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- 2025年9月5日
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ソディックは金属積層造形(AM)による変形を抑え、切削加工性を高めたAM用粉末材を月内に投入する。
超強力鋼の粉末で、残留応力を抑える独自の造形方法に合わせて組成を調整。射出成形用の金型に必要な耐摩耗性などを維持しつつ、造形後の硬度を切削による仕上げ加工で精度を出しやすい硬さに抑えた。切削機能を備えた同社製金属AM機と併せて提案し、設計の自由度が高い高精度な金型を効率的に生産する需要を取り込む。
射出成形金型向けに開発したAM用の粉末素材「HYPER21」は、レアメタル(希少金属)のコバルトを含まないマルエージング鋼をベースとした粉末で、国内生産により品質管理を含め安定供給する。価格は個別見積もりで対応する。
ソディックは敷き詰めた金属粉末にレーザーを照射して溶融し、一層ずつ造形するパウダーベッド方式の金属AM機で、造形時に機内で定期的に熱処理をすることで対象物(ワーク)の残留応力を取り除く手法「SRT工法」を開発している。
新素材では組成をSRT工法に対応しやすくする一方、造形後の硬さを切削加工しやすい硬度「HRC40」に調整。金型の金属AMで課題だった残留応力による反りや亀裂を抑えつつ、切削加工で高精度な仕上がりを実現できるようにした。
同社は切削加工機能を備えたパウダーベッド方式の金属AM機「OPMシリーズ」を発売し、複雑な形状の冷却水管を組み込んだ金型の造形などを後押ししてきた。同金属AM機とHYPER21を併せて提案することで、工程集約による金型の高い生産性と高精度な仕上がりを両立し、付加価値の高い金型の提供に貢献する。
- 2025年9月5日
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- 2025年9月4日
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ヘルツ電子は、主に工具作業を支援する装置の受信機に新機種「TW―870Rシリーズ」の3機種を追加し、発売した。
従来比2倍となる4本のアンテナを装備し、最新の無線モジュールを搭載した。送信機からの情報をより広範囲に受信できるようになったほか、待機時消費電力は従来品比で半減する。消費税抜きの価格は6万5000―17万5000円。今後5年間に同シリーズで3000台の販売を目指す。
同受信機は、工具作業を支援する装置「ポカヨケツール」と合わせて使用する。ポカヨケツールは作業実績数などを取得した送信機から、受信機に情報を送る製品。
新発売の受信機には通信で使用するチャンネルを変更する機能や、専用ソフトウエアで無線通信の状況をモニタリングする機能も追加した。
このほかポカヨケツールと連携して使う生産工程支援のソフトを刷新し、新シリーズ機に対応させた。同ソフトの価格は消費税抜きで18万円。
- 2025年9月4日
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- 2025年9月3日
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乗用車メーカー8社が発表した7月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比1・7%減の201万5932台となり、2カ月ぶりに前年同月実績を下回った。国内生産はトヨタ自動車などがカムチャツカ半島沖地震の影響で工場の稼働を一時停止したのに加え、軽自動車市場の縮小もみられ、同7・8%減となった。今後は米関税政策による世界経済停滞も懸念され、先行きの見通しづらい状況が続く。
世界生産はトヨタ自動車を除く7社が前年実績を下回った。トヨタは海外生産が同12・0%増と堅調で、世界生産とともに7月単月で過去最高に達した。北米でリコール(無料の回収・修理)からの反動増があったのに加え、中国も伸びた。
日産自動車の世界生産は同4・2%減。中国で電気自動車(EV)セダン「N7」が好調な一方、米国はセダン「アルティマ」の台数減で生産を同30・0%減と大きく減らした。国内生産は17カ月連続で前年同月を下回った。
