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- 2025年7月18日
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西島は、主力の専用工作機械のユーザーに対して主体的に訪問し、生産性などを高める最新技術・機能の導入を提案する「エンジニアリングサービス事業」を本格化する。
従来の修理などアフターサービスとは別活動として取り組み、ユーザーへのフォローアップを強化する。2025年7月にスタートさせる3カ年の新中期経営計画の重点施策の一つに位置付け、アフターサービスと合わせた年間売上高で6億円を目指す。
新事業は25年6月期に立ち上げた。現在は5人体制で、サービスエンジニアや電気技術者らが兼任で活動している。ユーザーを主体的に訪問して機械の稼働状況を見せてもらい、納入時から進んだ技術によって、より生産性、操作性の向上が見込める場合には、その機能追加や改造を提案する。
新中期経営計画の期間中には同事業の人員規模は変えずに、全員を兼任から専任に切り替える予定で、機動力や対応力の向上を図る。
西島はこれまで納入した機械に対し、修理や消耗部品の交換など不具合、故障発生時に対応するアフターサービスは行っているが、主体的な訪問はしていなかった。ユーザーへのフォローアップを強化する新事業により、こうした「売りっぱなし」(西島社長)の状況から脱却し、同社製機械や同社自身の付加価値を高める。
同社は自動車業界向けを主力とする専用工作機械メーカーで、年間売上高は約35億円。
- 2025年7月18日
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- 2025年7月17日
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NTNは電気自動車(EV)用に、静粛性を高め動力を効率良く伝えられるボールタイプの摺動(しゅうどう)式等速ジョイント(CVJ)を開発した。CVJはモーターなどの動力をタイヤに伝えるドライブシャフトを構成する部品。小型・軽量で応答性に優れる従来品の摺動式CVJに、新開発したグリースの適用で摩擦抵抗を減らし、走行中の静粛性向上や低振動化を実現した。2029年度に量産を始める予定。新製品を使ったドライブシャフトの売上高で、30年度に90億円を目指す。
主にエンジン車などに使われている従来品の摺動式CVJを機構解析したところ、内部部品の各ボールと内輪や外輪との接触状態の微小なバラつきが走行中の振動要因となっていた。この接触状態を均一にするため、潤滑剤のグリースを新たに開発。添加剤の成分を見直し、接触状態を早期に平準化しつつ耐久性や耐摩耗性とのバランスを調整した。
新たなグリースによって部品間の摩擦抵抗が低減。トルク伝達時の発熱を抑え、トルク損失率は従来品比25%削減し、効率良く動力をタイヤに伝えることが可能となった。また、内部部品が接触して生まれる抵抗を数値化したスライド抵抗値は、従来品と比べて約20%低減した。抵抗値が小さくなったため静粛性・低振動性が高まった。
ドライブシャフトはモーター側の摺動式CVJと、タイヤ側の固定式CVJをシャフトで連結して用いる駆動部品。NTNは摺動式CVJのラインアップで効率・低振動性に優れる既存製品に今回の新製品を加え、高効率な固定式CVJと組み合わせて、省電力や静粛性といった顧客のニーズに合わせたドライブシャフトを提案していく。
- 2025年7月17日
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- 2025年7月15日
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日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の6月の工作機械受注実績は、前年同月比8・1%増の352億900万円と13カ月連続で増加した。
輸出が同14・2%増と10カ月連続でプラスとなり、設備投資を計画通り進める企業を中心に全体を押し上げた。トランプ米政権の関税措置に伴う受注への影響は一部に留まっているようだ。
