも収益改善に寄与した。
半導体不足をめぐっては、トヨタが21年4―6月期にコロナの感染再拡大の影響を含め約10万台の減産を強いられた。22年3月期通期では日産が約25万台、マツダが約10万台の減産影響を見込む。22年3月期の世界販売見通しについてホンダは5月公表値比15万台、SUBARU(スバル)は同4万台それぞれ引き下げた。未定としていた22年3月期業績予想を発表したスズキは、半導体不足による減産影響が約35万台になるとの見通しを明らかにした。
22年3月期の業績予想では、足元の好調な販売や為替の円安などを追い風に、ホンダが営業利益を、日産と三菱自動車は営業損益を上方修正した。一方、トヨタやマツダは半導体不足や資材価格の高騰などの影響が不透明として従来見通しを据え置いた。スズキは車の電動化を中心に開発を加速するため、研究開発費の見通しを前期比438億円積みましたことなどで営業減益を見込む。
- 2021年9月22日
-
- 2021年9月17日
-
工作機械メーカーの業績回復がより鮮明になっている。DMG森精機は、2021年12月期連結業績予想(国際会計基準)について、5月に続いて2度目となる上方修正を行った。牧野フライス製作所やファナックも22年3月期連結業績予想を上方修正しており、中国のほか欧米やアジアなどでの需要拡大が顕著になっている。
DMG森精機は21年12月期予想で、売上高が5月公表比200億円増の3650億円(前期比11.2%増)、営業利益が同60億円増の200億円(同87.4%増)、当期利益が同50億円増の110億円(同6.3倍)を見込む。受注が半導体や電気自動車(EV)関連向けを中心に好調で、下期(7―12月期)も「少なくとも今のペースは続く」(森雅彦社長)とみる。受注高は同200億円増の4200億円(同50.2%増)となる見通し。
新たに発表した21年1―6月期連結決算は、営業利益が前年同期比4.2倍の102億円と大幅に伸びた。機械の販売数量増加などの効果に加え、為替が対ユーロで円安に振れたことも利益を押し上げた。受注額は同61.2%増の2184億円で、コロナ禍前の19年1―6月期の水準(2234億円)に回復。中国が同2.3倍、欧州が同2.1倍と大きく回復し、米州や日本も堅調に推移した。業種別では半導体製造装置や金型、EV関連向け需要が伸びたほか、民間航空機関連でも引き合いが出始めているという。
- 2021年9月17日
-
- 2021年9月16日
-
機械・工具商社各社が食品業界の市場深耕を進めている。協働ロボットや自動化ラインを、自動化ニーズの高まる食品工場向けに提案する。各社とも、営業活動の範囲を従来の機械・自動車製造業主体から食品業界まで広げ、事業成長につなげる狙いだ。提案に独自の付加価値を乗せるなど、食品市場で次の一手を打つ。
山善は食品業界向けの自動化提案を加速させる。6月に「FOOMA JAPAN(国際食品工業展)」に初出展した。食品業界に同社の認知度を広めるのが狙いで、今後、生産現場の自動化を推進する専任組織のトータル・ファクトリー・ソリューション(TFS)支社が中心となり、協働ロボットなどを食品業界に提案する。
同社は食品業界での市場開拓を起点に、三品業界(食品・化粧品・医薬品)での事業拡大を狙う。同業界で、数年後に年間売上高約30億円を目指す。
ユアサ商事は2018年4月に、物流業界と食品業界を担当する組織「物流トータルソリューション部」を設立し、食品工場の自動化に注力している。同社は従来、食品メーカー向けに少数グループで提案する形式だったのを、物流グループと合わせることで、顧客層や自動化ソリューションの幅を拡大。これにより、21年3月期の食品業界向け売上高は21億円と、同組織発足前の18年3月期に比べ約3億円増えた。
椿本興業は強みである産業資材を組み合わせた自動化提案を食品業界向けに進める。協働ロボットのほかに、三角ティーパック包装機などの充填包装機と生分解性フィルムを、環境負荷低減パッケージとし提案。後工程の個包装機なども同時に提案し、食品工場の自動化・省人化を促す。
