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- 2022年10月27日
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ブラザー工業は、最新のコンピューター数値制御(CNC)装置を搭載した小型複合加工機の新機種「スピーディオ M200Xd1」「同 M200Xd1―5AX」を発売したと発表した。操作性を向上させるとともに、これまで22本だった工具を最大28本搭載できる仕様を追加。「5AX」は同時5軸加工制御に対応した。価格は1142万円(消費税抜き)から。
2019年に発売した「M200X3」の後継機となる。マシニング加工と旋削加工の双方ができ、工程集約を可能にする。新たに装備したCNC装置「CNC―D00」はタッチパネル式の15インチ液晶で直感的な操作を実現。消費電力や稼働率など生産に関わる情報を「見える化」するアプリケーションを搭載する。
新機種の投入に併せて、搬入・搬出を自動化する専用のローディングシステム「BV7―870Ad」も発売した。「M200Xd1」のほか、スピーディオシリーズの「S300Xd1」「S500Xd1」に搭載可能。価格は316万円(同)。
- 2022年10月27日
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- 2022年10月25日
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エンシュウはマシニングセンター(MC)内蔵型搬送装置「E-Loader(イーローダー)」の展開に力を入れている。イーローダーは自動化や省スペース化などに寄与する点が特徴だ。自動車業界向け工作機械で培ってきた高度な技術力や信頼性といった強みを前面に出し、中堅・中小企業にも幅広く訴求していく。
「中堅・中小企業に自動化やデジタル化の波を起こしたい」-。鈴木敦士副社長はこう意気込む。エンシュウは長年、工作機械の製造・販売に加え、自動車関連企業向けに生産ラインを構築するラインビルダーを手がけてきた。ただ、自動車業界は電動化など変革期の渦中にあり、自動車以外の新たな需要への対応も重要と捉える。
そこで、工作機械の量産加工ラインなどの知見を生かし、開発したのがイーローダーだ。同製品はMCから加工材料などを自動で搬送でき、円滑に次工程に進めるほか、外部に別の搬送装置を取り付ける場合と比べ設置スペースも大幅に減らせるといった特徴を持つ。稼働情報の収集などデジタル化にも寄与する。
「プログラミングが必要なロボットに比べ、手軽にさまざまな設定ができるなど手間がかからない。導入コストも抑えられる」と鈴木副社長。引き合いは好調という。
エンシュウは工作機械事業とともに、2輪車・4輪車向け部品の加工も手がける。2021年4月には営業部門を自動車関連の「第1営業部」と非自動車分野の「第2営業部」に分けた。工作機械事業と連携しつつ、より広い顧客ニーズに対応する体制を整備した。
エンシュウは26年3月期までの5カ年の中期経営計画で、売上高500億円(23年3月期見通しは300億円)を目指す。計画の達成には得意の自動車業界だけでなく、中堅・中小企業など顧客のすそ野を広げることが不可欠。その先導役となるのがイーローダーだ。同製品の育成にさらに力を入れ、中長期的な成長曲線を確実に描く考えだ。
- 2022年10月25日
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- 2022年10月24日
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東洋機械製作所は11月に同時4軸仕様の微細精密横型マシニングセンター(MC)の新機種「Th100LP―4」を投入する。
連続加工に適した横型構造としつつ自由曲面の超精密加工を可能とし、微細加工の高度化に対応する。同社は工作機械のOEM受託で培った技術力を生かし、同MCをはじめとする自社製品開発などで新たな事業領域を開拓中。受注変動に左右されにくい事業構造への転換を加速し、安定した事業基盤を構築する。
東洋機械製作所の微細精密横型マシニングセンターは、純銅ローターを用いた独自開発の高効率ビルトインモーターを搭載し、主軸の振れを抑制。切りくずのはけが良く、熱影響が少ないため、金型の電極加工、微細精密部品加工など用途を広げている。2016年に初号機を発売した。
今回投入する「Th100LP―4」は高精度の回転軸A軸を付加し、角度の位置決め精度プラスマイナス0・005度以下で自由曲面の高精度加工が可能。オプションで電荷結合素子(CCD)カメラ式非接触工具自動測定装置の付加などで、主軸が毎分4万回転時でも工具の径と長さの状態を確認可能で、加工精度を安定できる。価格は3400万円(消費税抜き)。ギア加工向けなどに年間10台の販売を目指す。
同社は工作機械を中心に試作モデル、専用機の設計・製作のOEM受託を軸に展開。工作機械の自社開発のほか、事業構造転換に向けては部品加工技術を駆使して23年にも発電用のディーゼルエンジン部品の供給を計画する。
国の補助金を活用して23年6月にユニバーサルヘッド付き5面加工機などを導入予定。投資額は1億5000万円程度を見込む。将来は新たな柱事業にする考えだ。