輸出は全社がプラスとなった。オークマは同22・1%増と9カ月連続で増加。中国で半導体や風力発電向けが伸び、「欧州では航空機や医療用機器向けが良くなってきている」。牧野フライス製作所は同14・4%増と11カ月連続で増加した。中国で新エネルギー車(NEV)向けが、インドでは自動車向けが伸びた。
芝浦機械は同2・2倍と大幅に増加。北米で鉱山機械や発電用タービン向けなど「石油・エネルギー関連向けに大型の工作機械が増加した」。中国は大型機以外に車載用カメラレンズ金型向けなどで超精密加工機も増えた。
ツガミは同1・4%増と2カ月連続で伸び、前月比でも20・5%増加した。同社幹部は「主要市場の中国で自社展示会を実施した影響で好調に推移したが、先行きは不透明なままだ」と述べた。
トランプ関税の米国受注への影響について牧野フライスは「買い控えなどの目立った動きはない」と認識。オークマは「ジョブショップなどで設備投資を様子見する動きはあるが、大手企業ではそれを上回って計画的に投資を進めている感覚がある」とした。
国内は前年同月比で全社がマイナス。微減の牧野フライスは半導体関連向けなどで動きはあるが、「全体で車関連向けの低迷が響いた」とみる。
1―6月期の4社合計の受注総額は前年同期比20・9%増となり、輸出、国内共に2ケタ超の増加となった。
- 2025年7月15日
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- 2025年7月14日
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日本電子サービスは、自社で運営する中古工作機械や機械部品のフリーマーケットサイト「メカリバ」の出品増加に注力する。機械の修理・移設作業に関する相談などのサービス対応を訴求し、出品意欲を促す。出品機種のカテゴリー拡大につなげ、まずは2030年にアカウント登録件数1000社、出品商品数200点、年間成約数24件を目指す。
メカリバは中古工作機械などを出品者と購入者が直接やりとりして売買する。出品者は機械の写真とメーカー名、傷の有無などの情報を登録する。
出品、購入時の手数料は不要のため、出品者と購入者双方の負担を抑えられる。売買が成立した場合、日本電子サービスは代金の10%を販売手数料として受け取る。これまでにアカウント登録件数が116社、出品商品数が約60点あり、20件の成約実績がある。
同社は東海地方を地盤とする工作機械専門商社。機械、電気関連の技術者が在籍しており、工作機械の保守や修理、移設、据え付けにも対応できる。
メカリバは22年に基本のシステムを完成して以降、請求書の自動発行など機能向上を進めてきた。
今後は展示会などで同サイトの周知を図り、搬送装置など出品機種のカテゴリーを増やす。50年にはアカウント登録件数を1万社、出品数を2000件に増やすとともに、年間成約数180件に拡大したいとする。
- 2025年7月14日
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- 2025年7月11日
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MOLDINOは、切削加工工具の研究開発体制の強化を目的に、野洲工場のソリューションセンター内に微細加工を行う施設「美彩(微細)加工室」を設置し、稼働した。既存建屋の一角を改装やレイアウト変更を実施して設け、マシニングセンター(MC)2台を導入した。投資額は約2億円。新製品の開発を一層加速するとともに、顧客への提案力向上につなげる。
設置したMCのうち1台は、超精密空気静圧軸受主軸を搭載し、高次元の回転精度と熱変位を抑えられる。もう1台は分解能0・25ナノメートル(ナノは10億分の1)で高次元の位置決め精度を持つ。今回の導入により、同工場のMCの総数は13台となった。
また、施設はマイクロメートル(マイクロは100万分の1)台の高精度仕上げ加工を実現する恒温環境(22・5―23・5度C)を整備。新施設を通じ、自社の微細加工用の工具と微細加工の技術を訴求する。
また今回の稼働に伴い、同工場で顧客向け微細加工セミナーを開いた。工場概要の説明のほか、微細・精密加工セミナーなどを実施した。
- 2025年7月11日
