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- 2024年8月16日
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ブラザー工業とロボットエンジニアリングは協業し、ブラザー製の複合加工に対応した5軸の小型マシニングセンター(MC)に産業用ロボットを組み合わせ、容易に加工の自動化ができるパッケージの提供を始めた。
小型MCを製造するブラザーとシステムインテグレーター(SIer)のロボットエンジニアリングが手を組み、少量多品種生産が多い中小製造業者の自動化ニーズを深耕する。
複合加工に対応するブラザー製の5軸小型MC「スピーディオM200Xd1―5AX」に産業用ロボットを組み合わせた「自動化パッケージ RC―7」の販売をロボットエンジニアリングが始めた。
RC―7はMCの側面に配置し、MC側面の扉からワーク(加工対象物)の出し入れをする。ロボットとワークを置くパレットをケースで囲い、設置後もそれを容易に移動させられるようにし、「昼休みの1時間だけ動かしたいとか、夜間に動かしたい」という中小製造業のニーズを満たせるようにした。
RC―7のセット後もMC正面の扉からワークの出し入れなどの作業が可能。ワンタッチ位置決め機構付きのクランプで、簡単に高精度で固定できる。
取り付け後の調整作業は不要で素早い稼働を実現する。また、ワークに合わせてパレットのカスタマイズにも対応する。
ロボットエンジニアリングはユアサ商事のグループ企業。
省人化の希求が高まっている中小企業に向けた自動化提案に注力しており、今回のパッケージ化はその一環となる。
- 2024年8月16日
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- 2024年8月13日
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WALCは、工作機械の稼働データを監視し、主軸や送り軸の故障の予兆を検知するサービス「ウォルクケア」を開発した。
機械に関連キットを取り付けるだけで、専用のクラウド環境を通じて簡単に利用できる。異常の早期発見による効率的な保全を支援し、稼働停止時間(ダウンタイム)の最小化に貢献する。
親会社のDMG森精機のサブスクリプション(定額制)サービスで、ウォルクケアの提供を開始した。専用キットを通じ、モーターの電流値などの稼働データをクラウド環境に収集。人工知能(AI)で学習し、主軸や送り軸の摩耗による不具合の予兆を検知する。
同社の工作機械で試したところ、作業者が異常に気付く5カ月以上前にボールネジのサポートベアリングの不具合を検出し、メンテナンスのコストも削減できたという。
顧客にはウェブアプリケーションで診断結果を定期的にリポートする。DMG森精機の主要工作機械のほか、ファナックや独シーメンスの数値制御(NC)装置を搭載した他社製工作機械でも活用できる。
- 2024年8月13日
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- 2024年8月8日
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ワルタージャパンは、多結晶ダイヤモンド(PCD)工具を中心に、アルミニウムなどの軽金属加工に適した切削工具の販売と、工具選定や適切な加工方法の提案などのサービスも提供する新ブランドを立ち上げた。これを機に、日本市場でのPCD工具の市場展開を本格化する。
新ブランドの「ワルターFMT」では、ミーリングや穴開けなどの数百種類の工具をベースに、顧客の加工状況に適した特注品を提供する。
また、工程設計や切削プロセスの変更、適切な治具の提案なども展開する。これにより、航空宇宙産業や半導体製造装置、電気自動車(EV)などの分野で今後伸長するとみられる軽金属加工の切削需要を深掘りする。
同社はドイツの大手切削工具メーカーで、超硬工具を得意とするワルターの日本法人。ワルターが2022年にポルトガルのPCD工具メーカーのフレジテを買収したことで、PCD工具のラインアップが充実したことから、PCD工具を中核に据えて、同社として五つめとなる新ブランドを立ち上げ、拡販に乗り出す。
- 2024年8月8日
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- 2024年8月7日
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曽根田工業は、数値制御(NC)旋盤に内径加工やボーリング加工用の切削工具を取り付けるスリーブの「EHシリーズ」を発売した。シャンク(柄)が短いスローアウェー式(刃先交換式)ドリルをつかめるように、製品を短くした。サイズは外径が40ミリメートル、内径は各16ミリ、20ミリ、25ミリ、32ミリメートルの4種類。
工具の取り付け時にはスリーブ側面の貫通穴を使い、刃物台にツーリングを固定する部品「ブロック」のネジで直接締め付ける。国内外のメーカーのNC旋盤で使用できる。
EHシリーズは、刃先に直接切削油を送る内部給油が必要なスローアウェー式ドリルに適したスリーブがほしいという顧客の声に応えて開発した。