ホンダの世界生産は同7・0%減で12カ月連続のマイナス。中国で新エネルギー車(NEV)市場の拡大や価格競争激化の影響を受けるなどして、海外生産が落ち込んだ。
スズキは国内生産が軽自動車の販売市場の縮小で同5・7%減。海外生産は主力のインドが7月として過去最高を更新した。インドネシアでのスポーツ多目的車(SUV)「フロンクス」生産開始も寄与した。
ダイハツ工業も軽自動車の減少により国内生産が同11・9%減と7カ月ぶりのマイナス。海外生産はインドネシアが軟調だった。
SUBARU(スバル)は国内で2024年春の減産に対する挽回生産からの反動減もあり、世界生産が同4・9%減。三菱自動車はタイで欧州、米国、豪州向け一部車種の生産を停止した影響で世界生産が同9・3%減だった。マツダは国内と海外でSUV「CX―30」の生産を大きく減らし、世界生産は同22・6%減となった。
- 2025年9月3日
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- 2025年8月29日
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日本のモノづくり復権に向けてトヨタ自動車が動き出した。本拠地の愛知県豊田市に、同社として国内で14年ぶりとなる車両工場を新設する。既存工場に老朽化の波が押し寄せる中、新工場に車の生産を移管しながら、既存工場の修復や建て替えを進めるとみられる。日本経済のけん引役であり外貨を稼ぎ、地域の雇用を支えるトヨタ。国内産業やサプライチェーン(供給網)を守りつつ「自働化」を取り入れるなど工場の新たな姿を模索する。
国内の車両工場新設は2011年のセントラル自動車(現トヨタ自動車東日本)の宮城工場(宮城県大衡村)以来。新工場は機械設備を生産する貞宝工場(愛知県豊田市)の近隣の見通しで、30年代初頭にも稼働する計画だ。
グループの関連工場を含め、国内で14工場・28ラインを稼働するトヨタ。ただ、完成時期は「クラウン」や「bZ4X」「GRヤリス」などを生産する元町工場(同)が1959年、「RAV4」や「ハリアー」を手がける高岡工場(同)は66年、「カローラ」や「プリウス」を担う堤工場(同)は70年と、各工場が“50年選手”となってきた。東崇徳経理本部長は「老朽更新しながら体制を整える。日本のモノづくり基盤を残すためにも、しっかりとしたモノづくりができる場所と新たな働き方にチャレンジする場所をつくる」と話す。
ここ数年は米ノースカロライナ州の車載電池工場の建設や、同インディアナ州プリンストン工場の電気自動車(EV)生産、中国・上海市金山区における高級車ブランド「レクサス」の工場新設など、海外の大型投資が続いた。国内新工場建設について、ある取引先は「驚いた。国内重視はありがたい話」と期待を寄せる。
この動きを捉える上で欠かせないのが、サプライチェーン維持に不可欠としてトヨタが掲げる「国内生産300万台体制」の視座だ。東日本大震災後の12年以降で見ると、新型コロナウイルス感染症と半導体不足という特殊要因により20―22年の3年間は暦年・年度ともに300万台を割り込んだが、それ以外は堅持している。
長年築き上げた国内の強靱(きょうじん)なサプライチェーンはトヨタ最大の強み。生産による「量」の確保だけでなく「利益」を生み出すため、トヨタと取引先が共に現場で知恵を出し、生産性や原価の改善を進めている。
新工場への布石もあった。国内外の取引先を対象とした25年2月の年間方針説明会や春の労使協議会で、佐藤恒治社長は建屋・設備の老朽更新に言及。「安心して笑顔で働ける現場をつくるために、環境改善につながる投資をしっかり続けていく」と語っていた。
新工場は「未来工場」としての位置付けもあるようだ。無人の工場で車が生まれるのではなく、人が生きがいを持てる工場を想定。設計・生産の両面で人に優しい車づくりにより、工程数や生産リードタイムを低減する。サプライヤーから商品を集荷するミルクラン(巡回集荷)などの物流改革や、過度な品質要求の是正、旧型の補給品の種類を統合し固定費を下げる取り組みなども推進し、継続的な発展に結び付ける。
経済産業省の工場立地動向調査によると、立地件数・面積ともにピークだった1989年に対し現在は3分の1―4分の1程度に減少した。米中摩擦の長期化やコロナ禍など世界同時多発的な危機によるサプライチェーンの混乱、円安による輸入コスト増、労働力減少など、日本のモノづくりを取り巻く環境は厳しさを増している。