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- 2025年7月10日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した5月の工作機械受注総額(確報値)は、前年同月比3・4%増の1287億1800万円と、8カ月連続で増加した。アジアや北米を中心に外需が伸び、内需の落ち込みを補った。日工会ではトランプ米政権の関税措置について「4月以降、米国内や各地域で設備投資停滞への警戒感が広くうかがえるが、5月の受注で目立った影響は見受けられない」(事務局)とした。
外需は8カ月連続で増加。主要地域別では、中国が前年同月比10・6%増と14カ月連続で増加し、3カ月連続で300億円を超えた。業種別では一般機械向けが同5・6%増の104億円、自動車向けが同30・2%増の113億円とけん引した。日工会は有力完成車メーカーによる設備投資が継続し、「中国政府による設備更新や消費財の買い替えを促す政策も投資を下支えしている」(事務局)とみる。
北米は米国が同22・8%増の289億円と4カ月連続で増加し、2カ月連続で250億円を超えた。日工会では「北米は全体傾向として引き合いや商談は先細っておらず、車や航空・宇宙関連などで今後もまとまった規模の受注が見込まれる」(同)と見通す。
欧州は2カ月ぶりに150億円台を回復した。イタリアが22カ月ぶりに30億円を超え、ドイツは18カ月ぶりに増加。日工会は「24年後半に大きく落ち込んだ欧州連合(EU)圏での受注状況が徐々に改善している」(事務局)と受け止める。内需は2カ月連続で減少し、「中小企業では補助金の採択まで発注を控える様子が感じられる」(同)という。
日工会が6月上旬に実施した会員企業アンケートによると、7―9月期の受注が4―6月期と比べ「増加する」と答えた企業の割合から「減少する」と答えた企業の割合を差し引いた判断指数(DI)はマイナス2・8で、3月上旬の前回調査比で1・3ポイント改善した。日工会ではDI値の2四半期続けての改善に、「年後半の受注増加が期待される」(同)との見方を示す。
- 2025年7月10日
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- 2025年7月8日
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乗用車メーカー8社の5月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比3・5%減の197万1394台となり、4カ月ぶりに前年同月実績を下回った。前年の同時期に認証問題があった日本国内の生産で反動増が一部でみられたが、稼働日減少の一時的な要因のほか生産終了車両分の台数減などが影響した。トランプ米政権による輸入車への追加関税発動から約3カ月が経つが、さらなる追加関税の可能性が示唆されるなど不透明な状況が続く。
世界生産はトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダ、スズキの5社が前年実績を下回った。トヨタは中国や北米で伸びたものの、日本や欧州の稼働日減で、世界生産は同0・7%減と前年並みだった。
日産の世界生産は同16・5%減と5社の中で下げ幅が最も大きく、12カ月連続でマイナスとなった。電気自動車(EV)「リーフ」に関して、日本では新旧の入れ替え、米国では生産終了に伴い台数が減少。英国の小型スポーツ多目的車(SUV)「ジューク」の減少なども影響した。
ホンダはアジアでの価格競争激化や、中国の新エネルギー車(NEV)市場拡大などによる販売減で世界生産が10カ月連続で減少した。マツダは日本でのSUV「CX―90」の減少などで4カ月連続のマイナスとなった。
スズキの世界生産は4カ月連続で減少。日本の減少要因としては小型車「スイフト」の生産減や、欧州向け小型4輪駆動車「ジムニー」の生産終了などが影響した。海外生産はハンガリーなどの生産が減り前年同月実績をわずかに下回ったが、インドは好調を維持し5月として過去最高となった。
一方、ダイハツ工業は認証問題による影響の反動増で国内生産が同64・6%増と伸長した。SUBARU(スバル)と三菱自動車は国内外ともに生産がプラス。三菱自はインドネシアで2月に2026年式の小型SUV「エクスフォース」の生産を開始し順調に台数が伸びている。また生産減が続いていたタイもピックアップトラック「トライトン」の貢献で前年同月比の減少率が縮小し、海外生産全体では7カ月ぶりに増加した。
- 2025年7月8日
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- 2025年7月4日