商品は在庫しているため、即納が可能。同シリーズ以外に200種類以上のスリーブのラインアップを用意している。
- 2024年8月7日
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- 2024年8月6日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめた7月の新車販売台数は、前年同月比6・9%増の40万5174台で7カ月ぶりに前年同月を上回った。ダイハツ工業は認証不正問題の該当車種の生産・出荷再開が進み、同31・4%増の4万2046台と10カ月ぶりにプラスに転じた。
登録車は同3・9%増の26万3194台だった。このうち乗用車は同3・6%増の22万9683台で、ダイハツのほかホンダ、SUBARU(スバル)、三菱自動車、日産自動車、スズキが前年同月を上回った。ホンダは「フリード」「WR―V」などの新車効果もあり同51・9%増と大幅なプラスとなった。
貨物車は同5・2%増の3万2583台。いすゞ自動車が同14・7%増、日野自動車が同8・4%増、UDトラックスが同17・5%増だった。バスは同49・7%増の928台と大幅増となった。
今後の登録車の需要について、自販連は「トヨタ自動車の認証不正により、どのくらい影響が及ぶのか先行きが不透明」とみる。
軽自動車は同12・9%増の14万1980台となった。メーカー別ではスズキ、ダイハツ、三菱自、スバル、日産、トヨタの6社が前年同月を上回った。
2023年11月にフルモデルチェンジしたスズキの「スペーシア」や、6月にマイナーチェンジした日産の「ルークス」、三菱自の「デリカミニ」が前年比で大きく伸長。ダイハツの「タント」「タフト」もけん引した。
全軽自協は先行きについて「ダイハツの生産再開で今後も伸びが期待されるが、市場をけん引する新型車効果が一巡することもあり、判断しにくい状況」としている。
- 2024年8月6日
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- 2024年8月5日
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ユーエフツールは、切削時の振れを抑え、高い穴位置精度と高硬度材に使用しても優れた耐欠損性を持つドリル「ペンタゴン」を発売した。
トヨタ自動車が保有する特許技術で、ドリル先端の中心にある鈍角部分のチゼルエッジを平面に近い五角錐に成形する「五角錐チゼル」によって実現した。消費税抜き価格はオイルホールがある3Dタイプのパイロットドリルで6500―3万1000円程度。初年度に3000万円の売り上げを目指す。
一般的なチゼルエッジの先端角が140度ほどなのに対し、ペンタゴンの五角錐チゼルの先端角は170度ほどで平面に近い。これにより先端部の長さが短くなって、加工対象物(ワーク)への食いつきが良くなる。そのため振れは少なくなり、加工と穴位置精度の安定性が高まる。
テストでは金型鋼を5回加工した際の穴位置は、他社製が中心点から直径0・013ミリ―0・06ミリメートルずれていたのに対し、ペンタゴンは5回とも直径0・013ミリメートル以内のずれにとどまった。また刃先の動きが抑制されることで、欠損しにくくなる効果もあるという。
五角錐チゼルはトヨタが自社の生産活動のために開発し、特許を取得。ユーエフツールがその技術に着目し、トヨタから特許の利用許諾を得て製品化した。
既に自動車分野で販売実績があり、今後、顧客の裾野を広げていく考え。また11月5日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕する日本国際工作機械見本市(JIMTOF)に出展する予定だ。
- 2024年8月5日
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- 2024年8月2日
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日本工作機械工業会(日工会)が発表した6月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比9・7%増の1338億1600万円と、2カ月連続で増加した。
補助金効果などが見られた中国を中心に、アジアが同41・1%増と18カ月ぶりに450億円を超え、全体を押し上げた。地域や業種で状況に差はあるが、「本格的な増加局面に向け、月を追うごとに地合いが整いつつある」と述べた。
地域別の受注額は、中国が同66・0%増と3カ月連続で増加し、15カ月ぶりに300億円を超えた。業種別では、裾野が広い一般機械向けが同67・2%増の133億円、自動車向けが同38・4%増の87億円、電気・精密向けが同50・8%増の53億円だった。
日工会では中国政府による設備更新や消費財の買い替え促進策の効果が大きく、自動車関連の継続的な投資や、次世代スマートフォン関連の投資の増加も寄与していると推察。稲葉会長は「いずれも当面好調が続く」との見方を示した。