その中でもトヨタは工場新設に踏み切る。製造業の工場は雇用を生み、地域経済を発展させる。同社にかかる期待は大きいが、こうした流れが同業他社や他業界に広がるかどうかも大きなテーマになる。
- 2025年8月29日
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- 2025年8月28日
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ユアサ商事は良品の特徴をAI(人工知能)で学習することで導入しやすくした外観検査装置を拡充する。同社を含む4社でシャフトなどの金属製品向けAI外観検査装置を共同開発した。
カメラなど検査に必要な機能をパッケージ化した同装置を製造ラインに設置するだけで、最短5分でAIを生成して検査を開始できる。検査と同時に最大100カ所の寸法測定も可能で、全数検査や省人化といった需要に対応する。
ユアサ商事は、コネクトーム・デザイン(東京都千代田区)や山洋電気、ティーアイジー(長野県上田市)と共同で、金属製品向けAI外観検査装置「F[ai]ND OUT(ファインド・アウト)シリーズ MEX TYPE―S」を開発した。
シャフトなどの検査対象物(ワーク)を同装置に設置すると、ワークを回転しながら全周を自動で撮像する。同様に数十本程ワークを撮像すると良品の特徴を学習したAIを生成でき、キズや切粉などの不良の判定が可能になる。不良品登録の負担を減らし、導入しやすくした。
検査では良否判定と同時に、画像から直径など最大100カ所の寸法を測定できる。良否判定の基準「しきい値」を自ら設定でき、現場に合わせて検査精度を作り込める。別のワークでAIを生成すれば、検査品目の追加設定も可能。治具費用などを除いた消費税抜きの価格は1600万円。初年度10セットの販売を目指す。
自動車業界などでは全数検査が求められ、現場の負担が増している。一方、習熟が必要な検査作業は人手が不足し、省人化や自動化の需要が高まっているという。
ユアサ商事は2023年にコネクトーム・デザインと煎餅などの食品向けを中心にAI外見検査装置を開発して発売した。良品を学習するAI検査の仕組みを金属製品にも応用。シャフトを皮切りに他の金属部品向けにも同装置を順次開発して需要を取り込む。
- 2025年8月28日
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- 2025年8月27日
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長谷川機械製作所は、同時5軸マシニングセンター(MC)「PM320―5XT」を開発した。回転しない工具を加工対象物(ワーク)に当てて金属表面を削り取る彫刻(ヘール)加工のほか、旋削加工にも対応する。
主軸の左右(X軸)移動量が320ミリメートルの機種。ワークを載せる加工テーブルは、水平回転のC軸を電動モーターによるダイレクトドライブ方式とした。従来機種がローラーギアによるローラードライブで毎分100回転だったのに対し、新機種では同2000回転にまで回転数を上げ、立型の主軸に旋削バイトを取り付けて旋削加工が行える。
テーブルの大きさもこれまでの直径100ミリメートルから同130ミリメートルに拡大した。旋削時の位置決め手法についても特許を出願している。
彫刻加工では、ワークに工具を当てて動かし、同時にテーブルをわずかに回転させたり傾けたりしながら、美観品の模様や微妙な形状、筆で書いたような文字などを表面に再現できる。腕時計やカメラ、アクセサリー、医療機器、半導体製造用の治具台、自動車・航空機部品、金型など幅広い用途を見込む。
- 2025年8月27日
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- 2025年8月26日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した7月の工作機械受注総額(確報値)は、前年同月比3・6%増の1283億5700万円となり、2カ月ぶりに増加した。
5カ月連続で1250億円を超えた。国内は横ばい基調が続くが、アジアや欧州が増加した。日工会では「地域、業種、企業規模などで濃淡はあるが、外需を中心に総じて根強い設備投資が感じられる」とした。