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MonotaRO(モノタロウ)は、図面を用意しなくても金属や樹脂の部品をカスタマイズ(個別対応)注文できる特注品加工サービスを始めた。専用サイト上でL型や凸型の図面に寸法を入力し、穴位置などをクリックして指定した後、完成図で確認して注文できる。ガラスや木材など五つの素材とさまざまな形状の加工が可能。通し穴やタップ穴などの穴加工、表面処理にも対応し、1個から注文できる。
CADなどの専門知識がない中小企業の需要に対応する。
今後、形状は円形や丸棒など、加工は長穴や四角穴、Cカットなどへの対応も予定する。素材や形状、加工種類を増やす考えだ。
従来、特注品の注文にはCADなどを用いて作成した図面が必要だった。CADソフトの導入や専門知識を持つ人材の獲得が難しい中小企業などが注文しやすいようにして、加工を専門とする工場による高精度な部品を提供する。
- 2025年7月4日
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- 2025年7月3日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した2025年上期(1―6月)の新車販売台数は、前年同期比10・2%増の234万5459台で、暦年の上期として2年ぶりにプラスに転じた。前年同期にあった一部メーカーによる認証不正に起因する供給制約の反動増が寄与した。
登録車は前年同期比7・3%増の149万9729台で2年ぶりの増加となった。
登録車のうち普通乗用車は同2・6%増の89万7685台。小型乗用車は同19・1%増の42万7849台だった。貨物車では小型貨物車の伸び幅が大きく、同11・4%増。貨物車合計で同6・5%増の16万8562台だった。バスは同8・2%増で3年連続で増えた。
軽自動車は同15・9%増の84万5730台で2年ぶりの増加。このうち乗用車は同17・3%増、貨物車は同11・0%増と、ともに2年ぶりにプラスに転じた。
全軽自協は7月以降の見通しについて「物価高の影響や部品供給不足による工場稼働停止などの影響が心配されるものの、6月に量販車種がフルモデルチェンジを行ったこと、7月に一部車種の改良が予定されていることもあり、市場の活性化に期待したい」としている。
自販連は「ダイハツ工業が部品不足による工場稼働停止を予定することや、米国政府による自動車関税が今後、国内販売にどう影響するか。すぐに需要が増減するわけではないが、状況を注視したい」と冷静にみる。
6月単月の新車販売台数は前年同月比5・2%増の39万3160台で6カ月連続で前年同月実績を上回った。登録車は同2・5%増の24万7563台、軽自動車は同10・3%増の14万5597台でともに6カ月連続のプラスとなった。
- 2025年7月3日
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- 2025年7月2日
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日本自動車部品工業会(部工会)がまとめた2025年3月期(24年度)の自動車部品工業の経営動向によると、上場61社の売上高は前期比1・7%減の30兆5749億円となり4年ぶりに前期を割り込んだ。主要取引先である完成車メーカーの減産などが響いた。営業利益は合理化努力や為替の円安効果により、同16・9%増の1兆6446億円と2年連続で増加した。
調査は部工会会員企業のうち上場企業で自動車部品の売上高比率が50%以上、前期比較が可能な61社を対象に集計・分析した。
25年3月期は増収企業が35社(全体の57・4%)となり減収企業の26社(同42・6%)を上回った。営業利益では増益企業が37社(同60・7%)となり、減益企業の24社(同39・3%)を上回った。
業績予想を非公表とした2社を除く59社を集計した26年3月期(25年度)見通しでは、売上高は同0・8%減の29兆5821億円と2年連続で減少を予想。円高やアジアを中心とした車両の販売不振などで46社(同78・0%)が減収を見込む。一方、営業利益は同9・5%増の1兆7285億円となる見通し。増益を見込む企業と減益を見込む企業がほぼ同数となった。部工会では「米国関税の影響織り込み状況には各社で差がある」としている。