- 2022年10月24日
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- 2022年10月19日
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ヤマゼンクリエイトは、卸売商社・問屋向けに「ご用聞き営業」を支援するアプリケーション(応用ソフト)「コンタクトウェブ=画面イメージ」を発売した。手間のかかる受注業務をアプリ内で完結できる。価格はスタンダードプランで月額3万3000円(消費税込み)。2022年内に100件の販売を目指す。
営業担当者は顧客から送られる商品の型番などの写真とメッセージをスマートフォンで確認する。アプリ内でのやりとりは、商材の手配担当者ら社内にも共有されるため、受注業務を見える化・効率化でき、時間の短縮につながる。
同アプリはソフトウエア会社のWEB―WINGが開発した。導入した卸売商社・問屋は自社アプリとして使え、各社の顧客は同アプリをダウンロードすれば通販サイトのように利用できる。
ヤマゼンクリエイトは山善の子会社で、企業のセールスプロモーション事業などを手がける。
- 2022年10月19日
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- 2022年10月18日
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造船・重機大手が円安進行の恩恵を受ける。5社のうち川崎重工業とIHIが、2023年3月期連結業績予想を前提為替レートを見直して上方修正した。一方で22年4―6月期連結決算は、経済回復途上のサプライチェーン(供給網)混乱などの影響が根強い。各社は値上げなどでマイナス要因を打ち消そうとしている。
川重は前提為替レートを5円円安の1ドル=125円に変更し、5月の従来予想に対し売上高を100億円、事業利益と当期利益を30億円上方修正した。2輪・4輪車や航空宇宙で円安効果が出る。
一方で各事業での原材料や輸送費高騰の影響が大きく、2輪・4輪車を中心とした値上げで打ち消せない。油圧機器の中国市場減速も響く。山本克也副社長は「円安で輸出は追い風だがコストアップや物流費高騰にも効くので、それぞれが打ち消し合っての上方修正だ」と分析する。
IHIは15円円安の1ドル=130円に変更し、売上高を500億円、営業利益と当期利益を100億円上方修正した。ただ、航空機エンジンのスペアパーツのリージョナルジェット向け販売減での50億円の減益要因も織り込んだ。航空会社の人手不足で運航数が増えないのが原因だ。
3社は前提為替レートを維持し、通期予想を据え置いた。三菱重工業は4―6月期に材料費や輸送費高騰・半導体不足が110億円の事業減益要因になった。フォークリフトなどは現状の受注は値上げ前のもので、「下期になれば値上げしたものが受注できる」とみる。
住友重機械工業は通期について「円安効果はあるがサプライチェーン制約で売り上げが抑制される」と見通す。三井E&Sホールディングスは舶用エンジンなど機械の受注が好調だが、通期予想は維持した。
- 2022年10月18日
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- 2022年10月17日
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住友電気工業は立方晶窒化ホウ素(CBN)焼結体のインサート切削工具「コーテッドスミボロンBNC8115/スミボロンBNS8125」において、ダブルクランプホルダー対応クランプ穴付きを発売した。インサートを安定的に把持するダブルクランプホルダー用のクランプ穴を追加したことで、インサート着脱が容易になり、加工精度も高まった。
種類は「ISO旋削/転削用インサート」で、BNC8115が6型番(ネガティブ型)、BNS8125が6型番(同)の合計12型番。
消費税抜きの価格は標準品「CNGA120408 BNC8115」が3万6800円、同「CNGA120408 BNS8125」が3万6000円。
- 2022年10月17日
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- 2022年10月13日
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ジェイテクトは工作機械で主力の円筒研削盤で攻勢をかける。4月に販売を始めた「G1シリーズ」の量産向けの高生産タイプの小型3機種に続き、小ロット向けの高品質タイプの小型機「タイプG」「同L」を3日に発売した。同社は4月に工作機械製品のブランドを旧来の「TOYODA」から「JTEKT」に変更している。新機種の立て続けの投入で、量産から小ロットまで用途に応じて選べる新ブランドのラインアップを一気にそろえた。
消費税抜きの価格はGが880万円から、Lが1450万円から。両機種とも簡単に熟練加工ができるよう操作性を高めつつ、Lは高品質の加工も追求した。
いずれも変形、熱変位の複合解析で機械構造の最適解を反映した設計をするとともに、低振動を実現する軸受の採用で高い加工精度を確保した。