主要地域別では中国が前年同月比8・3%増と16カ月連続で増加し、5カ月連続で300億円を超えた。業種別では一般機械向けが同15・2%増の112億円、自動車向けが同34・6%増の102億円。日工会は「有力完成車メーカー系列を中心に活発な設備投資が続いている」とみる。
車向けなどが堅調なインドは同22・5%増と3カ月連続で増加。ベトナムは一般機械向けの特需もあり、同2・5倍と伸びた。
欧州は同11・8%増と19カ月ぶりに増加。ドイツは同6・7%減の34億円と減少したが、「北欧や南欧など周辺地域が増加した」。北米は4カ月ぶりの減少となったが、一般機械向けなどが堅調な米国は同3・6%増の237億円と6カ月連続で増加した。
内需は4カ月連続で減少したが、車向けが同26・0%増と4カ月ぶりに増えた。
トランプ米政権の関税措置で米国をはじめ各地で設備投資の停滞が懸念されたが、日工会は「目立った影響は見受けられない」とみる。
また、7日に日本から米国への輸出に対する相互関税が従来の10%から15%に引き上げられたが、当初の予想より低率に留まった。日工会では「生産拠点をめぐるユーザーの逡巡(しゅんじゅん)が解消に向かい、長く見送られていた設備投資が進みだすものと期待される」とした。
- 2025年8月26日
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- 2025年8月22日
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OSGは日本とドイツで金型受託コーティング事業を始めた。同事業はこれまでインドなどアジア3カ国で展開してきたが、市場を広げて事業拡大を図る。同社は自社製の切削工具に対するコーティング技術を生かし、他社から請け負う「ジョブコーティング」を中長期の成長事業と位置付ける。もともとは切削工具向けがメーンだったが、今後は金型向けに注力する。2030年11月期にジョブコーティング事業の売上高を現状の2倍に拡大する計画のうち、7―8割を金型向けで伸ばす方針だ。
金型受託コーティング事業は金型表面に物理気相成長(PVD)被膜を施し、長寿命化を図る。日本では新城工場内に約720平方メートルの金型コーティング専用エリアを確保し、PVD炉を2台導入した。子会社のオーエスジーコーティングサービスが事業を担当し、受注を始めた。
プレスや鍛造、ダイカストといった各種金型を対象に、重量70キログラム以下をメーンのターゲットとして需要を取り込む。ドイツではフライブルク市に24年に設立したグループ会社で、新城工場と同程度の規模の体制を敷き、受注を始めた。
金型ジョブコーティング事業はインドで18年に立ち上げた。その後、インドで3カ所に拠点を広げるとともにインドネシア、ベトナムでも始めた。ジョブコーティング市場は切削工具向けが成熟し、成長が鈍化しているとして金型向けを強化する。自動車で超高張力鋼板(超ハイテン)材の採用が増えていることなどを背景に、金型のコーティング需要が伸長しているという。
切削工具メーカーのOSGは長年コーティングを内製してきた。蓄積してきた被膜開発力や海外拠点を生かし、金型ジョブコーティング事業を拡大する。
- 2025年8月22日
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- 2025年8月21日
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サンドビックは、ボディー寿命を延ばしたヘッド交換式ドリル「コロドリルDE10」を発売した。寿命は加工条件により異なるが、競合品に比べ最大2倍に延びた例もあるとしている。ラインアップはドリル径11・0ミリ―17・9ミリメートル。加工深さは3D(ドリル径の3倍)、5D(同5倍)、8D(同8倍)。消費税抜きの価格は3万4700円から。
通常は水平のヘッドとボディーの接する面を傾斜させることで剛性が高まり寿命が延びた。またヘッドの刃先形状を工夫し、1種類で鋼やアルミニウムなど幅広い素材の加工対象物(ワーク)に対応できるようにした。これにより素材ごとのヘッド交換が不要。
今秋には同9・0ミリ―10・9ミリメートルの小径タイプを投入予定。
- 2025年8月21日
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- 2025年8月19日