- 2025年7月2日
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- 2025年7月1日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめた2025年上期(1ー6月)の車名別新車販売によると、ホンダの軽自動車「NーBOX」が上期として4年連続の首位となった。前年同期比2・7%増の10万3435台で、登録車も含めて唯一10万台の大台に乗った。
NーBOXは23年10月のフルモデルチェンジ効果が一巡しても、なお首位を堅持。ー年9月にアウトドア利用も見据えた新グレード「NーBOX JOY」を追加した効果も見られた。
2位はトヨタ自動車の小型車「ヤリス」で前年同期比6・4%増の8万6942台。24年6月に「ヤリスクロス」を生産停止した反動で伸びた。3位のスズキの軽「スペーシア」は同0・1%減の8万4322台だった。
トヨタの乗用車「カローラ」は同12・0%減の7万5019台で4位。25年5月に「カローラクロス」などを一部改良しており、上期後半に一時的なマイナス影響があった。
6月にフルモデルチェンジをしたばかりのダイハツ工業の軽「ムーヴ」は同5・6倍と躍進。新型車効果に、同社の認証不正問題からの反動増が重なった。30位圏外だった前年同期から7位まで順位を上げ、6月に限ると全体の2位に付けた。
ホンダの小型ミニバン「フリード」は24年6月にフルモデルチェンジした効果により同27・8%増の4万9094台で8位。スズキの軽「ジムニー」は受注残の解消が進み同32・2%増の2万6984台で30位圏内に食い込んだ。
- 2025年7月1日
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- 2025年6月27日
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プロ野球オリックスの本拠地、京セラドーム大阪に掲出されている企業の広告を本塁打が直撃。予想外の宣伝効果に大興奮した企業がXで、本塁打を放った選手への100万円贈呈を宣言するという珍事が発生している。
この企業は、群馬県館林市に本社を置く株式会社小林機械。中古の工作機械の販売や買取、修理を事業としている。京セラドームの左翼側5階席下のフェンスに広告を出しているが、10日のオリックス戦の5回、杉本裕太郎外野手の特大本塁打がここを直撃。中継に大きく社名が映った。
同社の公式Xは本塁打の直後から「すごい 社長 どうしましょ」と大興奮。続けての投稿で「取り急ぎご報告です 何かしらプレゼントさせて頂くことになりました 社長は関西人なのでノリもピカイチです 杉本選手ありがとうございます、プレゼント少々お待ちください」と何か動きがあることを匂わせていた。
そして、12日の試合前には「杉本選手には100万円を贈呈させて頂きます 弊社としては工作機械をと思ったのですが、次から小林機械の看板だけは当てるなとなりそうなので、やめました笑 杉本選手、改めてありがとうございます」と投稿。球団とも話し合いのうえ、太っ腹な100万円プレゼントが実現すると報告している。
- 2025年6月27日
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- 2025年6月25日
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オーエスジーダイヤモンドツールが、ダイヤモンド切削工具「N‐BRAND」の新カタログ・Vol4を5月に発刊した。
「手に取りやすく、使いやすい」ダイヤモンド切削工具を目指して、異例の標準品カタログを創刊したのが2年前。早くもVol4となり、今回は「ダイヤモンド工具の基礎知識から応用事例までを分かりやすく解説」した教科書的な頁を追加し、標準在庫品を17品目増やして28品目を掲載。合わせて100頁のカタログで、タイトルは「THE DIAMOND BASICS」とした。
「ダイヤモンド工具に対するイメージは『価格が高い』『納期が長い』『扱いが難しい』といったものが多いが、超硬工具では対応できない領域で非常に大きな可能性を秘めており、想像以上にコストパフォ—マンスが高いことを広く知って頂きたい」と神谷伸顕社長。そこで、標準品カタログと教科書を一体化させた。