また、プログラム作成時間の短縮や単品加工の効率が向上する「らくらく操作」の機能を装備。自動車のステアリングメーカーとしての技術を詰め込み、電気信号で切り込みやテーブルの位置を調整する「ステアバイワイヤハンドル」もオプション搭載した。
Lについては徹底的な熱管理で熱伝導を遮断し暖機運転ゼロを達成。リニアスケールにより微細切り込みを可能とする。独自の検知システムで加工前に砥石(といし)の先端位置を把握し、安定した加工精度を維持して、寸法バラつきを従来の半分にした。
- 2022年10月13日
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- 2022年10月11日
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オーセンテックのバリ取り機「AuDeBu Mini(オーデブ ミニ)」が好調だ。1月にリニューアルし、累計販売台数は25台。2022年中に50台達成を目指している。
同機は小物の加工対象物(ワーク)に特化したR面取り加工の仕上げマシン。独自の吸着機構を採用し、硬貨・切手サイズの小物ワークの安全・安心なR面取り加工を可能にした。ユーザーから「小物ワークのバリ取りは手作業でやるしかない。機械化してほしい」との要望を受け製品化した。
ターンテーブル方式の採用でワークの搬入・搬出を1人で容易に行え、背面を壁に近接させることが可能。設置場所の自由度が高く、省スペース化に寄与する。他作業との「掛け持ち」も可能で作業工程を効率化できる。
価格は900万円(消費税抜き)から。高田社長は「今後もユーザーの声を反映した機械を開発し現場の負担を軽減したい」と意欲を示す。
- 2022年10月11日
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- 2022年10月6日
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DMG森精機は機械加工時に発生する切りくずを、送り軸に振動を与えて分断する機能「チップブレーキング」を発売した。切りくずトラブルを解消し、切りくずの除去作業も不要となり、切りくず処理の手間や費用を大幅に削減できる。自動化システムの導入も容易となり、生産性の向上につなげられる。価格は55万円(消費税抜き)から。
工作機械本体やソフトウエアを一体提案する「テクノロジーサイクル」の新機能として提供する。搭載可能機種は、同社製のターニングセンターと複合加工機、4軸複合加工機で、既に導入済みの機種にも適用できる。
主軸回転と同期した振動を送り軸に与え、送り軸方向に工具を振動させることで、非切削時間を設けて切りくずを分断する。主軸1回転当たりの振動回数を変更することで切りくずの長さを調整できる。
切りくずが長くなりやすい樹脂や純銅、純アルミニウムでも確実に切りくずを分断できる。外径旋削のほか溝入れや穴開け、内径旋削などさまざまな加工方法に対応する。
機械加工の現場では加工時に発生する切りくずが工具や加工対象物(ワーク)に巻き付くことで、加工不良や精度不良を引き起こすほか、機械の停止や故障の原因にもなっている。特に切りくずが長くなりやすい被削材に対しては、手作業による切りくず除去をはじめさまざまな対策が必要となる。一方、これらの方法には追加の工具や設備導入の費用が伴い、除去作業などに時間を要するという課題がある。
- 2022年10月6日
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- 2022年10月5日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した1―6月期の工作機械受注実績(確報値)は、前年同期比29・8%増の9112億2200万円で3半期連続の増加となった。1―6月期として2018年以来4年ぶりの9000億円超えで、過去2番目の受注高を記録。半導体製造装置関連などの電気・精密分野を中心に設備投資が活況で、内外需ともに好調を持続した。
日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は、7―12月期について「この勢いが急に失速することは考えにくい」と見通し、「年間受注見通しの1兆6500億円を上回るのはほぼ確実」との見解を示した。
内需は前年同期比48・9%増の3145億8000万円で、1―6月期として2年連続増加した。3000億円を上回るのは8半期ぶり。主要4業種はすべて増加し、このうち電気・精密は90年7―12月期に次ぐ過去2番目の受注高となった。
外需も同21・6%増の5966億4200万円で、1―6月期では2年連続の増加。5000億円超えは2半期連続で、過去最高を更新した。地域別ではアジア、欧州、北米の主要3極がすべて増加し、アジアと北米が過去最高を更新した。
アジアは、EV向けや産業機械向けが好調で3カ月ぶりの500億円超え。そのうち中国は同24・0%増の347億9000万円と5カ月ぶりに増加し、13カ月ぶりに340億円を上回った。
北米は17カ月連続の増加で、10カ月連続で250億円を上回った。一方、欧州はロシアやトルコで受注キャンセルが発生した影響で、17カ月ぶりの減少となった。
- 2022年10月5日