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ニデックマシンツールは、歯車製造のホブ加工と切削面取り加工を1台で行えるホブ盤を発売した。電気自動車(EV)向けで高まっている高精度歯車の生産性向上や自動化・省人化のニーズに対応するため開発した。消費税抜きの価格は4800万円。年20台の販売を目指す。
発売した「GE25CF=写真」は、ニデックマシンツールのロングセラー機であるホブ盤「GEシリーズ」をベース機として、切削面取り機能を追加した。加工対象物(ワーク)を自動で交換するリングローダーを採用し、ホブ加工と面取り加工を同時に行うことでサイクルタイムを短縮できる。
最大ワーク径250ミリメートルで、ホブ加工の主軸回転速度は最高で毎分2000回転、テーブル回転速度は同200回転。
同社製の専用工具とワークによる同期運動創成加工法を採用し、一般的なカッターの転造によるフレージング加工に比べて歯車の高い面品位を確保できる。
また同加工では難しかった歯底部分の面取りや1ミリメートル以上の面取り幅にも対応できるほか、ホブ工程で発生するバリの除去も可能。
- 2025年8月19日
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- 2025年8月18日
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オーエスジーダイヤモンドツールは、世界でも珍しい、ダイヤモンド切削工具のカタログを発行・公開した。
同工具のカタログというだけでも珍しいが、さらにユニークな点は同工具の認知度が低いという現状を打開すべく、基礎から解説した“教科書”と位置付けたことだ。日本語のほか英語と中国語版も用意し、世界の技術者に向けホームページ上で無料公開。市場開拓につなげる。
カタログ「THE DIAMOND BASICS」は100ページあり、前半を教科書、後半を標準品カタログで構成する。
教科書パートではダイヤ工具の種類や特徴、用途などについて解説。初心者から理解できる内容とした。カタログパートには同社製のドリルやエンドミルといった各種工具の標準品、計28品目を紹介。紙媒体も発行するが、メーンはウェブ公開とする。「年間5件以上出す」という新製品を追加したり教科書内容を更新したり、順次改訂していく。
「ダイヤ工具の啓発をしたい」。神谷社長は、そんな思いを抱き教科書の必要性を感じていた。切削工具は世界的に超硬合金製が主流。それはオーエスジーダイヤモンドツールの親会社であるOSGの主力製品でもある。実は同じ切削工具という業界でありながら、OSG内でも「ダイヤ工具をよく知らない人は多い」というほど知名度が低い。
ダイヤ工具は、その名の通り世界一硬いダイヤを素材とし、長寿命で鏡面仕上げができるほどの精密加工を強みとする。ただ、特にオーエスジーダイヤモンドツールが得意とする単結晶のダイヤ工具は、ほとんどが特注品の世界。職人技で作り、納期が長く高価格。そうした背景もあり市場が広がらなかった。「ダイヤが適する加工にも超硬が使われている」のが現状という。
そこで同社は2023年にレーザー加工を活用して短納期で低コストの単結晶ダイヤ工具の標準品を発売。「世界で初めて」在庫を持ち即納できるようにした。同工具を手軽に試してもらい、新市場開拓につなげたいという思いからだった。そして今回、教科書兼カタログを制作、世界に発信することで認知度向上を図る。
同社が特に販売拡大を狙うのは海外市場。アジアの半導体市場や米国の医療市場などを有望視する。今後5年以内に海外売上比率を、現状の10%程度から30%にまで引き上げる計画だ。神谷社長は「ダイヤ工具の市場は我々も未知な部分が多い。このカタログが市場を開拓してくれる」と期待する。
- 2025年8月18日
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- 2025年8月15日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめた7月の新車販売台数は、前年同月比3・6%減の39万516台となり7カ月ぶりに前年実績を下回った。新型モデルやフルモデルチェンジの車が多く市場投入された前年同時期に比べ、25年は少ないことが主要因。今後の販売について自販連は「物価高に加え、米国政府による自動車関税の影響が国内景気にどう影響してくるかがポイント」と注視する。