インドは同16・4%増と8カ月連続で40億円を超え、タイは同44・2%増と10カ月ぶりに25億円を上回った。稲葉会長は中国以外のアジアは「中国との連動、または自立的な動きで受注が上向くと見ている」とした。
内需は同0・1%減と22カ月連続で減少したが、3カ月ぶりに400億円を超えた。完成車でまとまった受注があった自動車向けが3カ月ぶりに90億円を超えたほか、半導体製造装置や金型向けなどで幅広く受注した。
1―6月期の受注総額は前年同期比3・7%減の7400億6600万円だった。うち中国は同3・4%増と急回復し、停滞感が続く他の主要市場を補った。受注総額は2023年下期(23年7―12月期)と比べると3・1%増加した。
日工会は24年の工作機械の年間受注額を前年比0・9%増の1兆5000億円と予想している。
稲葉会長は6月までの受注状況について「決して悪いとは考えてない。1兆5000億円は何とか頑張りたい」との考えを示した。
- 2024年8月2日
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- 2024年7月29日
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入野機工は、過去に販売した内面研削盤を引き取って最新機種にリマニュファクチャリング(再生)する事業を始めた。
古い機械に使われていた鋳造部品などを再利用しながら、デジタル技術で研磨を効率化する新機能を追加した最新機種に作り直して販売する。精度も新機同様に調整する。新機よりも安価に供給して長年のユーザーのニーズに応える。原材料価格が高騰する中、資源の有効活用にも結びつける。
新事業は修理サービスとは異なり、古い機械を分解して主要部品を再利用し、組み立て直した機械を「再製造機」と位置付けて販売するもの。
再製造機ではベッドなどの鋳物部品を再利用し、ハンドルなどの金属部品も状態によって再利用の対象とする。一方、電装系の部品はすべて新品に取り換える。その上でセンサーやタッチパネルなど新機能関連の部品やユニットを追加し、新機同様に組み立て、精度を調整して販売する。
入野機工は創業70年以上の内面研削盤メーカーである旧山田工機(横須賀市)の事業を継承して2020年に設立。24年に山田工機製の汎用内面研削盤「YIGシリーズ」を改良し、汎用機ながら数値制御(NC)機相当の機能を持つハイブリッド精密内面研削盤「IIG-20H」(ベースモデルの消費税抜き価格は2200万円)を投入した。今後、YIGシリーズのユーザーから機械を引き取り、IIG-20Hに再生する取り組みを推進する。
ユーザーは新機よりも安価に購入でき、修理に比べて設備投資関連の補助金を活用しやすい利点もある。再製造機は既存のユーザー以外も購入できる。
- 2024年7月29日
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- 2024年7月26日
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ファナックがロボットや周辺機器をはじめとする機械単体の性能追求から、人の働きやすさや工場全体の最適化までを踏まえた提案を進めている。最新のコンピューター数値制御(CNC)装置の設計を一から見直し、工作機械自体の設計段階から効率化できるように機能を見直した。ロボットの可動領域を広げる走行軸は、汎用化することで機能性を向上。人手不足で自動化が避けられない中、顧客目線でより使いやすさを重視した設計にこだわる。
ファナックはこのほど、工作機械を動かすための頭脳となるCNCを一新した。加工物の変化やエネルギー効率向上といった環境対応に加え、人手不足など工作機械市場からの要望は複雑化している。最新のCNC「シリーズ500i―A」は、直行軸と回転軸という既存の工作機械構成にとらわれずに、工作機械の軸構成を自由に定義できる。
そのため省人化や高精度化を推進する同時5軸加工機や、工程集約につながる複合加工機の設計が簡単になる。またIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)、デジタル技術などを組み合わせることで、加工工程から工場全体の最適化までを考慮した。
また走行軸ではモジュール設計を採用。1―20メートルの範囲で0・5メートル刻みで調整できる。安部健一郎常務執行役員は「5メートルくらいまでのニーズが多いため、1―20メートルあればおおむねカバーできる」と語る。走行軸モジュールと延長モジュールを各3種用意し、汎用商品化した。従来溶接品だった走行軸ベースとスライダーを鋳物に置き換えることで剛性を高め、脚数を削減。設置幅を従来比約30%減に幅狭化し、輸送コンテナにも2列積載が可能になるなど輸送コスト削減も見込める。
従来はロボット周辺機器として顧客や用途に合わせて設計、販売してきたが、今回の汎用化はファナックにとってもメリットが大きい。鋳物化で大量に生産できるためだ。安部常務執行役員は「需要は増えており生産効率やコスト削減にもつながる」と語る。
ロボットの性能追求にも余念がない。幅広い産業分野で大型・重量物の搬送に活用できるパレタイジングロボットでは、可搬重量800キログラムの機種を開発した。駆動系の効率向上やアームの軽量化といった機能性だけでなく、工場で働く人のモチベーションが高まるようなデザインも追求。「動けば良いという考え方から、美しさや格好良さなどモチベーションが高まるデザインを心がけている」。