10月に経営統合するフルサト工業とマルカも一丸となり、食品業界での事業成長を目指す。マルカは食品の無人化ラインなどを取り扱う。6月の決算説明会で、フルサト工業の古里龍平社長は「コロナ禍で食品業界が安定した業界だと知った」と話し、マルカとのシナジーを生かした同業界での事業拡大に意欲を見せる。
日本食品機械工業会によると、20年の食品機械の販売額はコロナ禍の「巣ごもり」に伴う内食化に関連した設備需要が伸び、前年比2・7%増の5860億円とプラスを確保した。労働人口の減少や新型コロナウイルス感染症拡大を背景に、自動化・省人化のニーズは高まる。
一方で、食品業界は自動車業界などと比べて、生産を人に頼る部分が多く、自動化やデジタル化が遅れているとの指摘もある。各社とも食品業界への攻略をビジネスチャンスと捉え、提案を加速していく。
- 2021年9月16日
-
- 2021年9月15日
-
三菱マテリアルは刃先振れ調整式鋳鉄加工用正面削りカッター「WSF406W」を発売した。
ホルダー12製品、インサート2製品、部品2製品で構成。低抵抗インサートと刃先振れ調整機能により、良質な加工面と生産性を実現した。価格は「WSF406WR08006CN」が12万2100円(消費税込み)。
独自開発の「両面Z形状」インサートを採用。ネガ(両面)インサートながらも切削抵抗を従来比23%低減し、ポジ(片面)インサート並みに抑えた。コーナー部をC面形状とし、被削材のコバに厚みを持たせて強度を高くすることでクラック発生を抑制できる。
また、費用対効果の高いM級精度インサートながらも、正面振れ0・01ミリメートル以下の刃先調整が可能で、幅広い切り込み量や送り量に対して面粗さ(Ra)1・6マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下を実現した。
- 2021年9月15日
-
- 2021年9月14日
-
タンガロイは、ヘッド交換式内径加工用工具シリーズ「ボア・マイスター」のヘッドに44製品を拡充し、発売開始した。
内径加工用に40製品、内径ネジ切り用に4製品のヘッドを追加する。価格は代表型番の「S16―STFPR09―H」が3万1460円。
内径加工用ヘッドには、低抵抗を両面仕様インサートで実現した「ミニ・フォース・ターン」、小型ながら従来サイズのインサートと同等の切削性能を持つ「ISOエコ・ターン」、穴開け・旋削加工用複合工具「タング・ボア・ミニ」用XOMU05インサートを使うヘッドなどを追加。
内径ネジ切り用ヘッドには、16サイズのST形内径ネジ切りインサートを取り付け可能なヘッドを拡充した。
- 2021年9月14日
-
- 2021年9月13日
-
三菱重工業が発表した2021年4―6月期連結決算(国際会計基準)は、当期損益が126億円の黒字(前年同期は579億円の赤字)だった。航空・防衛・宇宙部門の損益が改善し、物流・冷熱機器などの部門も好調だった。受注高も前年同期比8.8%増の7504億円で、新型コロナウイルスの感染拡大前の水準を回復した。小沢寿人最高財務責任者(CFO)は「年間計画の達成に向け、おおむね想定通り」と述べた。
小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」関連の損失が、前年同期から大幅に減少した。これにより航空・防衛・宇宙部門の事業損益が35億円の黒字(同620億円の赤字)に転換し、業績改善に寄与した。このほか三つの部門も黒字を確保し、物流機器などを含む部門は101億円の黒字(同26億円の赤字)だった。増収基調の事業でも固定費の抑制を継続し、収益の確保につなげた。
22年3月期連結業績予想は据え置いた。民間航空機向けの機体需要が、国際線の旅客低迷に伴って落ち込んだままで、エンジンも厳しい状況が続く。「新型コロナが再拡大し、楽観できない」(小沢CFO)としている。
- 2021年9月13日