登録車は前年同月比4・2%減の25万2196台で7カ月ぶりの減少。このうち乗用車は同4・0%減の22万544台で7カ月ぶりの前年割れとなった。貨物車も同4・8%減で3カ月ぶりの減少。バスは同32・2%減と大幅に減った。
軽自動車は同2・6%減の13万8320台で7カ月ぶりのマイナス。このうち乗用車が同3・0%減の10万5782台、貨物車が同1・3%減の3万2538台で、それぞれ7カ月ぶりに減少した。全軽自協では「24年7月の販売台数がここ数年で比較的高い水準だったため、25年7月はそれを超えるに至らなかったのではないか」と分析する。背が高く、後席のスライドドアを備えた車種が引き続き販売台数をけん引している傾向に変わりはないとしている。
今後の見通しについて全軽自協は「物価高で消費者の財布のひもが固いのが不安要素としてある」とした上で、「6月に量販車種がフルモデルチェンジを行い、7月も一部車種の改良があったことなどによる市場の活性化に期待したい」としている。
- 2025年8月15日
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- 2025年8月14日
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OSGは子会社のOSGグラインドテック(旧エスディ製作所)が建設し、稼働した新工場(同)で生産を始めた超硬エンドミルの月間生産能力を2028年度に現状比3倍の3万本に引き上げる。OSGは建て替え中の大池工場(愛知県豊川市)で超硬エンドミルの大ロット品、グラインドテックで小ロット品とグループ内をまたいで生産分担し、供給体制を強化する方針で、その一環。新工場には増設用の敷地を確保済みで将来の一層の増産にも備える。
OSGグラインドテックの新工場は26億円を投じて建設。敷地面積約2万8000平方メートル、延べ床面積約6400平方メートル。老朽化していた旧工場から移転・拡張した。
1月に稼働し、もともとの主力製品であるネジ転造丸ダイスの生産と切削工具の再研磨事業を開始。その後、OSGから工具研削盤などの設備を移設し、3月に超硬エンドミルの生産を始めた。
今後、研削盤などを段階的に増設し、超硬エンドミルの生産能力を高める。グラインドテックの足元の月間売上高に占める超硬エンドミルの比率は25%程度だが、28年度には50%以上に拡大する見通し。
超硬エンドミルはサイズや用途に応じた種類が多い。OSGは建て替えの第1期工事分が今夏に稼働予定の大池工場を、そのマザー工場と位置付けるが、すべての種類を生産するのは効率が悪い。
そのため2拠点間で分担生産体制を敷く。大池工場はデジタル変革(DX)により自動化・省人化を図り、大ロット品の量産に特化。一方、小ロット品については段取り替えを頻繁に行う転造丸ダイス生産と再研磨事業で経験豊富なグラインドテックが担い、大池工場を補完する。
- 2025年8月14日
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- 2025年8月13日
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ファナックは射出成形機の新機種「ロボショット SCシリーズ」を発売した。型締め力180トンの「S180C」と同350トン機種「S350C」の2機種で、どちらも型開閉動作とエジェクター動作を高速化し、生産性を向上。また金型搭載エリアの拡大により、大きな金型を搭載できるようにした。
食品容器や医療部品は一度に数十個をまとめて成形して生産性を上げるため、金型を大型化する傾向が強く、新商品で対応する。
型を取り付けるダイプレートを支えるタイバーの間隔を広げることで金型搭載エリアを拡大。S180Cで従来機比1割、S350Cで同2割広げた。
型開閉ストロークを拡大し、深さのある成形品や大型の金型に対応できるようにした。製品を取り出す作業のエジェクター動作の速度向上により、サイクルタイムを短縮。成形品や成形条件によるが、S350Cを用いた食品容器の成形では従来比約1割の時間短縮になるという。
また「eco温調機能」により、エネルギーロスを抑えるようにヒーターの温度を調整し、消費電力を低減できる。使用樹脂や成形条件によるが同社の試験片金型では9%の消費電力削減の成果が得られたという。
- 2025年8月13日