教科書頁では、単結晶ダイヤモンド、PCD、CBNの特性や工具事例などを図や写真を使って詳しく解説。カタログ頁では、昨年事業継承したマイクロダイヤモンド社の微細ミリング工具や、オーエスジーの6C×OSGやコンツール社(蘭)の製品も含め、単結晶ダイヤモンド、PCD、CBN工具を掲載。旋削、ヘール、ミリング、ドリリングなど、超微細高精度加工から一般的な高精度加工まで、多彩な加工に対応する工具を揃えた。
今回のカタログは、英語版、中国版も用意し、世界に向けて発信する。また、「今後もお困りであろう加工を可能にする工具を標準化し、市場を開拓していく」と、標準品のラインナップを拡充していく予定で、加工技術の進化も含めて、随時WEB版で更新していく計画だ。
- 2025年6月25日
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- 2025年6月24日
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MOLDINOは4月、野洲工場ソリューションセンター内に微細切削加工に特化した加工室を新設した。微細加工用マシニングセンタ(MC)2台を導入し、工具や工法の開発などに活用する考え。
4月22日に開催した加工技術セミナーで公開した。名称は「美彩(微細)加工室」。野洲工場の赤松猛史工場長は「美しく彩るような心躍る加工室にしたいという意味を込めた」と説明した。
導入したMCは主軸回転数が最大毎秒15万回転と毎秒6万回転の2台。以前から同拠点に設備されている微細加工用MC3台と合わせて5台体制とした。加工室内は室温を23度±0・5度以内で保つ恒温環境にした。また、加工機の床下は厚さ700㎝の基礎コンクリートを打ち込んで強化した他、周囲建屋と切り離すことで、振動の影響を受けにくい構造とした。
同社は近年、燃料電池セパレータ用金型や光学レンズ用金型、半導体部品などの微細切削加工に適したドリルやエンドミルの開発に注力している。今年2月には新開発の超硬合金を採用したエンドミルを発売し、φ0・1㎜から製品ラインアップを揃えた。開発技術部の古野真弘部長は「新たに設立した環境を生かし、顧客への提案につなげていきたい」と述べた。
ニュースソース:日本産機新聞
- 2025年6月24日
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- 2025年6月23日
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城洋(兵庫県姫路市、角田城治社長)は、射出成形機のシリンダー(加熱筒)を製造している。シリンダーは内部でプラスチック原料を溶かす部材。射出成形の工程で重要な役割を果たす、いわゆる心臓部分だ。光学レンズ向けなど特殊なプラスチックの射出成形機で採用されている。国内メーカーの全てが取引先だ。角田社長は、「超高級品と言われているところに使われている」と話す。
射出成形において特殊なプラスチック材料ほど、加熱すると腐食性ガスが発生しやすい。シリンダーに使用する材料部分からこだわることで、この課題に向き合っている。ニッケル合金などの粉末合金を混合し、約1000度Cで約2000気圧という高温高圧下で原料を原子レベルで結合している。「どういった種類の粉末合金を混ぜるかが、当社のノウハウの部分。強みと言える」(角田社長)という。
城洋は1965年に創業し、精密機械部品の製造を手がけてきた。現在も産業向けのほか、船舶や航空機エンジン向けなど幅広い分野に製品を納入している。潮目が変わったのは、90年代。取引先がシリンダー事業から撤退することになり、供給責任を果たす目的でその事業をそのまま譲り受けた。
角田社長は、「精密機械部品を製造している実績があるため、(シリンダー材料で使用する)難削材の加工は得意だ」と説明する。加工技術に強みがある一方、機械部品は取引先の発注を基にした仕事が中心。一方、シリンダーは自社ブランドとして、力強く売り出す。
長らく射出成形機市場は、右肩上がりの成長を見せていた。ところがこの数年、中国市場や自動車業界の景況悪化を受けて低迷しており、業界の先行きに不透明感がある。
この状況に対し角田社長は2024年、省エネルギータイプのシリンダーを開発した。自社の技術を結集して時代の変化に対応した製品を開発し、新たな市場を開拓する方針だ。
- 2025年6月23日