自動化ニーズは世界で高まる一方だ。人の働きやすさや工場全体の最適化までをとらえた生産性向上や現場の効率化が重視されている。
- 2024年7月26日
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- 2024年7月23日
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工作機械業界で再生可能エネルギー活用の動きが加速している。ソディックや牧野フライス製作所は太陽光発電設備の導入を拡大し、DMG森精機はバイオマス発電関連設備の稼働を拡充。アマダは全電力を再生エネで賄うことを目指す国際的な企業連合「RE100」に加盟した。各社は多様な手法で持続可能な事業基盤を構築し、環境負荷低減に貢献する。
太陽光発電ではソディックが加賀事業所の食品機械の新工場で、発電容量444キロワットの設備を5月中に稼働する。これまで導入してきた設備を含め同事業所で年間約250万キロワット時の発電量を確保し、同約1096トンの二酸化炭素(CO2)排出削減効果を見込む。同社は静岡や宮城県の営業拠点などでも太陽光発電設備を稼働しており、「海外拠点でも導入を拡充していく」としている。
牧野フライス製作所は2024年度に富士勝山事業所で太陽光発電設備の追加導入を計画し、国内の発電容量を計約3500キロワットに拡大する。海外では中国で25年度までに太陽光発電設備の発電容量を5000キロワット以上に引き上げるほか、ベトナムで25年に同1000キロワットの太陽光発電設備の稼働も予定する。
木質チップを燃料とするバイオマス発電を活用するのがDMG森精機。伊賀事業所に木質バイオマスガス化熱電併給設備を導入し、塗装工場の動力などに使う電力の約25%を賄うほか、洗浄液の温度管理や燃料チップの乾燥に温水を使用する。
このほど同設備のガス化炉でメンテナンスフリーで連続稼働できる時間を拡大し、年間稼働率を従来の65%から80%以上に高めた。同社は伊賀や奈良の事業所で太陽光発電設備の大規模導入も進めており、25年までに各事業所で年間電力需要量の約30%を賄う計画。
アマダは国内の工作機械メーカーで初めてRE100に加盟し、国内外でCO2排出量削減の取り組みを加速している。国内では伊勢原事業所など主要拠点を中心に太陽光発電設備の導入を広げ、化石燃料由来でないことを示す「非化石証明」付きの電力への切り替えなどで22年度に全使用電力の再生エネ化を達成した。
25年度までの3カ年中期経営計画では国内外の環境活動に約100億円を投じ、「事業所と製造の環境対策や製造効率の改善などを進める」方針だ。
- 2024年7月23日
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- 2024年7月22日
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トクピ製作所は、工作機械向けの高圧クーラントシステムで異常や故障を予知して通知する予防保全サービスを2024年内にも始める。通常と異なる稼働状況のデータを検知した場合にネットワーク経由でアラーム通知するため、必要に応じて現場での点検やメンテナンスの対応が可能となる。価格は未定だが、同システムのオプションとして提供する方針。工作機械メーカーや金属加工業者に売り込む。
トクピ製作所はクーラントシステムに用いるポンプも手がける。ポンプメーカーで同様のサービスを提供するのは珍しいという。
新サービスは、クーラント装置にある高圧ポンプの過負荷やクーラントタンクの液面、加工後の切りくずなどが溜まるダーティータンクからクーラント装置に送るポンプの圧力などを監視。異常データが発生した際に通知する。
データ内容によって考えられるトラブルや異常をチェックし、部品やフィルターの交換などを行うことで生産ラインの設備故障による停止を防ぐ。
同社はユーザーに予備のポンプを配置するケースが多い。講習でユーザー自身がポンプ交換できるようにしているほか、ポンプの部品もユニット化しているため交換しやすい。オーバーホールなどが必要な場合は同社に送ってもらうが、ユーザーの手元に予備品を置き、自前で交換できる体制により、ユーザーにとっては工場の稼働への影響を抑制できる利点がある。
新サービスも含めて、保守の負荷軽減や稼働率向上につながるIoT(モノのインターネット)ツールによる高付加価値化で市場を深耕する。
- 2024年7月22日
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- 2024年7月19日
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オークマは可児工場内に、同社全体の物流拠点となる「オークマPDC」をグループ企業の日本精機商会と共同で建設する。調達物流の効率化や収益力向上につなげるとともに、物流現場の労働力不足に対応する。2025年8月に竣工予定。総工費は29億円で日本精機商会が負担する。
新施設は延べ床面積が1万4000平方メートルの2階建て。現在はレンタルの施設を使って分散している倉庫、物流の機能を集約して配送効率を高め、物流費用とサプライチェーン(供給網)からの二酸化炭素(CO2)排出量の削減を図る。
施設内には物流ロボットを導入し、作業を自動化することで30%の省人化を狙う。またユニット組み立て機能を持たせて、生産のリードタイムでも10%短縮の効果を見込む。
オークマの家城淳社長は、物流効率化が「生産性と付加価値、収益性の向上への貢献度が高い」と説明した上で、新拠点について「相当な利益を生む」と見込む。
- 2024年7月19日
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- 2024年7月18日
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OSGは自社の生産管理システムなどを外販するITシステム分野に参入した。完全子会社のドットアクトを設立しており、製造実行システム(MES)やIoT(モノのインターネット)によるデータ収集システムなど製造業向けITシステムの設計・販売を展開する。生産活動を通して作り上げたシステムの特徴や機能性を訴求し、モノづくりの領域を開拓する。
OSGがこれまでの生産活動を通して作り上げたシステムを基に、ドットアクトが顧客の要望と状況に応じてカスタマイズする。図面の管理や、工作機械の稼働状況の見える化などができるシステムを構築して提供する。国内の切削工具メーカーがこうしたシステムの外販をするのは珍しいという。
このほかドットアクトはIT関連人材の育成サービスも手がける。当面はOSGグループ会社にサービスを提供しつつ、グループ外の顧客も獲得する方針だ。
ドットアクトはITを通してOSGとグループ会社、顧客との間の接点となる「出島のような立ち位置を目指して」設立した。社長と社員の計7人はすべてOSGからの転籍者で、5年目に最低1件のグループ外からの受注と5億円の売り上げを目指す。
社員全員がOSG出身のため「製造業の知見があり、他のシステム会社に比べて製造業の顧客の課題を深く理解して提案ができる」という。また、世界に展開しているOSGグループ会社の工場で、製作したシステムのテスト動作が可能なことも強みとしている。
- 2024年7月18日
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- 2024年7月16日
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日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した2024年上期(1―6月)の車名別新車販売は、ホンダの軽自動車「N―BOX」が3年連続の首位となった。前年同期比10・3%減となったものの唯一の10万台超えで首位の座を守った。2位はトヨタ自動車の「カローラ」。登録車だけに限るとカローラは07年上期以来17年ぶりの首位となった。
N―BOXは23年10月に全面改良した。24年5月にスズキの軽「スペーシア」に首位を譲ったものの、上期全体では安定した人気を誇り、6月単月でも首位を奪還した。ただ、上期は能登半島地震による減産の影響に加えて、全面改良で価格が上昇したことも販売面に影響し前年同期比で減少したもようだ。
2位のカローラは「カローラ」「カローラツーリング」「カローラスポーツ」を一部改良した効果があった。一方、トヨタの小型車「ヤリス」は前年同期の2位から4位に後退。認証不正問題で6月から「ヤリスクロス」を出荷停止したことも要因とみられる。
3位のスペーシアは23年11月の全面改良が奏功した。スペーシアに加え、7位の「ハスラー」、9位の「ワゴンR」など軽の上位はスズキが占めた。競合するダイハツ工業が認証不正問題で販売減となったことに加え、半導体不足で抱えていた受注残が解消したことが寄与し、多くの車種でプラスとなった。
ダイハツの軽「タント」は25位。6月単月では前月比93・3%増で1万台超となり5位に入った。同社の生産・出荷再開は商用車に比べ乗用車が遅れていたが、足元で市場への供給が正常化に向かい、販売も上向いてきた。
- 2024年7月16日
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- 2024年7月12日
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住友電気工業は切削工具「高能率粗加工用高送りカッタ SEC―スミデュアルミルDMSL型/DMSW型」に、刃径35ミリ―100ミリメートルの25型番を追加し、6月に発売する。多様な刃径をそろえ、自動車や航空機、産業機械、金型などの加工で強まる高能率化ニーズを取り込む。消費税抜きの価格は個別設定する。
DMSL型/DMSW型は送りの高速さや加工の安定した長い突出し、良質な加工面が特徴。DMSL型の刃径は16ミリメートルが最大だった。新型番の追加により同35ミリ―100ミリメートルまで加工領域を広げ、高能率化によるコスト低減や低炭素化を支援する。既存のDMSL型/DMSW型と合わせ初年度に1億円、2年後に2億5000万円の販売を見込む。
- 2024年7月12日